アメリカでは医療が専門分野ごとに細かく分かれています。歯医者も例外ではなく、虫歯の治療をしてくれる歯医者に行っても、親知らずを抜いてもらうことはできません。
ここでは、息子が親知らずを抜いたエピソードをご紹介します。
目次
1.親知らずはいつ抜く?
私が自分の親知らずを抜いたのは、大人になってすでに親知らずが歯並びをガタガタにした後でした。はい。最悪です。当時はネットなどありませんでしたから、情報収集はできませんでしたし、私の親は
「親知らずなんてものが生えるのは、お前が親の言うことを聞かないからだ!」
と意味不明な説を語る宇宙人でした。なので結局、大人になってから親知らずを抜いた後に矯正などもして、かなりの出費になってしまいました。
歯並びがとても大切なアメリカでは、子供たちはかなり早い段階で親知らずを抜きます。私の息子も例外ではありませんでした。息子は小さい頃からなぜか歯並びがすごくよく、私は自分自身の経験もあったので、歯並びがクソ親知らずのせいでガタガタにされる前にさっさと抜いてしまおうと、ずっと思っていました。
親知らずの根っこが生えるのを待ち伏せ

息子は半年ごとに歯医者へクリーニングに行っており、私は彼がミドルスクールに入ったころから、このクリーニングに行くたびに「親知らずはどうですか?生えてませんか?」としつこくドクターに聞きました。
ドクター曰く、親知らずはある日突然現れるものではなく、まず歯の根っこが出没するのだそうです。この根っこができてから歯茎の上に出てくるので、根っこが完成すればいつでも抜ける、とのことでした。
半年ごとに「親知らずの根っこはどこですか?まだ生えてませんか?」という攻撃を繰り返し、そのたびにドクターは「うーん、まだです」の繰り返し。この問答をリピートしながら、息子が9年生の時、ようやく「そろそろ抜けると思う」とドクターからOrthodontistへの紹介状をゲットしました。
2.どこで抜いてくれるの?
アメリカで親知らずを抜く場合、一般のGeneral Practice的な歯医者では対応できません。そのため、Orthodontist(オーソドンティスト)と呼ばれる専門医のクリニックへ行きます。
おそらく紹介状がなくても行けるのかもしれませんけれど、多くはかかりつけの歯医者から紹介状をもらって来院している人ばかりでした。
歯医者が専門医を紹介してくれる場合、自分が加入している保険が適用されるかどうかを確認してから紹介してくれることもあれば、患者の健康保険の適用有無に関係なく、その歯医者が提携している専門医を紹介してくれることもあります。
息子が通っていた歯医者はとても親切で、健康保険が適用される専門医をいくつかピックアップしてくれました。その中からおすすめの医者を聞いて、そこへアポを取りました。
3.基本は全身麻酔で一気に4本
Orthodontistでは、初回にカウンセリングを行い、レントゲンをチェックしてから当日の注意事項などを聞き、施術日の予約を取ります。この時、費用がいくらになるかも聞いて、施術日に支払うという流れでした。
カウンセリングの時には、施術後に飲む抗生物質や化膿止めみたいなお薬の処方箋もすべてもらえます。それを事前にそろえておけば、施術の後はすぐ帰宅できて効率的というわけですね。
息子はハイスクールでまだ車の免許を持っていなかったので、当然ですが私が送迎をしました。しかし全身麻酔で歯を抜くので、運転できる子でもこの日は送迎が必須です。事前に医師から「自分で運転してきても帰れません。送迎のドライバーが必要です」と言われました。
親知らずを抜歯する間、私は待合室で待っていました。かかった時間は、どのぐらいでしょうか、1時間ちょっとぐらいではなかったかと思います。スマホと充電用のバッテリーも持参したので、私はとても快適な待ち時間を過ごすことができました。
4.気になるのはやはりコレ。費用はいくらかかる?
息子が抜歯したときには、他にも親知らずの抜歯に来ていた人がいました。
皆さん一律料金ではなく、数百ドルぐらいの料金差はありました。もしかしたら、親知らずがどんなふうに生えているか、によって費用が違うのかもしれません。
ちなみに息子が支払った料金は、4本で2,100ドルでした。これが安いのか高いのかは、私にはわかりません。でもほぼ根っこのみの親知らずなので、抜きづらいということはなかったと思います。なので、おそらく安い方ではないでしょうか。
でも私が日本で健康保険を使って親知らずを抜いた時には、1本たぶん1,500円ぐらいでした。日本と比較したら当然ですが、信じられないほど高額ですね。