日本の確定申告といえば、年に1度2月から3月にかけてやってくる、みんな大嫌いな一大イベントです。確定申告はアメリカにもあり、こちらはTax FilingとかTax Returnと呼ばれています。
実はワタクシ、去年に税金申告のお手伝いができる資格を取得しました。過去20年近くほぼ自分で勉強しながら税対策をしてきたので、それなりに知識はあると自負していたものの、知らないエリアがとても多くありましたし、どこをどうすれば節税できるのかについても知ることができて、とても有意義な経験でした。
目次
1.アメリカの税金申告はいつやるの?
アメリカの税金申告は、その年によって始まる時期は若干のずれがありますが、多くは2月初旬に始まります。(2023年は早めにスタートしており、1月下旬でもすでにはじまりましたね)
そして最終日は4月15日。もしも15日が土日なら翌月曜日になります。近年ではコロナで若干延長してくれるなど変動があるので、必ず自分で調べて期限までに申告してくださいね。
ウッカリ申告の期限が過ぎてしまうと、期限までに申告しなかったペナルティ、そして税金納付の延滞ペナルティがかかってしまいます。
2.どこで申告すればよい?
それなりにアメリカの税金の仕組みが分かっている人や、パソコン操作に不便を感じない人なら、自宅でWEBを使えば簡単にできます。私も15年以上ずっとそうしてます。どのWEBサイトを使っても、基本的に同じ結果になるはずですが、ツールごとに質問の内容や質問の仕方が変わるので、結果には若干の誤差が出ます。
IRSのWEBサイト
IRSのWEBサイトには、税金の申告フォーム1040をWEBで記入してE-Fileできるシステムが完備されています。賃貸物件を所有しているとか、スモールビジネスをやっているとか、経費や減価償却などいろいろな計算をしたい人は、残念ながら対象外です。しかし、収入は会社からもらう給料だけで、特に申告したい項目がなければ、1040フォームを使って迅速に計算できると思います。
IRSのサイトで1040をEfileするのは、無料です。しかし条件があって、世帯年収が$73,000以下に限定されています。
WEBサービスを使う
ネットでは、税金のE-fileサービスを提供しているサイトがたくさんあります。よく知られている所では、H&R BlockとかTurboTaxぐらいじゃないかと思いますが、他にもたくさんあります。
どのサイトを使っても、申告方法は同じです。サイトが色々質問してくるので、それに対して答えれば、サイトのアルゴリズムで必要なフォームに必要な事項が記入され、自動的に納税額(Payment)か還付額(Refund)かを計算してくれるという仕組みです。
その中でも私が一押しするのは、TurboTaxですね。使い方が分かりやすく、細かく質問してくれるので、見落としがありません。
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Taxオフィスへ行く
WEBサービスが台頭するまでは、この方法が一般的でした。タックスシーズンになるとTAXオフィスは大忙しとなり、スーパーの中には簡易的にTAXをしてくれるブースが登場します。TAXに関して色々質問しながら申告したい人や、質問したりアドバイスをもらうことで翌年に供えたい人なら、この方法が良いですね。
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3.年間を通して準備しておく書類には何がある?
TAX申告では、1月1日から12月31日までどんなジャンルでどんな出費をしたか、それが税金の控除になるかどうかを見極めながら、レシートや領収書を保管しなければいけません。
そのため我が家では、TAXノートなるものを準備し、どんな出費があったのかをリリストアップしながら、レシートも保管しています。
それでは、具体的にどんなレシートや書類を準備しておけばよいのでしょうか?(ここでは、とりあえず会社に勤務している人に必要なアイテムのみを紹介しています。)
医療費
年間を通して病院に1回しか行かなかったという人は、おそらく医療費控除は適用外となってしまいますけれど、医療費がクソ高いアメリカだからこそ、支払った医療費が数千ドルになる人なら、医療控除枠が適用されるチャンスがあります。
- 医者で支払った費用
- 処方箋に支払った費用
- メガネ購入代金
- 入院などの施設や設備にかかった費用
- 入院や通院にかかった交通費や駐車場代
- 遠方の病院に行ったなら、宿泊費や食事代も
- 年間を通して支払った健康保険代
などは、記録を残しておくことをおすすめします。
学費
高額な学費も、教育費控除できます。子供が大学へ進学しているなら、支払った学費数万ドルがまるまる控除ではないものの、色々な複雑な計算式によって、税金支払い分が割引してもらえます。
大人が仕事のためにクラスを習得した場合にも、Lifetime Learningという別枠の教育費控除が使えます。控除額はわりとショボいのが難点ですが、それでも少しは税金納付額が安くなります。
多くの控除は、課税所得から控除分を引いてもらうという方法なのですが、学費に関しては支払う税額から認められた学費分のクレジットがダイレクトに差し引かれます。これは、かなり大きいです!
住宅ローンと教育ローンの利息
すべてのローンがOKというわけではありませんが、持ち家の住宅ローンで支払ったInterest、そして教育ローンの返済で支払ったInterest分は、課税所得から引いてもらえます。年初に金融機関から支払った利息に関してフォームが送られてくるので、キープしておきましょう。
IRA
IRAにはTraditional IRAとRoth IRAとがありますが、どちらも税金の申告の際に必要です。IRA口座へ入金した金額、下ろした金額を正確に把握しておきまましょう。
寄付
寄付、つまりDonationですね。現金での寄付だけでなく、家具や電化製品、服などのモノを寄付した場合にも、控除してもらえます。寄付は、いつどこで、いくらの寄付をしたのかという正確な情報が必要なので、準備しておきましょう。
子供のデイケア費用
共働きの家庭なら、子供のデイケア費用や、アフタースクールケアに支払った費用を記録しておくことをおすすめします。共働きであることが条件なので、「ランチに行く間デイケアを利用した」とか「気分転換したいので子供を保育園に入れた」というのは、残念ながら税金においては控除してもらえません。
Casualty (被災)
これは、ハリケーンや山崩れ、そのほか森林火災など政府が緊急事態だと宣言した自然災害に被災した場合、受けたダメージ分のいくらかが控除してもらえるというものです。家屋のダメージ、所持品のダメージなど対象となるアイテムは多いので、被災して大変な時であっても、可能な限りレシートや記録を保管しておくことをおすすめします。
ビジネスに使った経費
会社員とはいえ、仕事に使う経費って色々なものがありますよね。例えば仕事にしか着ない制服とか、出張で自腹になった分など、色々です。数年前に、ビジネス関連の経費は控除の対象外となってしまいましたが、2025年あたりから控除項目として戻ってくるという話もあるので、こうご期待です。
引っ越し費用
転勤族の私たちにとっては、これは大きな控除でした。しかしこちらも数年前から、対象となるのが軍人だけになってしまいました。数年後にこれも控除項目として復活すれば、転勤族の人にとってはずいぶん助かると思います!
チャイルドサポート
チャイルドサポートは数年前からルールが変わり、支払った人が控除できることになりました。もしも離婚などでチャイルドサポートを支払っている人がいたら、ぜひ記録を残しておくことをおすすめします。
いかがでしたでしょうか?こちらで紹介した控除の項目で全部というわけではありません。もっといろいろケースバイケースであります。控除の項目によっては、高収入の人だと恩恵を受けられないというものもあったりしまが、まずは記録を保管して申請してみて、ダメならダメという方法が良いと思います!