車社会のアメリカに住んでいると、普段の生活の中で公共のバスに乗る機会ってありません。
私もそうだったのですが、息子様が暮らすサンフランシスコへ行く時には、バスを使うことが多いですね。
さすが大都会。路線バスの種類が多すぎて、今でも何がどこを走っているか分かりません。でもスマホのおかげで、目的地へ行くためには、どのバス停からどのバスに乗って、どこで乗り換えれば良いのかが一目瞭然なだけでなく、所要時間も事前に分かるので、とても快適にバスを利用できています。
日本のバスと比べると、アメリカのバスは大きく違う所がたくさんあります。
バリアフリーが多い
他の地域のバスは分かりませんが、サンフランシスコの路線バスは、2両編成が多いです。1両編成でも長く、多くの人が乗れるような設計になっている気がします。

そして多くのバスは、乗降口が前と中間地点の2カ所あり、どちらから乗っても良いですし、どちらから降りても良いシステムです。
↑写真は、バスの後方にある乗降口なのですが、ごらんのとおり広いので、ベビーカーなども問題なくそのまま乗降できます。
しかも運転手がいる前方の乗降口は完全バリアフリーになっており、車いすの人でもそのまま乗降できます。
まず、バスは歩道ギリギリに幅寄せして停車します。バスの高さは歩道とほぼ同じなので、車いすの人が無理なく乗れます。
もしも運転手が下手で歩道とバスの間にギャップがある時には、バスの運転手がボタンを押すと、ウィーンと金属板がバスから歩道に向かって出てきて、その上を車いすの人が通れる仕組みです。
それでも車いすの人が乗れなければ、運転手が降りて車いすを後ろから押してバスへ乗せてあげます。
支払いは先払い
路線バスによっては、どこまで乗っても一律料金の路線もあれば、距離によって運賃が変わるバスもあります。
一律料金の路線では、バスに乗る時にお金を払います。現金でも払えるようですが、近年ではスマホのアプリでピピっと払う人がほとんどな気がしますね。
たまに機械の調子がおかしくてピピっとやっても受け付けない事がありますが、2,3回ピピっとやって反応がなければ、そのまま乗ります。
えっ、それって無銭乗車じゃないの??と心配する方は多いかもしれません。
でも運転手に「機械が故障しているみたいですよ」なんて親切心で指摘しても、
「あ、そう。そのまま乗っちゃいな」
の対応をされることがほとんどでしょう。
だって、そんな機械一つのためにバスを止めるわけにいきませんから。
もしも乗ったバスが「行先によって運賃が変わる」タイプの場合には、乗る時にピピっとやり、降りる時にも再びピピっとやります。そうすると、自動的に料金が計算されてチャージされます。
車いす対応が素晴らしい車内
多くのバスは、前方部分は優先席です。そして横向きの座席はレバーを引くとまとめて収納できる仕組みになっています。


見づらいのですが、ベンチとベンチの間にオレンジ色のボタンとレバーっぽいものが見えますよね?これを引くだか押すだかすると、ベンチの座席部分が収納できるので、車いすの人はそこにポジションを取れます。
ちなみに、優先席はシニアや妊婦さんなども吸われるのですが、最優先は車いすの人です。だから、例えこの優先席に老人が複数座っていたとしても、車いすの人が乗ってくれば、全員が立ち上がり、座席を収納して車いすの人へ場所を譲ります。
譲らないと、どうなるか?
バスの運転手が出てきて最初は親切に「どけ」と言われ、それでもどかなければ最終的に下ろされるか警察を呼ばれるかになる気がしますね。経験ないので分かりませんが。
降りる時は窓についている紐かブザー
エリアに寄るのかもしれませんが、サンフランシスコの路線バスの多くには、定番の「窓についている紐」に加えて、中央部分のポールに装備されているブザーもあります。降りるバス停の手前で紐を引っ張るか、ブザーを押すかすると、「STOP REQUESTED」 的な表示がされて、次のバス停で降ろしてくれます。
衛生とセキュリティのために座席はプラスチック
日本のバスや電車は、シートにクッションがついていて快適ですよね。
でもアメリカのバスも電車も、シートはプラスチックです。これはきっと、清掃するための衛生面と、針などを埋め込まれたりして危険な行為をさせないためのセキュリティ面を考慮したものだという気がします。
このプラスチック製のシート、座れる状態か否かは見れば分かるので、私は基本的に、ほとんどの場合、座ります。だって疲れるんだもん。
でも息子様は、空いていても座りません。彼曰く、「汚い」から。
まあ、それもアリだと思いますね。