コレやったらブラックリスト入り?~クレジットカード編~

クレジットカードのDisputeは、不正なカード使用から私たち消費者を守ってくれる便利な制度です。日本ではチャージバックと呼ばれていますが、基本的には同じことです。今回は、Disputeについて意外と知らない裏側をご紹介しますね。

目次

  1. Disputeのメカニズム
  2. 旅行関連のDisputeには注意しよう
  3. 結論

アメリカに住んでいる人なら、誰でも1度や2度は経験したことがあるDispute。私もこれまで、何度も経験があります。多くの場合には、カードを紛失していないのに、どこかから情報が漏洩して不正チャージがあり、それを「私じゃありません!」とDisputeするというものですね。

このタイプのDisputeなら、その後トラブルに巻き込まれたり、生活の中で不便を感じることはありません。大半は、カード会社に連絡すればその場で返金対応してもらえます。

しかしDisputeにはもっとほかにも理由があります。「使ったのは自分だけれど異議を唱えたい」場合です。例えば

  • 返品して返金されたはずなのに、クレジットカードに反映されていない
  • チャージされないと言われたのにチャージされてる
  • 使っていないサービスが追加でチャージされてた

など、色々あります。

1.Disputeのメカニズム

Disputeは、

  1. ユーザがカード会社にDipute。正当性を証明する証拠を提出。
  2. カード会社がレビューして認められたら、VisaやMasterのネットワークへ行く。
  3. そこから業者へDisputeの連絡。
  4. もしも業者が反論する場合には、業者が書面であちらの正当性を主張する証拠を提出。
  5. カード会社がレビューをして、最終的に判断する。

という順序になります。ユーザーが明確な証拠を最初に提出できれば、それほど難航することなく、すんなりと返金してもらえます。しかし、口頭での約束だけだったり、主張に無理があると、当然ですが業者側から反論されます。

2.旅行関連のDisputeには注意しよう

gantas airplane

後から問題が起こりやすいのは、商品ではなくサービスに関するDisputeです。特に航空チケットやホテルでの宿泊、レンタカーなどはDisputeの定番らしく、クレジットカード会社も消費者も、そしてサービスを提供する会社も頭を抱えているようです。

航空券のDisputeはメールを保存していたかどうかで勝負が決まる

航空券のDisputeには、

  • キャンセルしたのにチャージされた
  • 返金されると言われたのにクレジットされてない

などが多いです。クレジットカード会社にDisputeを申請することはできても、自分の正当性を証拠として提出できなければ、残念ながら返金してもらうことは難しいのが、航空券のDisputeの特徴です。

例えば、キャンセルしたのにチャージされた場合、航空券のチケットを購入したときに受け取ったConfirmation Emailを見てみましょう。キャンセルポリシーはありますか?もしもそこに、「キャンセルしても返金しません」というポリシーが明記されていたら、残念ながらDisputeしても航空会社から反撃されてゲームオーバーです。

返金されると言われたのにクレジットされていない場合には、「返金します」と書かれたメールがあれば、問題なくDisputeで問題を解決できます。ただし、口頭で言われただけだと、「航空会社が返金すると約束した事実」を証明できないので、場合によってはDisputeしても徒労の苦かもしれません。

ホテルのDispute は意外と多い

light fashion man people

ホテルのDisputeは、私がつい先日経験しました。私の場合には、予定よりも数日早くチェックアウトし、ホテル側から受け取ったレシートにも「300ドル返金です」と明記されていたのにクレジットカードへのクレジットがなかったというものでした。これは、ホテル側から明確に「返金します」という旨がかかれたレシートがあるので、実際に返金しなかったホテルに落ち度があることになり、私のDisputeは勝利でした。

しかし中には、

  • タバコを吸っていないのにスモーキング清掃代を徴収された
  • 物品の破損やミニバーのドリンクを飲んだなど、追加チャージされている
  • 時間通りにチェックアウトしたにもかかわらず、Late Feeがチャージされた

