[マネー講座3]カネは平等じゃない!

これまでのマネー講座では、どんな収入でもしっかりと将来に向けて資産形成するために必要なマインドについて学びました。いよいよ今回は、より実践的な内容になります!いきなりここから読んでいただいても置いてきぼりを食らうということはありませんが、まずは正しいマインドを持ったうえでこの実践編を読んでいただいた方が、より納得できるかと思います。

[マネー講座1]カネに舐められるな!主導権を掴め!はこちらから

[マネー講座2]過去を振り返るべからず!無意味な期待もするべからず!はこちらから

目次

  1. 人生は一度きり、だからこそ心の平和が欲しい!
  2. 考えられる最悪の状況とは?
  3. 心とカネの関係
  4. 親も子も悩む「教育費」
  5. 首を絞める「クレジットカード」の対処法
  6. まとめ

1.人生は一度きり、だからこそ心の平和が欲しい!

人生は一度しかありません。YOLO(You Only Live Once)という言葉もあり、一度きりの人生なのだから充実したものにしようという意味で使われています。しかしこうした言葉を聞くと、とかく

「人生は楽しむべき。貯金なんてしてる場合じゃない」

「なるようになる。若いうちはどんどん使ってどんどん遊べ」

「資産形成?そんなものは年取ってから考えればよい」

と刹那的な発想になってしまう人は少なくありません。ハッピーという感情と、カネという現実を切り離して考えることができず、どちらか一方を選ばなければいけないと考えてしまうのです。

ケーススタディ:9-11のその後

アメリカでは、2001年にニューヨークの貿易センタービルがテロリストによって攻撃されるというショッキングな出来事がありました。多くの人が亡くなりました。政府から遺族へ支給されたお見舞金はとても少なかったと以前メディアで話題になりましたが、それとは別に、多くの人が生命保険によってまとまったお金を手にしました。

生命保険というのはもともと、自身に万が一のことがあった時に家族が路頭に迷わずに済む、という目的で加入するものです。9-11で保険金を受け取った遺族の中には、もちろん当面の生活費に充てるなど、必要な所に使った人はたくさんいました。

しかしその一方で、それまでの人生で手にしたことがない大金を手にしたあまり、完全に間違った使い方をしてしまった人がたくさんいたことはご存知でしょうか?

  • お金に困っていた友人に、まとまった金額を渡して助けた
  • 故人が生前に夢だと語っていたビーチフロントに別荘を買った
  • 親戚がおカネを貸してほしいと寄って来て、手元にほとんど残っていない
  • 自分をハッピーにするために使わなければいけないと考え、欲しくもない高級ブランドのバッグを買いあさった

など、例を挙げたらきりがありません。

どんなおカネの使い方をしても、使ったその時には一時的にハッピーな気持ちになれるかもしれません。しかし、その後の生活は大丈夫なのでしょうか?

多くの人は、生命保険を受け取ったものの、何に使ったのかよくわからないうちになくなってしまい、愛する人を失った悲しみが消えるわけでもなく、それでいて生活にも困窮するという事態に陥ってしまいました。

ケーススタディ:アリとキリギリス

日本人なら誰もが知っているイソップ童話の一つに、アリとキリギリスがあります。これは、夏の間に働きもせずに遊び惚けていたキリギリスと、冬に備えて夏の間、遊びを我慢してコツコツと働き続けたアリを描いた寓話です。

この物語の結末には、いろいろなパターンがあります。その中でも、後から書き換えられた結末ではなく、オリジナルの結末はどうだったのか、知っていますか?

これは、「アリはキリギリスを助けず、キリギリスは死んでしまう」という結末です。モラル的に問題があるということで、アリはキリギリスを助けるという結末に後から書き換えられたりもしましたが、残念ながら助けてしまったのでは、イソップが最初に目的としていた「学び」の方向がずれてしまいます。

アリとキリギリスは、私が大好きな寓話です。その理由は、アリとキリギリスそれぞれの生き方と結末が、おカネに対する考え方と将来起こるであろう結末に、非常に類似しているからです。

アリが夏に必死に働いたのは、どうしてでしょうか?働きたいからではありません。遊びたくなかったわけでもないでしょう。遊びたいという「感情」を我慢して、「必ずやってくる冬」のために、コツコツと貯蓄をしたのです。

その一方でキリギリスは、「将来のことを考えず」「なんとかなるさ」という気持ちを持ち続け、「今の幸せ」を重視していました。その後に回ってきた「ツケ」が、死だったのです。

2.考えられる最悪の状況とは?

おカネが全てではありません。しかし生きていくうえでは、全ての事におカネが必要です。これ、闇金ウシジマ君の名言の一つです。私達の人生にとって、考えられる最悪の状況とは、何なのでしょうか?

