国籍喪失後のトラブル、どんなケースが考えられる?

アメリカ市民権を取得すると、日本国籍は自動的に喪失します。それが法律です。

でも、日本へ国籍喪失届を出さないと、日本では私たちがアメリカ国籍を取得したことを知るすべがないので、戸籍謄本には何も記載されない状態となってしまいます。

もしも、アメリカ市民権を取得したのに日本へ国籍喪失届を提出せずにいた場合、将来はどんなトラブルになる可能性があるのでしょうか?

国籍喪失届に関する情報はこちらから (リンクは在アメリカ日本国大使館のものですが、各日本総領事館でも手続きできます)

国籍喪失=外国人になる

国籍喪失届を提出してもしなくても、私たちはアメリカ市民権を取得した瞬間に、日本国籍を失います。つまり、記録上はまだ戸籍が残っていたとしても、私たちは「外国人」「元日本人」となってしまいます。

そのため、日本へ3か月以上滞在するのなら、ビザが必要となります。

元日本人でも、関係ありません。必要です。

国籍喪失後の手続きは全て削除

国籍喪失届が出ていないと、役所に管理されている戸籍謄本はそのままの状態です。

そのため、子供が生まれて出生届を提出したり、戸籍を別の場所へ移す転籍をしたりした場合、役所では手続きが受理される可能性は十分にあります。

だって、役所はあなたが日本国籍を喪失した事実を知らないわけですから。

しかし、受理されたからOKというわけではありません。

数年後、家、数十年後に国籍喪失の事実が分かると、役所では過去にさかのぼって記録を訂正します。

そして、日本国籍喪失後に行った手続きの種類によっては、記録が削除される可能性も高いので注意が必要です!

子供の出生届が消えた?

日本国籍を喪失した後に出産し、子供の出生届を日本へ提出したとしましょう。

役所側では、上記の通り、国籍喪失の事実を知らないので、そのまま出生届は受理されるでしょうし、子供は日本国籍を取得し、日本のパスポートを手に入れることができるでしょう。

しかし、後からあなたの日本国籍喪失の事実が発覚したら?

残念ながら、国籍喪失後に提出した子供の日本国籍は削除されてしまいます。

元日本人(つまり外国人)が生んだ子供は、日本国籍を取得できないからです。

持っていたバスポートも無効です。

子供の出生届に関する地獄を経験したくない人はこちらをどうぞ

日本から出禁を言い渡されることもある

しかも、その時に親子で日本に滞在していたとしたら、滞在ビザを持たない外国人が不法に日本に滞在、つまりオーバーステイとして、強制送還される可能性も高いです。

オーバーステイによる強制出国だと、日本から出禁の刑を言い渡される可能性もありますね。一般的には5年から10年の出禁です。

出入国在留管理局はこちらから

そうなると、、、、親の最期にも駆けつけることができません。

国籍喪失後の戸籍手続きは原則的に全て無効

国籍喪失後に提出した戸籍関連の手続きは、例えその場で受理されたとしても、後から戸籍喪失日まで遡って全て無効の扱いとなります。

そのため除籍謄本を請求する際には、国籍を喪失する直前の本籍地から取り寄せなければいけません。

アメリカ在住日本人の帰国決断を探る

アメリカには、日本人もしくは日系を自負する人が約170万人住んでいます。しかしその中には、アメリカに永住する決意をしてきたけれど、やっぱり日本の方が自分に合っているかなと考えて、永久帰国する人も少なくありません。

永久帰国の理由って、どんなものが多いのでしょうか?

  • ビザや永住権が取れない→学生が卒業とともに帰国せざるを得ない理由として多い
  • 物価が高すぎて生活できない→都市部は特にこの傾向が高い
  • 治安が悪くて怖い
  • 差別に耐えられない→就職・昇進しづらいといった問題や、ポリコレなどがあります
  • 英語に自信がないので友達を作りづらい
  • 医療費が高すぎる

私は国際結婚でアメリカに来たので、ビザや永住権の問題で悩んだことはありませんし、都市部で生活したこともないので、治安が悪くて怖い経験をしたとか、物価が高すぎて手をぢっと見たこともありません。それでもやはり、日本なら経験しないであろう不便さや不快さは、たまに経験することはありますね。

もちろん、↑↑のような理由で帰国する人もいるでしょうし、帰国しない人もいます。どうするのが正解という答えはないので、最終的には自分自身で決断するしかありません。

私が↑↑のような不快体験をした時には、美味しいものを食べて数日間、家に引きこもります(笑)。そうすることで、嫌なことを自分の中で消化して、また日常生活を前進しようというモチベーションが芽生えてきます。あ、でもこれは私のやり方なので、皆さんは自分なりにピッタリの解決法を見つけてくださいね!