などがあります。この場合にも、両者ともに書面で正当性を証明しなければいけません。

レンタカーは要注意

black cars on gray concrete road

レンタカーのDisputeは、旅行業界の中でも注意が必要です。それは、ブラックリストに簡単に載せられてしまうから。どんなDisputeがあるかというと、

  • ガソリン代が後から請求されていた
  • 傷があったとして後日チャージされていた

などがあるようですが、中には客側に悪質なケースが多いのもまた、レンタカーのDisputeの特徴なのだそうです。例えば

  • 車が気に入らなかった(だけど利用した)
  • 高すぎると思った(だけど利用した)
  • シンプルに払いたくない(悪質)

なども多いらしく、カード会社にいろいろな理由をつけてDisputeするのだそうです。もちろん、レンタカー業者は反撃するわけですが、予約をした時に書面で詳細を説明していなかったなどの理由でDisputeが通ることもあるらしく、その場合には激怒したレンタカー業者はその人をブラックリストに載せ、「永久にこいつには貸さない」という意思表示をすることが多いのだとか。

3.結論

クレジットカードの不正チャージやいわれのないチャージに対しては、断固として戦うべきだと思います。しかし、サービスが気に入らなかったから払わないとか、当たり屋的な理由でのDisputeは、あとから大きなしっぺ返しがきます!

悪徳なDisputeをすると、業者から法的に訴えられる可能性はありますし、実際に訴えられて損害賠償を払う羽目になった人もいるようです。

もしも旅行に行った時に返金してもらえることになった場合には、必ず返金のレシートを保管しておきましょう。それがなければ、返金すると言ってしない業者に対して、対抗する手段がありません。レシートをしばらく保管しておくことは、実はとても大切です。

クレジットカードの不正利用は日常茶飯事!どうすれば良い?

クレジットカードを利用する人にとっては、万が一の不正利用の際にどう対処すればよいかを知っているかどうかで、安心感は大きく変わりますよね。私は基本的にキャッシュレスな生活をしていて、お財布の中に現金は2,3ドル程度しか入っていません。少額な買い物でも、駐車場の支払なども、そして自動販売機でも全てカードが使えるので、現金が必要なことって、近年では本当に少なくなりました。

しかし、クレジットカードやデビットカードを使う機会が増えれば増えるほど、やはり不正利用の被害にある確率は高くなります。私自身、これまでカードを紛失したとか、友人に貸したということは一度もありませんが、それでも不正利用されたことは何回かあります。どのように解決すれば良いのかを、ご紹介しますね。

目次

  1. 不正利用は増えている、しかし消費者は守られている!
  2. アメリカのDisputeはオンラインでもできる!
  3. Disputeの流れ
    1. カード会社のマイアカウントにログインする
    2. 不正利用された取引をピンポイントで選択する
    3. 報告すると、カードは使用停止
    4. すぐに返金してくれる、そして調査がスタート
    5. 調査にかかる期間は約1ヶ月程度
    6. うっかりDisputeしたものが自分のチャージだった!どうする?
  4. Disputeはクレジットスコアに影響する?

1.不正利用は増えている、しかし消費者は守られている!

日本よりもキャッシュレス化が進んでいるアメリカでは、ほぼすべてのクレジットカードおよびデビットカードに対して、「万が一の際の不正利用に関しては、ユーザーに支払い責任はありませんよ」というプロテクションがついています。以前では、クレジットカードだけについていた補償で、デビットカードにはついていませんでした。でも現在では、デビットカードにもついているので、不正なチャージがあっても、ユーザーは費用負担する必要はありませんし、裁判で戦う必要もありません。全て、カード会社および金融機関が代理で対応してくれます。

ほぼすべてのカードにこの補償はついていますけれど、100%ついているかどうかは、ごめんなさい、ちょっとわかりません。そのため、もしもこれから新規でカードを作るなら、この補償がついていることを確認した上で申し込むことをおすすめします。

この補償はスタンダードな補償としてついています。有料オプションではありません。もしも有料オプションだとしたら、別のカードを検討したほうが良いかもしれませんね。

ちなみに、不正利用を報告することを、Dispute(ディスピュート)と言います。日本では、チャージバックと呼ばれている制度ですね。

2.アメリカのDisputeはオンラインでもできる!

