クレジットカードのDisputeは、不正なカード使用から私たち消費者を守ってくれる便利な制度です。日本ではチャージバックと呼ばれていますが、基本的には同じことです。今回は、Disputeについて意外と知らない裏側をご紹介しますね。
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アメリカに住んでいる人なら、誰でも1度や2度は経験したことがあるDispute。私もこれまで、何度も経験があります。多くの場合には、カードを紛失していないのに、どこかから情報が漏洩して不正チャージがあり、それを「私じゃありません!」とDisputeするというものですね。
このタイプのDisputeなら、その後トラブルに巻き込まれたり、生活の中で不便を感じることはありません。大半は、カード会社に連絡すればその場で返金対応してもらえます。
しかしDisputeにはもっとほかにも理由があります。「使ったのは自分だけれど異議を唱えたい」場合です。例えば
- 返品して返金されたはずなのに、クレジットカードに反映されていない
- チャージされないと言われたのにチャージされてる
- 使っていないサービスが追加でチャージされてた
など、色々あります。
1.Disputeのメカニズム
Disputeは、
- ユーザがカード会社にDipute。正当性を証明する証拠を提出。
- カード会社がレビューして認められたら、VisaやMasterのネットワークへ行く。
- そこから業者へDisputeの連絡。
- もしも業者が反論する場合には、業者が書面であちらの正当性を主張する証拠を提出。
- カード会社がレビューをして、最終的に判断する。
という順序になります。ユーザーが明確な証拠を最初に提出できれば、それほど難航することなく、すんなりと返金してもらえます。しかし、口頭での約束だけだったり、主張に無理があると、当然ですが業者側から反論されます。
2.旅行関連のDisputeには注意しよう

後から問題が起こりやすいのは、商品ではなくサービスに関するDisputeです。特に航空チケットやホテルでの宿泊、レンタカーなどはDisputeの定番らしく、クレジットカード会社も消費者も、そしてサービスを提供する会社も頭を抱えているようです。
航空券のDisputeはメールを保存していたかどうかで勝負が決まる
航空券のDisputeには、
- キャンセルしたのにチャージされた
- 返金されると言われたのにクレジットされてない
などが多いです。クレジットカード会社にDisputeを申請することはできても、自分の正当性を証拠として提出できなければ、残念ながら返金してもらうことは難しいのが、航空券のDisputeの特徴です。
例えば、キャンセルしたのにチャージされた場合、航空券のチケットを購入したときに受け取ったConfirmation Emailを見てみましょう。キャンセルポリシーはありますか?もしもそこに、「キャンセルしても返金しません」というポリシーが明記されていたら、残念ながらDisputeしても航空会社から反撃されてゲームオーバーです。
返金されると言われたのにクレジットされていない場合には、「返金します」と書かれたメールがあれば、問題なくDisputeで問題を解決できます。ただし、口頭で言われただけだと、「航空会社が返金すると約束した事実」を証明できないので、場合によってはDisputeしても徒労の苦かもしれません。
ホテルのDispute は意外と多い



ホテルのDisputeは、私がつい先日経験しました。私の場合には、予定よりも数日早くチェックアウトし、ホテル側から受け取ったレシートにも「300ドル返金です」と明記されていたのにクレジットカードへのクレジットがなかったというものでした。これは、ホテル側から明確に「返金します」という旨がかかれたレシートがあるので、実際に返金しなかったホテルに落ち度があることになり、私のDisputeは勝利でした。
しかし中には、
- タバコを吸っていないのにスモーキング清掃代を徴収された
- 物品の破損やミニバーのドリンクを飲んだなど、追加チャージされている
- 時間通りにチェックアウトしたにもかかわらず、Late Feeがチャージされた
などがあります。この場合にも、両者ともに書面で正当性を証明しなければいけません。
レンタカーは要注意



レンタカーのDisputeは、旅行業界の中でも注意が必要です。それは、ブラックリストに簡単に載せられてしまうから。どんなDisputeがあるかというと、
- ガソリン代が後から請求されていた
- 傷があったとして後日チャージされていた
などがあるようですが、中には客側に悪質なケースが多いのもまた、レンタカーのDisputeの特徴なのだそうです。例えば
- 車が気に入らなかった(だけど利用した)
- 高すぎると思った(だけど利用した)
- シンプルに払いたくない(悪質)
なども多いらしく、カード会社にいろいろな理由をつけてDisputeするのだそうです。もちろん、レンタカー業者は反撃するわけですが、予約をした時に書面で詳細を説明していなかったなどの理由でDisputeが通ることもあるらしく、その場合には激怒したレンタカー業者はその人をブラックリストに載せ、「永久にこいつには貸さない」という意思表示をすることが多いのだとか。
3.結論
クレジットカードの不正チャージやいわれのないチャージに対しては、断固として戦うべきだと思います。しかし、サービスが気に入らなかったから払わないとか、当たり屋的な理由でのDisputeは、あとから大きなしっぺ返しがきます!
悪徳なDisputeをすると、業者から法的に訴えられる可能性はありますし、実際に訴えられて損害賠償を払う羽目になった人もいるようです。
もしも旅行に行った時に返金してもらえることになった場合には、必ず返金のレシートを保管しておきましょう。それがなければ、返金すると言ってしない業者に対して、対抗する手段がありません。レシートをしばらく保管しておくことは、実はとても大切です。