子供が小さい頃には、バイトなんてしていませんから、迷うことなく子供を扶養家族として税金申告するでしょう。一方で、子供が成長して大人になってから得た収入なら、もう法的には子供ではないので、彼もしくは彼女自身で税金申告をしなければいけません。
しかし、高校生や大学生の子供がバイトで稼いだ収入は、果たして税金申告をしなければいけないのでしょうか?
目次
1.稼ぐ子供は所得税の申告が必要
年齢を問わず、年間の収入が一定レベル以上あれば、子供でも所得税の申告が必要です。
- バイト代などの就労所得なら、年間$13,850(2023年度)以上
- 配当金や利子などの不労所得なら、年間$1,250以上
この金額以内なら、たとえ稼いでいてもTax申告する必要はありません。しかし、お給料を受け取る際には所得税が自動的に引かれており、申告しなければ還付はありません。返してもらいたい税金を返してもらうためには、所得がいくらでも申告する必要があるのです。
少額でも申告できる
Tax Returnは、収入が一定レベル以下でも申告できます。多くは、払った分の税金を還付してもらいたいという理由で申告するわけですが、子供もその理由で申告できます。
ただし、注意したい点があります。それは、Turbo Taxのような有料ソフトで申告すると、還付金よりも申告費用の方が高くなってしまう可能性があるという点ですね。
例えば、年間で収めた税金が$50だった場合、Federal Tax ReturnのFiling料金が$40、State Tax ReturnのFiling料金が$30では、支払うサービス料金が$70となり、戻ってくる分よりも高くなります。
この場合にはFederal Income Taxに関してはIRSのサイトで無料申告し、収税に関しては、それぞれの州のIRSの公式サイトで無料申告するなど、工夫すると良いでしょう。
それが面倒だなーという人は、もともと申告する義務がない収入額なら、申告しないという選択肢もあります。
2.申告方法は何通りかある!
子供の所得税申告をする時には、注意しなければいけないことがあります。それは、
申告方法によっては、扶養家族からはずれてしまう
という事ですね。親である私たちは、子供を扶養家族として申告することで、毎年いくらかの税金控除を受けています。子供が学費のかかる学校へ通っているなら、教育費の控除も受けていることでしょう。
子供が扶養家族でなくなると、子供関連の控除がすべて外れてしまいます。その結果、親の私達は受けられるはずの控除を受けられません。
ちょっと待って!子供の生活の面倒見てるのは親の私達なんですけど!?
という罵声が聞こえてきそうですね。はい、全員がそう思っているでしょう。
細かい条件はありますが、バイト代を稼ぐ子供の税金申告では、大きく分けて
- 子供自身が所得税を申告する際に、「僕は扶養家族です」というステータスで申告する
- 扶養家族としてではなく独立した個人として申告する
とがあります。
「僕は扶養家族です」の場合
子供自身が親とは別途で所得税の申告をする場合でも、扶養家族というステータスで申告できます。そうすると、
- 教育費の控除などは親がそのまま申告できる
- 親は子供を扶養家族として申告できる
- 所得税の計算は、子供自身が稼いだ金額で計算される
などのメリットがあります。
「扶養家族ではない」の場合
子供の税金申告では、「僕は扶養家族ではありません」と申告することもできます。この場合、
- 子供自身が支払う税額は同じ
- 教育費の控除などは、子供自身のTax Returnで申告する
- 控除される金額のトータルで見ると、損をする可能性が高い
という特徴があります。
3.おすすめの申告方法
バイト代を稼ぐ子供は、税金の申告をしなければいけません。家族全体で控除額のトータルを見ると、
子供が税金申告をする時に「僕は扶養家族です」というステータスで申告
した方が、お得になる可能性が高いです。その理由は、控除の多くは支払っている税金から差し引かれるという計算となっていて、払った税金よりも控除額が大きくても、それは税金還付にならないから。
つまり、税金をたっぷり納めている親から控除分を差し引いた方が、少ししか納めていない子供の税金支払い分から差し引くよりも、圧倒的なお得さがあるわけですね。
4.学生でなければ扶養家族から外れる
税金の上では、基本的に18歳以上は成人と見なされるので、税金申告の義務が発生します。しかしフルタイムの学生なら、24歳以下の場合に限って、扶養家族のステータスを継続できます。
もしフルタイムの学生でも、子供の年齢が25歳になれば、残念ながら扶養家族の枠から外れてしまうので、自身での税金申告が必要となります。