日本へ帰国する前にアパートを契約することは可能か?

日本に住んでいる人にとっては、日本の銀行で口座を開設するとか、賃貸アパートを契約するとか、ハードルが高すぎて無理!という事はないと思います。

しかしアメリカに住んでいる人にとっては、そうした「日本に住んでいれば簡単にできること」のハードルが高すぎて不可能、という事が少なくありません。

その中でも賃貸アパートの契約は、きっとものすごーく大変だと想像します。

日本国籍を持っています!なんていっても、おそらく相手にされないでしょう。

その理由は、日本の賃貸アパートを契約するには、

  • 日本の企業で働いている→不動産業者から「職場確認」という電話をされます
  • 日本国内での電話番号→連絡用に絶対必要だと言われます
  • 日本で収入のある保証人→高齢の両親はダメだと言われます
  • 日本国内の銀行口座→海外に住んでいると、そもそも持ってない

などが必要で、一つでも持っていないと相手にしてもらえません。。。

これから永住帰国を検討している人にとっては、住む場所はとても重要な問題ですよね。

そこで今回は、日本へ永住帰国する前に賃貸アパートを契約できるのかどうかを検証してみました!

結論:不可能ではない

結論から言うと、帰国前に契約することは、不可能ではありません。なぜなら、日本には少数ですが、外国人向けに賃貸アパートを提供する不動産業者があるからです。

例えば、「Gaijin podハウジングサービス」という不動産業者では、

  • 海外から契約できる
  • 保証人は不要
  • カード払いができる
  • 日本国籍がなくても契約できる

など、海外で暮らしている人に対するハードルがなく、気に入った物件があれば契約できます!

リーズナブルに入居するならUR機構も

おしゃれなマンションというわけではないものの、UR機構を利用するという方法も、選択肢の一つかもしれません。入居のための条件はいくつか設定されていますが、保証人が不要で、日本で暮らす滞在資格(日本国籍があるとか、在留資格があるとか)があれば申し込みできます。

日本へ帰国したいけれど銀行口座を開設できない!どうすれば良い?

配偶者と離婚したり死別したり、老後は夫婦そろって日本へ永久帰国したいなど、片道切符で日本へ帰国を考える人は少なくありません。

アメリカで暮らした長い年月の間には、家や車などの資産を持っていたり、金融機関に様々な口座を持っていたりして、それらすべてをどうやって日本へ移せばよいのか、頭を抱えることもあるでしょう。

日本へ帰国を予定していても、旅行がてら日本へ行った時に銀行口座を開設できるわけではありません。

そう、日本の銀行では、マイナンバーカードが銀行の口座開設には必要不可欠です。

持っていなければ、銀行口座を作りたくても作れません。

しかもこのマイナンバーカードは、住民票が入っている人でなければ持てません。

海外に住んでいる人は、転入届を入れなければマイナンバーカードは作れないのです。

効率的な作業が税金面でベストとは限らない

多くの場合、旅行がてら日本へ帰国した時に海外転入届を提出してから、銀行口座を開設したり住む場所を探したりするのではないでしょうか。

しかし、別の記事でも触れましたが、家や車などの資産を売却するタイミングと住民票を入れるタイミングを間違えると、売却した際に出た利益が日本で課税所得となってしまいます。

だから、できるだけアメリカでの資産を最初に売却してから、日本へ転入届を出すのがベターです。

「え、ちょっと待ってよ。じゃあ、どんな順番ですればいいわけ?」

という罵声が聞こえてきそうですね。

はい、確かに順番を間違えると税金地獄が待っています。→詳しくはこちらから

手続きの順序はコレ

それでは、どんな順番で手続きをすれば良いのでしょうか?

税金対策という面においては、

  1. まず最初に、アメリカでの不動産を売却。クローズもして利益を得る。
  2. 車については、購入額より高く売れる車でなければ問題なし。帰国直前まで乗り続けてOK。
  3. アメリカ国内で持っている金融機関の口座は、海外からネットでどんな手続きができるかを確認しておく。→海外からではアプリやサイトにアクセスできない、と言った不便が起こるリスクがあります。
  4. アメリカでの株などは、帰国後も長期間持ち続けるなら、そのまま放置。帰国後に解約するつもりなら、帰国に解約して銀行口座にまとめておく。
  5. アメリカの銀行口座は、基本的にクローズしない。そのまま。
  6. 日本へ帰国。
  7. 転入届を入れてマイナンバーをゲットする
  8. 銀行へ行って口座を開設
  9. アメリカの銀行から日本の銀行へ海外送金する→税務署が税金を払えと家に来ますが、アメリカですでに税金を納めている自身の資産を移しただけだと証明できれば課税対象になりません。

という順序がおすすめです。

家を売却して日本に帰る?タイミングには注意して!

