日本でも、仲が良い子の家へ泊まりに行くことは、子供にとってはとても楽しくてワクワクするイベントです。今回は、アメリカのスリープオーバー事情をご紹介しますね。
目次
1.Sleep Over(スリープオーバー)って何?
スリープオーバーとは、一言でいうならお泊り会ですね。子供がキンダーに入ると、親の社交の延長線上にいるお友達だけではなく、学校で自分自身で気の合う仲良しができます。男の子も女の子もスリープオーバーと称して、お泊り会をするわけです。
アメリカの子供スリープオーバーは、とても気軽にすることが多いからでしょうか、頻度も結構頻繁だと思います。私の息子もキンダーの時に親友ができ、毎週ではないものの、隔週ぐらいでスリープオーバーをしていましたね。
2.何人ぐらいが多い?

仲良しを1人呼んで2人のスリープオーバーをすることもあれば、5人ぐらい読んでグループのスランバーパーティ(名前が違うだけで内容は同じ)になることもあると思います。
うちは男の子しかいないので、何人呼ぶかという数を意識したことはありませんでした。しかし娘を持つ仲良しの友人に聞いた話だと、女の子は合計が2の倍数でなければケンカが始まるのだとか。やはり女の子はペアになりたいからなのでしょうね。
スリープオーバーのホストに慣れている人とか、あまり細かいことが気にならない人なら、複数をまとめて呼ぶと楽しいと思います。
ただし、私の経験をもとに言うと、人数が増えると深夜まで大騒ぎします。もちろん、外に勝手に出たりっていうことはしませんし、モノを壊すなんてこともありませんけれど、兄弟がいたりすると、小さい子供も仲間入りすると思うので、寝てるのは親だけという事態になります。我が家の場合、犬が大喜びして、犬も深夜まで大興奮でした。
親はどうすれば良い?
よその家の子供をお預かりすることに責任を感じ、子供たちが遊ぶ姿を監督しなければ、という人はいるかもしれませんね。もちろん、しても良いですし、年齢によってはするべきだとは思います。子供の性格によっても変わると思います。
私の場合、一度もありません。他のお友達の家でも、だいたい放置です。もちろん、危険なものはありませんし、私の言うことを聞かない不行き届き者は、夜遅くても親に電話して迎えに来てもらうので、朝までこちらが耐える必要はないと思います。
子供がキンダーの時でもハイスクールの時でも、基本的には親は夜11時か12時ごろになったら就寝してました。子供達はおそらく、2時とか3時まで起きていたと思います。小学校ぐらいだと、興奮しすぎて深夜でも大騒ぎしますが、ハイスクールになれば勝手にゲームするぐらいなので、うるさくはないですね。
3.スリープオーバーの際の夕食は?

スリープオーバーの際には、せっかくお友達が来てくれるのだから腕によりをかけて美味しいものを作ろう!と意気込みたくなります。しかし、結論から言うと、止めたほうが良いです。これは私の経験ですが、子供っていくつになっても「家庭の味」があります。そのためでしょうか、よその家にお邪魔すると、手料理拒否する子がとても多いのです。私の子供もよその家に行ったときには、味が合わないために「お腹が空いていない」という理由で食べなかったそうです。息子の友達を招いた時でも、同じような感じでした。最初の2回ほどその仕打ちを受けたので、潔くあきらめ、それ以来ずっとスリープオーバーの時にはピザと決めています。
ハンバーガーみたいのでも良いと思います。でも人数が増えると、ハンバーガーだけでも費用がかさみます。巨大なピザを、子供や友人の年齢と人数に合わせて「少し多め」に買うだけの方が、絶対に食べるので失敗しませんし、かえって安上がりかなと思います。
小学校高学年ぐらいになると、他人の家でも手作りのハンバーガーとかホットドッグなら食べる子が多くなります。それに、チップスとソーダ(炭酸飲料など)でディナー終了です。栄養?そんなものはスリープオーバーでは考える必要ありません。
日本食はBig NO NO

日本食をごちそうして喜んでいただけるのは、おそらくアメリカで暮らす日本人のお友達ぐらいではないでしょうか。大人のアメリカ人でも、全員が日本食のファンというわけではないので、私はおもてなしディナーとしてはリクエストされない限りは絶対に作りません。
ましてや子供になると、アメリカの家庭料理を出しても食べないのですから、日本食なんて食べるはずがありません。我が家に初めて招待する子の親も、きっとその辺は心配していたのだと思います(笑)。「ディナーはどうするの?」と聞かれることもあったので、「心配しないで!日本食なんて食べさせたりしないわよ!」と伝えてました。
その後で「ピザにしようと思ってるんだけど、ピザ食べられるよね?」と確認を取ってましたね。アメリカ人でピザを食べない子って、私は見たことがありません。なので、失敗しない「おもてなし料理」なのだと思います。
4.お風呂はどうすれば良い?
スリープオーバーでは、基本的には子供はお風呂に入りません。入ったら?と言わなくても良いです。いろいろな性犯罪のリスクを考えると、お呼ばれする側も招待する側も、その辺は一線を引いた方が良いかもしれません。
もちろん、1週間預かるという場合には、お風呂に入ってもらいますが、1日ぐらい入らなくても死んだりしないので平気です。それにアメリカでは、シャワーは夜じゃなくて朝という人が多いので、スリープオーバーを終えて帰宅してから入るという子もいると思いますね。
スリープオーバーを夜7時ぐらいの集合するなら、家で入ってくる子もいます。入ってこない子もいますけれど、その辺は家庭ごとの方針で良いと思います。
5.朝食はどうなるの?

