アメリカのワシントンDCにあるスミソニアン博物館の中でも最大規模を誇るアフリカンアメリカン歴史博物館。ここでは、見どころや豆知識を分かりやすく説明しています。
ワシントンDCと言えばスミソニアン。スミソニアンと言えばアフリカンアメリカン歴史博物館と言っても過言ではない気がするほど巨大な存在、それがNational Museum of African American History and Cultureです。
私は、実はここに2回行きました。理由は、1回では到底コンプリートできないから。
ホワイトハウスからも近い場所にあるこの博物館、地上4階、そして地下4階の合計8階もある博物館です。しかも面積もあり、展示物が数えられないほどあるので、1日だけじゃ見終わりません。
今回は、このアフリカンアメリカン歴史博物館の見どころをご紹介します!
スマホで事前チケットをゲット
この博物館、人気があるので混みます。混雑するシーズンだと、チケットが取れません。
空いている時なら、入り口でチケットを購入することもできますが、わざわざ足を運んでチケットが取れないと、激おこプンプンですよね。
なので、事前にチケットをゲットすることをおすすめします。
取り方は簡単。スマホでもPCでもとれます。無料です。
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地下4階は悲しい歴史のオンパレード
入り口を入ると、まずは地下からスタートします。
地下4階分、全てがアフリカ系アメリカ人たちの悲しい歴史が詰まっています。
時系列というだけでなく、どうしてアフリカで暮らす人たちが、どんなプロセスで奴隷としてアメリカに連れてこられたのか、アメリカのどこに連れてこられて、どんな生活をしていたのか、という「奴隷の歴史」がずらりと展示されています。
↑映画やテレビ、または学校の教科書でいる「White Only」とか「Colored」を、ここで見ることができます。
ここでもやはり、悲しすぎる歴史に心が重く苦しくなり、私は泣きました。
地下4階分の悲しい歴史を良ーく読むと、地上階へ戻ってくるまでに2,3時間は軽くすぐいてしまいますね。
そして、地下階を終了するころには、心が鬱になります。
それと同時に、そんなにつらい過去を持ちながらも前向きに努力するアフリカンアメリカン人種の方へ、最上級のリスペクトがふつふつと湧いてきました。
ランチは地下1階で。その名も「プランテーションカフェ」
地下1階には、ランチができるカフェがあります。その名も、プランテーション・カフェ。もう名前が絶妙すぎます。
それだけじゃありませんよ。
ここでいただけるのは、アフリカンアメリカンの歴史にちなんだ食べ物。
例えばフライドチキンやカラードグリーン、リブなんかもあった気がします。
ちょっと豆知識
ところで、ご存じでしたか?
アフリカンアメリカンの方たちのソールフード的な食べ物って、それぞれ悲しい歴史の中で生み出された傑作らしいです。
例えばリブ。以前は美味しい部分は白人様だけに許されており、黒人には骨の周囲に残った肉しか回ってこなかったのだそうです。それを工夫して調理したものが、現在のリブ。おぉぉぉと感動しませんか?私は感動しました。
フライドチキンも、当時はColored が入店できないレストランが多く、黒人は自動車で移動する際にどこにも立ち寄ることができず、車の中で飲食するしかなかったのだそうです。そんな中で生まれたフライドチキンは「チキンを揚げることで日持ちを良く」して「運転しながらでも手で食べやすい」アイデア料理だったようです。
地上階はポジティブパワー炸裂
地上4階は、雰囲気が一転します。悲しい歴史というよりは、黒人の∞パワーを感じられるエリアです。
踏まれたって、蹴られたって、負けずに立ち上がる。それが子孫のために今の自分ができること。
そんな無限エネルギーがフルスロットでした。
中でも人が多かったのはスポーツ分野でしたね。やはり、スポーツ分野で活躍しているアフリカンアメリカンな方が多いからでしょうか。
その中でも面白かったカールルイスのメダル秘話↑
昭和生まれな私は、大昔のロサンゼルス五輪で、カールルイスが金メダルを4個もゲットしたことを、今でも覚えているのですけれど、なんとオリンピック直後にスミソニアンが彼に「メダルを全部寄付しろ」と迫ったのだそうです(笑)。
いや、イヤだろ、普通。
彼は4つのうち3つは寄付したものの、100メートルの金メダルだけはかたくなに拒否したのだとか。
その理由は、お父さんへ捧げたかったから。
彼の父が亡くなった時、カールルイスは金メダルを棺桶の中で眠る父の胸にかけ、父への贈り物としたのだそうです。
私は感動して、泣きました。
はい、私は涙腺が緩いので、感動すると号泣します。ここでも号泣でした。
美白グッズの歴史も
アフリカンアメリカン女性の中には、少しでも肌のトーンを明るくしたいと願う人もいて、そのための美白スキンケアグッズも歴史の中では登場したらしいです。
多くは、石鹸とかクリーム、おそらくハイドロキノンが入っていたのだと予想されますけれど、その商品が展示されていました。
迫害の歴史、今でも終わってません
地上階にも、迫害の歴史は展示されていました。奴隷の歴史ではなく、現代に入ってからの迫害ですね。
オクラホマのTulsaは有名ですけれど、他にもミシシッピなど南部の州を中心に、こうした迫害が行われてきたことが、地図や写真などと共にしっかり展示されていました。
スミソニアンへ行くならマスト
いろいろなスミソニアンへ足を運んだ私ですが、この博物館は、内容の濃さや展示品の数などが充実しすぎていて、マストなスポットだと思いました。
地下階は、衝撃的で刺激の強い内容なので、小さな子供にとってはメンタルに大きな負担がかかるかもしれません。その場合には、地上階だけでも十分に見ごたえがあります。
National Museum of African American History and Culture
公式サイトはこちらから
おすすめ度 ★★★★★
子供へのおすすめ度 ★★★★★