65歳でメディケアに加入できない人とは?

メディケアは、アメリカの公的健康保険であり、65歳以上が加入できる。しかし、特定の条件を満たさないと加入できない人もいる。条件として、ソーシャルセキュリティ税のクレジットを40クレジット納めていない、グリーンカード取得から5年未満などがある。加入資格がない場合でも、有料での加入が可能で、加入者は医療費用をより低く抑えることができる。

アメリカの公的な健康保険として知られているメディケアは、65歳になると加入できます。

私はこれまで、65歳になれば誰でもメディケアへ加入できる、いえ、加入しなければいけないと思っていました。

実は、65歳になってもメディケアに加入できない人がいるってご存じですか?

こんな人は要注意

1.自分にも配偶者にもソーシャルセキュリティ税金の40クレジットがない

日本の年金もそうですが、アメリカのソーシャルセキュリティ関連のサービスは、高齢になれば誰でも無条件に年金を受給できるわけではありません。受給できるかどうかは、毎年発行されるソーシャルセキュリティ明細(Social Security Statement)に明記されていますが、目安としては40クレジット(1クレジットは四半期なので通算で10年間)ソーシャルセキュリティ税を納付していることが条件となっています。

えっ!?ちょっと待って!私ずっと専業主婦だったんですけど。。

そういう人もいるでしょう。自分が専業主婦でも、結婚している相手がソーシャルセキュリティ及びメディケアを受けられる資格を持っていれば、自分自身では納めていない人でも資格はあります。

だから、専業主婦でもOKです。

2.グリーンカードを取得して5年未満

メディケアは、アメリカで暮らす人のための公的なサービスなので、基本的にはアメリカで長期的に暮らせる資格を持つ人、つまりグリーンカードを持っているか、もしくはアメリカ市民、でなければ利用できません。

しかしグリーンカードを持っていても、取得して5年未満だとメディケアを利用する資格がないので注意してください。

ただしこの場合、5年を過ぎれば資格を得られるので、申し込むのは条件を満たしてから行えば問題ないです。

メディケアに加入できない!でも入りたい!どうする?

メディケアに加入する資格がない人でも、あきらめる必要はありません。

メディケアは、お金を払って加入できます!

  • ソーシャルセキュリティ税のクレジット不足分が10未満 →毎月 $285/人
  • ソーシャルセキュリティ税のクレジット不足分が10以上 →毎月 $518/人

もしも夫婦2人で有料となると、毎月けっこうなお金がかかりますが、仮にそうだとしてもMedicareのPart A(入院費をカバー)は自己負担分がとてもリーズナブルなので、加入料を払っても入りたいという人は多そうです。

ちなみに、Medicareは4カテゴリーから構成されており、

月額費用(2025年現在)
Part A入院費をカバー多くの人は無料
Part B通院費をカバー$185 民間・職場の健康保険があれば免除できる
Part C通院費を追加でカバー数ある選択肢から自分で選ぶ民間の健康保険でカバーするから未加入、という人は多い
Part D処方箋をカバー数ある選択肢から自分で選ぶ民間の健康保険でカバーするから未加入、という人は多い

Medicareの公式サイトはこちらから

アメリカにおける男の子の割礼事情

私は夫がアメリカ人で、アメリカの病院で出産しました。出産前は知らない事ばかりで困惑することが多かったのですが、その中でも「男の子の割礼」は、とても真剣に悩みました。

私は女子なので、当然ですが割礼の経験はありません。日本のマタニティ雑誌的なものを読んでも、割礼については全く記載がありませんでした。

しかしアメリカ人の夫は、自身も割礼をしており、生まれてくる息子に対しても割礼することを当然のように考えていました。

当時はネットでいろいろな情報を収集できる環境にはなく、周囲の意見を聞いても、

「しないとロッカールームでいじめられるよ」

「割礼しないなんて信じられない」

という意見ばかり。最終的に、アメリカの男子という点で夫の意見を飲み、息子様には割礼をしました。

最近、ふと割礼について考える機会があったので、これを機にアメリカの割礼事情を検証してみました!

