アメリカでウォシュレットが普及しない理由、知ってる?

外国人が日本へ旅行してまず驚くのは、トイレがIT化されている!という事です。ただ便座が温水洗浄便座(ウォシュレット)になっている、というだけのことなのですけれど、海外においてはウォシュレットは日本ほど普及しているわけではないので、とても珍しく感じるのでしょう。

私も数年前に日本へ帰省して、街のいたるところに温水洗浄便座が当然のように設置されている光景に、とても驚きました。賃貸アパートにもついていますし、ショッピングモールやスーパーなどのトイレにもついています。市役所みたいな公的機関にも、そして電車の駅にも、しっかり温水洗浄便座が設置されています。

日本における温水洗浄便座の普及率は、なんと80%超です。リーズナブルに購入でき、なんといってもお尻を快適に維持できるという点で、大人気なのでしょう。

ちなみにこの洗浄便座は、日本で開発されたものではありません。誕生したのはアメリカです。しかしどういうわけか、アメリカ国内での普及率は10%未満です。

こんなに便利なのに??と驚く人は多いのではないでしょうか。

実は、アメリカでウォシュレットが普及しない背景には、大きな理由がありました。

  1. リスク1:洗いすぎご用心
  2. リスク2:温水は実は汚い

リスク1:洗いすぎご用心

温水洗浄便座は気持ちが良いですから、ついつい気合を入れて洗いたくなってしまいますよね。お尻をきれいにしながらぼーっとして、気づいたらお湯が冷たくなっていたなんてこともあるかもしれません。

しかしこの洗いすぎは、実は皮膚にとっては要注意なのだそうです。肛門の周りにも当然ですが皮脂があるわけで、温水洗浄便座を使うことでこの皮脂が取れすぎてしまい、肛門の周辺がカサカサしてしまうかもしれません。

ただカサカサするだけならまだしも、温水洗浄便座によってお尻の周辺にいる常在菌も洗い落とされてしまい、外部から雑菌が入りやすくなってしまうというリスクもあります。

つまり、肛門近くのちょっとした傷から菌が入り込むと、皮膚炎などのトラブルが起こりやすくなるのです。

最も起こりやすいのは、かぶれ

専門家によると、肛門周辺の常在菌が復活するまでにかかる時間は、約10時間程度だそうです。つまり、1日2回以上温水洗浄便座を使うと、お尻の周辺には無菌状態となり、その状態でウンチをすると、自分のウンチに含まれている悪玉菌によって、肌がかぶれたり炎症が起こってしまいます。

人によっては、かぶれだけでなく、切れ痔やイボ痔になってしまうこともあるので、要注意です。

出血する場合には使用を中断したほうが良いかも

人によっては、こうしたトラブルが継続することによって、トイレに行くたびに出血するという事態が起こることもあります。自身では痔を軽く考えていても、こうした症状を放置することでガン化するリスクもあります。

そのため、温水洗浄便座の使い過ぎにはくれぐれも注意して、お尻の状態が良くないなと感じたら、まずは使うのをやめて症状が改善するかどうかをチェックすることをおすすめします。

リスク2:温水は実は汚い

温水洗浄便座では、温かいお湯が小さなタンクの中に保管されていて、ボタンを押すと既に温められたタンク内からお湯がノズルを通して噴射される仕組みになっています。

タンク内は汚水ではないのだから清潔に決まっている、と考えたくなりますが、実はこのタンク内のお湯は、温度が高いために塩素が正常に作用せず、とても不潔で菌がウヨウヨの状態なのだそうです。

その理由は、ノズルから入り込む不潔な菌です。

使用中には、肛門に当たったお湯が便器内に飛び散り、ノズルからも大腸菌が侵入します。ヌクヌクとした温かいお湯の中で大腸菌は繁殖しまくり、次回の使用で私たちのお尻めがけて勢いよく噴射されるというわけです。

健康被害のリスク

肛門や膣、そして膀胱から汚い菌が入り込むと、さまざまな疾病を発症する可能性が高くなります。気づかずに使い続けると症状はどんどん悪化し、最悪の場合には命の危険もあるのだとか。

まとめ

温水洗浄便座のリスクを知らないのは、なぜか普及率が80%という異常な高さを誇り、国民のだれもがこよなく愛しているウォシュレット大国、日本人だけなのだそうです。日本以外の国ではそうしたリスクを懸念するため、温水洗浄便座が家庭に設置されることもなければ、公共の場所で見かけることもほぼないというわけなのでしょう。

私も温水洗浄便座が大好きで、家庭のトイレにつけています。しかしリスクを知ってからはやはり少しだけ怖くなり、使用するたびにノズルを引っ張り出してブリーチしたり、定期的にタンクの中もしっかり殺菌消毒するなどのお掃除に力を入れるようになりました。

みなさんも、健康被害には注意しながらきれいなお尻生活を満喫してくださいね。