アメリカで生活し、こちらで不動産も購入したけれど、事情があって日本へ帰国するという人は少なくありません。日本へ永久帰国なら、所有していた不動産など全て売却してスッキリしてから帰国したいという人は多いでしょう。

  • 日本へ帰国して転入する
  • アメリカの不動産を売却する

この二つの作業をする時、実はどちらを先にするかによって、日本の税金という点では天国にもなれば地獄にもなることはご存じでしょうか?

天国:不動産を売却してから帰国

日本へ帰国する前に、

  1. アメリカの不動産を売却してクローズする
  2. 売却益を受け取る
  3. 日本に帰って転入届を入れる

という順序が理想的です。

この順序なら、アメリカで売却した不動産に対する税金は、アメリカ側で適切に処理されるため、日本側で二重に課税される心配はありません。

ちなみにアメリカのIRSへの税金申告は、翌年のTax Returnで行いますが、日本への転入届はTax Returnより前に入れて問題ありません。

投資物件ではなく、自身が住んでいた不動産を売却した場合、IRSからの課税は利益が$250,000(夫婦でJointなら$500,000)以内なら税金はかかりません。

ちなみに、この利益というのは売却した価格ではありません。

売却した価格から、自身が購入する時に払った価格を差し引いた金額です。

例えば、10年前に$300Kで購入した家にずっと住んでいて、日本に帰国するので売却したら$500Kで売れた、という場合には、

$500K-$300K=$200K

が利益です。そしてこの金額は、↑の控除内なので、申告をしても税金はかかりません!超ラッキー!

地獄:帰国してから不動産を売却

一方、日本で転入届を入れた後にアメリカの不動産を売却すると、地獄を見ます。

その理由は、

日本の居住者が海外の不動産を売却すると、利益は課税所得となるから。

「え、だってアメリカの不動産なんだから、税金はアメリカに払うでしょ普通」

なんて言ってもダメです。

→国税庁のページで確認したい人はこちらから

外国税額控除を使えばいいじゃん?

アメリカに限らず海外の不動産を売却して、アメリカにしっかり税金も払いました、という人は、日本の確定申告で一定の書類を添付すると、日本へ支払う税金を一定額だけ引いてもらうこともできます。

でも皆さん、考えてみて下さい。

日本の確定申告と、アメリカのTax Returnの時期はほぼ同じです。

つまり、かなり高い確率で、

  1. 日本へ確定申告をし、日本の税法に基づいて税金を納める
  2. 次の年の確定申告で、アメリカ側に申請したTax フォームを添付書類として添付
  3. 精査されてから税金が還付

という順番になりそうです。これ、かなーり時間がかかりますよね。

しかも、順番をすこし工夫すれば払わずに済んだ税金を、自腹で1年以上立て替えるというのは、嫌なものです。

結論:帰国するなら資産を全て売却してから転入しよう

不動産に限らず、車などの資産も、日本へ転入届を入れてから売却すると、全て確定申告の対象となります。

覚えておきましょう。国税庁は、海外資産に対しては目を光らせています。

「知らなかった」という言い訳は通用しませんし、国税庁がやってきた時には何年も経過していたりして、延滞税などがかかるリスクもあります。

面倒です。ストレスです。お金もかかります。

そうならないためには、アメリカで売却する資産はすべて売却し、現金を手にしてから日本へ転入届を入れる、という順番がベストです!

アメリカ国籍を取得した人は日本で老後を過ごせるのか?

長い人生の中では、アメリカ国籍を取得した時には老後もずっとアメリカだと覚悟をしていたけれど、離婚や死別などいろいろなことがあり、老後はやはり住み慣れた日本へ帰りたいと希望する人も、少なからずいます。

そこで今回は、アメリカ国籍を取得した人は日本で老後を過ごせるのかについて、検証してみました。

目次

  1. 法的にはどうなる?
  2. アメリカ人の配偶者を連れて行くことはできる?
  3. 配偶者と共に日本へ移住する際の注意点

1.法的にはどうなる?