アメリカの割礼率は60%程度

アメリカで過去30年以上にわたって行われた調査によると、アメリカで生まれた男の子の割礼率は、年によって多少の変動はあるものの、だいたい60%程度だそうです。医学的にメリットがあると考える人がいる一方で、不要なことはしたくないという人も一定数いるのかもしれませんね。

しかし、アメリカと言っても広く、地域によっていろんな価値観や宗教感があります。そのためでしょうか、割礼率も地域によって大きな差があるようです。

中西部割礼率は最多で70%を下回ることがない
北東部割礼率は安定して65~70%
南部割礼率は55~60%
西部減少傾向があり、過去30年で20%も減って現在は40%程度
地域による男子新生児の割礼率

またネットの情報では、ユダヤ教やイスラム教では、割礼は宗教的な儀式としての意味もあるのだそうです。

割礼は新生児にするのがベスト

割礼の手術自体は、年齢に関係なく何歳でもできるようですが、リスクや回復にかかる時間を考えると、新生児のうちに済ませるのがベストなのだそうです。

ただし、赤ちゃんの状態によっては、親が希望しても医師からNGが出ることもあります。

  • 早産だった場合→割礼よりも命を育てることが優先
  • ペニスに影響のある症状や疾患を先天的に持っていた場合
  • 血液凝固トラブルを先天的に持っていた場合

などは、残念ながら割礼はできません。

割礼をするメリット

赤ちゃんの時に割礼をしておくことには、いくつか医学的なメリットがあります。ちなみに私が息子様を出産した時には、このメリットに関しては知りませんでした。

  • 衛生管理しやすい
  • 尿路感染症のリスクが低い
  • 性感染症のリスクも低い
  • 陰茎がんにかかりづらくなる
  • 陰茎トラブルがおこりづらくなる

割礼のデメリット

割礼のデメリットはずばり、感染と出血です。皮をはぎ取る手術なので、出血量はそれほど多くはないものの、まったく無出血というわけではありません。

多くの場合には、出血は自然に止まりますが、ひどい場合には専門医へかかる必要があります。

  • 麻酔による副作用
  • 術後の感染
  • 医療ミス(包皮の長さが適切ではなく、短すぎたり長すぎたり)
  • 術後の経過が悪く適切に治癒しなかったり、包皮がペニスの先端に付着して癒着するリスク

等が考えられます。赤ちゃんの割礼は、多くは産婦人科や小児科など、すでに臨床経験を多く持つ医師が対応してくれるので、それほどリスクは高くならないことが多いです。しかし、宗教的な理由で医療機関以外の場所で行うこともあるらしく(これは怖いかも)、その場合には、リスクは高くなることがあります。

実際に息子様を割礼した術後

私はアメリカの病院で普通分娩した際、確か3日ぐらいで退院したような記憶があります。しんどかったのでもう少し入院していたかったのですが、医者は「早く帰れ」という感じで、さっさと退院させられました。

息子様の割礼は、私が退院する前日に行っており、自宅に帰った時にはすでに出血はしておらず、処方された軟膏を塗って保護してあげてください、という感じでした。

初めておむつを開けた時、真っ赤になっているペニスはあまりに痛そうで、私は見た瞬間に泣きましたね。。

何かが触れると痛いようだったので、たっぷりと難膏薬を塗り、おむつを緩めにして数日を過ごしたと記憶しています。

私自身は、結果論ですが、割礼はしてよかったなと思っています。でもこれは個人や家族で決めることなので、もしも割礼に対して不安を感じている人は、配偶者や医師などと話し合った上で決めることをおすすめします。

臓器提供は良いことばかりじゃない?知っておくべき事とは?