スリープオーバーは、翌日に学校がない金曜日の夜が多いです。土曜日の朝は、比較的時間がゆっくりしているので、だいたいパンケーキを作っていました。手作りのディナーは食べない子でも、パンケーキは食べます(笑)。
朝からたくさん気合を入れて作る必要はなく、パンケーキとスクランブルエッグでも良いですし、フレンチトーストでも良いと思います。その辺はフレキシブルに対応すればOKです。息子の経験だと、シリアルを選んで食べたという家もありましたし、お父さんが早起きしてパンケーキを作ってくれたという家もありました。
6.何時ぐらいに解散?
スリープオーバーは、だいたい土曜日の昼前には解散することが多いですね。朝10時とか11時ぐらいに、迎えに来てもらっても良いですし、こちらから送り届けても良いと思います。
7.失敗しないコツとは?
スリープオーバーは、子供達にとっては親の監視から離れて楽しめる一大イベントです。たとえ毎週だとしても、楽しいイベントなので、羽目を外す子もいます。私自身スリープオーバで失敗したという経験はありませんが、友人の中には嫌な経験がトラウマになってしまい、子供には申し訳ないけれどスリープオーバーしたくないという人もいました。
これまでのスリープオーバーの経験から、皆さんの参考にして頂けそうなエピソードをご紹介しますね。
教訓:なくして困る高価なものは持たせるべからず

息子が小学校5年生の時に、iPodが子供達の間で爆発的な人気となりました。息子も持っていましたけれど、友人たちも持っている子は多かったですね。
ある日、息子が友達5人を呼んでスリープオーバーをわが家でした時のことです。そのあと数日してから、お友達の親からメールがありました。「息子のiPod、たぶんそちらでなくしたみたいなんだけど」と。
子供達が帰った後に掃除機をかけましたが、気が付かなかったし、普通に生活しているうえでは全く見かけてないので、「探してみるね」と伝えました。でも結局、見つかりませんでしたね。弁償などは一切しませんでしたし、息子から聞いた話では、その子は親から怒られて、小遣いを前借して新しいのを買ってもらったそうです。
教訓:リビングの床でごろ寝でもNo Problem

子供が小さければ、深夜まで大騒ぎした後で、そのままリビングでごろ寝させても良いと思います。ゲスト待遇しようとすると、親が疲れてしまいます。それに、日本のように人数分だけ布団を敷けばよいということはなく、基本的には寝る時には子供でもベッドで寝るのがアメリカ流。子供の友達全員分のベッドなんてあるわけないですし、誰もそんな待遇は期待していません。
なので我が家ではだいたい、家にあるだけの枕や毛布をリビングに出し、フリースタイルにしてました。部屋は寒すぎない程度に温度調整しておけば、例え毛布ナシで床で転がっていても、風邪をひく心配はないです。
中には、子供部屋にテントを張り、その中で寝てもらうという家もあるようです。我が家もトライしたことがありますが、深夜に起こされて「影が見えた」とか「何かが動いた」とオカルト的な文句を言われたことがありました。
だったら勝手にリビングででもどこでも好きな場所で寝ろや!と思いましたが、そこはもちろん大人の対応。しかしその後、スリープオーバーにテントを出すことはなくなりました。
教訓:エネルギー過多な男子グループは外で遊ばせるべし
男の子って、エネルギーがあふれてます。スリープオーバーなどで興奮すると、更にエネルギーレベルが上がります。もしも深夜まで男子の大騒ぎを聞かされたくないなら、プールなどに連れて行って疲れさせるとか、外で走り回らせて疲れさせるという方法も、一つの手かと思います。
ただし、家の庭で遊ばせると言っても、子供が夜間に外で大騒ぎすると、警察を呼ばれる可能性があります。そのため、庭で遊ばせるのは昼間、もしくは疲れてもらえそうなインドアな場所を選ぶのが良いと思います。
教訓:親同士の距離感も大切
誰でもそうですが、見知らぬ家庭に子供を泊まりに行かせることには抵抗がありますよね。そうならないためには、普段からママ友との距離もできるだけ積極的に縮めておくのがおすすめです。
私は子供の学校でPTOを始めボランティアをしていたり、Substitute teacherもしていたので、たくさんの保護者と会話をする機会が多くありました。その点では、息子の社交にも少しは貢献できたかなという気はします。
親同士の距離感が近くなると、スリープオーバーの時にトラブルが起きても、穏便に済むことが多いです。
教訓:子供が心配なら潔くホストをするべし
私は比較的、「かわいい子には旅をさせろ」の精神で、子供が小さい頃からいろいろな経験をさせてきました。それでもやっぱり、年齢が小さいうちは心配でした。
心配過ぎて子供を行かせたくないという人や、心配過ぎて寝られないかもしれないという人は、いっそのことお友達を呼んでホストをするという方法がおすすめです。よその家の子供を預かることで責任はあるものの、子供を近くで観察できるという点では、理想的な方法だと思います!