そうです、キリギリスのような「死」です。

具体的には、

  • 年金が入ってこない(働いて年金を収めていなければ、一定の年齢に達しても年金はもらえません)
  • 生命保険がない(加入して長期間払い続けなければ、受け取れません)
  • 貯金がない(これもコツコツと貯め続ける作業が必要です)

これらが全て当てはまってしまうと、老後はとても大変な貧困を経験することになるでしょう。現代社会なら、公的機関からの福祉サービスがありますから、キリギリスのような死を迎えずに済むかもしれません。しかしその場合でも、決してハッピーとは言えない生活が永遠と続いてしまいます。

どうすれば良かったのか?

生命保険を受け取った遺族を思い出してください。この遺族たちは、どうするのが正解だったのでしょうか?

おカネの観点からみる正解は、「負債を可能な限り完済する」の一択です。

世帯ごとに、抱えている負債は異なります。金額が大きいものだと、家のモゲージ(住宅ローン)があるでしょう。その他には、自動車ローンやクレジットカードの返済、その他学生ローンの返済もあるかもしれません。

生命保険のようなまとまった金額が入ってきた場合には、まず最初に、負債をできるだけ完済するのが、将来的にハッピーになるためには最善です。返済してもしなくても、故人をなくした悲しみは消えません。数年後に振り返った時、生命保険で負債がなくなっていれば、心情的な悲しみは残っていたとしても、金銭的な苦しみは軽減できるでしょう。

しかし返済していない場合には、心情的な悲しみに加えて金銭的な悲しみも加わって、二重の苦しみが続くことになってしまいます。

ちなみに、臨時収入が入った場合の賢い対応という点では、宝くじに当たった場合や、ボーナスが入った場合なども該当します。

3.心とカネの関係

人生は一度しかありません。だからこそ、できるだけ多くの時間をハッピーに過ごしたいものです。しかしハッピーでいることは、必ずしも散財しろとか浪費するのが良いというわけでもないのです。

ハッピーな人は、心に余裕が生まれます。焦りや恐怖、不安から解放されて、もっと幅広く物事を見ることができるようになります。おカネについても、例外ではありません。

ケーススタディ:株価急落

stock exchange board

全く同じ状況にいても、心にどれだけの余裕があるかどうかで、対応は大きく変わります。例えば、同じ時期に同じ証券会社で、同じ株銘柄を同額購入した2人がいたとしましょう。

Aさんは、株だけでなく他にも預貯金を持っており、長期的な資産形成に積極的に取り組んでいます。一方のBさんは預貯金が全くなく、この銘柄の株価が上昇してくれなければ真剣に困るという状況です。

この二人、株価が急落した場合に、どんな対応をすると思いますか?仮に、同じファイナンシャルアドバイザーが「もう少し待つと株価は再上昇するから、待った方が良い」とアドバイスをしても、心の余裕で人の行動は大きく変わります。

Aさんは専門家のアドバイスを受け、「底値なら買い増そうかな」と考え、更に投資をしました。

しかしBさんは、専門家にそうアドバイスされても不安を抑えられず、手持ちの75%を手放してしまいました。

全く同じ条件で同じものを購入しているわけですから、AさんとBさんが持っている銘柄の時価は全く同じです。その状況でも、心に余裕がある人なら「底値なら買い増して、将来増えることに期待しようかな」と考えられます。しかし余裕がなければ、「このまま下がり続けたら自分には何も残っていない」という恐怖心から、損切りという手段を選択するのです。

株価が急落した時に、買い増すことが良いのか、それとも損切りするのが良いのかについては、市場の状況によっても変わるため、必ずしも買い増すことが良いというわけではないでしょう。しかし、心の余裕という点では、AさんとBさんとでは明確な差があることはお判りいただけたのではないでしょうか。

4.親も子も悩む「教育費」

毎年上がり続ける教育費ですが、アメリカの私立大学の中には、年間の学費が8万ドル(約880万円)という信じられない大学もたくさんあります。4年間通えば、かかる学費だけでも家が一軒買えるほどになってしまうでしょう。

私立大学にかかる学費がこんなに高くても、アメリカ人全員がこの金額を子供が大学へ進学するまでに貯蓄できるわけではありません。一部の上級国民を除いた大半は、教育ローンなどのローンを頼らなければ、学費を工面できません。

ケーススタディ:学費地獄で親破滅

group of friends hanging out

多くの子供は、親の真の経済状況を理解しているわけではありません。私の父親のように、親が毎日のように「あーうちはカネがねー」と言っていれば、そうなのだろうという気もするでしょう。しかし多くの場合には、親は子供に気を遣わせないように、少しぐらい苦しい状況でも隠そうとしますよね。子供が大学を選ぶ際にも、カネが原因であきらめさせたくないという一心から、ついつい無理をしてしまいがちです。

