アメリカの高齢者は最期をどこで迎えるのか?

アメリカにも介護施設や老人ホームはあります。しかし、基本的にはどこも高額で、公的な施設でも1日当たり$200~$300ぐらい、月に平均で$8,000~$9,000ぐらいはかかります。

もちろん、後期高齢者になっても経済的に余裕があれば、そうした施設への入居も選択肢となるでしょう。しかし、アメリカ人全員がそんなに余裕のある生活をしているわけではありません、

そんな「フツーのアメリカ人」達は、人生の最期をどこで迎えるのでしょうか?

ある調査によると、近年では

  • 病院ではなく自宅で亡くなる人が増えている
  • 最後の数か月だけを病院もしくはホスピスで過ごす人が増えている
  • 老人ホームや介護施設にいても、死期が近づくと病院やホスピスへ移される
  • 病院で最期を迎えるのは、高齢者全体の3分の1
  • Medicare Advantage加入者の50%は自宅で最期を迎える

の傾向があります。

Medicare Advantageとは?

Medicare Advantageとは、メディケアのパートCと呼ばれていて、民間の健康保険から提供されています。

メディケアは

  • パートA Hospital費用をカバー
  • パートB 外来と医者代をカバー
  • パートD 処方箋をカバー

となっており、それぞれ料金設定されています。

これとは別に健康保険を持っている人は、そこから提供されるパートCでより大きな安心感を得られます。

退職後に健康保険をキープした方が良い?

夫の職場では、在職中に加入していた健康保険に、定年退職した後も加入し続けられるという福利厚生がついています。自己負担額も同じなので、経済的にずいぶん医療費の面では助かると思います。

我が家のように、在職中の健康保険を定年後もキープできる会社は、たくさんあるようです。そして、実際に加入している人は大勢います。これが、メディケアアドバンテージ、つまりメディケアのパートCとして機能してくれるわけですね。

統計によると、メディケア以外に職場の健康保険を引き続き持っていた人は、約半数が自宅で最期を迎えています。居宅サービスを利用するなどして、できるだけギリギリまで自宅で過ごすことができるのでしょう。

年を取ると、定年退職後の生活までシミュレーションしなければいけません。もし仮にこの年で転職するとしても、こうした面を良くチェックした上で、長期的に賢明な判断が必要ということかもしれませんね。