欠航のお知らせは離陸24時間前!困りすぎる!

台風や大雪などの天候によって、飛行機が飛ばないことはあります。珍しくはないですが、あります。航空会社がどの段階で飛行機を飛ばすかどうか決めるのは、おそらく航空会社によってルールが異なるのでしょうし、国際線か国内線かによっても線引きは違うと思います。

私は過去に、日本とアメリカの両方で、飛行機が飛ぶかどうかわからない状況に追い込まれたことがあります。その経験の中で感じたことをご紹介しますね。

目次

  1. 日本はギリギリの判断
  2. 2022年のアメリカ
  3. 欠航かどうかを決めるのは誰?

1.日本はギリギリの判断

あれは確か、2010年ごろだったと思います。当時、沖縄の那覇空港から羽田空港へJALで飛ぶ予定でした。しかし皆さんご存じのように、夏の沖縄は次から次へと台風が通り過ぎ、そのたびに島内はひどい混乱になってしまいます。

私が那覇空港から飛ぶ日にも、あいにく台風が上陸するかどうかという感じだったと記憶してます。その時には犬を連れてのフライトだったため、荷物はかなり多く、前日ごろから飛ぶのか飛ばないのかストレスを抱えていました。

当日の朝テレビをつけると、ほぼすべての便が「欠航」となっています。しかし私が乗るはずの便はまだ飛ぶかどうかは未定となっていました。

忙しいとは思いましたが、私はJALの那覇事務所まで電話をしました。なんせ犬がいますし、片道切符でホテルもチェックアウトしなければいけませんでしたので、飛ばないなら早く知りたかったのです。それに、空港へ向かって良いものかどうかも迷いました。

ちなみに私たちが乗るはずの便は、午後3時ぐらいのフライトでした。

朝7時ぐらいに電話をかけると、けんもほろろに「まだ分かりません」と。

9時にかけても「まだ分かりません」。何時にかければ分かりますか?と食い下がったところ、おそらく少し偉い人だと思うのですが、その方が電話口に出られて、どんな仕組みで飛ぶかどうかを決定するかというプロセスを説明してくださいました。

その方のお話によると、

  • 飛行機はシャトル式になっていて、羽田から来た便に給油をして羽田に戻る
  • 羽田から来た便が着陸できなければ、飛びたくても機体がないから飛べない
  • 飛行機は離陸は簡単だけど着陸が難しい。着陸さえできて機体をゲットできれば飛べる
  • 機体は特定の着陸便が特定の離陸便に使われるので、前後の便が飛べても自分の便は飛べない事態も起こる

とのことでした。そしてその方は、私が乗るはずの離陸便は、午前11時15分に着陸するJALなんちゃら便なので、それが着陸できれば飛びます、空港へいらしてください。とおっしゃってくれました。

那覇から羽田へのJAL便は、夏の繁忙期だったこともあり、おそらく一日に10本近くあったと思います。

そしてその日に離陸で来た便は、10便のうち私の便を含めた2便のみ。前後の便がキャンセルとなる中、どういうわけか私が乗る便は超絶ラッキーだったらしく、飛ぶことができました。

機内では機長様が、「今日のフライトは揺れます。とても揺れます。酔い止めを持っている方は今すぐに飲んでください。飲まないと吐きます。揺れますが、飛びます。皆様を羽田までお連れします。」と男気のあるスピーチをしてくださいました。乗り物酔いする私は、機長様の指示がなくてもとっくの昔に酔い止めを服用していましたが、息子にも酔い止めを飲ませました。

2.2022年のアメリカ

これは私自身ではなく、息子様が去年に経験したことです。

息子様はニューヨークの田舎にある大学へ通っており、車で行くと高速を飛ばして6時間程度かかるのですが、冬季は雪の心配があるので基本的には飛行機で帰ってくるように手配しています。

去年の春、といっても春が訪れるはずの3月に、どういうわけか北西部全体が大雪となりました。しかし息子様が利用するシラキュース空港にとっては、雪なんて冬の風物詩。日常茶飯事です。鼻くそ程度なはずだから雪ぐらいで欠航なんてならないだろう、と思っていました。

そして離陸時間の24時間前、いよいよアプリでチェックインする時間が来ました。ちなみに航空会社はアメリカン航空です。

すると!

ちょうど24時間前に、いつものように「チェックインの時間ですよ~」とメールが来たと思いきや、メールを開いたら、そこに見えたのは「キャンセル」の文字。

へ?????

と思いました。

なぜ24時間前のこんな早い段階で、すでにキャンセルなの??

