プラスチックvs紙!アメリカでこんなに違うストローの素材

少し前になりますが、家族でカナダにあるナイアガラの滝まで行ってきました。数日間だけの滞在でしたが、その中で気づいたことがいくつかあります。その一つが、ストローの素材でした。

アメリカでは、飲食店でドリンクをオーダーすれば、それがファストフードでもレストランでも、大体ストローがついてきます。そしてそのストローは、大半がプラスチック製です。

しかしカナダでは、ファストフード店のようなカジュアルな店から、白いテーブルクロスがかけてあるような店まで、どこででもストローが紙だったのです。

私は紙のストローが好きなので嬉しかったのですが、お隣同士の国なのにプラスチック製と紙製、どうしてこんなに違うのか、とても気になったので調べてみました!

目次

  1. 環境に優しいのは紙
  2. 製造コストが安いのはプラスチック
  3. アメリカに紙のストローが普及しない理由
  4. 自治体ごとにプラスチックのストロー禁止令

1.環境に優しいのは紙

紙のストローは、近年では地球にエコという理由で爆発的な人気です。しかし紙素材のストロー自体は、それほど新しい発明というわけではありません。もともとは干し草や植物の茎などの天然素材を使ったストローは昔から存在していました。

紙という素材のストローが登場したのは、1960年代に入ってからです。しかしこの時期のアメリカでは、ファストフード業界が大きな飛躍を遂げていました。安く製造できて耐久性にも優れているプラスチックのストローの方が、需要があったのです。そんな背景もあって、紙のストローは少しずつ影をひそめてしまいました。

しかし、近年では、再びこの紙のストローが注目されています。その理由は、環境に優しい素材だから。紙という成分が土にかえるまでにかかる期間はわずか数週間なのに対し、プラスチック製のストローが土にかえるまでには、なんと200年という月日がかかってしまいます。

地球にエコなストローを使うなら、紙の一択なのです。

2.製造コストが安いのはプラスチック

しかし、製造コストを考えると、プラスチックが圧倒的に優秀です。製造単価を見ると、紙のストローはプラスチック製と比較して5倍のコストがかかります。利益追求型のビジネスがデフォルトとなっているアメリカでは、このコスト差を考えれば、紙のストローを採用する企業は、ほぼ皆無と言っても過言ではないかもしれません。

また、紙とプラスチックとでは、1本のストローを製造するのにかかる時間も大きく違います。紙製のストローは、紙を何層にも接着して耐久性を出さなければならず、どうしても製造に時間がかかります。それに比べてプラスチック製のストローは、同じ時間で紙のストローの40倍から50倍の量を製造できます。

3.アメリカに紙のストローが普及しない理由

どうしてアメリカに紙のストローが普及しないのかは、一目瞭然です。環境や地球にとってエコであることを最重要課題としていない国なので、製造コストや時間がかかる紙のストローは、できれば避けたい素材なのでしょう。

スーパーで無料提供している買い物袋を見ても、よくわかります。アメリカでは州単位でいろいろな取り決めができるため、プラスチックのバッグを現在でも堂々と以前と同じように提供している州は、たくさんあります。

4.自治体ごとにプラスチックのストロー禁止令

そんなアメリカでも、とても牛歩なスピードですが、少しずつ紙のストローが推進されています。紙が推進されているというよりは、プラスチックのストローを禁止する動きがある、と言ったほうが正しいですね。

しかし、州すべてにおいてプラスチックのストローを禁止している所は、まだありません。Cityなどの自治体単位で、一定条件を満たす店舗に対してプラスチックストローの使用を禁止している、というレベルです。

紙のストローでなければいけないというルールはないので、メーカーでは少しでも耐久性があって安価に製造できる別の素材を模索しているのかもしれません。

ここアメリカでも、少しずつプラスチックに変わる素材のストローが提供される日がやってくると良いですね。