Aさんは、子供のころから比較的欲しいものは何でも親に買ってもらえたので、「うちはそれなりに裕福な家庭なのだ」という意識を持っていました。大学を選ぶ際にも、田舎にある大学ではなく、刺激的な都会にある大学へ行きたいと思いました。親に相談したら、二つ返事で「行きたいところに行けば良い」と言われたほどです。

彼女が進学した大学は、ニューヨークのマンハッタンにある大学でした。学費と寮費だけでも結構な金額を親は負担してくれていましたが、Aさんは大学2年生から、友達とアパートを借りて住むことにしたのです。寮費と比べるとアパート代は若干高かったのですが、Aさんは「うちの親なら大丈夫」と思っていました。

その後も、休みには友達とショッピングや外食を楽しんだAさん。正直なところ、親にどのぐらいの金銭的負担がかかっているかは、あまり考えていませんでした。

そんなAさんが大学4年生の時、両親が持ち家を手放してアパートへ引っ越すことを知りました。不思議に思ったAさんは、両親に聞きました。父親は「アパート生活も悪くないと思ってね」とダウンサイズを強調していましたが、母親の表情が暗いことに気づいたAさんは、母を問い詰めたのです。そうして母の口からきいたことは、Aさんにとって衝撃的でした。

なんとAさんの両親は、Aさんの学費を捻出するために、ローンを借り、それでも足りない分はクレジットカードを使い、それでも足りなくなったために自宅を担保に入れてお金を工面していたのです。そんな時、父親の会社が倒産してしまい、毎月の支払ができなくなってしまったのです。

Aさんは憤慨しました。自分は別に、生活費が高い都会の大学へ進学する必要はなかった。なんなら地元の大学へ進学して自宅から通学し、アルバイトをしながら自分で学費を工面することもできた。寮からアパートに引っ越す必要もなかったし、外食やショッピングもする必要がなかった。もしも親がそんな状態だと知っていたのなら…。

しかし、どう思ってももう遅すぎます。

何が間違っていたのか?

このケーススタディでは、何が間違っていたのでしょうか?

間違い1:親子で経済状態の認識が違っていた

親子でも、家庭の経済状態を正しく認識しておくことは、とても大切なことです。しかも子供は、大学へ進学するぐらいの年齢になれば、大抵のことは理解できます。Aさんの場合には、親がAさんに対して家庭の経済的な事情を一切話さないまま、Aさんは裕福な家庭だと思い込んでしまったことが1つ目の間違いです。

経済状態を理解した上で、それでもAさんが都会の大学へ進学したいと考えるなら、奨学金に応募して負担分を減らしたり、アパートではなく寮に住むとか、キャンパス内でアルバイトをして生活費で親に負担をかけないようにするなど、できる事はたくさんあったでしょう。

間違い2:親が教育ローンを組んだ

親が教育ローンを組む家庭は、たくさんあります。必ずしも、これが間違っているというわけではありません。しかし、自宅を担保にしてまで借りなければいけない経済状態の場合には、親は教育ローンを汲むべきではないのです。

教育ローンは、大学に進学する子供自身でも借りることができます。金利の面で若干のハンデはあるものの、子供は大学を卒業した後に何十年という期間があり、働きながら少しずつ返済できます。

しかし親はどうでしょうか?多くの場合、子供が大学に進学する頃には、親は定年を迎えるまで残り僅かという年齢です。その時点でそれまでの貯蓄を使い果たしたり、自宅を担保に入れてまでローンを借りることは、どんな目的であっても賢明ではありません。

大学の学費を安くする方法についてはこちらから

どうするのが正解だったのか?

それでは、Aさん親子はどうすることが正解だったのでしょうか?

adult affection baby casual

進学前に親子で心を開いて家庭の金銭事情を話し合うべきだった

Aさん親子に限ったことではありませんが、大学への進学を控えている子どもがいる家庭なら、家庭がどういう経済状態なのかを話し合うことは、決して悪いことではないと思います。私の親のように、口を開けば「うちはカネがない」と言うのはNGです。それでは子供が、「本当は持っているのに出したくないから嘘をついている」という気持ちになってしまうでしょう。

話し合う際には、親も正直に状況を説明しましょう。

「大学進学用としてXXXドル貯めてきた。この金額までならキャッシュで払うことができる。しかし、それを超える金額は、教育ローンを借りなければいけない、親の定年まであとXX年ということを考えると、親が借りられるローンの金額は、XXXドルぐらいだと思う。4年間にかかる学費がそれ以上の場合には、申し訳ないが、自身でローンを組んでもらうしかない。収入がなくても学生なら教育ローンを借りることは可能だ。その場合には、親が連帯保証人になっても良いと持っている。」

