アメリカでの引越し、子供は転校!学校の探し方や手続き、スクールカーストについても!

日本でも終身雇用はすでに崩壊した感がありますが、アメリカでは終身雇用という概念がなく、みなさん気軽に転職をします。日本のように転職が多すぎるからと言って仕事探しで不利になることは少ないようで、給料アップやキャリアアップを求めて積極的に転職していますね。

しかし転職による転居となると、影響を受けるのは働く親だけではありません。子供の学校のことも、調べて手続きしなければいけません。

目次

  1. アメリカの学校は高校まで学区制
  2. 転校の準備
  3. 転入の準備
  4. アメリカで転校生になることはストレス?
  5. アメリカのスクールカーストについて

1.アメリカの学校は高校まで学区制

アメリカの学校は、School Districtと呼ばれる学区制となっています。これは小学校から高校までずっとです。アメリカの高校は、日本のように高校受験をして入学が認められるというシステムにはなっておらず、中学校の延長として高校へ進学します。

アメリカの学区は、それぞれ保護者の満足度やカリキュラムが異なります。もしもお子さんがいる家庭で、引っ越し前にある程度住む場所を自分たちで選べるなら、まずは学区をチェックして、住むエリアをザックリと決めることから始めると良いでしょう。

学区や学校、カリキュラムや保護者の感想などは、GreatSchool.netで調べることができます。このサイトでは、それぞれの学校が1から10までのスコア評価されていて、学校のザックリとした目安が分かるシステムとなっています。

  • 学校の生徒数
  • 生徒の人種割合
  • Reduced Lunch適用となる生徒の割合(貧困層)
  • 教師の数や経験値
  • カリキュラム
  • 実際に関係した保護者や生徒からの口コミ

などが分かりやすくまとめられています。

高スコア=学力レベルが高い、わけではない

GreatSchools.netのスコアは、学校を選ぶ際には目安の一つとなります。スコア評価には親の満足度が大きく影響しているため、満足度が高ければスコアは高くなる傾向があります。

親の満足度が高くなる要素は、いろいろあります。もちろん、学力が高ければ親としても満足度は高くなることが多いのですが、必ずしもそうとは言えないのが、アメリカらしいのです。

私はこれまで何回か引越しをしており、その度に子供は転校生となりました。その時に、複数の学校を比較しながら住む場所を選んで来ました。リサーチの結果、私が分かったことを、独断と偏見となってしまいますが、いくつかあげたいと思います。

  • 学力レベルが高い学校は、アジア人生徒の割合が高い。
  • 白人が90%以上で多様性がない学校は、親の満足度が高い傾向にある。
  • 貧困層が多い学区にある学校では、難易度が高いカリキュラムを提供して生徒集めに頑張っている。

あくまでも、これは私が自身でリサーチした中で、ぼんやりと浮かんできた傾向です。必ずそうだというわけではないので、参考程度にしてくださいね。

2.転校の準備

転校することが決まったら、現在通っている学校のカウンセラーに届出を出します。何カ月も前に通知する必要はなく、2週間~3週間ぐらい前でも十分です。

カウンセラーに届出を出すと、次の学校へ転入するために必要な書類を集めてくれます。大きめの封筒にいろいろな書類が入っていて、主に成績表などの記録が渡されます。しかしこの封筒は、封印されていて、転入先の学校のカウンセラーに封印された状態で渡さなければいけません。うっかり中を見たり、破ってしまうと、無効になるので注意してくださいね。

小学校の場合には、クラスの先生が気を利かせて、最終日にサヨナラパーティをしてくれる、なんてことがあるかもしれません。しかし、特別なことは何もなく、いたって普通の最終日、ということも多いです。私の子供が小学校の時に転校した時には、最終日に担任の先生が使い捨てカメラをくれて、友達との思い出を写真にとって楽しんでいました。また別の時には、クラスの友達が大きな画用紙に一言ずつ寄せ書きをしてくれたものを、最終日に持って帰ってきました。

転入手続きに必要な書類は手荷物として持参

引越しでは、家財道具を全て荷造りして業者に運んでもらうことが多いですよね。しかし、引越し先で転入の手続をすぐにしたい場合には、できるだけ転入に必要な書類は、手荷物として持っていくようにしましょう。梱包されてしまうと、どのダンボールの中に必要な書類が入っているか分からなくなってしまいますし、最悪の場合には紛失のリスクもあります。

子供は、転校することに対して精神的に大きなストレスを抱えます。だからこそ、できるだけスムーズに手続きを済ませて、新しい環境に慣れてもらうためには、親としてできる限りの準備をしておくのが良いと思います。