アメリカ国籍を取得した人は、自身で自主的に日本国籍の放棄手続きをしてもしなくても、法的には日本国籍がなくなります。

国籍法11条(国籍の喪失)

日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。

この状態で日本へ帰国しても、あなたは外国人というステータスなので、何もできません。

そのため、

  1. 日本国籍を放棄する手続きをする
  2. 日本での在留資格を得るためのビザを取得する

という順序で手続きをします。

日本での在留資格にはいくつかの種類がありますが、私たちの多くは「日本人の配偶者など(実子)」というステータスが該当するのではないでしょうか。

もともと日本国籍を持つ元日本人だと、いくらか優先順位は高くなるという話も聞きます。

この在留資格ステータスでは、

  • 親の戸籍謄本、すでに亡くなっている場合には除籍謄本
  • 日本で生まれたことを示す出生届受理証明書(自身の除籍謄本に記載されています)
  • 費用面で問題ないことを証明できる書類
  • 身元保証人→日本で暮らす親族

が必要です。日本で働かなければ資格を得られないわけではありません。定年退職している人にとっては、この点はありがたいですね。

戸籍や除籍の謄本ぐらいなら簡単に入手できますが、身元保証人や費用面で必要となる書類は、ケースバイケースで難易度が上がる可能性がありますよね。そのため、問題なくスムーズに手続きを進めたいなら、弁護士に依頼することをおすすめします。

2.アメリカ人の配偶者を連れて行くことはできる?

アメリカ人の配偶者と共に老後は日本で、と希望している人は、自身の在留ビザの手続きをするのと並行して、アメリカ人の配偶者は「定住者」ビザの申請をすることになります。この方法だと一緒のタイミングで移住できるので、大きな安心感がありますね。

定住者の場合には、

  • 婚姻受理証明書
  • 銀行残高など経済的に自立していることを証明する書類
  • 身元保証書
  • 質問書
  • 夫婦間の交流があることを証明する書類

などが必要です。この場合、弁護士に相談しながら却下されないように準備するのが得策かもしれません。

3.配偶者と共に日本へ移住する際の注意点

配偶者と共に日本へ移住する際には、大きな注意点があります。それは、

  • 将来遅かれ早かれ訪れる相続
  • アメリカ国籍を放棄する際に発生するExit Tax

です。

海外でずっと働いてきた人なら、自身もしくは配偶者が海外から年金を受給することになるでしょう。海外の年金を日本で受給することは、問題ありません。

しかし配偶者が亡くなり、自身が遺族年金を受け取る場合には、大きな問題が発生します。

それは、海外からの遺族年金は相続税の免除にならないどころか、日本人の平均余命まで生きると仮定した上で受給金額を全て財産として計算され、そこに大きな相続税がのしかかるからです。

ちなみに、この海外資産にかかる相続税は、あなたの国籍は関係ありません。日本国籍を再取得していても、海外国籍のままでも、同じように課税対象となります。

この点は決して甘く見ずに、自身で対策を講じたうえで移住することを強くお勧めします。

海外の遺族年金と日本の相続税についてはこちらから

Exit Taxについてはこちらから

配偶者が亡くなったら、何をすれば良いのか?

長い期間ずっと生活を共にしてきた配偶者が亡くなったら、言うまでもありませんが悲しみに打ちひしがれてしまい、もう立ち上がれないかもしれません。

しかし、そんな遺族の感情には関係なく、法的にしなければいけない手続きは山のようにあるでしょう。

もしも何をしなければいけないのか分かっているのなら、悲しみに暮れながらも子供や弁護士のサポートを受けながら一つずつ片付けることができます。こうした手続きは、遅かれ早かれしなければいけない事なので、速やかに気持ちをこらえて対応してしまう方が、後からすべてが楽になるような気がします。と、他人事のように考えていれるのは、おそらく私も夫もまだ若くて元気だからなのだと思います。

遅かれ早かれ、その時はすべてのカップルに訪れます。

目次

  1. 死亡届をゲットする
  2. 遺言を執行する
  3. 名義の書き換え
  4. 税金はどうすれば良い?
  5. その後はマイペースで作業すればOK

1.死亡届をゲットする

パートナーが亡くなったら最初にすることは、まず医者に死亡宣言をしてもらう事です。病院やホスピスで亡くなった場合には、そこにいる医師が対応してくれますが、例えば朝起きてこないのでおかしいと思って見に行ったら亡くなっていた、なんて時には、まずは911に電話をして救急車で運んでもらい、そこで死亡宣言をしてもらう必要があります。

知らない人はいないと思いますが、配偶者が死んだからと言って、勝手に庭に穴を掘って埋めたり、悲しいのでしばらく放置するのはNGです。捕まります。

もし亡くなった配偶者が会社に勤務していたなら、職場にも連絡を入れましょう。

葬儀の手続きなどは、おそらく自分でネットで調べなくても、死亡宣言を受けた時に専門の人がいろいろサポートしてくれると思います。死体と一緒に途方に暮れる、なんてことにはならないので、安心しましょう。