と正直に説明すれば、子供も大学選びをより真剣に、費用のことも考えながらしたのではないでしょうか。

子供にNOというべきだった

Aさん家庭では、Aさんの大学生活に水を差してはいけないという思いから、親が経済的な困窮に陥っても、Aさんにはできるだけの工面をしてきました。しかし、それは本当にAさんのためになったのでしょうか?事情を知ったAさんに、罪悪感ばかりを植え付けてしまったのではないでしょうか。

Aさんの両親は、父親の会社が倒産した時に、Aさんに隠さず正直に報告するべきでした。また自宅を担保に入れてお金を借りる前に、Aさんに教育ローンを借りて欲しいと言うべきでした。それに、Aさんからショッピングや外食でお小遣いが足りないとおねだりされた時に、アルバイトをして自分でお金を稼ぎなさいと諭すべきでした。

後から後悔しても、全て後の祭りです。

この状態で子供はどうすべきか?

Aさん家庭では、Aさんが無事に大学を卒業するまでに、気が遠くなるような負債を抱えることになってしまいました。この負債、全てAさんの学費や生活費、その他娯楽費として使われたものです。

Aさんに支払い義務があると思いますか?それとも、親が勝手にしたことだから、親が黙って受け入れるべきだと思いますか?

おカネに対して賢い選択をしたいなら、この負債は、親が返済を続けるべきです。理由をお話ししますね。

Aさんの両親は、既に預貯金を失い、自宅も失い、大きな負債を抱えています。たとえAさんが大学卒業後に自宅のそばで仕事を見つけたとしても、簡単に完済できる金額ではありません。それどころか、共倒れになってしまう可能性が高いでしょう。

Aさんには未来があります。大学で学んだ知識があります。それを生かして、自分のポテンシャルを最大にできるような仕事に就くべきです。自分の足で立ち、安定した生活を手に入れることができれば、もしかしたら将来的には両親の金銭的なサポートができるかもしれません。

Aさんの両親は、既に収入と支出のバランスが取れず、経済的な下り坂を猛スピードで転がり続けています。年齢のことを考慮すると、この状態から負債を完済して元通りの生活を手に入れることは、難しいでしょう。

この場合、Aさんの両親にできる事は、債務整理、つまり破産です。破産しても、教育ローンについては返済免除はありません。しかしそれ以外の負債に関しては、たとえばローンやクレジットカードの支払などは、全て返済免除となります。返済額が少なくなったうえで、Debt Consolidateという「おまとめ」のサービスを利用すれば、毎月返済ができる金額で、最低限の生活が遅れる可能性が見えてきます。

5.首を絞める「クレジットカード」の対処法

a person holding cards

日本では、クレジットカードは利用した分を全額、翌月に完済するシステムですよね。近年ではリボ払いや分割払いも利用しやすくなっていますが、それでもアメリカの「完全リボ払い」システムと比較すると、クレジットカード地獄に陥るリスクは少ないと思います。

アメリカでは、クレジットカードの返済は基本的に、利用金額に対して数パーセント程度を支払えばよいというシステムになっています。それに、クレジットカード会社は年に1度ぐらいの頻度で、利用金額の上限をアップしてくれます。日本よりもカード払いが一般的ですし、複数のカードを使いながら、あっという間に多重債務者になってしまう人は少なくありません。

どこの国に住んでいても、これからの社会は確実にキャッシュレス化が進みます。そのため、カードを持たないという選択は、賢明ではないでしょう。しかし、だからと言って複数枚のカードを同じように使うのは、賢くありません。

クレジットカードは多くても3枚まで

所有するクレジットカードは、理想は2枚まで、多くても3枚までがベストです。このうち、最も年利が少ないクレジットカードのみをお財布に入れ、そのカードだけを使うようにしてください。そうすることで、毎月のカードの返済が1つだけになります。

残りのカードは、お財布に入っていると誘惑に駆られてしまう可能性があるので、できるだけ自宅で保管することをおすすめします。よくファイナンシャルアドバイザーは、「水にカードを鎮めて凍らせれば、使いたくても使えないから良し」というアドバイスをしますが、氷漬けにしなくても、手が届きにくい場所に閉まっておけばOKです。

テレビを見ながらサッと出せてオンラインショッピングの決済に使えるような場所はNGです。できるだけ、取り出すのが面倒な場所に閉まっておくのがベストです。

複数のクレジットカードの返済をまとめたい、どうする?

複数のクレジットカードを使っていて、今更1枚にしろと言われても無理!という時には、どうすれば良いのでしょうか?