世界には、臓器を必要としている人がたくさんいます。もしも自身の臓器を提供することで役に立てるなら、、と考える人は少なくない事でしょう。

臓器を提供することには、感謝されるとか、人命救助の役に立てるといったメリットがあります。しかし、メリットだけではなく、デメリットがあることも知っておかなければいけません。

ここでは、臓器提供という素晴らしい決断を使用かなと考えている人が知っておくべきことをご紹介しますね。

デメリット1:合併症のリスク

基本的に、臓器を提供する際には、必要な検査や施術、そして入院にかかる費用は掛かりません。無料です。

しかし、無料なのはそこまで。

もしも臓器を提供したことによって合併症を発症した場合、その治療は提供した自身で何とかしなければいけません。医療費が高いアメリカで、人や社会に役立つことをしたのに、深刻な合併症になって入院することになったり、長期にわたって治療が必要になっても、経済的には誰も助けれくれません。

これは、誰も教えてくれないリスクです。

デメリット2:残される家族の悲しみ

臓器提供希望者の中には、自身が脳死の状態になった段階で臓器を全て提供しますという意思表示をしている人もいます。

自身はそれで良いかもしれませんが、もしかしたら残されることになる家族はそう思っていない可能性があります。

家族は、脳死の状態からV字回復してほしいと願っているかもしれません。

それなのに、生命維持装置が外されて臓器が取り出されてしまうと、家族にとっては「ちょっと待ってよ!」となりかねません。

臓器提供を希望している人は、家族や子供とその辺をきちんと話し合っておくことをおすすめします。

デメリット3:感謝されるとは限らない

自身の臓器を提供したのだから、当然、感謝してもらえると思っていませんか?

もちろん、多くの場合には感謝されます。

しかし、もしも血縁関係にある人へ臓器を提供する場合、臓器提供を受けたレシピエント側に拒絶反応が起こってしまい、結果として亡くなったり大変な事態に陥ってしまったら?

臓器を提供した側の責任ではなくても、「お前のせいだ」的に責められるかもしれません。

現在は、臓器提供による拒絶反応が起こるリスクは少なくなってはいるものの、リスクがゼロ出ない限りは考慮しなければいけない課題の一つです。

TVを付けると処方箋のCMが流れてる!その理由とは?

処方箋とは、ドラッグストアで誰もが気軽に購入できる市販の薬ではなく、医者が処方してくれないと欲しくても購入できないお薬です。

アメリカでは以前から、この処方箋のCMが、やたらテレビで流れることが多くなりました。

↓↓こんな感じです↓↓

処方箋のCM

理由はただ一つ、カネカネカネ

テレビのCMを見たからといって、私達視聴者がその薬を買えるわけではありません。それなのに、どうしてお金がかかるであろうCMに、製薬会社はそんなに力を入れるのでしょうか?

その理由は、ただ一つ。お金です。

  1. 視聴者が偶然にもその薬に該当する症状を抱えていた
  2. 医者に行って「テレビで見たXXXの薬を飲んでみたい」という
  3. 医者は「OK!処方してあげるね!」となる
  4. 製薬会社は儲かる

という仕組みで、製薬会社は利益を上げます。実際、製薬会社の中には、こうした広告費にかかる予算が、なんと開発費用よりも多い所もあるのだとか。

実際にどこかのリサーチ会社の調査によると、ロングセラーな医薬品でも、テレビにCMを出した方が圧倒的な利益増加が期待できるのだそうです。こうした統計やデータでもすでに成果が出ているので、多くの製薬会社はこの方法を採用するのかもしれませんね。

処方箋CMの見どころは?

処方箋のCM、実は何度見ても面白い見どころがあります。それは、

CMの最後の数秒間。

CMの中では副作用もしっかりお知らせしなければいけないというルールがあるらしく、短いCM時間の中に、数えきれないほどの副作用の症状を凝縮してきます。

普通に副作用を読み上げるだけだと時間が足りないので、彼らはなんと20倍速ぐらいの、もう常人の耳では聞き取れないほどの速さで副作用を読み上げるのです。その速さといったら、何度聞いても聞き取れなさ過ぎて大笑いしてしまうほどです。

もし機会があったら、ぜひ処方箋のCMは最後まで視聴してみて下さい。最後にはもれなく副作用コーナーがあると思います(笑)。

いろんな種類がある鎮痛剤、使い分けてる?

