1週間の入院で$140K(1,800万円)超!アメリカの病院について知っておくべきこと

アメリカは医療費がとても高いので、日本と比べると入院はできるだけしない方向、しても短期間の傾向があります。私はこれまで何度か自分自身や家族の病気やケガを経験しましたが、骨折ぐらいなら日帰り手術です。日本だと最低2週間の入院期間と言われている内臓系の開腹術でも、アメリカでは入院期間は3日程度。

つい先日、夫が入院を経験したので、その時のエピソードも含め、アメリカの入院事情を分かりやすくまとめてみました。

目次

  1. 入院に至るまでのプロセスは本当に長い
  2. チェックインは手術の直前
  3. 入院期間は短い!
  4. 病院食はどう?
  5. 退院はある日突然訪れる
  6. 支払は基本的に後払い

1.入院に至るまでのプロセスは本当に長い

何度か経験している入院までのプロセスの中で、何度経験してもややこしいのが、入院までに至るプロセスです。

かかりつけ医からスタート

woman in white coat wearing white face mask

緊急事態で救急車で運ばれたという場合を除いて、多くの場合には体調が悪くなると最初に足を運ぶのは、Primary Doctorと呼ばれているかかりつけ医です。医師のオフィスは病院以外のロケーションにあり、イメージとしては「街にあるクリニック」です。

そこでアポを取って相談すると、「じゃあ血液検査しましょう」「CTも取りましょう」「専門医を紹介しましょう」など、いろいろなWork Orderと呼ばれる紙をもらうことができます。

例えば、足を骨折した場合には、日本なら内科に行かずに、そのままイエローページなどで調べて整形外科へ直行しますよね?もしくは、大きな病院に行く人が大半だと思います。

しかしアメリカの場合、加入している健康保険によっては、最初のかかりつけ医からの紹介でなければ「健康保険を適用しません」という判断をすることもあるのだとか。そのため、明らかに「内科に行っても意味がない」と感じながらも、健康保険を使うためにまずはかかりつけ医を受診して、そこから整形外科を紹介してもらうというプロセスになる人もいます。

先日夫が入院した時には、かかりつけの医師に相談し、専門医へアポを入れてくれました。しかしそのアポ、なんと半年も先。6か月です。ドクターが忙しいから、という理由でしたが、緊急性のある病気だったら、たぶん、死んでますね。

検査はそれぞれ別の施設へ

two test tubes

かかりつけ医から紹介された専門医の元へ行くと、こちらも街のクリニック風のオフィスです。検査機器がほぼゼロ、が多いです。問診を受けてから、「この検査をしましょう」というさらなるWork Orderを受け取ります。

あれ?かかりつけ医からもWork Orderもらいましたが?と思いませんか?かかりつけ医から受け取るWork Orderは、大抵は専門医を受診する前に済ませておきましょうというWork Orderです。血液検査が多いですが、場合によってはMRI、CTスキャン、超音波検査などもあります。

つまり、かかりつけ医→検査をする→結果を持って専門医、という順番です。

最初から専門医を受診すると、専門医→検査をする→もう一度専門医、となります。ただし整形外科などは、オフィス内にレントゲンを導入している所が多いので、初診で診断してもらえますし、治療もスタートできます。

専門医が出してくれるWork Orderは、「抗生物質を1週間飲んでみて、炎症が引いたかどうかを確認するために、もう一回CTを取りましょう」的なものです。

一つの施設でこれらの検査がすべてワンストップでできるなら楽ですし、医療費が安ければ、さらに良いと思います。しかしアメリカでは多くの場合、血液検査は専門施設へ、CTは別の施設へ、と異なるアポを複数取らなければいけません。正直、とっても面倒です。医療費も、その度にかかります。

我が家の場合、医者に行くたびに発生するCo-Payと呼ばれる自己負担は、30ドルから40ドル程度(3,000円~4,000円)です。医者の顔を見れば、話をするだけでもこの料金が自動的にかかります。検査については、健康保険がほぼ全額をカバーしてくれるので自己負担はありませんでしたが、保険によっては検査のたびに費用は発生するでしょう。

アメリカの高額医療費についてはこちらから

入院が決定、そこからは超多忙

アメリカの病院では、「とりあえず入院して様子観察しましょう」ということは、あまりありません。だって、医療費が信じられないぐらい高額なので、病院で寝ているだけなら自宅ででもできますよね、というスタンスなのです。

入院患者の多くは、手術を受けて、術後の様態がとりあえず落ち着くまで入院している患者さんばかりです。

医師が入院しましょうと決めると、その場で手術日が決定されます。ただしこの時、日程は決定されますが、手術の時間や入院するべき日時などは、この時点ではまだ決まりません。それについては、医師のクリニックではなくて、入院する病院のスタッフから、後日連絡が入ることが多いです。

そこから入院までの期間は、2週間~1ヶ月ぐらいが一般的でしょうか、とても忙しくなります。病院側では、手術に備えての血液検査(輸血に備えるなど、準備があるのだそうです)、入院に備えての連絡や持ち物、入院費がいくらになるかと言った見積もりを出してくれます。

同時に、専門医のクリニックからも、どんな手術をするという説明を受けたり、同意書にサインをしたり、何回か足を運んで検査を受けることになります。ワンストップではなく、医師からの連絡、そして入院施設からの連絡は別々です。

2.チェックインは手術の直前

数か月前に夫は大腸系の疾患で、手術を受けました。大腸憩室症という病気で、簡単に説明すると腸壁に複数のポケットができ、そこに食べ物が詰まったりして炎症が起こるという病気ですね。どうやら慢性化していたらしく、開腹して大腸切除術、場合によっては人工肛門の可能性もアリ、と事前に説明を受けました。