これは、パワーペイメント(Power Payment)のスキルを使うのがおすすめです。

クレジットカードはそれぞれ、金利が異なります。金利を比較して、最も高いカードから、集中的に返済していくのが、パワーペイメントです。他のカードの返済をミニマムにおさえ、余力を金利が最も高いカードへ注ぎます。こうすることで、金利が高いカードの残高が下がってきます。

もしも可能なら、金利が高いカードから低いカードへのTransferという方法もあります。ただし、Transferの際には手数料が取られることがあるため、カード会社から送られてくるキャンペーンなどを利用することをおすすめします。

どのぐらいの残高があるかによって、クレジットカードを完済する期間は異なります。しかし、カードは使わなければ残高は増えません。せいぜい、毎月かかる利子の分だけ増えます。毎月400ドル(4万5千円程度)を返済し、利息分が80ドル(8,800円程度)かかるなら、毎月カードの残高320ドルずつ減る計算となりますよね。、これで、あと何ヶ月で完済できるかの見通しが立つでしょう。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、私達の日常生活の中でも役立つマネーの賢い対処法をご紹介しました。

  • 生命保険(宝くじなども含む)まとまった一時金が入ったら、まずはローンなどの負債を完済
  • 教育費が親の老後資金を脅かしてはいけない
  • 大学生の子供でも教育ローンは借りられる
  • クレジットカードは多くても3枚まで、そのうち使うのは1枚のみ
  • 複数のクレジットカードがあるならパワーペイメントで数を減らそう

知っておくだけでも将来どこかで役立つことがあるかもしれません。

もしよろしければ、他のマネー講座記事もご覧ください。

    読んでいただき、ありがとうございました。

    [マネー講座2]過去を振り返るべからず!無意味な期待もするべからず!

    人間は誰でも、自分が現在置かれている状況を、客観的に把握することは難しいものです、簡単だと思っても、そこに過去の栄光や未来への期待が混ざってしまうことが多く、自身で冷静かつ客観的に状況把握できる人は、それほど多くありません。しかし、自身の環境を正確に把握することで、思い描いたとおりの未来への一歩を踏み出すことができます。

    目次

    1. 人は過去にとらわれやすい
    2. 過去にとらわれると何がいけないのか?
    3. 家庭で徹底しておきたいこととは?
    4. まとめ

    1.人は過去にとらわれやすい

    私たちは、100人いれば100通りの性格があります。その中には、過去にとらわれやすい人もいれば、過去は全く振り返らず前だけを見て生きている人もいるでしょう。

    「自分は過去にとらわれていない」

    と考えている人でも、実際には過去を引きずりながら、過去の姿を現在の自分に投影していることが少なくありません。

    • 自分は月収100万円を達成した過去があるから、やればできるのだ
    • 異性にモテすぎてウハウハだったことがある。
    • 投資で元本を10倍に増やした実績がある

    など、過去の栄光とも呼べるような素晴らしく輝かしい過去を持っているかもしれません。またその一方で、

    • 貧しい家庭で育ったので、今でも貧乏根性が残っている
    • 子供の頃にいじめられた経験があるので、今でも人と話すことがストレス

    など、ネガティブな過去が現在の自分に大きな影響を及ぼしていることもあるでしょう。

    私たちの性格や習慣、クセや価値観は、子供の頃の生活環境やこれまでの経験によってつくられています。過去の経験なくして、現在の自分はあり得ません。

    性格や考え方は遺伝?それとも環境によって決まる?

    blonde haired woman lying on bed

    私たちは、生まれ持った性格があります。これは、母親と父親から受け継いだ「遺伝」で、私たち自身で選ぶことはできません。

    しかし、性格は遺伝だけによって決まるわけではありません。生まれてからどんな環境で育つかという点によっても、大きく変わります。海外では、同じ母親から生まれた双子を、全く異なる環境で育てて性格や行動にどのような違いがあるかを研究するという実験が行われたことがありました。

    親が同じなので、遺伝的な性格はある程度共通している部分はあったものの、育つ環境によって性格や価値観は大きく影響を受け、思春期を迎えるころには双子とは思えないほどの差が出たそうです。ちなみにこの実験は、成長した双子からの申し出により、打ち切りとなりました。

    実際に、遺伝的な要素と環境的な要素が自身の性格形成に占める割合を見ると、だいたい半分ずつぐらいなのだとか。しかし遺伝的な要素はあくまでも潜在的なポテンシャルなので、育つ環境によってはポテンシャルが大きく開花することもあれば、影をひそめたまま全く表に出てこないということもあるようです。

    カネの扱いが苦手なのは、遺伝ではない

    貯金や資産形成の点でも、これは適用されます。貯金をすることが苦手な人の中には、

    「性格的に貯金は好きじゃない」

    「江戸っ子だから宵越しの鐘は持たない主義」

    「貯金できないのは、遺伝」

    のように、責任は自分以外の所にあるような物言いをします。しかしこれは、決して本人の性格ではありません。生まれた後に植え付けられた後天的な価値観や習慣によって,カネに好かれない体質を自分自身で作ってしまった結果です。

    後天的に植え付けられた価値観や習慣は、変えることができます。時間がかかるかもしれませんし、本人の強い意志と継続的な努力も必要ですが、変えることは可能なのです。

    2.過去にとらわれると何がいけないのか?