日本でもアメリカでも、ドラッグストアへ足を運ぶと、多種多様な鎮痛剤が所せましと並んでいます。Pain Killerと呼ばれる鎮痛剤は、高いお薬もあればリーズナブルなものもあり、どれを通うか迷ってしまう人多いのではないでしょうか。

鎮痛剤は多くのメーカーからラインナップされていますが、選ぶ際には有効成分や薬効を理解した上で、ニーズにあったものを選ぶのがおすすめです。

目次

  1. 有効成分は4種類
  2. 用途に合わせて選びたい
  3. 鎮痛剤は自宅に常備

1.有効成分は4種類

市販されている鎮痛剤に使われている有効成分は、大きく4種類に分類できます。

  • Acetaminophen(アセトアミノフェン)
  • Ibuprofen(イブプロフェン)※発音はアイビープロフェン
  • Naproxen(ナプロキセン)
  • Aspirin(アスピリン)

Acetaminophen(アセトアミノフェン)

鎮痛剤の中では、肝臓で代謝するという特徴がある有効成分です。1日あたり3,000㎎以上の過剰摂取をしてしまうと、肝障害が起こるリスクが増えるほか、アルコールと組み合わせても肝障害が起こりやすくなります。

アセトアミノフェン系の鎮痛剤なら、Tylenol(タイレノール)が良く知られています。熱があって医者に行くと、「タイレノールでも飲ませて寝かせておけばOK」と言われることは多いですね。そして、処方してもらえるお薬も、タイレノールと記載はなくてもアセトアミノフェンが多いです。

頭痛薬としては最強
発熱を伴う風邪ならこれ
子供用ならグレープ味

Ibuprofen(イブプロフェン)

日本で大人気の鎮痛剤「イブ」は、このタイプです。

痛みを軽減するだけでなく、体内の炎症も抑える作用が期待できるお薬で、鎮痛剤の強さという点ではアセトアミノフェンよりも強めです。

飲むと眠くなるお薬が多いので、仕事をする人や運転をする人は、残念ながら別の鎮痛剤を飲んだ方が良いでしょう。

イブプロフェン系のお薬なら、Advilが良く知られています。炎症を伴う痛み、例えば喉が痛いとか歯が痛いというときには、Advilを飲んだ方が痛みを効率的に軽減できるのでおすすめです。

傷みと鼻水を止めてくれるお薬

Naproxen(ナプロキセン)

抗炎症作用で選ぶならナプロキセン系がおすすめで、手術の後に処方される鎮痛剤でも、ナプロキセン系が出ることは多いです。

ドラッグストアで買えるお薬なら、Aleve(アリーブ)が代表的なものですね。他の鎮痛剤と比べると、お値段は割高です。

PMと書いてあるものは眠くなる

Acetylsalicylic acid(アスピリン)

Acetylsalicylic acidは、アスピリンとしても知られています。

18歳未満の子供には処方されることがないアスピリンは、ドラッグストアなどでも近年ではあまり見かけなくなりました。未成年がアスピリンを服用すると、ライ症候群を発症するリスクがあるので、子供への鎮痛剤はアスピリン以外にしましょう。

アスピリンには、血液をサラサラにする作用があります。そのため、心筋梗塞や脳梗塞など血管が詰まらないようにという予防策として、痛くもないのに毎日若干のアスピリンを飲む人もいるのだとか。

アスピリンという商品もありますが、アセチルサリチル酸配合のモノならBayerが良く知られています。

2.用途に合わせて選びたい

鎮痛剤が欲しいという場合、どこが痛いのか、それとも解熱したいのかなど、用途やニーズは異なります。それぞれの薬効が異なるので、薬を選ぶ際にも用途に合わせて選ぶことが、アメリカの鎮痛剤と上手にお付き合いするコツですね。

