アメリカで数年前から大流行しているKaren。もともとはリアリティ番組に登場したKaren Gosselinに由来していますが、今では「こんな女にはなりたくない」的な象徴として使われることが多いニックネームとなっています。
目次
1.Karenって何?

今では、「あなた、 まるでKarenみたいね」と言われると全く嬉しくない代名詞となったKaren。もともとは、リアリティー番組の中に登場していた女性の名前がKarenで、彼女の言動が周囲をドン引きさせるものだったことから、悪名だかき代名詞となってしまったわけですね。
Karenの代表的なドン引き行動と言えば、「責任者を出してちょうだい(Can I talk to a manager?)」というもの。お前みたいな下っ端と話しててもらちが明かないから、とっとと責任者を出せ、というクレーマーです。
Karenの由来が白人の中年女子だったことから、Karenの条件に、
- 白人であること
- 中年であること
- 女子であること
というものがありますが、現在ではKarenの要件がどんどん進化して広がっています。白人でなくても、若くてもKarenと呼ばれます。
- レストランで注文した料理がなかなか出てこないと、「マネージャーを連れてこい」
- コロナ渦でマスク着用をお願いした店に対して「絶対に着けない。アタシを病原呼ばわりするのか?」と威嚇
- カフェでお茶を楽しんでいる人の席に行き、「アタシのお気に入りの席だから、どいて」と要求
- 自分でバッグを置き忘れたくせに、他人を泥棒呼ばわりする
など、常識的な大人では信じられない行動をしてしまうのが、Karenです。
2.人種差別者もKaren
Karenがどんな人なのかを想像するのは簡単です。「Can I Talk to a Manager?」とすぐに言う人をイメージすればよいからですね。日本でも、何でもかんでもすぐにクレームをつけるババアを想像してみてください。自分の責任も他人に押し付け、何でもかんでも文句を言えばよいと思ってる、そんな嫌なババアがKarenなのです。(ちなみに私も中年ババアの年代なので、ババアとは何事だというクレームは受け付けません)
Karenは全般的に気が強く、世界は自分を中心に回っていると真剣に信じている自己中心な女性です。そして、決して上級国民ではないけれど、上級国民のようにふるまって他人をクソのように扱うという共通点があります。
しかも近年では、このKarenの意味はどんどん広がっていて、人種差別的な行動をした人もKarenという扱いになっています。そうです。Karenは進化しているのです!
例えばNYのセントラルパークで、ベンチに座って小鳥を鑑賞していた黒人男性に対して、気に入らないと不当に警察を呼んだ女性。その男性が状況をスマホで録画していたことから一気にSNSでKarenの悪行が広まり、彼女はその日のうちに仕事を解雇されました。ちなみに、犬を離してはいけないエリアで彼女は犬を離していたことから、犬も当局によって取り上げられました。これは、Karen的な言動をしたことによるペナルティです。
別の白人女性は、飛行機のエコノミー席で隣に黒人男性が座ったことが気に入らず、CAに席が気に入らないから自分をファーストクラスへ移せと要求しました。彼女もまた、公の場所で自身が人種差別者であることを露呈したので、Karen認定です。ちなみにこのケースでは、CAが黒人男性にファーストクラスへの移動をお願いし、事なきを得ました。
3.Karenヘアカットはどんなスタイル?
”She is SOO Karen!’と言われることは、おそらくアメリカで暮らす女性にとっては、「ブスは死ねコラ!」と言われるよりも、もっと不快なニックネームかもしれません。実はこのKarenには独特なヘアスタイルもあって、Karenヘアカットなんて呼ばれていたりします。



なんとなく、雰囲気はわかりますよね?もともとは、Karenヘアはブロンドと相場が決まっていましたが、現在はKarenの範囲が広がっているので、ブロンド以外でもKarenヘアと認められています!
ヘアスタイルのイメージとしては、
- 左右非対称のアシメトリー
- 前下がりのボブ
- タイガーストライプと呼ばれる厚めのハイライトが入っている
- オリジナルのKarenヘアは、高等部の部分が短くてツンツンと立ち上がっている
Karenの定義が進化している昨今では、必ずしもこの髪型のみというわけではありません。クレーマーっぽい表情をした中年おばさんのショートヘアは、だいたいKarenと呼んでしまうようです。暗い髪に明るい色のハイライトを入れているKarenは、「横断歩道みたいで最悪にダサい」呼ばわりもされています。
ちなみに、私も10年ほどずっとショートカットです。別にKarenを目標としているわけではありませんし、横断歩道のようなハイライトも入れてません。しかし夫からは、ショートヘアというだけでKarenみたいな印象を与えるのが嫌だから、髪を伸ばしてくれと懇願されています。嫌ですが(笑)。