これはカツアゲなのか?

息子様が小学校の頃、その学校では年に数回、Bookフェアなるものが開催されていました。

これは子供向けの教育的な書籍を取り扱っているScholasticという出版社がスポンサーして行っているイベントで、空いているる教室に大量の本を並べ、まるで書店のように展示します。そして、決められた日に子供や親がそこに足を運び、好きな本を購入するという仕組みです。

私はその頃PTOをしていたので、準備はもちろんのこと、店番や会計もしました。

ブックフェアは、クラスごとに曜日や時間が割り振られるので、子供たちはお金を持ってきます。そのお金の中から、欲しい本を選ぶというわけです。もちろん、お金を持って来なければ買えませんし、予算オーバーしても買えません。

そんなブックフェアでお会計業務をしていた時、2人の女の子がそれぞれ本を持ってきました。

1人は、親からもらったであろう$20札を持っています。もう1人は、残念ながらお金は持ってこなかったようです。

私は、お金を持っている子の会計をしました。確か、$10ほどおつりが出たと思います。

すると、お金を持っていないけれど本が欲しいもう一人の子が大きな声で

You have to Share!

と言ったのです。

つまり、そのおつりをよこせ、と。これはもう、カツアゲです。

気が弱いその子は、お釣りを渡そうとしていたので、私はおせっかいながらも割り込みました。

「シェアするのはおもちゃ。お金はシェアしない。」

カツアゲに失敗した子は、ものすごい形相で私をにらみながら去っていき、気が弱い子は半泣きしながらも、私に笑顔をくれました。

アメリカでは、公園などに行くと、持っているおもちゃを他の子とShareして仲良く遊びましょう、的なマナーがあります。もちろん、それは大切なことなのでしょう。

しかし、他人のお金をよこせという意味でShareという言葉を使うのは、いかがなものかと思いました。

アメリカのマグネットスクールの概要と特徴

皆さんもご存じの通り、アメリカの公立学校は、小学校から高校まで、学区が決まっています。そして、学区を越えて別の学校へ通いたいなら、引っ越すか、私立の学校へ行くという選択肢しかない、と言うのが一般的ですよね。

そんなアメリカには、すべての学区や州というわけではないものの、マグネットスクール(Magnet School)と呼ばれる学校があります。

目次

  1. マグネットスクールとは
  2. どうやれば入学できるの?
  3. 大学や職業にフォーカスした学校もある

1.マグネットスクールとは

マグネットスクールは公立の教育機関で、小学校からハイスクールまでいろいろあります。大きな特徴としては、公立なので授業料などはかからないけれど、学区が特に設定されておらず、多くの場合には州内に住んでいたり、通学できるエリアに住んでいる人なら幅広く受け入れているという点ですね。

マグネットスクールは公立なので、ここで教えるカリキュラムは、その州の規定に基づいた公立学校の内容となっています。しかし、それだけではありません。マグネットスクールごとに力を入れている分野があり、公立のカリキュラムに加えて力を入れているエリアの少し進んだバラエティ豊かな教育も受けられる、と言う点が大きな特徴です。

現在、アメリカには4,300以上のマグネットスクールがあります。そして、公立学校に通う生徒15人に1人の割合に当たる350万人が、マグネットスクールへ通っています。

2.どうやれば入学できるの?

マグネットスクールの多くは、学区の教育レベルがそれほど高くないエリアに作られている傾向があります。カリキュラムに特別感を出すことで、近隣のエリアで暮らす優秀な生徒へ、より豊かな教育を提供しようという意図があるのかもしれません。

ただし、マグネットスクールは学区制ではなく希望性なので、すぐそばに住んでいるからと言って自動的に入学できるわけではありません。1年ぐらい前から入学申請をし、早い者勝ちなのか審査があるのかは学校によって違いますが、定員になったら申し込みは締め切りとなってしまいます。