症状AcetaminophenIbuprofenNaproxenAspirin
発熱YES
頭痛YES
二日酔いYESYES
のどの痛みYES
関節痛YES
鼻の奥が痛いYES
耳が痛いYES
歯が痛いYES
脳梗塞や心筋梗塞の予防YES
症状別おすすめの鎮痛剤

3.鎮痛剤は自宅に常備

我が家では、常にタイレノールとアドヴィルを自宅に常備してあります。痛くなってからドラッグストアまで運転するのは大変ですし、必要な時にさっと手が届く場所にある戸、大きな安心感だからです。

そういえば息子様が子供の頃、熱が出て医者へ連れて行ったことがありました。その時、確か6時間ごとに服用するタイレノールを飲ませていたのですが、もしも飲ませても熱が下がらなければ、タイレノールを飲ませた3時間ぐらい後にAdvilを飲ませても良いよ、と言われました。

医者が言うには、異なる鎮痛剤の併用には確かにリスクはあるけれど、高熱が続くことで懸念される脳へのダメージの方が心配なので、解熱を優先するためにそういう方法もアリらしいです。

ただし、素人判断で実行するのは危険なので、必ず医者に相談することをおすすめします。

夫の祖母が亡くなった話

夫の祖母は、10年ほど前に亡くなりました。当時は、「夫の祖母が亡くなった」という事実しか考えなかったのですが、最近は自分もいよいよ50代になって老後や死をより具体的に考えるようになり、夫の祖母が亡くなった状況や場所なども、10年前とは異なる見方をするようになりました。

認知調で介護施設へ

夫の祖母は70代前半で認知症を患いました。彼女自身は離婚しており、同じく独身でフルタイム労働をする娘と2人で生活していたため、認知症になっても誰かが自宅で見守ることはできませんでした。

ある日、日中一人で家にいた祖母が、自宅を出て徘徊し、自分がどこにいるのか分からなくなったのです。

これを機に、祖母は近くにあった介護施設へ入所することになりました。

彼女が生活していた施設では、公的な施設だったので、お世辞にもラグジュアリーな雰囲気はありませんでした。2人部屋で生活していて、食事はカフェテリアらしい場所で皆でとり、おトイレなども部屋についているトイレを自分で利用していました。

食事を拒否、そしてホスピスへ

祖母が介護施設にいたのは、おそらく10年間ぐらいだったと思います。認知症が進行していたので、私のことは当然ですがすっかり忘れ、顔を見に行く度に「新入りのスタッフなの?」と聞かれたり「あなた、私に良くしてくれるけど、どなた?」と聞いたりという感じでした。

そんな彼女が83歳の時に、施設での食事を拒否するようになったのです。原因はよく分かりませんけれど、何日間か食事をとらなくなったため、そこからホスピスへ移されました。

病院ではありません。ホスピスです。

ホスピスは最期を迎える人のための機関で、余命6ヶ月と宣告されると利用ができます。アメリカでは平均的な滞在期間は75日程度、高齢者になると平均100日程度ですが、メディケアを利用している高齢者の約50%は、ホスピスでの滞在日数は30日以下という統計もあります。

ホスピスは終末医療を提供する場所なので、鎮痛治療ぐらいしか行いません。回復して自宅へ帰る人も中にはいますが、基本的には医師から余命宣告を受けた人しか受け入れていないため、多くの人にとっては最期の場所となります。

祖母の場合も、ホスピスへ移動してからは食事をしないので寝たきりとなり、お迎えが来るのをひたすら待つという状態になりました。

ホスピス滞在日数は2週間

彼女のホスピス滞在日数は2週間。寝たきりになってからは水分摂取も拒否するようになり、いよいよカウントダウンとなったのです。祖母には娘が3人いて、みなさんお見送りをするためにホスピスへ通い詰めていました。

アメリカで増えている「自宅からホスピス」

アメリカでは、医療費が高額すぎるという現実があるため、多くの人は病院に長期入院することはありません。医者からとりあえず痛み止めをもらいながら、できるだけ長く自宅で生活しようと試みます。

高齢者向けの健康保険Medicareや、在職中に加入していた健康保険も併用しながら、居宅で受けられるサービスを受けたり、最期まで自宅で生活することを希望する人も増えています。

お金のある人なら、自宅を売約して身辺整理をスッキリした上で老人ホームや介護施設へ入居できるのでしょう。しかしそうでない場合、自宅が唯一の選択肢となることが少なくありません。

私も、最期はできるだけ長く自宅で生活したいと考えています。もちろん、人生は思い通りに行きません。独居が難しくなる可能性だって、もちろんあるでしょう。そのためには、今から少しずつ選択肢をシミュレーションしながら、あらゆる可能性に備えたいと思います!