大腸の手術では、当然ですが術前には腸をできるだけ空っぽにして綺麗な状態にする必要があります。アメリカでは、浣腸したりバリウムを飲む作業は、全て自宅で前日に行うように指示されます。

大腸検査(Colonoscopy)の際には、処方箋の薬を使って腸を綺麗にしたのですが、手術の時には市販の薬を指定されました。それを、何時にどのぐらい飲むように、という細かい指示を受けました。手術前日には、夫はほぼ1日をトイレで過ごしてました😭

病院へ入院するのは、手術を受ける2時間前です。しかも、術前に病室に行くことはなく、手術の後初めて病室へ案内されるという仕組みとなっています。夫が手術を受けた際にも、手術開始の2時間前にチェックインで、待合室へ直行しました。

待合室のボード。患者ごとに番号があり、待っている家族に手術状況を教えてくれます。

術後、患者の目が覚めたら医師はチェックアウト

基本的に、手術の後、患者の目が覚めた時点で、医師はその病院をチェックアウトします。管理は病院付きの看護師が引き継ぎます。

3.入院期間は短い!

アメリカの入院期間は、上記の通り、日本と比べると驚くほど短期間です。例えば出産の場合、自然分娩なら出産した翌日に退院は珍しくありませんし、帝王切開でも3日程度しか入院しません。

開腹手術を受けた夫も、入院期間は当初3日~4日の予定でした。ただ夫の場合、術後の経過がイマイチで高熱を出したため、入院期間は容赦なく延長、しかしそれでも、術後7日目に退院しました。

入院生活自体は、日本と大きく変わらないと思います。多くの場合、病室は2人部屋となっていて、トイレは各病室についています。夫が入院していた病院では、病床ごとにテレビがあり、ボリューム小さめで皆さん好きなテレビ番組を見ていました。そして、病室にWiFiもあるので、スマホと充電ケーブルがあれば、YouTubeなどを見ることもできましたね。

4.病院食はどう?

私がアメリカの病院で驚いたことの一つに、病院食があります。日本の病院食と比べると、量も質もかなりヘビーです。私が以前、婦人科系の疾患で開腹手術をした時には、麻酔から覚めたばかりで気分がすぐれないのに、巨大なチキンのもも肉骨付き、その上にヘビーなクリームソースがかかっているもの、ドリンクは炭酸のコーラが食事でした。

夫の場合、大腸切除をしたため、最初の2日間は液体でした。これは想定内です。どんな液体かというと、チキンブロスやビーフブロス、要は「だし」ですね。それと、リンゴジュースとかグレープジュースもいただけました。

術後3日目にいきなり登場した普通の朝食
術後3日目のランチ

液体食が最初の2日、その次は柔らかめの流動食が来るだろうと思いますよね?しかし驚いたことに、3日目にはいきなり、普通食が出てきました!本当に食べても良いのか、患者である夫の方が不安になったほどです。ちなみに、その日の夕食メニューは、ローストビーフにクリームソースがかかったもの。ビーフリブなんかも選べたそうです。

術後4日目のディナーはフルーツサラダをチョイス。あっさり美味、しかし血糖値が爆上がりしました。

そうした病院食と合わせて飲むのは、なんと炭酸飲料。コーヒーや牛乳も、問題なくOKと言われました。日本ではNGなのですが。

5.退院はある日突然訪れる

日本の病院では、退院する時には最低でも前日には教えてもらえると思います。入院している患者さんおよび家族が前日に分れば、心の準備もできますし、迎えの手配もできますよね。

しかし夫の場合には、朝9時ごろに夫から私に電話があって、「今から退院するから迎えに来て」というのです。今から、です。もちろん行きましたけれども。

病院から私への連絡は、ありませんでした。もしかしたら、夫が「自分で連絡できます」と言ったからかもしれませんが、今から迎えに来いというので行ったところ、車いすに乗せられた夫が搬出されてきました。

6.支払は基本的に後払い

医療費の支払いは、基本的に帰宅してから自宅へ郵送で請求書が届きます。日本のように、退院前に窓口へ行って支払いを済ませることはありません。

今回の夫の入院では、病院から↓のような請求書を受け取りました。保険がなかった場合のお値段、ざっと$140K (1400万円)也。驚愕な金額です。

我が家に届いた保険会社からのEOB

画像は保険会社から届いたEOBです。退院後、病院が保険会社へ保険の請求をし、保険会社が金額を調整した額を払います。その際に、患者の自己負担額も計算されるので、病院はそこに明記されている患者自己負担額を、私達へ請求するという流れです。

支払いはすべてクレジットカードに対応しているので、チェックを郵送しても良いですけれど、カード払いが便利だと思います。

もし払えない場合には、分割払いなどいくつかの選択肢があります。

今回の入院では、病院の施設利用料だけは後払いではなく前払いで、「手術を受ける前までに払ってください」と言われました。これは、もしかしたら踏み倒しを予防するための病院の対策なのか、それとも夫が入院した病院だけの独自ルールなのでしょうか。金額的には、この自己負担額全額ではなく、病院に1泊した時のCo-Payのみでした。このあたりは、病院ごとに対応は違います。

アメリカの医療保険についてはこちらから

ちなみに自己負担額は、どの健康保険に加入しているかによって、大きく変わります。我が家では、HMOプランという自己負担額が少ないプランに加入しているので、7日間の入院でも合計1,500ドル程度でした。しかし20年ほど前に加入していた健康保険はPPOプランで、当時私が手術+3日間の入院をした時には、請求書は3,000ドルでした。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。