だから、どんなに優れた生徒でもタイミングが合わずに入学できなかったという悲劇は、十分に起こります。

3.大学や職業にフォーカスした学校もある

小学校のマグネットスクールでは、主に理科の実験を多くやる、といったレベル程度なのですけれど、ハイスクールになると、マグネットスクールは少人数になって内容も多様化してきます。

例えば、学力重視の進学塾みたいなマグネットスクールでは、入学の際に入試があり、合格しなければ入学できません。そこではACTやSATの対策に力を入れており、大学受験の際には皆さんハイスコアを叩きだしているようです。

また、整備士とかパイロットのような特定の職業に特化したカリキュラムを提供するマグネットスクールもあります。もちろんハイスクールではパイロットになりたい生徒だからと言って、勝手に飛行機に乗せて飛ばせるなんてことは無理ですが、大学受験も視野に入れた特定の職業に就くために必要な知識やスキルを教えてくれるようです。

マグネットスクールは公立の学校なので、高校の単位がそのまま大学の単位となるAPクラスやDual Creditクラス、IBクラスなどもあります。またアメリカのハイスクールに多い「自動車免許の取得」などのクラスも、公立の学校同様に提供されているようですね。

アメリカの学校選びと人種の影響

アメリカでは、住んでいる場所によって小学校から高校までがすべて学区で区切られています。学区が気に入らなくても、親が学区外で仕事をして子供を職場のそばの学校に入れるとか、私立に入れるなどの対策をしない限りは、決められた学区へ子供を通わせなければいけません。

多民族国家なアメリカですが、マイノリティーは同じ人種でコミュニティを作ることが多いですよね。チャイナタウンとかジャパンタウン、リトルイタリーなど、全米にはたくさんのマイノリティコミュニティがあります。そのためエリアごとに線引きされる学区の人種も、どこに住むかによって大きく偏ることは珍しくありません。

目次

  1. どうして学校を選ぶ際に人種を気にしなければいけないのか?
  2. 学校の選び方
  3. まとめ

1.どうして学校を選ぶ際に人種を気にしなければいけないのか?

どうして学校を選ぶ際に、生徒や先生の人種を意識しなければいけないのでしょうか?お前、考えすぎなんじゃねーのか?被害妄想が強すぎるんじゃないのか?なんて罵声が聞こえてきそうですが、これは私の独りよがりな意見ではなく、多くのマイノリティコミュニティでは意識されていることです。

人種を気にしなければいけない理由、それは一つしかありません。

人種差別、もしくは類似する経験で子供が不快な思いをせずに済むように。

というものです。

もちろん、住む場所によっては、そんな贅沢を言っていられないことはあるでしょう。息子の場合にも、アジア人すら皆無という学校に通っていたこともあれば、アジア人がチラホラいる学校に通っていたこともあります。

特定の人種が95%を占めるような学校は、マイノリティとしては避けた方が無難、という声は多いですね。その理由は、やはり学校で不快な経験をするリスクが高くなるから。

必ずしも、マイノリティが少ない学校では人種差別が横行しているというわけではありません。しかし、明らかな差別とかイジメはなくても、その場の空気とか、なぜか空気のような扱いを受けたりするとか、同じことをしても処分が違うとか、また同じテストの点数でも成績が違う、なんて事態が起こるリスクがあることは、理解しておいた方が良いでしょう。

多くの人種差別事例では、周囲は「考えすぎじゃないの?」と言ってしまうような、本人しかわからないようなことがあるものです。本人しか分からないような小さなことだと、子供が何も言わなければ親ですら知ることはできないでしょう。その可能性がゼロではないことは、アメリカで暮らすマイノリティなら多少は理解しておいた方がよいかもしれませんね。

極端な例を挙げると、教室で誰かの消しゴムがなくなったとしましょう。一番最初に疑われるのはマイノリティ、なんてこともこの現代社会の中で残念ながら起こります。

子供の頃にそうした理不尽な経験をすると、心にトラウマ的なダメージを負いかねません。だからこそ、マイノリティの親は、少しでも子供の学習環境をマシなものにしたいと考えるのでしょうね。