さて、最初のハードルは、死亡証明書(Death Certificate)をゲットすることです。これは人が死んだら必ず発行してもらえるもので、法的な手続きをする際にはほぼ間違いなく、提出するように言われます。

死亡証明書は、最高10部までもらえるので、多めにもらうことをおすすめします。その理由は、さまざまな機関で「オリジナルを提出してください」と言われるからです。

もしも、もっと必要になった場合には、州のVital Statistics Officeからさらに発行してもらえます。

2.遺言を執行する

パートナーが残したプラスとマイナスの資産が共同名義(ジョイント名義)の場合には、口座の凍結と言った措置は全くなく、そのままこれまでと同じように利用できます。銀行の預貯金、クレジットカード、住宅ローンの返済など、日常生活に影響が出ないことは、残された側にとっては大きな安心感だと思います。

共同名義ではない資産があった場合には、それがどうなるのかは法的に決めてもらわなければいけません。もしも遺言があるのなら、遺言通りに処理されるため、まずは遺言を見つけてください。理想的なことは、亡くなる前に遺言書の有無を聞いておくことですね。

遺言書がない場合には、検認を行う裁判所の裁判官が、誰が執行するかを指名してくれます。多くの場合には、配偶者や子供となります。

なお、一般的な預貯金などは共同名義ができますが、IRAに関しては共同名義ではなく個人名義となっています。多くの場合、ネットで相続人を指定できるので、元気なうちに指定しておくと良いでしょう。

もしも共同名義以外の資産が多くあったり、不動産が含まれている場合には、悲しみに暮れながら手続きに追われるのはとても大変です。ぜひ弁護士に丸投げしましょう。

3.名義の書き換え

共同名義の資産は、死亡証明書を提出するだけで手続きが終了となることが多いです。それまでは共同名義だったものを、単独の名義に変えるだけなので、時間もそれほどかかりませんし、口座が凍結という事もありません。

パートナーが死亡したことを通知しなければいけない機関は、いくつかあります。

  • ソーシャルセキュリティ事務所 →配偶者の受給をストップして、自身の遺族年金の受け取りに切り替える
  • 生命保険会社 →死亡証明書と、生命保険の契約番号が必要です。
  • 健康保険会社や介護保険会社
  • 銀行やカード会社などの金融機関 →共同名義でも死亡証明書を提出する

しかし検認のプロセスでは、一つ一つの資産の目録を作って価格評価をして、、と気が遠くなるような作業が必要になることもあるようです。

この作業には、数か月かかることもあります。

4.税金はどうすれば良い?

アメリカにも、相続税の申告はあります。しかし、日本のように何か月以内に耳をそろえて払えという事はなく、毎年行うTax Returnの時期に「申し上げますが、私の配偶者は去年なくなりました」と申告します。

もしも相続税の支払いが必要な場合には、そこで支払うことになりますが、アメリカの相続税は控除枠が2ミリオン程度あって太っ腹なので、庶民なら気にする必要はありません。

また残されたあなたが市民権を持っている場合には、配偶者間の相続は無制限で無課税です。

5.その後はマイペースで作業すればOK

法的な手続きは、できるだけ早めに済ませるのがベターです。しかしその他の手続きは、急がないとはいえ、故人へのリスペクトという意味でもしっかりと対応したいですね。例えば、

  • パスポート →キャンセルした後、返却してもらえる
  • 運転免許書
  • SNSでの最後のご挨拶
  • パートナーが個人的に利用していた有料サブスク
  • Eメールのアカウントを追悼して閉じる
  • 有権者登録から抹消

アメリカにサヨナラするとかかるExit Taxとは?

現在はアメリカで働いて暮らしている人の中には、老後には日本や別の国へ移住して暮らしたいと考えている人がいるかもしれません。

賃金もまぁまぁ高いけれど、それ以上に物価が高くて生活しづらいアメリカよりも、アメリカから年金を受け取りながら物価が安い国で暮らしたいと考えても、不思議なことではありません。

しかし、もしもアメリカから海外への移住を考えているなら、Exit Taxについても知っておいた方が良いかもしれません。

目次

  1. Exit Taxとは?
  2. 課税対象となる資産
  3. 税金の申告は最後のTax Returnで
  4. 失ったアメリカ国籍、再び取得できるのか?

1.Exit Taxとは?

