私は夫がアメリカ人で、アメリカの病院で出産しました。出産前は知らない事ばかりで困惑することが多かったのですが、その中でも「男の子の割礼」は、とても真剣に悩みました。
私は女子なので、当然ですが割礼の経験はありません。日本のマタニティ雑誌的なものを読んでも、割礼については全く記載がありませんでした。
しかしアメリカ人の夫は、自身も割礼をしており、生まれてくる息子に対しても割礼することを当然のように考えていました。
当時はネットでいろいろな情報を収集できる環境にはなく、周囲の意見を聞いても、
「しないとロッカールームでいじめられるよ」
「割礼しないなんて信じられない」
という意見ばかり。最終的に、アメリカの男子という点で夫の意見を飲み、息子様には割礼をしました。
最近、ふと割礼について考える機会があったので、これを機にアメリカの割礼事情を検証してみました!
アメリカの割礼率は60%程度
アメリカで過去30年以上にわたって行われた調査によると、アメリカで生まれた男の子の割礼率は、年によって多少の変動はあるものの、だいたい60%程度だそうです。医学的にメリットがあると考える人がいる一方で、不要なことはしたくないという人も一定数いるのかもしれませんね。
しかし、アメリカと言っても広く、地域によっていろんな価値観や宗教感があります。そのためでしょうか、割礼率も地域によって大きな差があるようです。
| 中西部 | 割礼率は最多で70%を下回ることがない |
| 北東部 | 割礼率は安定して65~70% |
| 南部 | 割礼率は55~60% |
| 西部 | 減少傾向があり、過去30年で20%も減って現在は40%程度 |
またネットの情報では、ユダヤ教やイスラム教では、割礼は宗教的な儀式としての意味もあるのだそうです。
割礼は新生児にするのがベスト
割礼の手術自体は、年齢に関係なく何歳でもできるようですが、リスクや回復にかかる時間を考えると、新生児のうちに済ませるのがベストなのだそうです。
ただし、赤ちゃんの状態によっては、親が希望しても医師からNGが出ることもあります。
- 早産だった場合→割礼よりも命を育てることが優先
- ペニスに影響のある症状や疾患を先天的に持っていた場合
- 血液凝固トラブルを先天的に持っていた場合
などは、残念ながら割礼はできません。
割礼をするメリット
赤ちゃんの時に割礼をしておくことには、いくつか医学的なメリットがあります。ちなみに私が息子様を出産した時には、このメリットに関しては知りませんでした。
- 衛生管理しやすい
- 尿路感染症のリスクが低い
- 性感染症のリスクも低い
- 陰茎がんにかかりづらくなる
- 陰茎トラブルがおこりづらくなる
割礼のデメリット
割礼のデメリットはずばり、感染と出血です。皮をはぎ取る手術なので、出血量はそれほど多くはないものの、まったく無出血というわけではありません。
多くの場合には、出血は自然に止まりますが、ひどい場合には専門医へかかる必要があります。
- 麻酔による副作用
- 術後の感染
- 医療ミス(包皮の長さが適切ではなく、短すぎたり長すぎたり)
- 術後の経過が悪く適切に治癒しなかったり、包皮がペニスの先端に付着して癒着するリスク
等が考えられます。赤ちゃんの割礼は、多くは産婦人科や小児科など、すでに臨床経験を多く持つ医師が対応してくれるので、それほどリスクは高くならないことが多いです。しかし、宗教的な理由で医療機関以外の場所で行うこともあるらしく(これは怖いかも)、その場合には、リスクは高くなることがあります。
実際に息子様を割礼した術後
私はアメリカの病院で普通分娩した際、確か3日ぐらいで退院したような記憶があります。しんどかったのでもう少し入院していたかったのですが、医者は「早く帰れ」という感じで、さっさと退院させられました。
息子様の割礼は、私が退院する前日に行っており、自宅に帰った時にはすでに出血はしておらず、処方された軟膏を塗って保護してあげてください、という感じでした。
初めておむつを開けた時、真っ赤になっているペニスはあまりに痛そうで、私は見た瞬間に泣きましたね。。
何かが触れると痛いようだったので、たっぷりと難膏薬を塗り、おむつを緩めにして数日を過ごしたと記憶しています。
私自身は、結果論ですが、割礼はしてよかったなと思っています。でもこれは個人や家族で決めることなので、もしも割礼に対して不安を感じている人は、配偶者や医師などと話し合った上で決めることをおすすめします。