私は、日本でチャージバックをした経験がないので、どのぐらい面倒な手続きなのかは分かりません。しかしアメリカでは、複数の金融機関でDisputeをしており、流れはだいたい把握しています。

アメリカのDisputeは、金融機関によって、オンラインでできることもあれば、カスタマーサービスへ電話をかけてDisputeする場合もあります。英語が苦手な人にとっては、オンラインの方が便利だと思います。でも、Disputeの手続がオンラインでも電話でも、手続きの流れ自体は変わりません。

3.Disputeの流れ

Disputeの流れをご紹介しましょう。

  1. カード会社のマイアカウントにログインする
  2. 不正利用された取引をピンポイントで選択する
  3. 報告すると、カードは使用停止
  4. すぐに返金してくれる、そして調査がスタート
  5. 調査にかかる期間は約1ヶ月程度
  6. うっかりDisputeしたものが自分のチャージだった!どうする?

カード会社のマイアカウントにログインする

オンラインでDisputeする場合には、カードの公式ホームページからログインしてください。どこにDisputeのメニューがあるかは、ホームページごとに異なりますが、カスタマーサービスのメニュー内に設置されていることもあれば、一つ一つの取引(Transaction)の画面からDisputeできることもあります。

不正利用された取引をピンポイントで選択する

どの取引が不正利用されたのかを、ピンポイントで選択していきます。1つだけ不正利用された場合もあれば、複数の不正利用もあります。一つ一つに対してDisputeが必要なこともあれば、複数まとめてDisputeできることもあり、金融機関ごとに異なります。

報告すると、カードは使用停止

不正利用をDisputeすると、多くの場合には、そのカードはCompromiseされたとみなされて、使用が停止となります。もしも夫婦Joint名義で持っていたクレジットカードなら、同じカード番号なので、どちらも使用停止となります。デビットカードの場合には、口座名義はJointでも、カードの番号は夫婦で異なり、不正利用された人のカードのみが使用停止となります。

カードが使用停止になっても、すぐに新しい番号のカードを郵送してくれます。ただし、今日Disputeしたら明日に新しいカードが届くというほどの迅速さではありません。早くても数日、遅ければ1週間程度は、カードがなくて不便極まりない生活となってしまう可能性はあります。

アメリカのクレジットカード事情についてはこちらから

まず返金、そして調査がスタート

Disputeすると、当日もしくは翌日あたりに、不正利用分の金額と同額を、とりあえず返金してくれます。この「とりあえず」というのは、その後金融機関が調査を行い、もしも不正利用でなくてユーザーに非があると分かった場合には、再度その金額がチャージされるからです。

しかし、本当に不正利用なら、堂々としていて問題ありません。

調査にかかる期間は約1ヶ月程度

金融機関の調査は、早ければ2週間程度、平均すると約1ヶ月ぐらいかかることが多いですね。どんな調査をするのかというと、不正利用があった業者やショップへ問い合わせをして、その利用に関して、不正な利用かどうかを確認します。例えば、支払いの際に署名をしているなら、署名を確認して、本人ではないことを確認するのだと思います。

もしも海外で不正利用されたという場合には、Disputeの調査は結構素早く終することが多いようです。私は以前、自宅から車で約2時間のロケーションで、不正利用をされました。その時には、Home Depotで$1,000、Bed Bath&Beyondで$400程度の利用でした。その時にはオンラインではなく電話でのDisputeでしたが、カスタマーサービスの人に「自宅から結構近いですよね?」的な質問を受けたことを覚えています。

しかしそういう質問は、決して「実は不正利用じゃないのでは?」という疑いではなくて、カード払いをしたけれど覚えていないというケースがあるからなのでは、と思います。だって、自分が使ったものをうっかり忘れていた場合でも、Disputeをすれば金融機関は人件費をかけて調査するわけです。無駄な手間を省くために、確認しているのでしょう。

Disputeの調査が終了すると、金融機関によっては、「Disputeの調査が終了しました」というレターを郵送してきます。何も送ってこない金融機関もあります。

うっかりDisputeしたものが自分のチャージだった!どうする?