アメリカの高齢者は最期をどこで迎えるのか?

アメリカにも介護施設や老人ホームはあります。しかし、基本的にはどこも高額で、公的な施設でも1日当たり$200~$300ぐらい、月に平均で$8,000~$9,000ぐらいはかかります。

もちろん、後期高齢者になっても経済的に余裕があれば、そうした施設への入居も選択肢となるでしょう。しかし、アメリカ人全員がそんなに余裕のある生活をしているわけではありません、

そんな「フツーのアメリカ人」達は、人生の最期をどこで迎えるのでしょうか?

ある調査によると、近年では

  • 病院ではなく自宅で亡くなる人が増えている
  • 最後の数か月だけを病院もしくはホスピスで過ごす人が増えている
  • 老人ホームや介護施設にいても、死期が近づくと病院やホスピスへ移される
  • 病院で最期を迎えるのは、高齢者全体の3分の1
  • Medicare Advantage加入者の50%は自宅で最期を迎える

の傾向があります。

Medicare Advantageとは?

Medicare Advantageとは、メディケアのパートCと呼ばれていて、民間の健康保険から提供されています。

メディケアは

  • パートA Hospital費用をカバー
  • パートB 外来と医者代をカバー
  • パートD 処方箋をカバー

となっており、それぞれ料金設定されています。

これとは別に健康保険を持っている人は、そこから提供されるパートCでより大きな安心感を得られます。

退職後に健康保険をキープした方が良い?

夫の職場では、在職中に加入していた健康保険に、定年退職した後も加入し続けられるという福利厚生がついています。自己負担額も同じなので、経済的にずいぶん医療費の面では助かると思います。

我が家のように、在職中の健康保険を定年後もキープできる会社は、たくさんあるようです。そして、実際に加入している人は大勢います。これが、メディケアアドバンテージ、つまりメディケアのパートCとして機能してくれるわけですね。

統計によると、メディケア以外に職場の健康保険を引き続き持っていた人は、約半数が自宅で最期を迎えています。居宅サービスを利用するなどして、できるだけギリギリまで自宅で過ごすことができるのでしょう。

年を取ると、定年退職後の生活までシミュレーションしなければいけません。もし仮にこの年で転職するとしても、こうした面を良くチェックした上で、長期的に賢明な判断が必要ということかもしれませんね。

アメリカ旅行中の病気やケガ、さぁどうする?

アメリカを観光旅行している期間中に、ケガを使用とか病気にかかろうと狙う人はいません。しかし、いつどこで何が起こるか分かりませんから、楽しいはずの旅行中に、ケガをしたり病気になってしまう可能性は、ゼロではないでしょう。

もしも旅行中に病気やケガをしたら、どうすれば良いのでしょうか?

目次

  1. 海外旅行保険に入っている場合
  2. 日本で医療保険に入っている?
  3. 健康保険にも海外療養費制度がある
  4. 病院よりもドラッグストアへ

1.海外旅行保険に入っている場合

旅行の前に海外旅行保険に加入した人は、まずこの保険を使うことを検討しましょう。多くの場合、現地での窓口が設置されており、日本語で対応してくれることが少なくありません。これは、大きな安心感ですよね。

しかも海外旅行保険は、実損払い方式となっているのが特徴で、実際にかかった医療費を保証してもらうことができます。自己負担分が少なくて済むのが、大きなメリットです。

2.日本で医療保険に入っている?