息子様は明日帰宅しなければいけません。本人そのつもりですし、もうキャンパスから空港へのバスも手配しています。

一瞬、何が起きたかよく分からず、パニックになりながらも息子様へ電話をして事情を伝え、代替手段を模索することにしました。

とりあえずシラキュース空港のサイトへアクセスして離陸便のスケジュールを見ると、なぜか全便がキャンセルとなっており、それも息子様が飛ぶ予定の日だけでなく前日も、ついでにその後も2日ほど余裕をもってキャンセルの扱いとしているようでした。

AMTRAKという電車を使うことも考えましたが、死ぬほど時間がかかる上に、息子様はそんな経験がないので心配です。雪の中、事故リスクを冒しながら夫様と一緒に車で行こうかとも考えたものの、夫様は全く行く気なし。「仕方ないから雪が止むまでキャンパスか空港そばのホテルにいたら良い」と余裕のよっちゃんです。

結局、パニック発作を起こしそうになりながらも、予定していた日の夕方に別の空港へ到着する便を予約でき、残り1席をゲット出来ました。

当日息子様は、ほぼ1日中小さなシラキュース空港で過ごし、昼寝をしたり映画を見たり、またスマホの充電をしながら、とても暇だったそうです。

3.欠航かどうかを決めるのは誰?

どうやらどの段階で欠航にするかを決めるのは、航空会社によって違うようです。私の経験というたった2つの少ない経験から偉そうに考察すると、日系はギリギリまで飛ぶ方向で頑張ってくれるのに対して、アメリカ系は万が一を考えた安全重視で、早い段階でさっさと欠航を決める傾向があるのかもしれません。

ただし、冬季においては空港が離着陸が危険と判断して、空港自体をクローズにする可能性もあります。この場合には、航空会社が飛ぶ気満々でも飛べないというわけですね。

ちなみに空港がクローズとなるのは、凍結などによって滑走路をクリアにできない場合、安全な視界を確保できないなどの理由が挙げられます。

もしも旅行や出張、引っ越しなどで飛行機を利用する場合、すぐにキャンセルする航空会社よりも、ギリギリまで待ってから状況判断してくれる航空会社を選んだほうが、私が沖縄で体験したような奇跡のラッキーチャンスを得られる可能性がありますね。航空会社を選ぶ際には、そんなことも考慮するのが良いかもしれません。

何それ聞いてない!空港でターミナルが変更になったらどうする?

飛行機のフライトでは、同じターミナルの中でゲートが変更になることは良くあります。その場合、荷物を持って変更された新しいゲートまで歩けば問題ありません。かかる時間も、おそらく数分程度で済むでしょう。

しかしアメリカの国内線では、ゲートだけではなくターミナルそのものが変更されることもあります!しかも、頻繁に起こります。空港によっては、ターミナル間の移動には、トラムやバスなどを使わなければいけないこともあるでしょう。

自分が搭乗を予定しているフライトが、ゲートのみならずターミナルまで変更されたら、どうすれば良いのでしょうか?

目次

  1. ターミナル移動には時間がかかる!
  2. 空港によってはセキュリティの列に並び直し
  3. スーツケースはどうなるの?
  4. ターミナル変更はいつわかる?
  5. 間に合わない時にはどうする?
  6. 飛行機が遅れる可能性はアリ

1.ターミナル移動には時間がかかる!

私は普段、フィラデルフィア空港(PHL)を使用しています。この空港はターミナルがAからFまで6ターミナルありますが、規模はそれほど大きくはなく、すべてのターミナルが直線に並んでいます。そのため、ターミナル変更を言い渡されても、テクテクと歩けば移動できます。仮にターミナルAからFまでを歩くと、所要時間はおそらく15分程度ではないでしょうか。

まっすぐ歩けばよいだけとはいえ、距離はかなりあります。そのため、息子のような若い人ならイライラするだけで済む距離ですが、運動不足の人だと確実に息が切れますし、車いすの人だと、もっと時間がかかるでしょう。

アメリカには、フィラデルフィア空港よりも規模が大きな空港はたくさんあり、ターミナル間の移動にはトラムと呼ばれるモノレール的な乗物が必要だったり、空港間を走るバスを使わなければいけないこともあります。その場合には、もっと時間がかかることを想定しておきましょう。

2.空港によってはセキュリティの列に並び直し

多くの空港では、セキュリティチェックに長い列ができていて、通過するだけでも数十分かかってしまうことが少なくありません。

一度セキュリティチェックを通過した人がターミナル移動をする場合、空港によって、セキュリティチェックをもう一度通過するかどうかは扱いが異なります。

例えばダラスフォートワース空港(DFW) では、一度セキュリティを通過すれば、ターミナル間を移動しても再び長い列に並んでセキュリティを受ける必要はありません。

しかし私が利用するフィラデルフィア空港では、ターミナルが変わると再び長い長蛇の列に並ばなければいけません。そうした作業もすべて含めて、搭乗時間までに間に合わせなければいけないわけですから、場合によってはパニックになることも十分に予想できますよね。

3.スーツケースはどうなるの?

