私は、息子が小学校低学年の頃、小学校でSubstitute Teacherのお仕事をしていたことがあります。お仕事といってもフルタイムではなく、先生がお休みの時に呼ばれて代理で先生役を務める仕事なので、「突発的に入るパート」だと考えれば分かりやすいかもしれません。
ここでは、Substitute Teacherをしていた時を振り返りながら、どんな職務があったのか、どんな1日だったのかをご紹介します。
目次
1.Substitute Teacherには市民権が必要?
Substitute Teacherとして働くためには、学校へ登録しておく必要がありますが、その前の段階で犯罪歴がないかを確認するとか、そのほかの条件を確認するといった面倒な書類の手続きがあります。そのため、今日登録したら明日から呼んでもらえるというわけではありません。
学校でSubstitute Teacherとして働くためには、アメリカ市民権か永住権があれば、とりあえず「アメリカで働いても良いですよ」という要件を満たすことはできます。しかし州ごと、そしてISDごとにさらに細かい要件が定義されていることもあって、大卒でなければいけないとか、教育系の学位が必要とか、色々なフィルターが設けられています。中にはニュージャージー州のように「代理教師をするための資格」が必要というところもあります。
Substituteとして登録するための試験などは、ありません。とりあえず資格を満たせば登録させてもらえます。
しかし登録している人は他にもたくさんいるわけで、そこから先、どのぐらいの頻度で呼ばれるかは学校次第となります。すでに教師の資格を持っていて教え方が抜群にうまいと評判の良い人なら、おそらく頻繁に呼んでもらえるでしょう。一方で、生徒から不評でクレームばかりを受けるような人は、登録していても優先順位が低くてなかなか呼んでもらえない可能性もあります。
私が呼んでもらえた理由とは?
私はSubstituteの登録をしてから、比較的多く呼んでもらえた方ではないかと思っています。当時は息子が小学校低学年で、それより学年が上になると私自身が不安だったこともあり、Substituteをするのは小学校低学年オンリーとしていました。そのためかどうかは知りませんけれど、比較的頻繁に呼んでいただけたと思います。
その理由はただ一つ、学校にボランティアで入り浸っていたから。それ以外に考えられません。ボランティアが大好きで、息子様のそばにいるために学校へ入り浸りました(笑)。だから先生や校長先生などとも仲良しになり、きっと呼んでもらいやすい立ち位置にいたのだと思います。
しかし見知らぬ保護者からは「何で英語をまともに話せないやつがSubstituteなんてやってるの?」という声もあったようです。私に直接言いがかりをつける勇者はいませんでしたけれど、聞いた話によると、校長先生がそのたびに「彼女は子供のことが大好きで、要件も満たしているし、信頼できる人ですよ」と対応してくれていたそうです。感謝しかありません。
2.学校から早朝に電話がくる
Substituteのお仕事は、先生がお休みの時にニーズが発生します。前もって先生が休むと分かっていれば、お仕事も事前に教えてもらえます。しかし先生が当日に「今日は体調不良だから休みます」と学校へ連絡すると、そこから学校は代理の教師を探すことになるので、早朝に容赦なく電話がかかってくるのです。
私は当時、小学校から車で3分程度、徒歩でも10分かからないロケーションに住んでいました。そして子供の学校が8時ぐらいから始まるので、毎朝6時に起床して、朝食やお弁当の準備などをしていました。
Substituteの連絡は、早ければ朝6時ぐらいにかかってきます。遅い時だと7時ぐらいになって「10分で来れる?」ということもありました。
はい、それでも呼ばれたら行きました。
そして、そんな事態がいつ起こるか分からないので、当時は毎日6時に起床したらまず最初に顔のメイクだけは仕上げていました(笑)。
3.どんな一日?
Substitute Teacherの一日は、それほど難しくありません。基本的に先生が授業の内容を準備しておいてくれて、事前に休みだと分かっている時にはデスクにその紙が置かれています。それに従ってプリントをやらせたり、スケジュールに沿ってクラスをこなせばOKです。
それに、誰もSubstituteに難易度が高いスキルを求めていません。特に1日だけのお仕事なら、「とりあえず先生がいないとだめなので、適当にやっておいて」的な感じです。あ、これは私が小学校低学年限定だったことも関係しているのかもしれませんけれど。
登校は子供と一緒
Substituteも学校の先生も、アメリカでは登校時間は子供とほぼ同じです。私がSubstituteをした時にも、当校は子供と一緒に、普段よりも5分程度早めに行くだけでした。
子供には「今日はSubstituteでXX年生のクラスにいるからね」と伝えれば、学校が終わったら息子はそこまで来てくれました。
ストレスは少なめ
Substituteでは、その日にするプリントが何種類か準備されており、それを子供たちがして提出するというスタイルが多かったです。先生によっては丸付けもお願い、ということがあり、その時には答えを見ながら赤ペンで〇を付けました。
小学校の低学年では、読書の時間があったりして、冷や汗をかくことなく1日を過ごせることが多かったです。それに、子供たちは先生に対してリスペクトしてくれるので、問題児が悪態をつくというトラブルも、もちろん小学校低学年なのでゼロでした。
教室を離れてはいけない
アメリカの小学校では、基本的にトイレ休憩などはありません。ダラダラと続く授業の間に、トイレに行きたい子が手を挙げて、先生に許可をもらって一人で行くというスタイルが一般的です。
私がSubstituteの時もそうでした。友達同士で一緒にトイレに行くのは禁止。一人ずつというルールがあり、二人で一緒に手を挙げて「直ぐ帰ってくるから一緒に行ってもいいですか?」と聞かれても、「それは無理」といって一人ずつ行かせます。
たまに、なかなかトイレから戻ってこない生徒もいたりします。ごく稀ですが、います。そんな時には、先生がトイレに見に行くことはできないので、責任感の強そうなしっかり者の生徒に「トイレに見に行く役目」を命じました。
基本的に生徒たちを残して先生が教室を離れることは、NGでしたね。
4.子供の学校での様子を知りたい人にオススメ
Substituteのお仕事をしたのは、私は引っ越すまでの1年程度だけでした。子供の学校で働けて、しかもお給料がもらえるなんて、まるで天国でした。
このお仕事は、学校での子供の様子を知りたい人にとっては、充実感ややりがいを感じられると思います。それに、学校の仕組みなども分かるので、アメリカの学校に対して右も左も分からないという人にとってもおすすめです!