    資産を形成する上では、現在の自分が置かれている状況を冷静かつ客観的に判断して、それにあった決断をすることが必要です。具体的な例を出してご説明しましょう。

    ケーススタディ:幻の株価

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    株取引など、投資をしたことがある人なら、株価が常に変動していることはご存知でしょう。全ての株価は、上下に変動します。また特定の銘柄だけでなく、業界全体でも上向きのトレンドにあったり、逆のトレンドになることもあり、現在の株価が半年後、1年後にも同じということはありません。今よりも上がる事もあるでしょうし、下がることもあるでしょう。

    銀行に勤務するAさんは、子供のころから親に「投資はギャンブルだから、絶対に手を出してはいけない」と教えられて育ちました。そのため、社会人になって周囲が投資に熱くなっても、彼だけはどこか冷めた考えを持っていました。

    Aさんには、学生時代から仲良くしていた親友がいました。半年ほど前に親友から、「今XX業界が延びているから、資産を増やすなら今投資したほうが良い」というアドバイスを受けました。しかしAさんは全くやる気にならなかったどころか、親友に「気を付けろ」とアドバイスをしたほどです。そう、投資はAさんにとっては怪しすぎるアクティビティだったのです。

    しかし先日、再び親友と飲みに行ったとき、彼は半年前に購入した株が爆上がりして、価値が10倍になったと大喜びでした。飲み代も、太っ腹な彼がおごってくれました。

    帰り道で、Aさんは考えました。半年で資産価値が10倍になるなら、50万円が半年後には500万円になるということだよな。これは試す価値があるかもしれない、と。

    そうです。Aさんは取らぬ狸の皮算用をしてしまったのです。

    実際にAさんは、50万円を投資しました。すると、半年どころか3か月程度で、価値は10倍になりました。これに味を占めたAさんは、更に150万円を追加投資。それも面白いぐらいに増えたため、更に300万円を投資しました。

    Aさんが1年間に投資した金額は、なんと500万円。これはAさんがこれまでコツコツ貯蓄してきた全額です。彼は元手500万円を、時価総額9000万円までに増やすことに成功したのです。これで彼は、成功者の仲間入りという夢を達成しました。

    さて、この先の展開は、みなさんの予想通りです。

    株価の変動は、常にあがりっぱなしということはなく、下がることももちろんあります。それに、バブルが崩壊したように、業界バブルが崩壊することもあります。Aさんも場合にも、9000万円まで増えた株が遅かれ早かれ下がるとは全く思わず、さらに増えるだろさんは考えてしまったのです。

    しかし株価は下がり始めました。株価の低下はAさんにはどうすることもできず、もしかしたら再び上昇してくれるのではないかという淡い期待を胸に、下がり続ける株価を見守るしかありませんでした。

    Aさんが気づいた時には、株価を手放せば元本の500万円すら回収できない状態となっていたのです。

    考察:Aさんの何がいけなかったのか?

    それでは、Aさんの一連の行動の中で、何がいけなかったのでしょうか?

    親友の影響で始めた株投資で、Aさんはこれまで手にしたことがない「巨額の富」を手に入れることができました。しかし、Aさんはこれまで投資の経験がなく、買うタイミングも売るタイミングも考えずに、ただ「元金が増える」ことを夢見て投資を続けてしましました。

    その結果、株価が下がり始めても迅速に行動できなかったのです。ここが、Aさんのいけなかった部分かもしれません。

    投資についての詳しい解説は避けますが、投資においては損切りと呼ばれるリスクヘッジがあります。これは、株価が一定額もしくは一定割合以上下がった場合には、それまでの利益を確定するために、もしくは損失を最小限に抑えるために、持ち株を売却するという戦略です。

    もしもAさんが、天井高から下がり始めて雲行きが怪しくなってきた頃に、このリスクヘッジをしていたなら、ここまで泣きを見る羽目にはならなかったでしょう。9000万円の時価をそのまま教授というわけにはいかなかったかもしれませんが、それに近い額を手元に残せたのではないでしょうか。

    過去の栄光はかなぐり捨てるべし

    過去の経験によって培われた性格や価値観の中には、捨てずに持っていたほうが良いものもあるでしょう。しかし輝かしい過去の栄光に関しては、とくにカネに関しては、持っていても現在と未来の自身には何の役にも立ちません。

    「輝かしい過去の栄光」とは、現在がそれほど輝いていないから使う言葉です。過去よりも今の方が輝いていたとしたら、決して「過去の栄光」とは呼ばないでしょう。まずこの点は、理解しておきましょう。

