アメリカの不動産は、状態が良ければだいたい売れる、と考える人は多いものです。確かにそうでしょう。しかし、家を売りに出せば必ず高値で売れる保証なんてものは、当然ですがどこにもありません。
ロケーションによっては、住んでる家を売りに出したら、その日のうちに買い手がつくということはもちろんあります。しかし一方で、数か月買い手がつかず、仕方ないので売却ではなく賃貸物件にした、なんてことも普通にあります。
売れたらラッキー、売れなければ住み続ければ良い、と選択できれば良いのですが、そうできないこともありますよね。
例えば私達のような転勤族は、行けと言われたらどんなに遠くても行くしかありません。家が売れなくても行かなければいけません。
そんな転勤族のために会社が提供している福利厚生の一つに、リロケーションのバイアウトというものがあります。
今回は、この便利なバイアウトプログラムについてご紹介しますね。
目次
1.バイアウトは不動産を買い取ってくれるサービス
本来、家を売却する際には、不動産業者に仲介してもらい、買い手を見つけるまで気長に待ちます。すぐに売れることもあれば、なかなか売れずにイライラすることもあります。この場合、売り手は自分、そして買い手は見知らぬ個人となりますね。
リロケーション業者が行っているバイアウトでは、このリロケーション業者が買い手となって不動産を買い取ってくれます。Realtorと呼ばれる仲介不動産業者は、バイアウトの場合にも利用します。
2.気になる買取価格はどう?
きっと業者によって違うと思いますが、夫の会社が契約しているリロケーション業者の場合には、マーケット価格でした。
どうやってマーケット価格を計算するのか、気になりますよね。
私達がこのサービスを利用した時には、20人ぐらいリストアップされている地域の査定士の中から2人を選び、自宅を査定してもらいます。
この2人が出した査定額の平均が、その業者が買い取ってくれる価格となります。
もちろん、買取価格を聞いて「ふざけんな!」となるケースもあるかもしれません。その時には、このサービスを利用せずに自分で買い手を見つける通常の売却方法を選択することも、アリです。
私はテキサスからの引っ越しをした時に、このサービスを使いました。地域の不動産価格が全体的に上がっていたこともあり、査定してもらった額はZillowでチェックした市場価格と比べて、大きな差はありませんでした。ラッキーでした。
3.バイアウトを使うメリット
バイアウトを使うメリットは、たくさんあります。
- 家が売れない心配がない
- クロージングコストは不要。ローン残債を引いた金額がそのまま手元に入る。
- 査定額でOKなら、2週間ぐらいでお金が入る
- 途中でキャンセルになる悲劇がない
- バイアウトのプロセスを進めながら買手を探すのもアリ
この家を売った後に住む家を既に購入している人にとっては、必ず買ってもらえるというのは大きな安心感だと思います。それに、数万ドルになることも多いクロージングコストが一切かからないのも、大きなお得感ですね。
4.注意点
バイアウトを使った結果、不便だな、面倒だなと感じたこともありました。
- 買取前のインスペクションがやたら厳しい。
- 査定額の有効期限前に、修理箇所を直すか見積もりを出すかしなければいけない。業者を呼ぶのが大変
- 引っ越した後だと、修理などの依頼を仲介のRealtorへ丸投げすることになって申し訳ない
修理しろと言われる個所が多ければ多いほど、めんどくせーなというストレスは大きくなります。特に、来ると言って来ない業者が多い地域だと、そのストレスも大きいと思います。
私の場合、夫の異動は春でしたが、息子が5月で夏休みに入るので、私と息子は学校が一段落するまで古い家に残っていました。とりあえず自宅にいたので、修理しろと言われても業者へ自分で電話を掛けることができました。でももし家族全員が引っ越した後だったら、、と考えると、ストレスはマックス以上になっていたかもしれません。
ちなみに、私達の家を買い取ってくれたリロケーション業者は、今度は売り手となって買い手を探します。売り出し価格は私達に払った市場価格ですが、仮に私たちに支払った金額より低い値段で売れたとしても、損失は私達が払う必要はありません。
誰が払うか?さぁ。。誰でしょうね。。