3kな仕事といえば、「汚い、きつい、危険」という嫌な要素が満載のお仕事があります。しかもこうしたお仕事の中には、お給料も安いことが多かったり、命を削らなければいけなかったり、誰もやりたがらないのは納得、というものがたくさんあります。
アメリカにも、汚いお仕事やキツイお仕事、また危険を伴うお仕事はたくさんあります。それがどのぐらいの待遇となっているのかは私にはわかりませんが、低賃金でこき使われるお仕事もあれば、嫌な仕事だけれど驚くほど高待遇なものもあると思います。
そんな3Kジョブの中には、お給料が周囲の誰よりも高待遇なものがあることはご存じですか?
1.サンフランシスコのホームレス事情
先日、私は息子様とサンフランシスコへ行ってきました。そこで気づいたこと、というか気づかない人はいないほど明らかな事情の一つに、道にウンコが大量に落ちているという光景がありました。犬や猫ではなく、人間サイズのデカいウンコなのです!
ホームレスが多い街だからなのでしょうか。それとも公衆トイレが不足しているからなのでしょうか。
サンフランシスコでは、誰でも自由に使えるトイレはほぼありません。私はもともとトイレが近くて、トイレ大魔王を自負するほど、どこへ行ってもすぐトイレへ駆け込みます。そんな観光客の私でもトイレ探しに一苦労したわけですから、ホームレスにとってトイレが見つからないと言っても、まったく驚くことではありません。
街には、ところどころに公衆トイレがあります。しかし有料です。地下鉄にもトイレはありますが、改札を通らなければ使用できません。飲食店のトイレも、利用しなければ当然ですが使えませんし、コンビニっぽいお店だと、客が利用できるトイレはありません。トイレを貸して下さいとお願いしても、ありません!とけんもほろろに断られます。
観光客でもそんな状態なのですから、ホームレスにとっては気軽に利用できるトイレなんて、きっと見つからないだろうなということはすぐに分かりました。
2.ウンコパトロール隊とは?
あまりにも路上ウンコが目につくため、私は宿泊していたホテルで調べてみました。その時に、驚くほど高待遇のお仕事を見つけたのです。それが、
Poop Patrol(ウンコパトロール隊)
のお仕事でした。ウンコバスターズみたいなものですね。
このお仕事には、学歴や経験などは一切不要です。それでいて待遇はとても良く、サンフランシスコ市はパトロール隊1人当たり、なんと$184,000(2,350万円程度)もの予算を確保しています。
年収2,500万円近いお仕事なら、国会議員と同等レベルと言っても過言ではありませんね。
ただし、ウンコ清掃をするお仕事がすべて2,500万円ももらえるわけではありません。サンフランシスコ市が雇用しているウンコバスターズのお仕事なら、驚くほどの高待遇で働けますよ、というだけです。
3.仕事は何をするの?
ウンコパトロール隊のお仕事は、街にあふれかえっている路上ウンコをただひたすら清掃することです。
汚くてキツイお仕事ですから、隊員たちは特殊な顔面マスクや防護スーツを身に着けています。そして、ただウンコを洗い流すだけではなく、消毒剤をスプレーしながら洗い流します。1日中その作業を毎日ひたすらリピートする、というものですね。
4.パトロール隊がいるのにウンコがなくならない理由とは?
パトロール隊が毎日せっせと路上ウンコを掃除しているのに、残念ながらサンフランシスコのウンコは全くなくなりません。私は住んでいるわけではないので、以前と比べてどのぐらい変化があったのかは分かりませんけれど、パトロール隊が誕生してから数年が経過した先日でも、路上はウンコまみれでした。
パトロール隊が掃除で撃退するウンコの数よりも、ホームレスが落としていくウンコの数の方が、はるかに多いという事なのでしょう。
ちなみに現在、サンフランシスコには7,500人以上のホームレスが生活しているのだそうです。エリアによってホームレスの分布は異なりますが、飲食店や娯楽施設が多いエリアには昼間でも数百人のホームレスがたむろしており、私は怖くて歩けませんでした。
将来サンフランシスコの情勢が良くなるのか、もしくは物価が安くなってより多くの人にとって住みやすい街になるのかは、私にはわかりません。しかし、街で暮らす人にとっても、またホームレスにとっても、そして観光客にとってもウンコレスでウィンウィンな日がくることを願っています。