3.転入の準備

引っ越したら、まず最初に転入の手続をしに、新しい学校へ足を運びます。アメリカの学校では、それぞれの学区を管理しているISD(Independent School District)がありますが、転入の手続でISDのオフィスに行けと言われることはほとんどなく、大抵は学校のカウンセラーが対応してくれます。

転入の手続には、

などが必要でした。

住所を確認できる書類

ISDごとに学区が決まっているので、それを確認するために必要な書類です。引っ越したばかりの時には、光熱費の領収書などは持っていないことが多いので、アパートの賃貸契約書とか、家を購入した人ならその契約書を持って行けばOKです。

住所を確認したいだけの書類なので、住宅を購入する手続きをしているけれどまだクローズになっていない、という状態でも問題ありません。

生徒のBirth Certificate

子供が学校に通う資格があることを確認するための書類です。

Birth Certificateがなければ、代わりにパスポートでもOKかもしれませんが、日本発行のパスポートが認められるかどうかは、ごめんなさい、経験がないので分かりません。でも、日本のパスポートと有効なビザがあれば問題ないと思います。

ちなみに、観光というステータスだと、子供を学校に入れることは難しいですね。

ちなみに、アメリカの学校はさまざまなスタイルがあり、通学だけが選択肢ではありません。そのためでしょうか、転入に必要な書類が揃わなければ、揃ってから出直すように言われます。とりあえず学校に通わせながら、書類を後から揃えてください、という親切な対応は、期待しないほうが良い気がしますね。

不法滞在の移民でも子供は学校に通える?

税金で運営されているアメリカの公立学校ですが、不法滞在の子供でも教育を受ける権利は、法律によって認められています。少し前までは、不法滞在という理由で学校側が拒否出来ましたが、現在では基本的には学校側は拒否できません。

不法滞在だからといって、「税金払ってないのだから代わりに学費をよこせ」なんてこともありません(1970年代にはテキサスで実際にあり、裁判まで発展しました)。

生徒のSocial Security Card

これも、持参するように言われた書類の一つです。とりあえず持って行った所、その場でコピーを取ってすぐに返してくれました。

予防接種カード

これは、生徒が生まれてから現在に至るまでの予防接種の記録が記載されているVaccination Recordです。日本では、子供が小さい頃なら母子手帳にどの予防接種をいつしたかという記録を残すことができますが、持っていないという人は多いでしょう。

アメリカでは、生まれた時に黄色いカードをくれて、次回からはその紙を予防接種の度に持参して、ドクターに記録を書いてもらうことになります。

ちなみにこの予防接種カードは、いろいろなところで提出しろと求められます。大学への入学でもチェックされますし、アルバイト先からもチェックされたりします。

この予防接種カードには、摂取した日やLot 番号、対応した医師の名前とサインなどがかかれています。このうち、学校がチェックしたいのは「国や州が義務付けている接種を済ませているかどうか」という点です。ロット番号などは詳しくチェックされませんが、いつどの予防接種をしたかという点は確認されます。

予防接種カードをなくした。どうすれば良い?

もしも予防接種カードをなくした場合には、おもいだせる限り、これまでに通ったクリニックに連絡をして、いつどこでどの予防接種をしたのかを確認することをおすすめします。

転校する前の学校で入学の手続をしていれば、その記録が残っているでしょうし、転校すれば予防接種記録も封印されている封筒の中に入っています。

どうしても見つからない、いつ何を受けたかを思い出せない、記録もない時には、どうなるのでしょうか?

私自身、経験がないのでわかりませんけれど、打ち直しという羽目になる可能性は十分に考えられますね。

4.アメリカで転校生になることはストレス?

転校生になることは、アメリカでも日本でも、生徒にとっては大きな精神的なストレスです。私自身、小学校1年生の時に転校した経験がありますが、小学校1年生ですら緊張したことを覚えています。

私の子供は、小学校の時に数回の転校、そしてハイスクールで1回の転校をしました。全て夫の異動による転居が理由でしたが、親としては、何度も転校させてしまい、本当に申し訳ないと今でも感じています。

そんな複数回の転校を間近で見てきた感想をご紹介します。

  • 小学校低学年まではウェルカムムード満載なので、転校はストレスになりにくい
  • 小学校高学年からは、クラスメートに自分から話しかけるなどの積極性が重要
  • 授業ごとにクラスが変わるミドルとハイスクールの転校は、難易度高め。スポーツや音楽など、所属するクラブがあれば、救いになる。
  • 男の子より女の子の方が、馴染むのは大変かも
  • スポーツをしているイケメンや美女は例外の可能性大

