アメリカでは、州ごとに法律が決められています。その中でも、とても変わったユニークな法律の一つに、カリフォルニア州の窃盗法があります。
目次
1.$950は軽犯罪、よって不起訴
カリフォルニア窃盗法には、少し前に新たに項目が追加されました。その項目ではなんと、$950以下の盗みなら軽犯罪に該当するので、起訴されないことになったのです。
詳しく説明しましょう。これは盗みの軽犯罪を犯すと、初犯は逮捕も起訴もされるのですが、同じ罪名で複数回の犯罪をしても、何回もリピートして起訴されることはありませんよ、というルールです。
街を歩いていて、誰に窃盗罪の前科があるかなんて見ただけでは分かりません。そのため、万引きや窃盗などの盗みをされて警察へ通報しても、$950以下の被害だと「警察はそんな暇じゃない」的な対応をされてしまうのだそうです。
初犯で逮捕起訴されるとどうなる?
もう一度言いますね。逮捕されないのは、すでに窃盗などで前科を持っている犯罪者が対象です。$950以下の盗みなら逮捕されないの?なんて顔がにやけてきたあなた、初犯は逮捕もされるし起訴もされることを覚えておきましょう。
ちなみに初犯で逮捕された場合、最大6か月間の懲役刑となる可能性があります。ただし、他に何の前科もなく、優秀な弁護士を付ければ、懲役刑を免れて執行猶予がついたり、賠償金や罰金を払っておとがめなし、なんてことにもできるのだとか。
2.どんな犯罪が対象か
$950以下の窃盗ルールの対象となる犯罪には、色々なものがあります。
- 万引き(店から、個人の家から、は問わない)
- 他人をタダ働きさせて適切な報酬を払わなければ労働力の窃盗罪
- 盗品を誰かからもらった
- 会社のカネをくすねた(横領)
- 会社が管理している個人情報を売ってカネにした、受け取った金額は$950以下
- 詐欺を働いて、受け取った金額が$950以下
- 車上荒らしで与えた経済的な損失が$950以下
3.結論
カリフォルニア州で$950以下の盗みを働いても無罪、ということはありません。まともな警察なら、しっかり捕まえて起訴まで持ち込むでしょう。
しかし、息子様が暮らす予定のサンフランシスコのように警察の数が不足していたり、盗み天国化しているような都市部では、いちいち軽犯罪の取り締まりに警察官を動員する余裕がない、というのが実情のようです。
それが、多くの市民が「万引きしても$950以下なら捕まらない」と勘違いする要因となっているようですね。
みなさん、盗みはダメですよ。多くは警察に捕まりますし、悪いことすると地獄へ落ちます。