日本では、マイナス金利など金融に関してはあまり嬉しくない情報ばかりですが、アメリカの金融市場は、日本ほど悲惨なわけではありません。以前と比べると金利は全般的に少なくなっているものの、長期的なスパンならかなり高い確率で増えてくれます。
投資というと、
「まとまったお金がなければどうせ増えない」
「専業主婦だし、知識もないし、無理」
という人が多いと思います。簡単そうに見えて、現実的には意外とハードルが高いんですよね。ここでは、私が1年ほど前から始めて息子と一緒にしている「少額積立投資」をご紹介しますね。
目次
1.積立投資って何?
積立投資とは、市場の変動に関係なく、週に1回とか月に1回という頻度で、定期的に一定額を積み立てるタイプの投資方法です。短期スパンではなく長期スパンで行うのが特徴で、10年後、20年後を見据えて大きなリターンが期待できます。
積立投資商品は、アメリカだけではなく、もちろん日本にもあります。少額で始められるものもあって、よく知られている所なら「積立NISA」などがあるのではないでしょうか。
積立投資の特徴は、
- 自分で銘柄を選ぶ必要がない→専門知識がなくてもOK
- 少額で始められる→積み立てていけばやがては大きな資金となる
- 市場の動きを考える必要なく、どのタイミングでも始められる
などがあります。これまで投資に挑戦したことがない人にとっては、どれもプラスなメリットのような気がしませんか?積立投資は、専門知識がない人や、少額でコツコツ始めたい人のための商品だと思います。
2.積立投資のメリットとデメリット
メリット
- 銘柄は投資のプロが選んでくれるので、私たちは選ぶ必要がない
- 複数の銘柄が信託としてまとめられているので、分散投資ができる
- 長期間コツコツ積み立てることで、時間分散効果もある
- 市場の変動はほぼ気にならない。放置状態でもOK
- 専門知識がなくても始めやすい
- リスクが限りなくゼロに近い(投資である限り、ゼロにはなりません)
デメリット
- サービス料がかかる→金融機関ごとに異なるので、上手く選べば問題なし
- 短期間で解約すると、期待するほど増えないし、市場の状況によっては原価割れするリスクもある→長期間続ければ、このリスクは限りなくゼロになります
- 自分で銘柄を選べない→AppleとGoogleだけに投資、ということはできません
- 一度にまとまった金額を銘柄に突っ込むタイプの投資ではない
- 株価が安い時に買っても、長期的にはほぼ意味がない
- 金融機関が倒産すると、全てを失う→だいたいM&Aで乗り切るので心配不要
3.少額で始める人はコレで選ぶべし

株や投資に慣れていない人にとっては、正直、話を聞いているだけで眠くなると思います。私も最初はそうでした。でも大丈夫。アメリカにはたくさんの金融機関があって、その中には少額で積立投資したい人でも大きく増やせる商品が、いくつかあります。
積立投資を始める際には、いくつか注意点があります。何でもOKというわけではありません。これを知らないと、口座を開設して始めたけれど、不満ばかりが募る結果になるかもしれないので、注意してくださいね。
少額で始める人がまず最初にチェックすることは、
手数料ができるだけかからない商品を選ぶこと
が何よりも大切です。手数料のかかり方などは金融機関によって違いますが、積立投資商品の場合には、毎月いくらと言う感じで手数料がかかる所が多いです。例えば、5ドルを積み立てたのに、手数料が4ドル持っていかれたのでは、実質的に投資できる金額はたったの1ドルとなってしまいますよね。手数料が4ドルの金融商品は、毎月500ドル投資できる人にとってはリーズナブルかもしれませんが、毎月5ドルを積み立てたい人には、向いていないのです。
4.超簡単、しかもほぼ放置、それでも増えるのはAcorns

私がオススメするのは、実際に去年あたりに息子に紹介して、良さそうだったので私自身もその後始めたAcornsという積立投資商品です。これは、
- 積立は毎週5ドル~
- 手数料は月に3ドル~(利用するサービスによっては5ドルぐらいにもなります)
- Round-up制度があって、買い物した時のお釣りも投資してくれる
- リタイアメント向けのIRAにすることもできる
- Checking Accountも作れる
- アプリが使える
積立は毎週5ドル~
この部分が、私が息子にAcornsをすすめた大きな理由の一つです。息子はまだ大学生ですが、アルバイトでわずかばかりの収入があります。働き始めたら安定した収入が入ってくるのでしょうけれど、それまでに投資や金融のざっくりとした仕組みやメカニズムを体感してもらいたかった、というのが私の考えでした。
毎週5ドルなら、月に換算しても20ドルです。このぐらいなら、学生でも十分に可能な金額ですし、「精神的に負担にならない金額」だと思います。積立投資に関しては、どんな時でも金銭的かつ精神的に負担が少なく家計を圧迫しない金額であることが、とても大切です。
ちなみに、私も息子から数か月遅れて始めましたが、毎週10ドルを積み立てています。このぐらいの金額なら、専業主婦の人でも十分にできると思いますし、もしかしたら旦那さんにもバレることなく財を築けるかもしれません(笑)。
「知らない間に勝手に貯まる」ことは、大きな魅力だと思います。
ちなみに20歳の息子が60歳まで続けた場合、日常生活の中でほぼ「忘れてた」積み立てが、なんと$100Kとなります。これはあくまでも平均的なリターンによってAcornが計算した予想ですが、60歳になった時に「大昔にママが勧めて初めたもの」がまとまった資金になることは、決してマイナスにはならないと思います!
