日本でも、コロナ禍においては、宅配業者が玄関ドアの前に宅配便を置いていく「置き配」が広く普及しましたよね。盗難や紛失などのリスクはありますが、ネットショッピングが増える今後はさらに、置き配が広がると考えられています。アメリカでは、ずっと前から置き配がデフォルトになっていて、基本的に宅配業者からの手渡しは、ほとんどありません。
目次
1.アメリカの置き配事情
アメリカでは、基本的に宅配業者はほぼすべてが、置き配です。アメリカの置き配は、一戸建ての場合だと、玄関のドアの前にパッケージを置いたまま、宅配業者は去ってしまうというものです。近年ではネットショップが急増していて、それに伴うトラブルも増えているため、置き配業者の多くは、宅配した証拠写真を撮影していますが、それでもトラブルがなくなる気配はないですね。
置き配は、共働きの家庭にとっては、とても便利です。不在でも家の前に荷物が置かれていて、基本的には安全なエリアがほとんどなので、仕事から帰ってきたらその日の配達分が玄関の前に置かれているというわけです。
ただし、置き配はデフォルトなので、自分は専業主婦で家にいるという人でも、宅配業者は家の玄関の前に荷物を置いていきます。宅配業者によっては、荷物が届いたことを知らせるためにピンポンを押してくれることがありますが、必ずしも押してくれるわけではありません。
2.「私書箱」はどうする?

郵便物の紛失や盗難などのリスクを避けたい人や、アパートでは郵便物の受け取りができない人は、郵便局で私書箱(P O BOX)を借ることになります。このPO BOXに関しては、宅配業者によっては宅配そのものができないことがあるので、注意しなければいけません。
あメリカの宅配業者は、主に
- USPS(郵便局のサービス)
- FEDEX(フェデックス)
- UPS(ユーピーエス)
がありますが、このうち公的サービスはUSPS(郵便局)だけで、FEDEXとUPSは民間の宅配業者です。この2つは、基本的に自宅でなければ配達が不可で、PO BOXへの配達は行っていません。
ネットショッピングでも不便がある
ネットショッピングでは、業者ごとに、どの宅配システムを使って発送するかを決めています。もしも自宅がUSPSの宅配しか受け取れないアパートだったりすると、FEDEXやUPSで発送するネットショップは、残念ながら利用ができません。
私も経験があるのですが、夫の両親が暮らすアパートでは郵便物の受け取りができません。ある年、ギフトを贈ろうとネットショップで注文したのですが、住所がPO BOXということで、注文そのものがキャンセルの扱いとなってしまいました。
3.置き配だからこそ起こる問題点とは?
置き配では、トラブルが起こる可能性は少なくありません。私自身も、これまでに何回も配達トラブルを経験しています。しかし、多くの場合には、速やかに解決できています。どんなトラブルが起こるのか、気になりますよね?
誤配

誤配とはつまり、うちに来るはずの宅配便が別の家に配達されてしまうというトラブルですね。我が家でも、何度も経験しています。例えばAmazonの場合には、配達すると、荷物の写真を撮影してAmazonのサイトにアップロードしてくれるのですが、なんと堂々と違う玄関の前にドンと鎮座するパッケージの写真が写っていました。
我が家の場合、道路を挟んだお向かいの家へ誤配されることが多く、あちらのパッケージが我が家に届いたり、我が家のパッケージがあちらに届くことが多くあります。
その場合には、わざわざAmazonの手を煩わせることなく、速やかに解決できるのですが、たまに全く知らない家へ誤配されてしまい、住所も分からないということがあります。
その際には、残念ながら私では解決できないので、Amazonへ連絡して「届いてません」と言うと、再発送もしくは返金処理をしてくれます。
盗難

置き配では、やはり盗難のリスクもあります。私はまだ経験したことはありませんが、クリスマスの時期になると、他人の家に届けられたパッケージを盗む輩が多発するようです。
盗難対策としては、宅配業者に配達日を指定するとか、監視カメラを玄関の所につけておき、警察に被害届を出すとか、もしくはネットでさらすという復讐方法(?)もあるようですね。
4.アメリカに宅配ボックスはある?

アメリカでは、基本的に宅配ボックスのような便利なアイテムはありません。一戸建ての場合には、玄関のドアの所に置き配をしてくれるので、きっと自分で購入した宅配ボックスを設置したとしても、使ってもらえない可能性はかなり高いと思います。
アパートの場合には、ドアの前まで届けてくれることもあれば、共同の郵便箱が設置されている所に置き配されるというケースもあるらしく、ケースバイケースのようです。ただし、共同エリアに置き配されてしまうと、盗難とか紛失のリスクはさらに高くなりそうですよね。もしもこれからアパートを借りようと考えている人は、宅配事情についても契約する前に質問するのが良いかもしれません。
コンシェルジュが常駐しているような高級アパートになると、基本的にはコンシェルジュがパッケージを保管してくれることが多いです。これは、住人にとっては大きな安心感ですね。
5.アマゾンなら次世代デリバリー
便利だけど問題もある、アメリカの置き配システム。このトラブルを解決するべく、Amazonが次世代サービスを開始しました。
アマゾンロッカー

これは、郵便局の私書箱のようなサービスで、自宅へ配達してもらう代わりに、Amazon専用のロッカーに配達すると言うシステムです。
ロッカーはいろいろな場所にあるので、自宅そばで見つけられる可能性は大です。しかも、月額利用料などはかからず、宅配の際には無料で利用できます。
私も利用したことがありますが、宅配先をロッカーに指定すると、ロッカーのロケーションを指定できます。デリバリーされると、アマゾンからロッカーを開けるためのコードが発行されるので、有効期限が切れるまでにピックアップすれば良いと言うシステムです。
ロッカーにはいろいろなサイズがありますが、あまり大型の箱は入りません。小さなアイテムをより安全にデリバリーして欲しい人におすすめだと思います。
スマートロックデリバリー
これは、アマゾンの宅配を、玄関の外ではなくて中に入れてくれるというサービスです。玄関のドアの鍵が、キーレスとかスマートロックと呼ばれるタイプであることが前提となります。
このシステムは、アマゾンのアイテムが宅配される日に、ドライバーへ解錠のためのコードを提供すると、宅配されるものを玄関ドアを開けて内側に置いてもらえます。
ただし、これは賛否両論あり、浸透率はイマイチな気がしますね。
まず、ペットがいる家庭では、使えません。ドライバーの万が一の安全を確保するためです。
そして、悪質ドライバーだと、空き巣のリスクもゼロではありません。