お恥ずかしながら、私はコレ、一度だけ経験があります。我が家では、光熱費などもすべてクレジットカード払いにしており、給料日に必要経費をカードへ支払っています。ショップでの買い物なら、Macy’sとかBestBuyなど店名がはっきり取引明細に記載されるので、自分が使ったかどうかは明白です。

しかし、光熱費の支払だと、利用している業者とは全く違う、聞いたことがない業者からのチャージになっていることがあります。要注意です!これは、公共料金を提供している業者が、支払い業務を他社に委託していることで起こります。

私がうっかりDisputeしたものは、電気料金でした。この時には、Disputeしてから2週間ぐらいで金融機関から電話がかかって来て、「この料金、公共料金っぽいのですが、本当に身に覚えがありませんか?」と質問されました。

「え?公共料金はカード払いしてるので、もしかしたら自分かもしれない」と思い、その場でパソコンを立ち上げて確認した所、電気代とぴったり同額でした。この時には、悪意があるDisputeではなかったので、ごめんなさいと謝罪をして許してもらえました。

ちなみに、悪意のあるDisputeをすると、カードが使用停止になるだけでなく、訴訟問題とか刑事事件に発展するリスクもあります。くれぐれも、悪知恵は働かさないようにしましょう!

4.Disputeはクレジットスコアに影響する?

クレジットカードやデビットカードの不正利用をDisputeした場合、基本的にはクレジットスコアにマイナスの影響はありません。しかし、場合によっては不正利用のせいで不本意にクレジットスコアに影響が出てしまうケースはあります。

クレジットスコアやクレジットレポートについてはこちらから

不正利用のせいで自動引き落としができなかった場合

デビットカードを使っていると、クレジットカードへの支払やローンの支払いを、自動振り替えできる設定にしている人は多いですよね。自分自身ではきちんと十分な残高が口座に残っていることを確認していても、不正利用のおかげで残高不足となり、自動引き落としができない可能性は、ゼロではありません。

もしも残高不足で引き落とし不能となってしまったら、自動車のローンでも住宅ローンでも、支払い遅延というマイナスの影響を受けてしまいます。多くの金融機関では、ローンやカードの支払期日を設定するだけでなく、数日間のGrace Periodという枠を設けており、その期間内に支払いをすれば、遅延の扱いにはなりませんよ、というルールがあります。

不正利用にすぐに気づいてすぐにDisputeすれば、即日もしくは翌日あたりに返金されるので、ローンの引き落としも遅延にならない枠内で対処できる可能性は高くなるでしょう。しかし、精神的なストレスがマックスになることは、言うまでもありませんね。

そうした悲劇を回避するためには、銀行口座にOverdraft Protectionを付けることをおすすめします。これは、例えばChecking Accountの口座が不足しているけれどショッピングやカードの支払いなどが必要な時には、ペナルティを払うことでSavingAccountから自動的に口座振替してくれる、というサービスです。多くの銀行では、無料で設定できることが多いですし、オンラインでも簡単に設定できます。

ちなみに、このOverdraft ProtectionによってSaving口座から自動振替されると、ペナルティとして約12ドルぐらいがチャージされます。これは1日1回のペナルティです。同じ日に何回もショッピングや支払いがあってマイナスが大きくなっても、ペナルティは12ドル程度。わずか1ドルの残高不足でSavingから自動振替された場合でもペナルティは12ドルとなります。

一般的に、店舗を持たないネット銀行では、このペナルティは無料の設定が多いです。そのせいでしょうか、近年では規模が大きな銀行でも、ペナルティを無料にするところが増えています。とても良いですね。