アメリカは移民大国です。他の国よりも受け入れる移民の数は多く、その数はこれまでに4,500万人もいると言われています。アメリカの人口14%程度を移民が占めるという点を考えると、いかにアメリカに移民が多いかが分かります。
さて、このアメリカで暮らす大量の移民たち。いったい世界中のどこの国からやってくるのでしょうか?そして、アメリカのどの地域で暮らすことが多いのでしょうか?
目次
1.移民はどこからやってくる?
移民の出身国を見ると、トップ10まではすべて、南米とアジア圏が占めています。2023年の統計では、
- メキシコ 1,070万人
- インド 270万人 →技術関連の人材が多い
- 中国 238万人 →教育や経済の向上を求めてやってくる人が多い
- フィリピン 198万人 →看護師など医療関連の人材が多い
- エルサルバトル 142万人
- ベトナム 130万人
- キューバ 128万人
- ドミニカ共和国 128万人
- グアテマラ 110万人
- 韓国 100万人
近年では南米とアジア圏が多いアメリカへの移民ですが、1970年代ごろまではヨーロッパからの移民が大半を占めていたそうです。中でも、イタリアやドイツからの移民が多かったようですね。
どうしてメジャーな移民がヨーロッパからラテンアメリカやアジアへ移行したのかというと、なんとこんなところにも、アメリカの人種差別政策が関わっていたからです。
1965年に移民法が改訂されるまでは、ヨーロッパからの移民が優遇されて、有色人種は来てほしくないので排除しようというシステムでした。しかしこの移民法改正によって、有色人種でも技術がある人なら来て良いですよというスタンスへ変わり、そこから一気にアジア系やラテンアメリカ系の移民が増えていったのです。
2.移民はどこに住むの?
移民が多く暮らすのは、大都市です。例えば、ニューヨークやカリフォルニア、テキサス、フロリダなどは、移民にとって人気が高い州です。
大都市が人気の理由は、いくつかあります。
1つ目は、同胞が多いというもの。移民が多ければ、先輩移民も見つけやすいのです。
2つ目は、仕事を見つけやすいから。都市部はやはり多種多様な仕事があるので、移民でも比較的仕事を見つけることができます。
しかし、大都市ならどこでも移民に人気というわけではありません。人気が高いのは、国際空港がある都市ですね。しかも、住宅の価格がリーズナブルな大都市は特に人気があるらしく、そのためでしょうか、現在移民の多くは、テキサスやフロリダなどの南部をはじめ、カリフォルニアやワシントンといった西部を目指すケースが多くなっています。
| 州 | 移民の割合 |
| カリフォルニア州 | 26.9% |
| ニュージャージー州 | 22.8% |
| ニューヨーク州 | 22.8% |
| フロリダ州 | 21% |
| ネバダ州 | 19.4% |
移民にとって人気の定住場所は、時代の流れによって変わります。そのためもしかしたら今後は、これまではそれほど人気がなかった場所が、移民にとって「住みやすくて快適」な定住先となるかもしれませんね。