サンフランシスコと言えば、コロナの影響で街がゴーストタウン化し、そこへ企業の大量レイオフなどが重なった結果、負の連鎖に陥ってしまい、ゴッサムシティ化していると噂されています。
確かにダウンタウンでは、大量のホームレスやドラッグ中毒の人であふれかえっており、公共のバスに乗るにもバス停の周辺にそういう人たちがたくさんいると、恐怖を感じるほどです。
2024年1月に、私は3週間ほどですが息子様の引っ越しを手伝うため、サンフランシスコに滞在しました。その際には観光客目線ではなく、実際にそこで生活する人の目線でいろいろなことを見ることができました。ここでは、そんな私の独りよがりな感想をご紹介します。
目次
1.ホームレスやドラッグ中毒が多いのは一部地域

今回、私はサンフランシスコのいろいろな場所へ足を運びました。そして気づいたことは、ホームレスやドラッグ中毒の人は、サンフランシスコ全域に大量発生しているわけではないという事でした。
テンダーロインと呼ばれるエリアには、確かにたくさんいます。昼間でも一人で歩くのは止めたほうが良いほどで、ネットで検索できる街のネガティブな風景も多くはテンダーロインのものです。
しかし、このエリアを外れて海の近くや郊外へ行くと、驚くほどホームレスやドラッグ中毒の人は見かけなくなります。そんな場所へ行くたびに私は、ダウンタウンもいつかこんな平和な光景が広がればよいのにな、、、と思いました。
2.ウンコパトロール隊が頑張って街をお掃除
サンフランシスコのダウンタウンエリアには、観光客が気軽に使えるトイレなどは一切ありません。店舗やモールなどは店内にトイレがついているので、観光客や地元の人は、こうした店に入るついでにトイレも使うことができます。
しかし、ホームレスとなると話は別です。使えません。ショッピングモールやスーパーに入れてもらうことができないので、トイレも当然ですが使えません。
なので、仕方なく道路にウンコをしてしまうわけです。
テンダーロイン周辺には、歩道に普通にウンコが落ちています。街を歩く時には、サイドステップなどを華麗に踏みながらよけなければいけません。歩きスマホなんてしていたら、踏んでしまう事でしょう。
そんなウンコ対策として、サンフランシスコにはPoop Partol(ウンコパトロール)と呼ばれるお仕事があります。ダウンタウンの中心を走る街の顔と言っても過言ではないMarket Streetを中心に、このパトロール隊が毎日お掃除をしてくれています。
ウンコパトロール隊についてはこちらから
ホームレスは多いので、お掃除をしてもしても新鮮なウンコが道端に現れます。それを、イタチの追いかけっこになりながらも毎日お掃除してくれており、エリアによってはウンコを気にすることなく歩けるほどです。
また、ホームレスが多い一角では、夜間に簡易式トイレが設置され、ウンコ対策をしています。ホームレスシェルターのそばにも複数の簡易トイレが置かれるようです。しかし、トイレの数よりもホームレスの方がはるかに多いため、焼け石に水の状態です。
3.街が警備員であふれかえっている

サンフランシスコで気づいたことの一つに、警備員の数が尋常ではないほど大量にいる、という現状があります。この警備員は警察官ではなく、それぞれの店舗が独自に雇用している民間の警備員です。個人経営の小さなファストフードでも入り口にいますし、モールの中に入店しているユニクロなどでも、店舗の前に警備員がスタンバイしています。
彼らの仕事は、ヤバい人を撃退する事。警官ではないので銃はもっていませんが、テイザーを持っており、ヤバい動きをすれば容赦なく攻撃されます。それが彼らのお仕事ですから。
そのためでしょうか、ゴーストタウンになると言われているダウンタウンでも、店舗は意外と多くあります。個人店でも、警備員がいる店は問題なく営業できており、経費を出せずに警備員を雇用しなかった店は閉店に追い込まれたりしています。
ちなみに、サンフランシスコの大通りMarket Streetには、若者に人気のブランドSupremeの路面店があります。高級ブランドですし人気があるので、警備員の数はとても多く、10人以上が店内と店頭にスタンバイしています。
そして、誰でも気軽に入店させてくれるわけではなく、予約オンリーとなっている雰囲気でした。私が店の前を通りがかった時に、ふらりと店内に入りたい女性がいたのですけれど、すでに店内には5人ほどの客がおり、警備員から「2時間後なら入れる」と言われていました。
4.街の人は希望を持っている

私が実際に生活してみて感じたことは、街の人はそれほど悲観視していないという事でした。確かに、エリアを間違えればウンコがたくさん落ちていますし、ホームレスやドラッグ中毒の人は大勢います。救急車も数時間に1回ぐらいの割合で出動しています。
しかし、上記のような対策をそれぞれが講じており、企業や店なども戻ってくる雰囲気があります。
息子様は社会人になったばかり。少なくても数年間は街で暮らすことになるでしょう。私は息子様を訪問しながら、サンフランシスコの変化を観察していきたいと思います。