Exit TaxとはExpatriation Taxと呼ばれている税金で、アメリカにもう住まない人が対象です。

  • アメリカ国籍を離脱する市民
  • 過去15年のうち8年間以上をアメリカで生活していたグリーンカード保持者の永久帰国

海外へ移住してもアメリカ市民であり続けるなら、Exit Taxはかかりません。なぜなら、アメリカでは世界のどこで暮らしていてもアメリカへ税金を納めろというルールがあるからです。

海外で暮らしている人は、アメリカ市民権を持っている期間はアメリカに毎年Tax Returnをし、他の国の国籍を取得したなどの理由でアメリカ国籍を離脱する際には、最後のTax ReturnでExit Taxの申告を行います。

2.課税対象となる資産

アメリカ国外に持っている資産も課税対象

課税対象となる資産は、アメリカ国内に持っている資産だけではありません。世界中に持っている資産すべてが課税対象となります。

例えばアメリカに不動産を持っていたら、売却しようがしまいが関係なく、課税されるタイミングでの時価に対してかかります。

申告義務が生じるのは、全資産の合計が76万ドル以上(毎年変わる)の場合です。けっこう微妙なハードルなので、自身が対象となるかどうかを見極める必要があると思います。

リタイヤメント口座の資産も対象

IRAや401Kなどのリタイヤメント口座に入っている資産は、通常の税金申告なら引き出さない限りは課税対象外ですが、Exit Taxは全額が課税対象です。

また、アメリカ国外に持っているリタイヤメント口座に対しても、Exit Taxがかかります。

3.税金の申告は最後のTax Returnで

Exit Taxの申告は、IRSに対して行う最後のTax Returnで行います。Turbo Taxのようなソフトを使って申告している人なら、Exit Taxについて詳しく理解していなくても、ソフトがきちんと申告してくれます。

4.失ったアメリカ国籍、再び取得できるのか?

アメリカは二重国籍を認めている国なので、自分から自主的に国籍を放棄しない限りは、ずっとアメリカ国民でいることができます。

しかしアメリカ国民でいる限り、海外に住んでいてもアメリカへ所得税の申告を毎年しなければいけません。それに住んでいる国にとっては、いろいろな手続きが面倒だったり、職業などに制限が設けられることがあるかもしれません。

アメリカ国籍を放棄するのは、自身の判断で決めれば良いでしょう。しかし一度離脱したアメリカ国籍を再び取得するためには、7年から10年間という長い年月がかかってしまうことは覚えておきましょう。

グリーンカード保持者の場合には、再取得が難しいという話はチラホラ聞きます。

長い人生、国籍をどうするかの決断は、先の先まで考えたうえで慎重に決めたいですね。

老後に日本で暮らすと地獄の相続?

まずは、こちらをご覧ください。

この事件というか事態を簡単に説明すると、

  • 海外で税金を納めていて、海外からの年金を受け取っている夫
  • 夫の死後には自身も遺族年金をうけとれる
  • 国税庁が、海外からの遺族年金を「海外資産」と判断
  • 日本女性の平均余命89歳までに受給するであろう金額を計算
  • それに相続税をかけた
  • 払えません

というお話です。

日本で暮らす親からの相続の話ではありません。自分の配偶者が亡くなった時に、これから生きるために受給する遺族年金に対して、生きているかもわからない未来の分まで逆算して資産だとカウントされ、高い相続税を掛けられた、という話です。

私は、アメリカに骨をうずめるつもりです。そのため、夫が定年した後に二人で日本へ行って暮らすことは、まったく考えていません。

でも、海外で生活している人の中には、そういう人、けっこういますよね?

配偶者が日本人でも外国人でも、海外からの年金を夫が受け取っていて、自分はその遺族年金をもらう予定の人は、多くの人が該当する案件だと思いました。

海外資産とは?

さて、ここで問題になるのは、海外資産です。

海外資産とは、そのまんま、海外にある資産のことで、国税庁によると、外国の年金も海外資産にカウントされるらしいのです。

アメリカに住んでいても日本へ相続税を払う?

「えー私アメリカに住んでるのに、どうして日本へ相続税をはらわなきゃいけないの?」

という声が聞こえてきそうですね。

はい、私もそう思いました。それで、国税庁のサイトを熟読してきました↓↓

国税庁のサイトを読みたい人はこちらから

注意点は?