海外旅行保険に加入してこなかった人でも、日本で医療保険や終身保険などに加入している人なら、海外医療特約として、海外旅行期間中の入院や手術費用が保障されるかもしれません。

ただしこの場合、現地でかかった医療費を全額自己負担した上で、日本に帰国してから医療保険へ請求するという流れになります。多くの保険では、補償額の上限や入院期間の日数制限などがあるので、注意しなければいけません。

3.健康保険にも海外療養費制度がある

海外旅行保険にも加入してこなかったし、日本で医療保険にも加入していない。そんな私は海外で病気やケガをしたらどうすれば良いの??と絶望的な気持ちになっているあなた、まだかかる医療費をいくらか返金してもらえるチャンスはあります。

それが、健康保険についている海外療養費制度を利用するという方法です。これは、かなり制限が多いため、海外でかかった莫大な医療費の大半は、自己負担となる可能性が高いという点は事前に理解しておかなければいけません。しかし、少額でも返金してもらえるので、利用できる場合にはぜひ利用しましょう。

4.病院よりもドラッグストアへ

世界で最も医療費が高いと言われているアメリカで、無保険で病院にかかることは、経済的な破滅を意味すると言っても過言ではありません。救急車を呼ぶだけで数千ドルかかりますし、入院すれば数百万円を請求されても不思議ではないでしょう。

過去には実際に、

  • 肺炎・敗血症から入院→6,080万円の請求
  • 呼吸困難と肺結核で50日間入院→9,300万円以上の請求額
  • 脳挫傷でくも膜下出血→5,600万円の請求

などが起こっています。

緊急の治療が必要な場合には、病院に行くべきかなんて悩んでいられませんけれど、緊急性が低い場合には、行かないという選択肢も考慮しなければいけません。

例えば高熱が出ているなら、病院に行ってもせいぜい解熱剤ぐらいしか処方してもらえません。解熱剤なら、ドラッグストアでも購入できますし、かかる費用には雲泥の差があります。私なら、まずドラッグストアに行って有効成分の違う解熱剤を何種類か購入し、服用しながら試行錯誤するでしょう。

早期の帰国が安上がりの場合も多い

旅行期間がどのぐらいかによっては、航空券を買い直して早めに日本へ帰った方がベターな場合もあります。もちろん、病気やケガの種類や程度によって決めなければいけませんが、それも選択肢の一つとして念頭に入れておきましょう。

アメリカの医療!死にそうな緊急事態なら保険がない観光客でも治療してもらえるのか?

アメリカに住んでいる私たちは、健康保険があっても医療費がクソ高いことをよく知っています。だから病院に行くことを躊躇することは多いですし、病気やけがの治療で入院なんてしたら、もう医療費がいくらになるか気になってしまい、夜も眠れなくなってしまいます。

アメリカで事故や事件に巻き込まれて死にそうになったり、病気になって死にそうになってしまう人は、何もアメリカで暮らしている人だけではありません。割合的には少ないものの、観光客などもいるでしょう。アメリカで医療サービスを使うとは夢にも思っていなかった人でも、時と場合によっては病院で治療が必要になってしまうこともあります。

命に係わる場合、アメリカの病院では保険の有無、支払い可否に関係なく、ERに運び込まれた人の命を救うべく、必要な医療ケアを提供します。

その理由は、法律で決まっているからです。EMTALA(Emergency Medical Treatment And Labor Act)という法律では、保険がないから、保険の確認ができないからという理由で治療を断るのはNGなのです。

ただしこれは、

  • 命の危険が目の前に差し迫っている事故や事件
  • 体の臓器や機能が著しくダメージを負っている場合
  • 妊婦の出産

等に限定されています。これらに該当するなら、保険の有無にかかわらず、またアメリカの滞在資格が合法かどうかなどに関係なく、ERに運び込まれれば必要な治療を受けられます。

注意しなければいけない事もあります。それは、自分では緊急だと思っていても、実際には緊急ではない場合です。

  • 確かに治療は必要でも、命の危険が目の前に差し迫っていない
  • 風邪やインフルをこじらせてひどい状態だけれど、今すぐ死ぬかもしれない状態ではない

などは、保険がなければ別の医療機関へ行けと云われたり、Urgent Careへ行けと言われる可能性はあります。

治療費はどうなるのか?