ターミナルが変更となった場合、すでに預け入れたスーツケースに関しては、何もする必要がありません。スーツケースはフライトごとに、フライトライン側で分類されてから飛行機へ積み込まれます。どのターミナルからスーツケースがチェックインされたかは問題ではないので、どこから預け入れてもターミナルの変更には全く影響はありません。この点は安心ですね。

4.ターミナル変更はいつわかる?

ターミナルの変更は、航空会社の都合で行われます。搭乗時間の24時館前あたりに分かる余裕のよっちゃん的なケースもあれば、すでにゲートで待っている時にターミナル変更のお知らせを受けて、半狂乱になりながら別のターミナルへ他の乗客とダッシュしなければならないことも、もちろんあります。

5.間に合わない時にはどうする?

すでに航空会社のカウンターでチェックインを済ませており、片手にチケットを握りしめながらターミナルを移動する場合でも、時間的に間に合わない可能性は十分にあります。特に、大きな空港が混雑していて、セキュリティチェックを通過するまでに長蛇の列に並ばなければいけない時には、のんびり並んでいると間に合わない可能性はもちろんあるでしょう。

そんな時には、セキュリティチェックの所にいる案内係の人に、事情を説明しましょう。案内係の人は意地悪をするためにそこで働いているわけではないので、列に並んでいると間に合わないと判断したら、優先的に通してくれることもあります。

6.飛行機が遅れる可能性はアリ

飛行機は電車とは違うため、すでにチェックインしている乗客が搭乗時間に現れないからと言って置いていくことはありません。待ちます。特に直前でターミナルが変更になった場合には、そうした点も考慮して待ってくれます。

飛行機のフライトでは、常にテロのリスクを考えなければいけません。そのため、スーツケースを預け入れてチェックインもしたけれどやっぱり乗らないというケースは基本的には認めていません。

少しぐらいなら辛抱強く待ってくれますが、その後は「おーい、どこにいるんだ?早く来い!」的なアナウンスを空港中に流しますし、変更前のターミナルやセキュリティチェックの列、他のゲートにいるのではないかと、スタッフ総出で探し回ります。

そうした作業にはもちろん時間がかかるわけです。

目的地まで直行便で行く人なら、イライラするだけで済むかもしれません。しかし、もしも乗り継ぎ便があり、時間的にぎりぎりだと、場合によっては乗り遅れる可能性もありますよね。

たかがターミナル変更、されどターミナル変更。場合によっては、自身の旅行に大きな変更を余儀なくされる可能性もあります。旅のプランは、そんなことも考えながら時間に余裕をもって行うことをおすすめします。

乗ってる飛行機から降りろってどゆこと?オーバーブッキングの罠と対処法

民間の航空会社はどこも、ガラガラの状態よりも乗客をできるだけ満員にした状態で飛びたいものです。そのため、予約を入れても後からキャンセルする人が出ることを見越し、飛行機の定員よりも若干多めの予約を受け付けることがよくあります。

JALやANAでもするこのオーバーブッキングは、アメリカでももちろんあります。今回は、このアメリカ系航空会社のオーバーブッキングへの対処法と、あとから怒り心頭にならないためのコツをご紹介します!

目次

  1. 搭乗した後にオーバーブッキング対応?
  2. 降りても良いボランティアがいない!どうなるの?
  3. キャッシュのオファーもある!
  4. ボランティアで降りた人はどうなるの?
  5. 降りろと言われた。NOと言っても良い?
  6. バウチャーも現金ももらえないことがある?

1.搭乗した後にオーバーブッキング対応?

私はこれまで、飛行機に搭乗した後にCAが客席を右往左往しながら「オーバーブッキングなので自主的に降りてくれる客」を探している現場に何回か居合わせたことがあります。

皆さん、座席に座っているし、今更降りたくはないわけです。だから大抵は、CAを目を合わせないように下を向いたり寝たふりを決め込みます。

CAにとっては、決められた数をボランティアとして降りてもらわなければいけないので、必死です。誰も手を挙げなければ、あちらから客に声をかけてきます。多くの場合、中高年者が声を掛けられるケースはとても少なく、ターゲットとなるのは「時間にフレキシブルに対応できそうな」若者、特に若い男性などは良く狙われてしまいます。はい、私の息子も、これで何度も声をかけられました。

うちはアメリカン航空のマイルをためているので、基本的にフライトはすべてアメリカン航空にしています。なので、ほかの航空会社の対応方法は分かりません。しかしアメリカン航空の場合には、この状態になると、飛行機は飛びません。以前、ボランティア待ちで2時間ほど遅れたことがありました。

2.降りても良いボランティアがいない!どうなるの?