ずっとアメリカで暮らしていて、日本へ10年以上帰ってもいないという人なら、日本の国税庁から「相続税払ってませんよね?」なんて言われることはないと思います。

でも日本に住所がある、つまり住んでいたことがあるとみなされると、話はずいぶん変わります。

過去10年の間に日本に住んでいた人には、海外資産の相続に対して日本の相続税が発生するからです。

なんでも、相続税を逃れたいために、死ぬ間際に海外へ資産を移して「もってません」とフリをした金持ちが大勢いたらしく、その対策として10年という線引きがされたようですね。

日本の相続税は、アメリカと違って控除がちょぴっとしかありません。だから、アメリカでは相続税何それ?という人でも、日本の相続税法では多額を払わされて家を失うリスクもなきにしもあらず。

そのためには、どうしたらよいのでしょうか?

ポイントは、「日本に住んでいたかどうか」の定義です。

日本の税理士の方などは、「住民票が入っていても住居の実態がなければ問題ない」という方が少なからずいます。もちろん、理論的にはそうなのでしょう。

しかし多くの場合、国税庁から莫大な相続税を掛けられて、納得いかないから裁判を起こしたら、最高裁まで行ってワンチャン認められた、という判例ばかりです。

そんなストレス、私はイヤだ・・・。

私はすでにアメリカの市民権をとっているので、住民票はもうありません。でもこれからそういう立場に置かれるかもしれない方は、よーくリサーチをした上で専門家にも相談し、確固たる安心感を手に入れてから日本へ帰国されることをおすすめします。

”自称”二重国籍はバレるのか?

アメリカは、二重国籍を認めています。だから、私達のように日本国籍を持つ人がアメリカで生活をして、後からアメリカ国籍(市民権と呼ばれています)を取得しても、まったく気にしません。当然ですが、おとがめもありません。

しかし、日本は違いますよね。日本は二重国籍を基本的に認めていないので、生まれた時から二重国籍だったという人や、国際結婚したら相手の国籍が勝手についてきたという人以外は、二重国籍はダメというルールになっています。

さて、ここからはアメリカに限定したお話をしますね。

日本国籍を持つ私たちがアメリカ国籍の人と結婚しても、アメリカ国籍は自動的にもらえません。アメリカで暮らすためには通称グリーンカードと呼ばれる移民ビザを取得して、それを更新しながら永住者というステータスで暮らすことになります。

いくつかの条件を満たせば、アメリカ国籍を取得する資格を得ることができ、永住者というステータスからアメリカ市民へとグレードアップできます。

アメリカ永住者vs市民権のメリットやデメリットはこちらから

ここからは、私がネットで調べた内容をまとめたものです。私は弁護士ではないので、このブログ内容は法的なアドバイスをするものではありません。ご了承いただける方だけ、先へお進みください。

アメリカ国籍を取得すると、日本の法律ではその瞬間に「日本の国籍を放棄した」と見なされます。

しかし、アメリカの移民局が日本の法務局に「お宅の国民だったXXさんがアメリカ市民になったのでよろしく」なんてお知らせをしてくれるわけではありません。

だから、自分から「アメリカ市民になりました!」と公言しない限りは、日本にある法務局も、そしてアメリカ各地にある日本大使館や領事館は、そんなことは知りません。

ルールを守る人なら、アメリカの国籍を取得する手続きと合わせて、すみやかに日本国籍を放棄する手続きも行うでしょう。しかし、どこでどうやって放棄すれば良いか分からない人、また自動的に日本側でも放棄の手続きをしてくれていると思い込んでる人もいます。

中には、子供が二重国籍なんだから自分も二重国籍で問題ないはず、と間違った解釈をしている人も、一定数いるようですね。

法律的には、アメリカ国籍を取得した瞬間に日本国籍を失うわけですが、それを知らずに自分は二重国籍だと思い込んでいる人は、そのあたりの業界では「自称・二重国籍」と呼ばれているそうです。

さて、長すぎる前置きはこの辺にして、本題に入りましょう。

自称・二重国籍はバレるのか?

結論から言うと、バレる可能性は年々高くなっています。また、バレなくてもアメリカ国内で日本国籍が自然消滅する可能性も高いです。

バレる理由1:アメリカでパスポートを更新できない

アメリカ国籍を取得すると、グリーンカードは帰化証明書と引き換えに返却します。記念として持っていたいとお願いしても、ダメです。回収されます。

アメリカ国内で日本のパスポートを更新する際には、滞在資格を証明するグリーンカードやビザなどを提示しなけばいけませんが、アメリカ市民になれば、もうありません。

だから、アメリカ国内で日本のパスポートは更新できなくなります。

バレる理由2:子供のパスポートを申請してバレる

生まれた時から二重国籍の子供は、アメリカ国内で日本のパスポートを問題なく更新できます。しかしパスポートの更新手続きに行く際には、近年では親の滞在資格もチェックされることがあるようです。