今にも死んでしまいそうな状態でERへ運び込まれ、命を助けてもらったとしましょう。感謝感激です。

しかし、元気になってよかったね、ハイさよならというわけにはいかないのがアメリカ国です。

そう。高い医療費をしっかり請求されることを忘れてはいけません。特にERは、アメリカで暮らすアメリカ人ですら、高額治療だと恐れをなして利用を控える場所です。必要があったから入院をしたり先端医療を受けたりするわけですけれど、その治療費は、健康保険がなければ医療機関の言い値で全額負担することになります。

助からないは地獄、しかし助かってもある意味、その後は地獄なのかもしれません。

医療費が払えない場合にどうすれば良いか知りたい人はこちらから

アメリカの救急車、ハウマッチ?

世界で一番高額だと言われているアメリカの医療費ですが、その中でもほとんどの人には縁がないのが「救急車」。恐ろしい都市伝説がいくつも存在し、

  • ピーポーピーポーというサイレンの有無で料金が変わる
  • 無保険だと何万ドルもかかる(日本円で数百万円)

など、使ってもいない私でも、恐怖の底なし沼に突き落とされてしまいます。

そこで今回は、アメリカの救急車について調べてみました!

目次

  1. 救急車を無保険で利用した場合の平均料金は?
  2. 救急車の費用に影響を与える要因とは?
  3. 救急車の平均走行距離が長いのはこの州

1.救急車を無保険で利用した場合の平均料金は?

救急車の乗車料金は、毎年少しずつ値上がりしています。フェアヘルスという団体が行った全米の救急車の平均費用は、$1,300となっています。

この料金は、もしも健康保険に加入していなければ、この費用を払ってくださいねというものです。健康保険が適用されれば、このうちのいくらかが保険でカバーされますし、人によっては自己負担額が$100とか無料という人もいます。

ちなみに、保険を使って救急車に乗った場合に支払った平均の金額は、$730だそうです。保険を使っても自己負担が$730(10万円程度)だなんて、やはり高額ですね。。。

2.救急車の費用に影響を与える要因とは?

救急車を利用したときに影響のある項目は、たくさんあります。

  • 健康保険に加入しているかの有無
  • 利用した救急車サービスが、加入している健康保険のネットワークないかどうか
  • 救急車サービスが、公的なサービスなのか、それともか民間のサービスか
  • 緊急ではないとみなされた場合には手数料が上乗せ
  • 救急車では対応しきれない高度なケアが必要だとみなされた場合
  • 走行距離
  • 救急車の中で使った医療器具の種類や数
  • 関わった救急隊員の数
  • 救急車の内外で提供したサービスの数

など、細かい部分がしっかり計算されるようです。

3.救急車の平均走行距離が長いのはこの州

救急車を呼ぶと、基本的には最も近い病院へ搬送されます。もちろん、救急車の受け入れをしている病院が対象となりますし、基本的には24時間体制で運営している病院です。

しかし、そうした病院はかならずしも自宅から3分の場所にあるとは限りません。州によっては救命医療体制がイマイチなので病院までの距離が遠かったり、また僻地に住んでいるので病院がある町まで時間がかかってしまうこともあります。

州による救急車の平均走行距離を見ると、

  • ノースダコタ州 47マイル
  • アーカンソー州 45マイル
  • ワイオミング州 40マイル
  • ウエストバージニア州 35マイル
  • メイン州 34マイル

と大自然が豊かな州が多くなっています。

人生の中ではできるだけ救急車を使わない人生を送れたら、それが一番です。しかし万が一救急車が必要になった時には、どのぐらいかかるのか、もうろうとする頭の中でそれなりに計算しておけば、少しだけ気持ちが安らぐかもしれません。

って、そんなの私だけかもしれませんが(笑)。