もしも、CAが必死にボランティアで降りてくれる乗客を探し回っても、誰もYESと言わない場合、航空会社は次に、バウチャーと呼ばれる割引券を提示してきます。

例えば、降りてくれたら1,000ドル分のバウチャーを差し上げます!みたいな飴を差し出してくるわけですね。

このバウチャー、実はとっても注意が必要です。

orange and green label airplane ticket

制限がありすぎて死ぬほど面倒

1,000ドルのバウチャーをもらっても、ネットで次のフライトを予約する時にさっと番号か何かを入力して無料で予約できる、なんて簡単なわけではありません。多くの場合、

  • バウチャーを換金するなら電話で予約を取らなければいけない。ネット予約は不可。
  • 電話しても予約を入れられない。仮予約しかできない。運を天に任せろということ。
  • 本予約するにはフライト時間の24時間前に空港に足を運んで、カウンターで直接予約を入れなければいけない。
  • 別の空港で使おうとすると「何それ?見たことない」と拒否されることもある

などの事態が起こるケースが多いのです。

近年ではなんでもデジタルなのだから、バウチャーもデジタルにすればよいのに!と思うところですが、デジタルバウチャーも存在はするようです。しかし、一般乗客は残念ながら使えないらしく、まったく役に立ちません。

一人分しかカバーされない

たとえ1,000ドル分のバウチャーをもらっても、500ドルのチケットを2人分取る時に使えるわけではありません。大半のバウチャーは、受け取った人にしか適用できません。そして、おつりなんて出ません。場合によっては、複数の人が一緒に使えるバウチャーもあるようですが、そこらへんはしっかり説明を受けたほうが良いかもしれません。

3.キャッシュのオファーもある!

航空会社のこのバウチャー作戦は、すでに多くの乗客に知れ渡っています。だから、「いいや、その手には乗らない」という人は多いですね。大学から飛行機で帰省する息子は、何度もこのバウチャーという飴で降りろと言われたそうですが、そのたびに私が「NOと言え」と断らせています。

もしもバウチャーで誰も釣れない場合には、次にキャッシュのオファーを出してくるそうです。もしかしたら、時間的に素早く降りてくれる人を見つけたいときには、バウチャーなんて遠回りなことをせずに、最初からキャッシュオファーをすることも、十分に考えられます。

ちなみに、こうしたキャッシュのオファーには上限はありません。つまり、交渉次第では、思いがけない高額キャッシュをゲットすることも可能です。

もしもキャッシュのオファーなら、時間的にフレキシブルに対応できる人なら、対応するのもアリかもしれません。

4.ボランティアで降りた人はどうなるの?

オーバーブッキングのためにボランティアで飛行機を降りた人は、通常は航空会社が無償で次の便にブッキングしてくれます。ただし、同じ経路というわけではなく、直行便のはずが経由便となったり、場合によっては目的地から数時間離れた「最寄りの」空港で降ろされるなんてこともあります。

食費と宿泊費も出してもらおう

もしも当日便がなく、翌日便になってしまった場合には、乗客側からリクエストした場合に限り、宿泊施設も確保してくれます。これはホテルバウチャーを支給してくれるというもので、もしかしたらこれも制限があるのかもしれません。。。

また、ボランティアで降りたために2時間以上の遅延となる場合には、フードバウチャーと呼ばれるものもリクエストすればもらえます。これも現金ではなくバウチャーとして受け取ることができるもので、リクエストしなければもらえないので注意しましょう

これを、降りる価値があると判断するか、いやいやカネなんていらないから予定通り飛んだほうがマシだと判断するかは、その人次第だと思います。

5.降りろと言われた。NOと言っても良い?

person holding letters

すでに飛行機に搭乗して座席に座っている自分に対して、CAがボランティアで降りてくれないかと圧をかけてきた場合、圧に負けずにNOという事は、もちろん可能です。もしも条件次第で降りても良いと考えるなら、譲れない条件を提示して、それを飲むなら降りてやってもいいぐらいの強気な態度でも良いでしょう。

多くの場合、そうした強気の態度をすぐに飲んでもらえるわけではなく、なんだこいつ的な軽蔑の視線を受けたり、「その条件じゃ無理」と言われるかもしれません。その場合には、「それなら降りない」で問題ありません。

6.バウチャーも現金ももらえないことがある?

アメリカ国内線の場合には、バウチャーや現金のオファーは良くあります。しかし、日本を含めた海外からからアメリカへの便だと、オーバーブッキングされてもこうした特典をもらえないので、注意してください。その理由は、アメリカの法律で認められていないから。つまり、日本からアメリカに来る時の便では、ボランティアで降りても何も見返りをもらえません。