アメリカに住んでいる私たちは、健康保険があっても医療費がクソ高いことをよく知っています。だから病院に行くことを躊躇することは多いですし、病気やけがの治療で入院なんてしたら、もう医療費がいくらになるか気になってしまい、夜も眠れなくなってしまいます。
アメリカで事故や事件に巻き込まれて死にそうになったり、病気になって死にそうになってしまう人は、何もアメリカで暮らしている人だけではありません。割合的には少ないものの、観光客などもいるでしょう。アメリカで医療サービスを使うとは夢にも思っていなかった人でも、時と場合によっては病院で治療が必要になってしまうこともあります。
命に係わる場合、アメリカの病院では保険の有無、支払い可否に関係なく、ERに運び込まれた人の命を救うべく、必要な医療ケアを提供します。
その理由は、法律で決まっているからです。EMTALA(Emergency Medical Treatment And Labor Act)という法律では、保険がないから、保険の確認ができないからという理由で治療を断るのはNGなのです。
ただしこれは、
- 命の危険が目の前に差し迫っている事故や事件
- 体の臓器や機能が著しくダメージを負っている場合
- 妊婦の出産
等に限定されています。これらに該当するなら、保険の有無にかかわらず、またアメリカの滞在資格が合法かどうかなどに関係なく、ERに運び込まれれば必要な治療を受けられます。
注意しなければいけない事もあります。それは、自分では緊急だと思っていても、実際には緊急ではない場合です。
- 確かに治療は必要でも、命の危険が目の前に差し迫っていない
- 風邪やインフルをこじらせてひどい状態だけれど、今すぐ死ぬかもしれない状態ではない
などは、保険がなければ別の医療機関へ行けと云われたり、Urgent Careへ行けと言われる可能性はあります。
治療費はどうなるのか?
今にも死んでしまいそうな状態でERへ運び込まれ、命を助けてもらったとしましょう。感謝感激です。
しかし、元気になってよかったね、ハイさよならというわけにはいかないのがアメリカ国です。
そう。高い医療費をしっかり請求されることを忘れてはいけません。特にERは、アメリカで暮らすアメリカ人ですら、高額治療だと恐れをなして利用を控える場所です。必要があったから入院をしたり先端医療を受けたりするわけですけれど、その治療費は、健康保険がなければ医療機関の言い値で全額負担することになります。
助からないは地獄、しかし助かってもある意味、その後は地獄なのかもしれません。
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