この時、もしも親が自称二重国籍者だと分かると、二重国籍は認めていない旨の説明を受けて、国籍放棄の手続きを始めることになるのだとか。

親が自称二重国籍でも、子供のパスポート申請は受け付けてもらえます。しかし、それと引き換え、と言ったら言葉は悪いですが、親は日本国籍放棄の手続きを始めなければいけません。

「え?じゃあ子供のパスポートは更新しません」

と言っても、時すでに遅し。領事館から日本の法務局へ連絡が入る可能性があります。これをされた事例もあります。日本でのパスポート更新もハードルが上がります(詳しくは↓↓)

バレる理由3:日本でもパスポートを更新できない

アメリカでパスポートの更新ができなくても、日本に行けばできる!なんて思っている人、それは甘いかもしれません。

パスポート申請書類には「外国の国籍を持ってますか?」という質問があり、ここに「はい」と答えると、パスポートの申請は却下されます。

「いいえ」と答えると、虚偽申告となって罰金か懲役刑、場合によっては両方に処される可能性があります。

バレる理由4:海外転入できない

日本が国を挙げて行っている自称・二重国籍者狩りは、公的機関が見事な連携プレーで徹底的に自称・二重国籍者の「ズルい行為」を阻止します。

とある人は、アメリカ国内でパスポートの申請ができないなら日本ですればいいと思い、日本へ帰国して海外転入を試みたそうです。

すると市役所の窓口で、「アメリカ大使館から居住許可証明書を取得してこなければ住民票を入れられない」と言われたとか。

はい、アメリカ国籍を持っている人は、グリーンカードもビザもありませんから、そんな証明書は出ません。つまり、住民票を入れることはできません。

バレる理由5:成田空港でパスポート没収

アメリカ国籍を取得した瞬間に、日本の国籍は失効します。パスポートの見た目が使えそうな感じでも、法的には失効しているので注意してください。本来は使ってはいけないパスポートを使って日本へ入国しようとすれば、パスポートの不正使用です。

日本の入国管理局が出入国のデータを調べれば、一発でバレます。その理由は、二重国籍の人は、アメリカへ戻る際にはアメリカのパスポートを使い、日本に入国する際には日本のパスポートを使うため、出入国記録には、入国記録のみで出国記録がないからです。

手荷物検査をすれば、アメリカのパスポートも当然出てきますから、アメリカ国籍を取得した事実はあっさりとバレるでしょう。そしたら、日本のパスポートはその場で没収、そして不法に入国しようとしたという罪で強制送還されるリスクが高まります。

バレる理由6:親の相続でバレる

日本で暮らす親が亡くなると、相続が発生します。公正証書遺言書を親が残していたとしても、不動産を相続するのならアメリカに合法的に滞在している証明書、もしくは日本国籍を放棄して外国人ですという証明をする必要が出てきます。

相続がきっかけで、日本国籍を放棄する手続きを始めた人は多くいます。その場合、国籍放棄の手続きには数か月という時間がかかるため、それが済むまでは他の相続手続きがすべてストップしてしまいます。相続税の納付期限が迫る中、きっと大きな精神的なストレスになることでしょう。

バレる理由7:ビザは出ない

当然ですが、日本国籍を持っている人に対して、日本へ入国するビザは出ません。コロナ禍では、外国人が日本へ行く際にはビザが必要で、アメリカ国内にある日本領事館が対応していました。

自称二重国籍者の場合には、まず国籍放棄の手続きをしなければビザを出しませんと言われたようです。当然といえば当然です。

領事館によっては、国籍放棄の手続きを始めれば、並行して日本へ行けるビザを出してくれるという良心的な対応をしてくれたところもあるようでしたが、全ての領事館がそういうわけではありませんでした。国籍放棄の手続きに数か月かかるため、親の最期に間に合わなかった人もいたようです。

現在では、このビザ制度は終了していますが、いつ再びそんな事態が起こるか分かりません。いざというときに慌てないためには、平時にきちんと手続きしておいた方が安心です。

サヨナラ日本国籍

子供は法的に二重国籍が認められていても、親も同じように二重国籍者になれるわけではありません。ある統計によると、外国の国籍を取得しても日本国籍を放棄する手続きをしていない人は数十万人いると言われています。

アメリカで生活する上では、特に不自由を感じることはないでしょう。しかし日本で何かしようとすれば、自称・二重国籍では何もできません。もしもこれからアメリカ国籍を取得しようと考えている人は、日本人としての待遇や特典はすべてあきらめる覚悟をもって取得することを、強くおすすめします。