マイナンバーがSSN化したら、日常生活はどうなる?

日本のマイナンバー制度、政府はいろいろなサービスと紐づけしたいようですが、「財産が丸裸にされるようで気分が良くない」という理由で国民の多くは猛反対していると聞きます。

しかしアメリカでは、ソーシャルセキュリティ番号(SSN)が1936年からすでにスタートしており、すでにアメリカで生活する市民にとっては、「命の次に大切で死守すべく存在」となっています。

ソーシャルセキュリティ番号は、国民一人一人に与えられるシリアル番号のようなもので、誰一人として同じ番号は持っていません。そして、公的機関や民間の機関でサービスを受ける際には、このソーシャルセキュリティ番号が必要不可欠です。

それでは、もしも日本のマイナンバーがアメリカのソーシャルセキュリティ番号と化したら、日本で暮らす一般市民の生活がどのように変わるのか、私の稚拙な妄想力で検証してみました。

目次

  1. 銀行口座
  2. 金融記録も番号で管理
  3. 就職や転職にも関係する
  4. 医療はどうなる?
  5. アパートを借りる際にもチェック
  6. 脱税はできなくなる

1.銀行口座

アメリカでは、ソーシャルセキュリティ番号がなければ、銀行口座を開設することができません。(例外はあるのかもしれませんが、ごめんなさい、私は例外になったことがないので分かりません)

口座を開設する際にソーシャルセキュリティ番号は必要ですが、それを政府が管理しているというわけではありません。もちろん、必要な時には政府の権限ですべて記録を集めることはできるでしょう。しかし現在は、ソーシャルセキュリティ番号は国民の資産を透明化するとか一元管理する目的で使われているわけではないため、ソーシャルセキュリティレポートと呼ばれる金融記録には、銀行口座や預金などは記載されません。

もしかしたら日本でも近い将来には、「マイナンバーを提示しなければ口座は開設できません」と言われる日が来るかもしれませんね。

2.金融記録も番号で管理

ソーシャルセキュリティレポートで管理されていることは、主に借入です。住宅ローンや車のローン、学生ローンなど各種ローンはもちろんのこと、クレジットカードがいつ作られて返済状況はどうか、利用額の上限はいくらで残高はいくら残っているか、という点が、細かく記載されています。

ちなみに、この金融記録はクレジットレポートと呼ばれており、国民なら誰でもいつでも照会できます。

Annualcreditreport.comなら、年に1回は無料で照会できますが、アクセスできるのはアメリカ国内からのみと制限されています。

近年ではさまざまな金融機関から、クレジットレポートではなく、そのレポートの内容から計算したクレジットスコアなるものを無料で通知してくれるサービスを提供しています。

日本でも、すでに借り入れの金融記録は管理されています。ここにマイナンバーを紐づけすると、同じ都道府県に同姓同名の人が住んでいても、その人のせいで自身もブラックリストに載っているような扱いを受けるといったトラブルは起こりづらくなるでしょうね。

3.就職や転職にも関係する

就職や転職の際にも、SSNが必要です。これは、アメリカに合法的に居住しているかどうかをチェックするだけでなく、雇用しても会社のお金や情報を盗んだりしないか、という基本的なバックグラウンドチェックにも使われています。

日本でも、就職や転職はもちろんのこと、学校へ入学する手続きでもマイナンバーが求められたりする日が来るかもしれません。

4.医療はどうなる?

医療機関では、SSNは健康保険との紐づけや、患者のデータを管理する目的で使われています。

ただし、SSNカードを医療機関で提示する、なんてことはありません。というか、SSNカードは持ち歩かずに自宅の金庫で保管するべきものですし、子供でも自身のSSNは暗記しています。忘れないようにどこかにメモしたりするのは、安全上NGです。

日本でもいち早く取り組みが始まった医療分野との紐づけですが、事務作業をIT化するためのインフラ整備からスタートしなければいけない小規模なクリニックが多いという話も聞きます。今後どうなるのか、興味津々です。

5.アパートを借りる際にもチェック

ソーシャルセキュリティ番号は、アパートやマンションを借りる際にも、必要不可欠です。その理由は、貸主にとって借主が本当に家賃を払ってくれるのかが心配だから。アパートやマンションの中には、ソーシャルセキュリティ番号と紐づけされているクレジットスコアが一定レベル以上でなければ借りられないというルールが定められています。

日本でも、破産や債務整理などでブラックリストに載っている人は、アパートやマンションの賃貸契約はできないと聞いています。これがマイナンバーと紐づけされることで、審査の手続きが迅速化すると考えられます。

6.脱税はできなくなる

金融資産すべてがマイナンバーと紐づけされるという事は、収入も銀行口座などの資産もすべて、政府に丸見えという事です。確定申告が迅速かつ正確にできるようになるというメリットはあるものの、資産を隠したいといった脱税行為は、とても難しくなるでしょうね。