XXX-XX-XXXXという9桁の数字で表示されるソーシャルセキュリティ番号(Social Security Number)は、車のナンバープレートのように私たちが好きな数字を選べるわけではありません。あちらから自動的に番号が割り振られます。そして私たちはそれを一生、少なくてもアメリカで生活するうえでは、使い続けることになります。
目次
1.2011年からは若干変更
以下で説明するSSNの数字が持つ意味は、2011年に番号振り当てのプロセスが変更になる前のものです。つまり、2011年よりも以前に生まれた人や渡米した人は、すべて古いシステムに基づいてSSNを受け取っていることになります。
2.最初の3桁は「場所」
XXX-XX-XXXX の最初の3桁は、場所を表します。テキサス州で発行されたSSNなら、この最初の3桁はどれも似たような数字ですし、この番号に詳しい人なら、他人のSSNを見ただけでその人がどの州で生まれたかを予想することもできます。
最初の3桁はエリア番号と呼ばれており、それぞれの州に数字が割り当てられています。
例えば001-11-1111の人なら、ニューハンプシャー州で生まれたか、渡米して最初にSSNを申し込んだ時に住んでいたのがニューハンプシャー州だという事が分かります。
Number Prefix | State Issued |
---|---|
001-003 | New Hampshire |
004-007 | Maine |
008-009 | Vermont |
010-034 | Massachusetts |
035-039 | Rhode Island |
040-049 | Connecticut |
050-134 | New York |
135-158 | New Jersey |
159-211 | Pennsylvania |
212-220 | Maryland |
221-222 | Delaware |
223-231 & 691-699 | Virginia |
232 | West Virginia – North Carolina |
233-236 | West Virginia |
237-246 & 681-690 | North Carolina |
247-251 & 654-658 | South Carolina |
252-260 & 667-675 | Georgia |
261-267 & 589-595 & 765-772 | Florida |
268-302 | Ohio |
303-317 | Indiana |
318-361 | Illinois |
362-386 | Michigan |
387-399 | Wisconsin |
400-407 | Kentucky |
408-415 & 756-763 | Tennessee |
416-424 | Alabama |
425-428 & 587-588 & 752-755 | Mississippi |
429-432 & 676-679 | Arkansas |
700-728 | Railroad |
729-733 | Enumeration of Entery |
433-439 & 659-665 | Louisiana |
440-448 | Oklahoma |
449-467 & 627-647 | Texas |
468-477 | Minnesota |
478-485 | Iowa |
486-500 | Missouri |
501-502 | North Dakota |
503-504 | South Dakota |
505-508 | Nebraska |
508-515 | Kansas |
516-517 | Montana |
518-519 | Idaho |
520 | Wyoming |
521-524 & 650-653 | Colorado |
525 & 585 & 648-649 | New Mexico |
526-527 & 600-601 & 764-765 | Arizona |
528-529 | Utah |
530 & 680 | Nevada |
531-539 | Washington |
540-544 | Oregon |
545-573 & 602-626 | California |
574 | Alaska |
575-576 & 750-751 | Hawaii |
577-579 | District of Columbia |
580 | Virgin Islands |
586 | Guam, American Samoa & Philippines |
596-599 | Puerto Rico |
3.真ん中の2桁は「人種」

真ん中の2桁は「人種」を表します。この2桁に関しては、この番号ならこの人種グループという分類方法は明らかになっていません。しかし分かっていることは、
- 奇数は白人
- 偶数は有色人種
となっているという事ですね。
白人か有色人種かの判定は、自称とか希望ではなく、子供なら提出した出生証明書や国が定める定義に基づいて判定します。
4.最後の4桁はシリアル番号
最後の4桁は、個人に割り振られるシリアル番号です。SSNの最初の5桁が全く同じでも、最後の4桁は必ず一人ひとり異なる番号となっています。
5.どうしてこんな分類をするの?
SSNの桁がそれぞれ意味を持っていることに対して、賛否両論あるでしょう。私自身も、どうしてSSNで人種の選別的なことをするのかモヤモヤした気持ちになりましたし、もしも国が変な方向へ行って、軍隊への徴兵になったりすれば、国は徴兵選抜のアルゴリズムを少し工夫するだけで、どの人種がどのぐらい徴兵されるのかを簡単に操作できてしまいます。
そんなリスクも含むSSNですが、実はID Theftの予防や対策に役立つのだそうです。
例えば、最初の3桁を見るだけでも、そのSSNが本物の番号かどうかを予測できます。最初の3桁が000とか900台なら、適当に作った番号だという事が一目で分かります。
真ん中の数字も00は使われませんし、最後の4桁が0000になることもありません。
6.死亡した人のSSNは再利用される?
アメリカ社会で高齢化が進んでいるとはいえ、SSNの組み合わせが尽きてしまうという状況にはまた陥っていません。そのため現在の所は、SSNの再利用は行われていません。
7.2011年のランダム化の背景
2011年にSSNの割り振り方法が大きく見直された背景には、こうしたグループ分けをしていると、人口が多い州などではそろそろパンク状態になるのではと懸念されたことがあります。SSNは再利用されないため、どんどん新しいSSNが生まれ続けるわけです。今すぐにそうした危機に直面している州があるわけではないものの、遅かれ早かれやってくる事態に備えて早めに手を打とうというのが、SSNのランダム化でした。
ランダム化と言っても、政府はそれなりに国民をグループ分けするなどで管理しているはず。しないはずがありませんよね。しかし、このランダム化によってどんな分類がされているかは、公開されていません。
それはそれで、怖いですけれどね。