アメリカの一戸建てでは、各家庭に自治体から回収用のデカいゴミ箱が支給され、回収日に路肩へゴミ箱を出しておく、というスタイルが一般的です。大半の人は、他人のゴミ箱なんて興味がありませんから、お金をもらってもゴミあさりをするなんて絶対に嫌だと考えることでしょう。
しかし世の中には、さまざまな目的で他人のゴミ箱をあさる人がいます。この行為、犯罪なのでしょうか?
目次
1.敷地内のゴミ箱はにはプライバシーがある
アメリカの法律は、その州によって異なりますし、自治体によっても細かなルールが決められていることが少なくありません。ただし他人のゴミ箱をあさるという行為に関しては、多くの州で見解に大きな差はないようですね。それは、
敷地内に置かれているゴミ箱にはプライバシーがあるので、漁ると犯罪
というものです。
ゴミ回収の前日や当日には、私達は路肩までゴミ箱を移動させますが、路肩ではなく家の横やガレージの外などで保管されているゴミ箱に関しては、たとえそれが屋外でも、鍵を付けていなくても、プライバシーが発生します。だから、それを勝手に漁る行為は、プライバシーの侵害に該当するのだそうです。
また、家の隣やガレージの前も、法的にはその家の所有者の敷地です。そのため、ややこじつけ感はあるものの、ゴミを漁る目的で他人の敷地に勝手に許可なく侵入したとみなされて、侵入罪という罪状もついてきます。
2.収集待ちで路肩にあるゴミ箱は?
ゴミ箱の中身が同じでも、置かれている場所が路肩に移ると、話はずいぶん変わります。ごみ収集のためにゴミ箱を自宅の隣から路肩に移動すると、これはプライバシーを放棄したとみなされるのだそうです。つまり、漁っても無罪となるわけですね。
カリフォルニア州で実際に1988年に出されたグリーンウッド事件の判決を見ても、回収街のゴミは公共のゴミという扱いになるので、他人が漁ってもノープロブレムなのだとか。
3.漁ってもおとがめなしはどんな時?
他人のゴミを漁っても、まったくおとがめなしというケースも、もちろんあります。それは、
- チェックアウト後のホテルの部屋に残されたゴミ
- 会社のゴミ
- アパートの共同ゴミ置き場で漁ったゴミ
当然ですが、警察にはゴミあさりの権利があるので、他人の敷地にあろうがどこにあろうが、警察官が業務でゴミを漁る行為は、完全に合法です。