借金文化:アメリカ人のクレジットカード利用の現実

アメリカ経済は「Debt Driven」とされ、個人の借金に対する考え方が顕著です。平均してアメリカ人は4枚のクレジットカードを持ち、借金を抱える人は半数以上。残高はおおよそ6,500~7,000ドルで、年収が上がると残高も増加。多くはミニマム返済制度を利用しており、その額は一般に2~4%程度ですが、完済は困難です。

Debt Drivenと評されるアメリカ経済。個人レベルでも、まさに「欲しいものは借金をしてでも手に入れて、返済のことは後から考えれば良い」という考え方の人がとても多くて驚きます。

アメリカ人はクレジットカードを平均で4枚程度持っているという統計があります。

年代によってもクレジットカード愛の度合いは異なっていて、60代以降だと平均5枚、30代から40代では平均3枚、息子様が含まれる20代になると、平均は2枚程度なのだそうです。

そして、気になるのは、そうです。クレジットカードで他の家庭がどのぐらいの借金を抱えているのか、という点ではないでしょうか。

日本のように、クレジットカードを使ったら毎月完済するという人も、もちろんいるでしょう。

しかしカードを持っている約半数の人は、常に残債が残っている状態で、その平均は$6,500~$7,000程度と言われています。

そして、年収が上がるとカードの残債高も多くなる傾向があり、特に年収5万ドル~10万ドル(日本円で750万円~1,500万円程度)の人は、近年のインフレなどの影響もあって、カードの残高は右肩上がりに増えているそうです。

アメリカでは、多くのクレジットカードはミニマム返済の制度となっていて、毎月しっかり完済する必要はありません。このミニマム返済の金額がいくらになるかは、カード会社によって異なることはご存じですか?

  • 残高に対して1%~2%+利息+手数料
  • 残高に対して一律2%~4%の返済額(利息などは含まれる)
  • 残高が少なくてもミニマムの最低基準は$25~$35(借入が$100でもミニマムが$35という事もある)

一言でいうなら、クレジットカードの残高に対して2%~4%ぐらいが「ミニマムの返済額」としてカード会社から請求されるという事ですね。

注:ただし、ミニマムのみを返済しているのでは、いつになっても完済できません。

アメリカのクレジットカード!毎月ちょっとだけ返済すればOKって本当?

日本のクレジットカードも、近年ではリボ払い的に、使った金額を全額支払わなくても良い支払方法がありますね。でもアメリカのクレジットカードシステムは、ずいぶん昔から、ミニマムペイメントと呼ばれる支払い方法が採用されていて、毎月しっかり完済する人は、もしかしたらそれほど多くないかもしれません。

今回は、このミニマムペイメントと呼ばれるシステムについて、ご紹介しますね。これからアメリカで生活する人は、必見です!

目次

  1. ミニマムペイメントとは?
  2. 毎月どのぐらいを支払えば良いの?
  3. メリットとデメリット

1.ミニマムペイメントとは?

ミニマムペイメント(Minimum Payment)とは、アメリカで発行されるVisaやMasterのクレジットカードで多く採用されている返済方法です。

アメックスに関しても、利用規約を熟読すると、ミニマムペイメントのシステムはあるような感じですが、

「うちは金利が高いので、毎月完済することを強くおすすめします」

と謡われています。

2.毎月どのぐらいを支払えば良いの?

具体的にミニマムペイメントがいくらなのかは、カード発行会社によって異なります。例えば、同じ$3,000の残高があるクレジットカードを持っていても、こちらのカードは最小返済額が$50なのに、こちらのカードは$100ということも、もちろんあります。

具体的に、残高に対して何パーセントの支払いが必要かは、カードを作った時に発行される利用規約に書かれています。目安としては、2%ぐらいだった気がします。借り入れの残高が少ない人は、$25ぐらいが最低支払額に設定されているカードが多いですね。

3.メリットとデメリット

クレジットカードのミニマムペイメントは、メリットとデメリットがあります。

メリット

  • すぐに完済する必要がないので、余裕をもって返済できる
  • 使いすぎた月でも、引き落としにビビる必要がない
  • 出費が多い月などは助かる

デメリット

  • ミニマムでは、支払う利息+元本ちょっと、というレベルなので、完済まで気が遠くなるほどの期間がかかる
  • 日常的にカードを使う人だと、残高がどんどん増える

アメリカ人の中には、ミニマムペイメントだけを払えばオーライ、なんて考えている人もいます。クレジットカードの残高がどんどん膨らみ、ミニマムペイメントの金額もどんどん上がり、そこで初めて「しまった、けっこうキツイ」と自覚するわけですね。

個人的には、ミニマムペイメントだけの支払いは、おすすめしません。なぜなら、元本がほとんど減らないからです。おそらく、毎月しているミニマムペイメントの半分近くは、利息の支払いとして徴収されており、思っているほど元本への支払いには充てられていないと思います。

毎月しっかり完済できる金額を計画的に使うのが、クレジットカードの使い方としては理想的です。

しかし完済できない場合でも、計画的に完済までどのぐらいの期間がかかるのかを把握しながら利用することが、借金まみれにならないためのコツかもしれませんね。