少し前のブログで、自動車の自損事故を起こすと、自分の意志に関わらず保険会社が勝手に廃車を宣告してしまうことがあるというエピソードをご紹介しました。
保険会社が廃車を宣言すると、その車はもう自分の手元には返却されません。保険会社が買取って処理という形になるので、私達は車がない状態で保険会社からお金が送られてくるのをひたすら待たなければいけません。
今回は、廃車宣告を受けてから次の車を買うまでのプロセスとかかる時間を、経験を元にご紹介します。
目次
- 整備工場から保険会社へ見積もりが送られる。そして保険会社が廃車を宣告
- 車はレッカーされる
- レッカー先で全損車としての価値が計算
- 車のTitleを郵送で送る
- Titleが受理されたら保険会社へ、お金あげてもいいよと連絡
- 保険会社から支払いがある
- お金をもらって終わりじゃないかもしれないぞ!
- 廃車宣告から入金まで、かかる日数は?
1.整備工場から保険会社へ見積もりが送られる。そして保険会社が廃車を宣告
保険を使って自動車の修理をする場合、自動車の整備工場が破損をチェックして、見積もりを保険会社へ送ります。
その見積もりを見て、保険会社が廃車を決定すると、整備会社及び車の所有者へ「廃車の通知」が来ます。郵便で送られてくるわけではなく、軽くメールで「直せないので廃車です」的に来ます。
そして車が修理されることを切望している私たちは、途方にくれます。
知っていると便利なこと
整備工場へ、「もしも廃車対象となりそうな場合には全額自腹で修理するかもしれないので、まずは保険会社ではなく自分たちへ連絡が欲しい」と伝えることはできます。違法でもなんでもありません。
保険を使わずに自己負担で修理をすると、保険は関係ないので、以下の手続きはなくなります。廃車扱いにもなりません。
2.車はレッカーされる
最初のステップは、車のレッカー移動です。多くは、保険会社がレッカー移動を手配してくれて、レッカー移動会社から所有者の元へ電話が入ります。
その電話は、「レッカー移動する前に車内から私物を除去してください」
という内容です。
ちなみに我が家の場合、レッカーするよと連絡が来たのは、保険会社が廃車を決めた翌日でした。
ここで注意したいのは、車から取り除くのは私物だけではなく、ナンバープレートもです。ドライバーで簡単に外れますし、車が修理業者などに保管されているのなら、業者の人がプレートを外してくれたりします。
※外したナンバープレートの使い道は、後ほど説明します。
3.レッカー先で全損車としての価値が計算
レッカー先では、全損車(Total Loss)としての価値が計算されます。
何のために、そんなことをするのか?
それは、全損の状態でもオークション市場で売れるからです。もちろん、全損なので修理をしても中古車と言う扱いにはなりません。Totaled CarとかSalvaged Car、つまり全損した経歴を持つ傷物という位置づけで売却されます。
その売却額を計算するわけですね。
もしも車の所有者が全損車をキープしたいと希望すると、事故直前の車体価値から全損価値が差し引かれた金額が、保険会社から送られてきます。
4.車のTitleを郵送で送る
全損車としてどのぐらいの価値があるかを計算する作業は、ケースバイケースで時間がかかります。
しかし、もしも全損した車を手放し、保険会社からお金をもらって別の車を購入しようと考えている人なら、レッカー先に伝えることで手続きがスピードアップします。
次のステップは、車の所有権があることを示すCertificate of Titleの原本を郵送するという手続きです。オフィスが近ければ直接持参するのもアリですね。送る先は車がある場所、つまりレッカー先です。
このCertificate of Titleは、車のローンが残っている場合には、ローン会社が持っているので所有者の手元にはありません。ローンを完済したら、郵送で送られてきます。
もしもローンを完済している人なら、手元にあるはずなので、それを指示された方法でレッカー先に送ります。
紛失したらどうする?
車のTitleは、車内に放置するものではなく、自宅の金庫あたりに入れておく書類です。引っ越しなどで保管場所が分からなくなってしまったり、金庫そのものが盗難にあったり、必要な時にTitleが見つからない!と言うことは、なきにしもあらず。
もしも見当たらない時には、DMVで再発行してもらうことができるようです。ローンを組んでいた金融機関では、Titleの原本をそのまま私達に郵送しているので、コピーをくれと言っても持っていません。
連絡先は、州のDMVです。
5.Titleが受理されたら保険会社へ、お金あげてもいいよと連絡
Titleを郵送で送る際には、ここに何を記入しろと言った細かい指示書に従って正確に記入しましょう。書類が不備だと、送った書類が返送されてきます。やり直せという事ですね。
そんなやり取りを何回も続けるうちに、時間ばかりが経ってしまいます。だから、指示通りにしっかり記入して、一発合格を目指しましょう!
Titleがレッカー先に受理されると、問題ないかどうかをチェックした上で、保険会社へ「問題ないのでお金払ってあげていいよ」という連絡が入ります。
6.保険会社から支払いがある
レッカー先から連絡が入ると、保険会社は私たちにお金を払う準備をして、チェックを郵送するか、もしくはDirect Depositで入金してくれるか、のどちらかで支払ってくれます。
このステップにかかる時間は保険会社によって異なりますが、我が家で加入している保険会社では、48時間以内とおっしゃってました。
7.お金をもらって終わりじゃないかもしれないぞ!
州によっては、保険金を受け取った後にも、廃車の手続きが残っていることがあります。注意しましょう。
それは、ナンバープレートの返却です。多くの州では義務化されていて、プレートを一定期間内に返納しなければ、その住所に登録されているほかの車両のナンバーや運転免許証が一時的に無効となってしまうペナルティが課せられています。
私も、レッカーの前に外したナンバープレートをDMVへ返却に行きました。手続きは難しくなく、本人確認をされたり、プレートを外した車がどうなったのかを聞かれたぐらいでした。
8.廃車宣告から入金まで、かかる日数は?
廃車宣告から実際に入金があるまで、かかる日数はケースバイケースです。もしも事故の際に他人や他車を巻き込んでいれば、その調整などでも時間がかかるため、保険の支払いは遅くなってしまうでしょう。
揉めないケースでは、大半の場合には30日以内に入金があるようです。でも中には、とても速くて1週間以内に入金されたという人もいるので、本当にケースバイケースですね。