年齢が上がると、学校内でヒエラルキー(スクールカーストとも呼ばれていますね)が確立されるので、転入生が来ると、みな子供なりにも防御的になることは多いです。陰湿ないじめなどは、あまり見たり聞いたりしたことはありませんが、積極的に社交をしなければ、ぼっちのまま時間が過ぎる、ということは十分にあり得ます。

私のように、引っ越しが多くて子供の転校回数が多いというお母さんは、他にもいると思います。私がこれまでしてきたことは、

  • 学校のボランティアやクラスのボランティア、遠足の付き添いは、積極的にすること。
  • クラスのボランティアは、募集されるのを待つのではなく、学校に押しかけて何かないか聞けば、何かしらあるものです。
  • 子供がクラブ活動をしているなら、進んでボランティアをしたり、役員などをする。
  • 親が積極的に他の親と社交をして、子供のプレイデートやスリープオーバー、スランバーパーティをホストすること。

などがありました。親がボランティアをすると、親自身も子供の学校の様子とか事情、内情が分かるというメリットもありますし、子供にとっても、親がすぐそばにいることが、なんとなく安心感につながることもあるようです。もちろん、これは私自身がやってきて良かったなと思っていることなので、全てのケース当てはまることではないかもしれません。

5.アメリカのスクールカーストについて

ここからは、アメリカのスクールカーストについて、一般論をお話しします。あくまでも一般論なので、もちろん例外もあります。参考程度にしてくださいね。

アメリカのミドルスクールやハイスクールでは、クラブ活動とか趣味などで共通点を持つ友達同士がグループを作ります。これは、日本でも同じですね。そして、このグループがそのまま、スクールカーストに直結することは多いです。

例えば、このカーストの頂点に君臨するのは、男子なら「ジョック」と呼ばれているスポーツクラブのメンバーたち。スポーツの種類は特に問わず、それぞれのスポーツチームごとに固まってグループとなっていることが多いです。どのスポーツがベターかという競争はなく、フットボールもサッカーも野球も、みなジョックとして学校内ではリスペクトされることが多いようです。

女子の場合には、クイーンビー(女王バチ)と呼ばれる女王様がいて、その周囲にオシャレな取り巻きがいる、というイメージですね。クイーンビーは、だいたいお金持ちの娘が多く、チアリーダーのキャプテンをやっていたりします。

その下には、スケボーが好きな子のグループとか、ゲームが好きな子のグループとか、異性に興味ありありなグループ(女の子に多い傾向あり)などがいます。

勉強熱心な生徒のグループは?と気になりませんか?多分、います。でも、スポーツとか外見がすべて、みたいなアメリカのスクールカーストでは、目立たない存在です。

グループ間の会話はほぼなし

このアメリカのスクールカーストでは、グループ間の会話はほとんどないようです。場合によっては、話しかけても無視されるなんて扱いもあります。

自分がどこかのグループに所属していれば、他のグループと会話がなくても、それほど困ることはないかもしれません。しかし転校生の場合、これは一大事です!

私の息子の場合には、アメフトをしていたので、転校初日からアメフト部のグループに入ることができました。比較的シャイな息子だったので、親としてはひそかに心配していました。初日に帰宅した息子に聞くと、ボッチにならないようにアメフト部の子が気を使ってくれて、カフェテリアで一緒に座る席を確保してくれたりなど、息子を仲間に入れてくれたようです。

こういう救いの手があれば、ハイスクールで転校生になっても、それほどロンリーな時間を過ごすことは少ないと思います。でもクラブ活動をしていない子だと、手を差し伸べてくれる子が転校初日に現れるとは限りません。そうすると、慣れるまでは腹をくくってボッチになるのかな、という気がしてしまいました。

後日アメフトの試合の日、息子に気を遣ってくれた第一人者の子の親を見つけたので、私は律義にお礼に行ったほどです。子供の学校生活のことってハイスクールぐらいになるとなかなか親の耳に入ってこないので、そういう良い話は、私は積極的に当人の親とシェアするように心がけていましたね。

投稿者: samuraipassport

こんにちは!アメリカ在住のジャーナリスト兼ライターです。アメリカへの移住から生活まで初心者が知っておきたい情報を発信していきます!アメリカに住んでみたい人や海外に憧れている人にとっても役立つ情報が満載です!

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