アメリカでは、年間400万件を超える児童虐待が報告されています。
子供を虐待するというと、殴ったり蹴ったりといった暴行をイメージする人は多いですよね。もちろん、それも虐待です。
しかし、虐待は肉体的なものだけではありません。ほかにもたくさんあります。
ここでは、私達が既に知っていると思っている虐待について、定義や具体的な例を考えてみます。
目次
1.Physical Abuse
これは身体的に子供を虐待することで、具体的には以下があります。
- 殴る
- 蹴る
- ぶつかる
- 噛む
- 髪を引っ張る
- 首を絞める
- 投げ飛ばす
- 口の中にモノを詰め込む
- 叩く
- その他、子供に怪我を負わせる行為
アメリカで暮らす成人の約28%は、子供の頃に身体的虐待を受けたという報告があります。
そういえば昭和の日本では、こうした身体的な虐待を「しつけ」と呼んで称賛していた時代がありましたっけ。私も父親から、しつけと言う名目でひっぱたかれたことが何度もありましたが、あれは虐待です。
2.Sexual Abuse
これは性的な虐待です。アメリカの成人のうち、約20%は子供の頃に性的虐待を受けたことがあるのだそうです。
性的虐待には、
- 大人の性行為を子供に見せる
- 大人の性器を子供に見せる
- 不適切な性的な話を子供にする
- 子供と性行為やオーラルセックスをする
- 子供に売春をさせる
- 子供に性的な言動をさせる
- 子供をポルノ作品へ出演させる
などがあります。ここでいう子供とは、小さな就学前の子供ばかりではなく、法律でっ未成年だと決められている年齢なら、中高生もすべて含まれます。直接子供に触れる/触れないに関わらず、虐待は成立します。
3.Emotional Abuse
心理的な虐待です。ひっぱたいたりと言った身体的な暴力行為はなくても、ネチネチと嫌味を言い続ける行為は、子供の精神状態に大きな負担がかかる虐待行為です。
- 子供を無視したり拒絶して、自分は愛されていないのだと子供に思わせる
- 子供からの愛情表現を拒絶して気持ちを傷つける
- 子供を辱める言動。批判や避難、無理な要求や大きなため息、きつい言葉で子供の自尊心を叩き潰す行為
- テロ的な行為。脅迫や恐怖によるしつけ、傷つけたり殺すと脅すなど。
- 隔離。子供を他の子供や好影響な環境から遠ざけて隔離する。
- 子供を犯罪に巻き込む行為
などがあります。「だからお前はダメなんだ」「何度言っても分からないのか、このクソ野郎」なども、すべて心理的な虐待行為です。
4.Child Neglect
ネグレクト行為です。子供の健康や安全、福祉を提供するはずの大人が、その義務を果たさずに無視したりネグレクトをする行為が含まれます。
- 子供を置き去りにして親が外出してしまう。旅行に行くというクズもいる。
- 子供に食事や飲み物を与えない
- 季節や気温に適した服を与えない
- 育児不適合者に子供を預ける
- 子供にアルコールや薬物の使用を認めたり、犯罪行為を認める
- 子供が病気になっても病院へ連れて行かない
- 子供を学校に通わせない
などがあります。育児をするのは親の義務なのですから、それを非常識な範囲で怠ると虐待となります。
5.Bullying&Cyber bullying
イジメやネットイジメです。大人から子供に対する虐待とは限らず、子供同士のイジメなども虐待となります。最近ではお互いに顔が見えないネット環境でのいじめが深刻な問題となっており、対策が求められています。
イジメには、
- からかう
- 変なあだ名で呼ぶ
- 仲間外れにする
- 噂を流す
- 公共の場で辱める
- 身体的な暴力も含まれる。叩いたり蹴ったり、突いたり押すなど。
などがあります。
サイバーイジメには、
- 掲示板など不特定多数が見る場所に相手が傷つくコメントを残す
- 恥ずかしい画像や動画を投稿したり共有する
- ネットで「死ね」と言う
- テキストやオンラインなどを使って脅迫する
- 個人情報を流出させる
- その人の評判を地に落とし、ネガティブな風評被害を与える
- 悪意を持って意図的に仲間外れにする
などがあります。
6.Grooming
グルーミングとは、一言でいえば「手なづける」という行為です。多くの場合には、性的虐待のターゲットに対して犯罪者が近づくための手段となっており、特にネット上には常時5万人以上の犯罪者がウロウロしているというデータもあります。
グルーミング行為には、
- ターゲットを特定して近づき、信頼を得る
- 親に内緒で特別なお友達と言う関係を築く
- 子供を親や友人から孤立させ、自分に近づくように仕向ける
- 突然レイプなどの性的接触はせず、少しずつ様子を見ながら行うのが特徴
- 恐怖と罪悪感で子供の気持ちを支配する
などがあります。
虐待にはいろいろな種類があり、それぞれ定義や特徴は異なります。しかし大きくまとめて言うなら、子供の健康や安全、そして将来に対してマイナスの影響を意図的に行う行為だと言えますね。