アメリカでは、子供は年に1回Annunal Checkupと呼ばれる健康診断を受けます。学校に医師がやってくる集団検診ではなく、個人がクリニックに行って受けるものですね。アメリカの健康保険の大半は、健康診断に関しては年に1度は無料、となっています。無料だから行く人が多いのだと思います。
目次
1.アスリートは年に1回健康診断書を提出する

子供の頃に年1回の健康診断を受けることは、政府や健康保険会社が推奨しているもので、義務ではありません。だから、どの子が受けているかどうかは、基本的に学校はノータッチです。
しかし学校でスポーツ部に所属している場合には、指定されるフォームがあり、医師が「スポーツをしても問題ない健康体です」と署名しなければいけません。これは、毎年必要です。スポーツ部という部活が始まるミドルスクールぐらいから大学まで、例外なくこのフォームがあり、そのために子供たちは毎年夏になると健康診断に行きます。
息子はずっとフットボールをしており、ほかの子と同じように、毎年夏休みに健康診断を受けていました。そして、シーズンが始まる8月に提出していました。ちなみに、提出しない場合には、練習にも試合にも参加できないという仕組みになっています。
アスリートが受ける子の健康診断は、Sports Physical(スポーツ・フィジカル)と呼ばれています。検査の内容は基本的に、年に1度の健康診断(Annual Checkup)と同じです。そのため、クリニックに予約を入れる際にはいつも、Sports Physicalde予約を入れてもAnnual Checkupとして予約を入れても、診察してもらう内容はほぼ同じです。多くの人は、Annual Checkupとして予約を入れると思います。
上記の通り、年に1度の健康診断は、無料です。毎年たくさんの子が「記入してください」と持ってくるSports Physicalの用紙に記入してもらうのも、無料で対応してもらえます。
2.突然$300の請求が来た!
小さなころから毎年無料だったAnnual Checkupですが、ある年、突然$300の請求が来ました。
「???」
と思って、健康保険会社から送付されてきたEOB(Explanation Of Benefit:保険適用の明細書)を熟読すると、「Sports Physicalは保険適用外です」と書かれていました。
健康保険会社に電話をして、いつもと同じ健康診断なのに、なぜ今年は適用外になるのかを聞いたところ、どうやらクリニックが健康保険会社へ申告する際に、
- クリニックが保険会社へ「Annual Checkup」として申請→自己負担ゼロ
- 「Sports Physical」と申告→保険適用外。つまり、全額が自己負担
となることが分かりました。クリニックにすぐ連絡してその旨を伝えると、「だって受けたのはSports Physicalですよね?」とか「スポーツ目的なんだから間違ってません」なんて言われることなく、「それではAnnual Checkupとして申請しなおします」との返事。とても良心的なクリニックだと思います。
その後、問題なく受理されて、自己負担額はゼロとなりました。
同じ検査内容でも、クリニックがどのように申告するかによって、患者側の自己負担は大きく変わるという事を、この時に知りました。
3.学校に医者が来ることもある
アメリカは日本のように国民皆保険ではありません。だから当然、健康保険がないという子もいます。健康保険がないという子は貧困層の家庭が多いのですが、そういう子だと、スポーツをするためだけにわざわざクリニックに行って、何百ドルも払うというのは経済的に難しいものです。
そのため学校によっては、1日数時間だけ医者が体育館みたいなところに足を運び、健康診断をしてくれるサービスがあります。スポーツをするけれどSports Physicalをまだ記入していない生徒を対象にしたもので、息子が通っていたハイスクールでは$20ぐらいの格安料金で受けられました。
これはとても便利で、わざわざ学校の後にクリニックへ行く必要がありませんし、夏休みの終わりにアポが取れないと焦る必要もありません。無料で受けられるサービスに$20を払うモヤモヤはあるかもしれませんが、何しろ楽という点は、大きなメリットだと思いますね。