日本で発行されるクレジットカードでも、ATMにクレジットカードを差し込んで現金を引きだすことは可能です。アメリカ発行のカードにも、このCash Advance(キャッシュアドバンス)と呼ばれる機能はついていて、現金が今すぐほしいけれど銀行のデビットカードが手元にない!というときには便利です。
しかしこのキャッシュアドバンスというシステムは、いくつか注意しなければいけない点があります。
目次
1.年利が高い
クレジットカードを契約すると、ショッピング枠に対して年利が設定されています。アメリカ発行のカードは、年利に関しては消費者金融も顔負けの高さで知られており、銀行発行のクレジットカードなのになぜか年利が20%なんて普通にあったりします。
私がマイレージを貯めているアメリカン航空でも、クレジットカードを発行しています。作ると、スーツケースが無料だとかボーナスマイルがもらえるといった魅力的な特典はあるのですが、年利がなんと28%。軽く卒倒しそうになりました。はい、もちろん作ってません。
話がそれてしまいましたね。
もしもクレジットカードのキャッシュアドバンス機能を利用すると、キャッシュアドバンスへ適用される年利は、ショッピング枠よりもさらに高くなることはご存じでしょうか?
キャッシュアドバンスを目的にクレジットカードを持つ人は少ないので、カードを作る時にそこまでチェックしていないという人は多いでしょう。しかし細かすぎて誰も読んでなさそうなFine Printを熟読すると、キャッシュアドバンスの年利がいくらなのかも、きちんと記載されています。たいていは20%~30%の間。かなり高いです。
2.毎月の返済では優先順位最後尾
年利が高いだけでもゲゲゲっとなりますが、キャッシュアドバンスの注意点は他にもあります。
それは、クレジットカードの毎月の返済は年利が低い順に行うというルールがあり、年利が高く設定されているキャッシュアドバンスを利用してしまうと、ショッピング枠を完済するまでずっとその分が残ってしまうという悪夢がもれなくついてきます。
そうなのです。クレジットカードの返済は、使った日時の順で返済するわけじゃありませんし、どの利用に対して支払うかをユーザーが選べるわけでもありません。多くのクレジットカード会社では、年利が低い順に返済しますというルールに基づいて、まずはショッピング枠から返済し、次に年利が高いキャッシュアドバンスへの返済へと移行します。
つまり、クレジットカードの残高がたくさんあって毎月少しずつ返済している家庭にとっては、キャッシュアドバンスを利用してしまうと、高い年利の分が半永久的に残ってしまう事態になってしまうのです。これは注意が必要です!
3.どうしよう、キャッシュアドバンスしてしまった。どうする?
もしもうっかりキャッシュアドバンスしてしまった場合、どうすれば地獄から這い出せるのでしょうか?
一番ベストな解決方法は、カードの残高をすべて払って完済することです。こうすれば、年利が高いキャッシュアドバンスの悪夢から解放されます。
しかし、カードの残高が多すぎて完済なんて無理という場合には、年利が低めのクレジットカードを作り、キャッシュアドバンスしてしまったカードの残高を丸ごと移行(Transfer)するという解決方法もあります。
これなら、キャッシュアドバンスも何もかもまとめての移行なので、高い金利からは解放されます。
残高をゼロにした後のクレジットカードの処遇については、そのままキープしても良いですし、使わなければ解約するという方法もあるでしょう。
4.カード社会だからこそ気を付けよう
アメリカは日本よりもカード社会化が進んでいます。だからこそ、民間企業はあの手この手で私たちからお金を引っ張り出そうとします。いいえ、被害妄想ではありません。
カードを使うことは便利ですし、私もほぼすべての買い物はカード払いにしています。だからこそ年利とか手数料という点には注意が必要ですし、あまり高い手数料や年利なら、他のカードに乗り換えることも選択肢の一つだと意識することが大切ですね。