アメリカで引越し業者を探す際の注意点とは?

私は夫が転勤族のため、結婚してからすでに7回引っ越しを経験しています。しかしこの引っ越し、すべて会社が提携している引っ越し業者へ直接手配してくれるので、私たちは何もする必要がありませんでした。

しかしこのたび、大学を卒業する息子が遠方へと引っ越すことになり、引っ越しの業者を探したり手配を私達ですることになりました。ローカルなエリアの引っ越しなら、おそらくどの業者に頼んでも大差ないでしょうし、何ならトラックをレンタルしてきて家族と友人総出で作業をしても良いでしょう。しかし、東海岸から西海岸までの 3,000マイル超の引っ越しでは、それは残念ながら私たちの選択肢にはありませんでした。

目次

  1. 業者探しはネットの一括見積サイトが主流
  2. 引越し業者vsブローカー
  3. 引っ越し業者と契約する際の注意点
  4. 自己防衛のためにはカード払いが鉄則

1.業者探しはネットの一括見積サイトが主流

ネットで引越し業者(Mover)を探すと、星の数ほど出てきます。州をまたぐ長距離の引っ越しに対応している業者もたくさんあります。

その中には、詐欺もたくさんいます。そのため、政府では引っ越しマニュアルなるものを作成しており、業者選びは慎重になるように呼び掛けていますね。

Federal Motor Carrier Safety Administrationの引っ越しマニュアルはこちら

私はとりあえず右も左も分からなかったので、ネットの一括見積的なサイトで、複数社へ見積もりをリクエストしました。そしたら、早い業者は秒で、遅い業者も30分程度で電話がかかってきたのです。

引っ越し予定は半年以上先だったこともあり、期間に余裕がありました。そのため、即決する気は全くなく、とりあえず見積もりだけをとったわけですが、そこで感じたことは、

業者って本当にしつこい

という事ですね。見積もりの金額は、日本の引越しでもそうですけれど、業者によって千差万別です。しかも長距離なので業者による差は大きく、小さなワンルーム的な荷物しかなくても、見積もりが1万ドル超という強気な業者もあれば、2000ドルで良いですよという業者もありました。

2.引越し業者vsブローカー

日本だと、引っ越し業者と言えばだいたいが引っ越し業者としてトラックを持っていて、ローカルな引っ越しなら搬出から運搬、そして搬入までをその業者が対応してくれます。

アメリカにも、トラックを持っている引っ越し業者はあります。しかし、こちらが引っ越し業者だと思って電話していても、実際には引っ越し業者ではなく、ブローカーと呼ばれる仲介業者だったということもあります。

引っ越し業者とブローカーは、かかる費用の点では大差ありません。しかし明確な違いがあるので、業者を選ぶ際には理解しておくことも大切だと思います。

引っ越し業者の特徴

  • トラックを所有しており、搬出の際にはその業者が来てくれる
  • DOT番号とMC番号を持っている
  • FMCSA(Federal Motor Carrier Safety Administration)へ登録している
  • 引っ越しが終了するまで窓口となる

ブローカーの特徴

  • FMCSAには登録しているけれどトラックは持っていない
  • 基本的にはセールスのみを行う
  • 引っ越しの契約を取ったら、提携している運送業者や引っ越し業者とマッチングする
  • 基本的に契約を取ったら消える

長距離の引っ越しではあまり差異はない

引っ越し業者とブローカーには、上記の違いがあります。でも長距離の引っ越しでは、どちらに依頼しても、実際に数千マイルの運送をするのは契約した業者ではありません。そして、引っ越し先で搬入作業をしてくれるのは現地の業者となります。だから、あまり大きな差はないと思いますね。

ただし、トラブルが起こったときの窓口がどこになるかという点においては、引っ越し業者とブローカーとでは大きく変わる点ですね。

もしもブローカーを利用して引っ越しの計画を立てるなら、窓口がどこになるかをしっかり確認する必要があります。

3.引っ越し業者と契約する際の注意点

私自身、10社超の業者から見積もりを取り、そのたびに似たようなセールストークを聞かされました。その中で気づいたいくつかの注意点をご紹介しますね。

  • 頭金が必要。万が一に備えてクレジットカード払いにしよう。→チェッキングアカウントを教えろという業者がいます。
  • 支払いは3回。契約する時の頭金、搬出の時、最後の搬入の時。
  • 登録業者であることを必ず確認すること(公的機関のサイトで
  • BBBで過去のクレームをチェックする(BBBはこちらから
  • 追加料金がかかる可能性を理解しておく
  • 繁忙期となる夏季は料金が高い。できれば2月までに契約するのがおすすめ。
  • 今すぐ契約しろと言われても焦る必要はない。言ってるだけ。
  • 交渉可能。ほかの業者はいくらだったと言えば、値引きしてくれる可能性は大いにアリ。→私は偶然の産物的に1,000ドルの値下げに成功しました。

追加料金?何それ?

引っ越し業者で見積もりを取る際には、家具の数や段ボールの数など、重量と体積で計算します。しかしこの見積もりには含まれていないことがあるのです。それは、

引っ越し先のアパートに階段がある場合

ですね。エレベーターがあれば問題ありません。しかし低層階のアパートだと、階段しかない場合があり、その場合には搬入してくれる作業員は階段を使うことになります。

そうすると、なんと1階ごとにいくらと追加料金がかかる仕組みになっています。この点には注意が必要ですね。引っ越し業者の中には、見積もりには2階までの階段料金が含まれているといったこともあるので、その点を確認しておくことをおすすめします。

→FMCSAの業者チェックサイトはこちらから

4.自己防衛のためにはカード払いが鉄則

上記の通り、引っ越し業者への支払いは、クレジットカード払いが鉄則です。業者の中には、チェッキングアカウントを教えろとか、現金払いを進めてるとか、カード払いだと手数料がかかるので損だ、というケースもたくさんあります。

私の時もそうでした。業者が「チェックブックは近くにあるかい?」というので、銀行の口座番号を教えるのはどうしてもいやだ。カード払いじゃなきゃこの話はなかったことに。というと、あっさりカード払いにさせてくれました。

カード払いで何が良いかというと、万が一のトラブル時にはカード会社が私たちを守ってくれるからです。Disputeをすればカードが社が調査してくれて、速やかに返金してくれます。

ちなみに、多くの業者では、引越しの搬出の時にはカード払いできますというところは多いのですが、最終的な搬入作業では、キャッシュのみという業者がほとんどです。おそらく、後からあーでもないこーでもないと文句言われるのが嫌なのかもしれません。

しかし、手数料がかかってもカード払いしてくれるというなら、カード払いしておくという方法も検討したほうが良いかもしれません。