まずは、こちらをご覧ください。
ショッキングな動画なので、見たくない人は動画を再生せずに読み進めてください。
この動画は、数年前にイリノイ州で起こった事件の一部始終を、警察官が着用していたボディカメラがとらえたものです。
動画の中のアダム・トレード君(当時13歳)は、その日、21歳の友人と一緒にいました。同じころそのエリアで、男性2人が通行車両に向かって発砲したという通報があり、警察官が容疑者を探すためにパトロールしていた時に、彼らを見つけたのです。
警官がパトカーから降りて2人に近づくと、アダム君は逃げました。21歳の友人は別の警官に抑えられたものの、アダム君は逃げ続けたのです。
結局彼は、持っていた銃をフェンスの向こう側に投げ捨て、丸腰になった上で警察官の方へ振り向き、両手を挙げて降伏の意思を表しましたが、残念ながら警察官に発砲されてしまいました。
この事件は全米ネットワークでも注目され、逃げたアダム君が悪いという声もあれば、両手を挙げて降伏した子供に発砲するとは何事だ、と様々な意見が飛び交いました。
目次
1.警官に呼び止めらたら、どうする?
昼夜を問わず、もしも警官に呼び止められたなら、私達はどうすれば良いのでしょうか?最初にできることは、
パニックにならずに、とにかく落ち着く
という事です。警官も人間なので、こちらが敵意をむき出しにしたり、逃げようとしたり、抵抗しようという素振りを少しでも見せると、構えます。場合によっては、発砲されたり逮捕されることもあります。
もしも呼び止められたなら
- 逃げない
- こっちにこいと言われたら、ゆっくりと歩いて近づく。走るのはNG。
- 抵抗しない
- 悪態をつかない
- 嘘をつかない
- 両手は動かさない
- 両手は警官から見える場所に出しておく
- ポケットに手を入れるとか、パンツやブラのずれをお直しするのはNG
例えば、免許証を見せろと言われ、ポケットやバッグに入っている財布から取り出すときには、必ず
「ポケットに財布が入っているので、取り出してもよろしいでしょうか?」
とお伺いを立ててください。勝手にポケットやカバンに手を入れると、銃や武器を取り出すのではないかと勘違いされて、発砲されるリスクがとても高くなります。
2.自分の権利についても理解しておこう
警官に質問された時、プライバシー侵害じゃねーかと思っても、素直に正直に答えることが、事態を悪化せずに速やかに解放される秘訣です。上記のようなNG行動をして警官を怒らせてしまうと、運が良くても逮捕、悪ければ現場で死亡、なんて事態になりかねません。
ただし場合によっては、質問に答えたくないということもあるでしょう。そんな時のために、自分に与えられた権利を理解しておくことも、アメリカで生きるためには大切かもしれません。
私たちに与えられている権利には、
- 黙秘権(警官に聞こえるぐらいの大きな声で、黙秘権を行使すると明確に伝えてください)
- そこで何をしていたのか、これからどこに行くのか、と言った質問に答えない権利
- アメリカ市民かと言った滞在ステータスに関する質問には答える必要はない
- バッグやポケットの中を見せろと言われても、見せる必要はない(ただしバッグやポケットの外から警官が確認することは職務権限でできる)
- 逮捕された場合には弁護士を雇える(金銭的に無理なら州の弁護士がついてくれる)
等があります。
権利という点では、あれも嫌だこれも嫌だということはできます。しかし、それによって警官が腹を立て、事態が大きく悪化するリスクがあることは、知っておいた方が良いかもしれません。
ちなみに警官に止められた時の対応については、アメリカ自由人権協会でも詳しく説明しています。
どんなに協力的でも、場合によっては警官の質に問題があって事態が悪化するリスクは、もちろんあります。しかし、それは私達にはどうすることもできません。私たちにできることは、怪しまれるような行動しない、万が一の職質では協力的な態度を見せることぐらいですね。