手数料は月に3ドル~
手数料が毎月たったの3ドル~というのも、私がAcornsを気に入った理由ですね。上記しましたけれど、少額での積立をマックスに増やすためには、手数料を可能な限り減らすことが得策です。
Round-up制度
これはどういうものかというと、例えばスーパーに行って$49.50使ったとしましょう。$49.50を支払うと感覚的には$50払った気がする人は多いですよね。AcornsのRound-upシステムでは、この差額の$0.50を投資に回す、という仕組みです。週に1度、それぞれいくら使ったのかを計算して、Round-up分が定期的な積立とは別に、投資口座に入るのです。
ただしこれはオプションなので、毎週の積立金だけで良いという人は、する必要はありません。私自身は、このRound-up制度を利用していますが、息子は使っていません。
リタイアメント向けのIRAにすることもできる
基本的に、この積立投資は課税対象ですが、Traditional IRAやRoth IRAにしてもらうこともできます。私の場合、既に別の所で既にIRAはしているので、AcornsではIRAタイプにはしていません。
Checking Accountも作れる
Acornsは投資がメインの金融機関ですが、Checking Accountも作れます。その他には、子供の教育費を貯めたい人向けのサービスもあるようですね。
ちなみに近年では、金融機関の中には、給料日よりも1日とか2日早くお金を入金しますよ、という所が増えています。会社は何日も前にお給料の振込手続きをしているので、金融機関にとっては、それを1日や2日早めにリリースした所で、大きな痛手にはならないのでしょう。
Acornsでは、Checking Accountを作ってお給料の振込口座にすると、給料日よりも2日間早く入金してくれるというサービスがついています。
ちなみに、Acornsは店舗を持たないネット型の金融機関です。Checking Accountを開設すると、デビットカードを発行してもらうことができますが、ATMを利用した時にかかる手数料は、全て返金してくれるというサービスがついています。
それ以外にも、Overdraft Protection Feeがかからないという魅力もあります。大手の銀行だと、Checking Accountが残高不足になってOverdraft Protectionが発動すると、手数料が1日当たり12ドルかかる所があります。それがかからないということは、残高ギリギリでやりくりしている家庭にとっては、大きなメリットだと思います。
アプリが使える
アプリが使えると、時間のある時に「いくらぐらい増えているのかな?」と気軽にアプリで残高チェックができます。始めたばかりの頃には、それほど大きく増えませんけれど、何年も継続すれば、残高を見る度にワクワクするぐらい増えているはず。スマホを手放せない人が多い時代だからこそ、ワクワクできるアプリって大切です。
ちなみに、アプリを使うと、将来どのぐらい元金が増えるかという見通しを、グラフで表示してくれます。これは現在の市場動向に基づいたリターン予測ですが、それによると20年で元金とリターンが同額、つまり投資した元金が2倍に増えるという計算です。
日本の積立投資では、20年で元金が2倍には増えてくれません。そう考えると、アメリカにいるからこそ、アメリカ金融市場の旨味を少しぐらい味わいたいものです。