    また私たちは、「過去の栄光」という言葉を使うことで、その時に戻れたらよいのにという根拠のない期待をしてしまいます。特に自身の経済的状況が下り坂の時には、現在の客観的な状況を受け入れたくないために、過去の幻にしがみつきたくなってしまうのです。人間の心は弱いため、それは仕方ないことです。

    しかし、心が弱いから仕方ないと考えることは、残念ながら自身にとっては何の役にも立ちません。事態を好転してもくれません。自己満足の域を出ないでしょう。

    だからこそ弱い心をかなぐり捨て、これからの自分に目を向けるべきです。それが、カネを引き寄せるために必要な策です。

    投資するなら現在を直視するべし

    Aさんのように、投資で少ない元手を大きく増やすことは、決して間違ったことではありません。しかし、

    「この銘柄は過去にXXX円まで上がった実績があるから信頼できる」

    「この業界は波がきてるから、持っていれば必ず得をする」

    などという考え方は、残念ながら全く自身の投資には役に立ちません。もちろん、信頼に値する銘柄なのかという分析をする際には、過去のパフォーマンスなども含めて情報収集が必要でしょう。また、業界全体にトレンドが来ていることも、どの銘柄を購入するかを決める際には、役立つ情報かもしれません。

    しかし実際に投資をして銘柄を購入する際には、いくらで購入したのかを覚えておき、いくらの利益が出れば満足できるのか、そのためには株価がいくらまで上がればよいのかという点をメモしておきます。買取挽き直後に売却の予約注文を入れてしまうという方法も良いでしょう。目安としては、5%から10%の上昇で売る、というスタンスが賢明です。

    また銘柄を購入する際には、いくらまでの損失なら受け入れられるのかに合わせて、損切り注文も入れておくことをおすすめします。このラインをあらかじめ設定しておかなければ、根が下がり始めた時に「持ち直すはず」「いや、Ⅴ字回復するのでは?」と淡い期待を持ってしまいます。そうした感情が、銘柄を手放すタイミングを狂わせてしまうのです。

    ポイント:投資をするなら、利益を確定するライン、損切りするラインを最初に決めておくこと。

    過去の自分は入らなくなったジーンズと同じ

    blue jeans side by side

    私達の体型は、年齢と共に少しずつ変わっています。10代の頃に履けていたジーンズが、40代になって入らなくなってしまうのは、いたって自然なことですよね。体重が増えたという理由もあるでしょう。しかし、仮に体重が同じだったとしても、年齢によって体型は少しずつ変化しますし、醸し出す雰囲気も年齢によって変わるので、入ったとしても似合わなくなってしまうのです。

    過去と現在の自分も、ジーンズのようなものではないでしょうか。過去と現在の自分とでは、年齢が違うだけでなく、考え方や経験値が異なります。仮に同じ金額の資産を持っていたとしても、過去の自分と現在の自分とでは、資産の活用方法が大きく変わるでしょう。

    過去にとらわれていると、「あの時はこうして成功したから、今回もうまくいくはず」と考えてしまいます。しかし、時代やトレンドなども変わっているので、過去に照準を合わせて何かをしようとしても、上手くいかないことは多いでしょう。

    大切なのは、現在です。今。今の状況に合わせて必要なことをすべきなのです。

    3.家庭で徹底しておきたいこととは?

    過去にとらわれ過ぎていたり、根拠のない未来を夢見ることは、経済的な視点からみるととてもリスキーです。それは、個人や世帯の家計という小さな規模だけでなく、会社のような大きな組織規模になっても、基本的なメカニズムは同じです。

    それでは私たちは、これから家庭という単位において、何をすれば良いのでしょうか?できることはたくさんあります。

    お金の話はしにくい。それでもする。

    結婚している世帯では、夫と妻、どちらが家計を管理していますか?夫が管理しているという世帯もあれば、妻が管理している世帯もあるでしょう。共働きの世帯なら、共同の口座を作ってお互いが毎月一定額をそこに家賃や食費などの経費として入れていて、その中でやりくりしているかもしれませんね。

    どちらが管理するかは、ここでは大きな問題ではありません。大切なことは、夫婦で定期的にお金の話をできているかということです。これは、一方が専業主婦や専業主夫でも同じです。

    「夫はお金にしっかりした人だから、管理してくれているはず」

    「妻に任せっきりなので、僕は一切関知していない」

    何て事態になっていませんか?他人事なら、「なんてラクチンなのだろう」と羨ましく思うかもしれませんね。しかし、定期的にお金の話をしていなければ、経済的な現在地の認識にギャップが生じてしまいます。

    10年前にはしっかりお金の管理をしてくれていたパートナーでも、もしかしたら日常的なイライラやストレスによって浪費癖がついてしまった可能性があります。それに、親が金銭的な苦境に立たされたために、パートナーに内緒で貯金を渡してしまった可能性もあるでしょう。

