アメリカで妊娠育児をするならWICを活用しよう!

アメリカには、自分で調べなければ分からない福祉制度がたくさんあります。WICとはNutrition program for Women, Infants, and Childrenのことで、略してWIC(ウィック)とと呼ばれています。

目次

  1. WICとは?
  2. WICは誰が利用できる?
    • 世帯収入がいくら以下なら受給できる?
    • 自動的にWIC受給対象となるケースもある
    • こんな人も受給対象
  3. WICの申請方法
    • ずは電話予約
    • 申請面接では血液検査もアリ
  4. WICでは何をもらえる?
  5. WICの利用方法

1.WICとは?

WICとは、妊娠している女性や、小さな子供を抱える女性がシッカリと栄養補給できるように、という福祉プログラムのことです。妊娠6週目ぐらいの妊娠初期から、子供が5歳になるまで受給できます。

WICについてはこちらから

2.WICは誰が利用できる?

WICは、妊娠している人や、小さな子供がいる人なら全員が利用できるというわけではありません。福祉制度の一つなので、やはり経済的な弱者であることが必要条件となります。WICを利用できる条件としては

  • 妊娠している女性(妊娠6週目から出産するまで)
  • 子供が1歳未満で母乳育児をしている女性
  • 母乳育児ではないけれど、子供が生後6か月までの女性
  • 子供が1歳未満の母親
  • 5歳未満の幼児
  • 世帯収入が政府が定める基準以下

となります。妊娠している女性や母乳育児をしている女性、また産後すぐの女性なら、女性に対してWICが支給されます。しかしそれ以降は、5歳以下の子供に対して支給されることになります。ちなみに、アメリカで生まれる新生児のなんと53%は、WICを受給しているのだとか。

世帯収入がいくら以下なら受給できる?

WICの受給資格は、州ごとに基準が決められているわけではなく、アラスカとハワイを除くすべての州で一律の基準となっています。そのため、物価が高くて収入も高めのにニューヨークやカリフォルニアなどでは、そうでないノースダコタやアーカンソーなどと比較すると、受給しづらい傾向にありますね。

政府が定める受給資格の世帯収入はこちら

ここで注意したいのは、WICには所得制限は設けられていますが、必ずしもフードスタンプを受給できる所得上限と一致するわけではありませんし、貧困層だと定義される所得というわけでもありません。

また、州ごとに独自のWICラインを設けている州もたくさんあります。連邦政府が決める所得上限を超えていても、州ごとの上限を超えていなければ、WICを受けられます!

州ごとの受給資格の世帯収入はこちら

州によって多少の差はありますが、目安としては、母子家庭のような2人世帯だと、年収3万ドル以下、3人世帯だと4万ドル以下ぐらいが目安となります。

自動的にWIC受給対象となるケースもある

WICは低所得世帯向けの福祉プログラムなので、既に別の低所得世帯向けの福祉制度を利用している人なら、自動的に受給対象となることもあります。例えば、

  • SNAP(フードスタンプ)やメディケイドを既に利用している人
  • 家族がメディケイドを利用している人
  • 州政府が提供する福祉制度を利用している人

こんな人も受給対象

アメリカでも、妊婦さん検診があり、妊娠すると定期的に病院へ行って検診を受けることになります。その際、医師や看護師、もしくは栄養士から危機的な栄養状態にあると判断された人は、WICの受給対象となりますね。例えば、極度の貧血とか、妊娠しているのに体重が増えていないとか、また劣悪な栄養状態にある人は、医師の判断でWIC対象となります。

まずは、自分がWICの対象となるかどうかをチェックしてみましょう。

WIC PreScreening Toolはこちらから

3.WICの申請方法

WICを申請するためには、ローカルオフィスで面接を受ける必要があります。面接と言っても難しいことはなく、妊娠や育児で困っていることを相談しながら、どんなアイテムがオススメかという点をアドバイスしてくれたり、書類の確認をします。

申請に必要なモノ

  • 母親の身分証明書(運転免許証など)
  • 世帯の収入を証明するための書類(給料明細や雇用主からの収入証明レターなど)
  • 子供の出生証明書
  • 現住所を確認できるもの(運転免許証でOK)

まずは電話予約

以上の書類を揃えたら、まずは足を運びやすいロケーションにあるローカルオフィスへ電話をしましょう。面接には予約が必要です。

WICローカルオフィスの検索はこちらから

申請面接では血液検査もアリ

WICのローカルオフィスには、看護師が常駐しています。そして、書類をチェックしなら血液検査も行います。この血液検査では、主に貧血で内科をチェックするのが目的です。

面接では、栄養士の人と木綿男子、どんな食事を心がけたほうが良いのかという説明を受け、WIC制度についての説明も受けます。

結構時間がかかり、アポをとった時間からの所要時間は3時間ぐらいかかったという人も多いですね。

4.WICで何がもらえる?

WICでは、妊娠中の妊婦さんに必要な栄養成分、そして乳児や幼児に必要な栄養成分をしっかりとれるような食品を受け取ることができます。ただし食品なら何でもOKというわけではなく、お菓子とかスナックなどは、ありません。主に、乳製品と考えると良いでしょう。

粉ミルク牛乳チーズヨーグルト
豆乳ベビーフードベビー用シリアル
ピーナツバター缶詰に入ったお魚全粒のパンやパスタ100%フルーツジュース
野菜フルーツ全粒のトルティーヤ玄米

具体的に、このプログラムで何がもらえるのかは、州によって若干異なります。

詳しく知りたい人はこちらから

ちなみに、粉ミルクの支給は、子供が1歳になるまでとなっています。

5.WICの利用方法

WICを利用する場合には、3ヶ月に1回、WICオフィスに足を運び、子供の検診をしたり、育児の相談をしながら、スーパーで商品に交換できるクーポンや、プリペイドタイプのカードを受け取ります。

粉ミルクやベビーフードなどは、クーポンを提示してお店で交換してもらうというシステムですが、野菜やフルーツなどの食品に関しては、WICオフィスが事前にチャージしてくれたプリペイド式のカードを受け取り、それで自分たちでショッピングをします。

アメリカのスーパーでは、WICが使える商品にはマークが付けられているので、何を選べばよいかが分かりやすくなっています。ただし、食料品なら何でも買えるわけではなく、お米とかシリアルなどのカテゴリーごとに、毎月いくらまで使えるかという点は決められています。