コロナ禍で増えたのか、それともトランプ政権になってから増えたのかは知りませんが、近年では「アメリカ市民権を取得したけれど、日本国籍の喪失届を出していない」人が、正式に国籍喪失届を提出するケースが増えていると聞きます。
ご存じの方は多いですが、アメリカ市民権を取得した瞬間に、日本の国籍は勝手に喪失します。
国籍喪失届を提出してもいなくても、喪失するわけですけれど、日本側に正式に届出を出さなければ、日本側は知る由がないので、戸籍謄本などには何も記載されません。
それでは、国籍喪失届を提出したら、自分の戸籍はどうなってしまうのでしょうか?
結論から言うと、戸籍はしっかり残ります!
安心してください。これまでの戸籍謄本に「国籍を喪失しました」という一文が追加され、「除籍」の扱いとなります。
でもね、除籍でも役所では150年間は保存してくれるので、私たちが生きている間に困ることはありません!
もしも年金や相続の申請などで戸籍謄本を持ってこいと言われたら、戸籍謄本ではなく除籍謄本を提出すれば良いだけです。
謄本の名前が変わるだけ
除籍謄本と言われると、なんとなく面倒で複雑な感じがしますけれど、書類の呼び方が変わるだけです。
本籍がある役所で発行してもらえるのは、戸籍謄本と同じですね。
発行手数料が、戸籍謄本よりも除籍謄本の方が高い自治体が多くて、戸籍謄本は450円なのに対して、除籍謄本だと750円だったりします。
戸籍謄本でも除籍謄本でも、日本の正式な法的書類として使うことができますし、もしもアメリカ側へ提出するのなら、アポスティーユでもつけておけば問題ありません。
ちょっと豆知識
アメリカの場合、書類にアポスティーユをつけておけば、自分で英訳&宣誓書を添付したものを公的な機関に提出しても、認められるケースが多いです。
国によっては、英訳もライセンスを持ったプロに依頼しなければ有効でないとか、発行されてから有効期限が3か月以内でなければダメ、という厳しいルールとなっている所もあるようです。
アメリカでも、きっと場合によっては発行ホヤホヤな除籍謄本にプロ英訳をつけたものを持ってこい、と言われることがあるのかもしれません。
でも一般市民のルーティン的な手続きの場合には、役所や担当者によってケースバイケースのようですけれど、DIY英訳でもOKなケースが多いと聞きます。
しかも、アポスティーユ自身には有効期限はないので、アポスティーユした除籍謄本を何通か自宅に保管しておき、必要な時に英訳と宣誓書をつけて提出するという事も可能かなと思います。