    数年前には「これで毎月5万円ぐらい貯金ができそうだね」と言っていたパートナーの言葉を信じてざっくり現在の貯蓄高を予測してみたけれど、実際はそれよりずっと少なかったというガッカリな経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。

    日常生活の中では、不測の事態が起こるものです。夫婦で同じ立ち位置で同じ認識を持ち続けることは、定期的にお金の話をしている夫婦にとっても、簡単なことではありません。お金の話をしにくい雰囲気のカップルなら、経済的な現在地が大きく異なっている可能性は大きいでしょう。

    「でもお金の事って話しづらい」

    「カネにがめつい奴だと思われたくない」

    「お金の話をしようとすると不機嫌になったりキレたりする」

    という夫婦もいるかもしれません。それでも、お金の話をする事は大切です。決して相手を責めるのではなく、二人が同じ場所にいることを確認し、同じ方向を向いて歩み続けるためには、これは必要不可欠な作業です。

    我が家の決算は年に1度

    我が家では、夫も私も収入がありますが、私が全てを管理しています。夫はお給料をもらってくるだけで、後はどこにいくらかかっているかすら知りません。きっと、どの金融機関にどんな口座を持っているかすら知らないと思います。

    これは、夫婦間で絶対的な信頼があるからできることなのですが、この信頼関係を築くには紆余曲折医でした。

    私はもともとマネー教育を受けて育ったので、カネに関しては子供のころからしっかりしていました。数百円のお小遣いをもらっても小遣い帳をつけていたほどです。

    しかし夫は貯金という概念を持たず、収入に合わせて使い、余ったら貯金すれば良いと気楽に考えていた人でした。

    結婚後、アメリカで生活していたため、銀行口座はすべてジョイントとなり、私一人が管理しても、見ていない所で夫が散在しまくる生活となったのです。

    →アメリカのジョイント口座についてはこちらの記事で

    その後二人で話し合い、結婚3年目あたりからは、私が全てを管理するようにしています。我が家の場合には、これでうまくいっています。

    しかし、管理させてもらっているからと言って、そこに胡坐をかくのはよくありませんよね。夫から絶対の信頼を受けているわけですし、夫にも資産状況を知る権利はもちろんあります。

    なので我が家では、年に1回、これは毎年変わらず12月31日なのですが、どの口座にいくらの残高があり、去年と比較してどのぐらい増えたかという点を、全てチャートやグラフにまとめて夫と共有しています。職場でのちょっとしたプレゼンのようですね。

    どんな方法でも良いので、夫婦が世帯の資産について同じ認識を持つことは、これからの資産形成においては、とても重要なことなのです。

    情弱は罪である。

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    情弱とは、情報弱者の事です。ネットに接続すればどんな情報でも収集できる昨今において、情弱であることは自身にとって大きなハンデとなります。インターネットが存在しなかった時代なら、情報を収集するためにはセミナーに行ったりして経験者から知識をおすそ分けしてもらうしかなかったわけですが、現在ではネット上にたくさんの情報があふれています。それらを取捨選択しながら、情報のクロスチェックもしながら真偽を確認することもできます。

    情弱であることは、何かに挑戦する際にもスキルが低いということを意味します。ケーススタディで説明したAさんにしても、投資についての情報収集をほとんどしないまま突入してしまったために、引き際を見極めることができずに大きな損失を抱えることになってしまいました。

    情報は、ネットさえあれば誰でも収集できます。専業主婦とか専業主夫、学生だから、ということは言い訳にしかなりません。ネットで情報収集をする中で分からないことが出てきたら、ネットで質問すれば先輩たちが教えてくれます。動画を活用するのも良いでしょう。

    資産形成において自身が情弱だと自覚することは、危険行為です。まずは可能な限り必要だと思われる情報を徹底的に収集して、ザックリとでも良いので基本的な知識を手に入れましょう。その上で、実践しながら同時進行で学び、限られた収入を賢く効率的に、そして効果的に資産形成したいものですね。

    4.まとめ

    いかがでしたでしょうか?今回のマネー講座では、資産形成をする上で、多くの人が陥りやすい「過去と未来にとらわれる」トラブルを解説しました。今回学んだことは、

    • カネに対する考え方や習慣は、遺伝ではない。後天的に植え付けられたもの。だから軌道修正できる。
    • 過去にどうだったかは自己満足にすぎない。今を客観的かつ冷静に判断するべし。
    • 過去の栄光にしがみつくのはリスキー
    • 投資をするなら、利益確定と損切りを最初に決めた上で始める。感情に流されてはいけない。
    • 夫婦では資産の現在位置を定期的に確認する
    • 情弱にならないように、ネットを駆使しでできるだけたくさんの情報を収集する。

    です。

    読んでいただき、ありがとうございました!