アメリカの銀行の仕組みは、日本と大きく違います。まず、口座の種類がたくさんあって分かりにくいですし、かかる手数料なども違います。ここでは、アメリカの銀行の仕組みや銀行口座の種類、かかる手数料など基本的な所を、分かりやすく説明しています。
目次
- Checking Accountとは?
- Saving Accountとは?
- Checking accountとSaving Accountの違い
- 銀行口座はいつ開く?
- どんな手数料がある?
- 最初に開設するならこの銀行がオススメ
1.Checking Accountとは?
アメリカに行って銀行口座を開く時には、このChecking Accountのことを指します。これは、日本でいう”普通預金口座”のようなもので、店舗に足を運んでも開設できますし、ネットでも開くことができます。
Checking Accountを開くと、口座番号やデビットカードとともに、CheckBookなるものが発行されます。口座番号はその場で教えてもらえるので、日本からの送金などもすぐできます。デビットカードは、1週間~2週間ぐらいで、口座開設の時に登録した住所まで、郵送で贈られてきます。書留のように受け取りにサインが必要ということはなく、ポストに他の郵便物と一緒に投函されるので、在宅でいる必要はありません。
Checking Acccountは、バイト代やお給料の振込口座として使えるだけでなく、光熱費やカードの支払や、チェック(小切手)による支払口座としても使えます。
なお、アメリカの銀行では、口座を開設しても銀行通帳というものはありません。利用明細や残高などは、郵送で送ってもらえるほか、オンラインを使ってチェックします。パソコンからオンラインのサイトへアクセスしても良いですし、アプリをスマホにインストールしておけば、いつでも簡単に取引明細や残高のチェックができます。
2.Saving Accountとは?
Saving Accountとは、貯蓄用の口座のことで、Checking Accountと一緒に開設しても良いですし、別途で開くこともできます。口座にお金が入っていると利子がつくという特典付きの嬉しい口座ですが、毎月の平均残高が一定額以下になると、口座維持費として10ドルから15ドルぐらい徴収されることが多いです。
また、貯蓄することを目的としている口座なので、毎月の引き出し回数制限は6回までと決められています。もし6回以上引き出した月が半年以内に2月以上あると、そのSaving Account口座は、自動的に利子がつかないChecking Accountへと変更されてしまいます。
3.Checking AccountとSavingAccountの違い
Checking AccountとSaving Accountとの違いは、いくつかあります。
違い1:チェックを書けるかどうか
1つ目は、Check Bookと呼ばれる小切手を発行してもらえるかどうか。キャッシュレスが進んでいるアメリカでは、お財布の中に現金が入っておらず、支払いはカードかCheckという人が多いです。しかも近年では電子マネーなども普及しているため、Checkによる支払をする人も減っています。
違い2:利子がつくかどうか
2つ目は、利子がつくかどうか。Checking Accountでは、基本的にはノー利子。日本の銀行では、普通預金でも利子はつきますが、アメリカでは利子がつかない口座もあります。ただし銀行によっては、最低預金残高などの制限はあるものの、利子がつくChecking Accountもあります。
違い3:デビットカードとして使えるか
3つ目は、デビットカードを発行してもらえるかどうか。毎日のお買いものでカード払いをする際には、このデビットカードを使う人が多いです。利用回数や利用金額に制限はなく、1ドルぐらいな少額ショッピングでも、カード払いができます。このデビットカードを発行してもらえるのは、Checking Accountのみ。Saving Accountだと、ATMから現金を引き出すためのカード発行されますが、VISAやMasterのロゴがついたデビットカードは発行してもらえません。
違い4:毎月引き出せる回数
4つ目の違いは、引き出し制限の有無です。Checkingは制限がないので、毎月何回でも、いくらでもカード払いやATMからの引き出しなどで使えますし、それに対するペナルティはありません。しかしSavingの場合には、毎月6回までの引き出ししかできないので、ATMや別口座への振り替えなどの合計が6回未満になるように注意しなければいけません。
4.銀行口座はいつ開く?
アメリカに行ったら、まずやりたい事は銀行口座を開くことではないでしょうか。数週間の留学のような短期滞在なら、わざわざ口座を開く必要はありませんが、半年以上滞在する人や、移住する人なら、銀行口座は必要ですね。
アメリカの銀行口座を開くためには、
- 身分証明書
- アメリカ国内で有効なビザ(学生ビザI-20、就労ならJ-1ビザやH-1Bビザ、L-1ビザなど)
- 最初の入金額$25程度
が必要です。身分証明書は、アメリカ国内で発行された運転免許証があれば理想的なのですが、渡米したばかりの人がそんなものを持っているはずがありません。その場合には、日本のパスポートでもOKです。
- ソーシャルセキュリティ番号
- 現住所の確認ができるもの(光熱費の請求書、アパートの賃貸契約書など)
などがあれば、銀行口座を開設できます。ちなみに、観光客というステータスでは口座を開くことはできません。
5.どんな手数料がかかる?
アメリカの銀行口座には、さまざまな手数料がかかります。口座を開くときに渡される書類みたいなものを熟読すれば記載されていますし、ネットでも調べることができます。
口座維持管理手数料
銀行によって、口座を持っていることに対してかかる手数料です。金額は銀行によって異なり、毎月5ドルから12ドルぐらいが多いです。銀行ごとに、毎月の口座残高が一定額以上なら手数料がかからない条件などもあります。
ATM手数料
口座を持っている銀行のATM以外を使うと、手数料がかかります。これは日本でも同じですよね。しかし、手数料のかかり方が、アメリカでは若干異なります。銀行から3ドル程度の手数料がかかる他、使用したATMからも手数料が3ドル程度かかります。いくらかかるかは銀行やATMごとに異なるため、頻繁にATMを利用するという人は、どの銀行で口座を開設するのがお得かという点を考えましょう。
6.最初に開設するならこの銀行がオススメ
ある程度生活が落ち着いたら、もっと便利な銀行があるかもしれない。だけど渡米直後に最初に開設するなら、やはり使い勝手が良くて便利な銀行を選ぶのがおすすめです。まず最初に口座を開設するなら、
あたりがおすすめですね。
Case Bank

国内大手銀行の一つで、支店やATMの数が充実しています。しかも、ATMが最新式で、操作性がバツグンという点も魅力ですね。
ただし、Checking Accountは、毎月の残高が$1,500以上でなければ、口座維持費として毎月$12かかります。
Bank of America



アメリカ最大の銀行で、口座開設の手間が少なく、手数料も大手の割には比較的リーズナブルです。ATMや支店の数はChaseほどではありませんが、都市銀なので使い勝手はバツグンです。
この銀行も、Checking Accountの平均残高が$1,500以上でなければ、口座維持費として毎月$12がかかります。
Wells Fargo



ChaseやBank of Americaと並んでトップ規模を誇る大手銀行です。ATMや支店の数は充実していて、特に東海岸ではATMが非常に多いので、使い勝手が良いでしょう。
Checking Accountの平均残高が$1,500以上でなければ口座維持費がかかるという点はChaseやBank of Americaと同じですが、維持費は毎月$10で少しだけ良心的ですね。
Union Bank



海外銀行への送金が便利な銀行として人気があります。日本への送金では、三菱東京UFJ銀行と提携しているので、日本でのメインバンクが三菱東京UFJの人は、Union Bankの口座を持っていると送金手数料を節約できます。