2.学校の選び方

人種を考慮した上での学校の選び方は、いくつかあります。

教師とスタッフの人種をチェック

学校の生徒は毎年入れ替わり立ち代わりなので、そこを数えても、あまり意味がないかもしれません。しかし、長く務める教師やスタッフの人種をチェックすることで、その学校がどのぐらい多様性を重視しているかが分かります。

教師とスタッフの人種をチェックする際には、何人働いているという数だけでなく、どんなポジションについているかという点もできればチェックするのがおすすめです。

Advanceクラスにマイノリティがいるか

マイノリティが在籍していても、上級クラスにいないのでは、なんとなくきな臭い感じがしますよね。そうした点に関しても、できれば事前にチェックした上で学校を選びたいものです。

上級クラスにおける人種別統計を見るならこちらから(不快になるので閲覧注意)

停学や退学になった生徒の人種別割合

人種を問わず、よろしくないことをすれば学生は停学や退学の処分を受けます。しかし学校によっては、特定の人種に対しては甘く、別の人種に対しては厳しい処分を課す所も、残念ながらあります。

処分された学生の割合を見るならこちらから(吐き気がするので閲覧注意)

学生の進路

人種の多様性だけで学校を選ぶことに対しては、賛否両論あるでしょう。もちろん、それが何よりも大切という人もいます。しかし中には、人種が偏っていても、子供にとって最高かつ最強の教育環境を与えてくれる学校に行かせたいという親も、もちろんいるわけですね。

その場合には、卒業後の進路をチェックすることも、大切なポイントです。また学校によってAPクラスやDual Creditクラスのラインナップが異なるので、その辺を比較して決めるという方法もアリでしょう。

3.まとめ

子供が楽しい毎日を過ごす場所である学校。学校の選び方によって、子供にとって毎日が楽しくなることもあれば、暗い毎日になってしまうこともあります。子供の学校を選ぶ際には、できれば実際に学校へ足を運び、スタッフの対応や雰囲気などを肌で感じたうえで慎重に決めるのが良いかもしれませんね。

No Child Left Behind政策の真実

アメリカでは、2002年にNo Child Left Behindというプログラムがスタートしました。これは、クリントン政権が行っていた「貧困層の子供にも最低限の教育をうけさせよう」という政策の流れをブッシュ政権が引き継いだもので、2002年に政策の一つとして誕生したのです。

正式な政策となった背景には、世界に台頭する中国の理系力に対して、アメリカの子供たちが圧倒的に負けていたことに対する危惧や懸念がありました。アメリカは世界のナンバーワンなのだから、子供たちが受ける教育もナンバーワンにしようぜ、という意図だったのかもしれません。

目次

  1. 2015年に失効。成果は出たのか?
  2. 国民の完全な勘違い
  3. ワークブックを買うときの注意点

1.2015年に失効。成果は出たのか?

No Child Left Behindは、2002年にスタートして2015年までという期間限定の政策でした。具体的に何をしたのかは公式サイトを見ていただけると分かると思いますが、ざっくり一言でまとめると、

  • 学校で何を教えるかは州でも先生でもなく連邦政府が決める
  • 生徒にきっちり教えることは先生の義務

としました。皆さんもご存じの通り、アメリカは連邦政府が決めることに対して反対する人が多く、州ごとに独自の方法を好む人がたくさんいます。子供に対する教育でも、州とか学区、または先生が自由に何を教えるか決めたらよいだろう!という反発があったようですね。

またアメリカでは、日本のように全国1億人総中流階級というような横並びではなく、貧困層が多い学区もあれば、裕福な学区もあり、同じカリキュラムで同じ成果を出せというのは、現実的にも難しかったようです。

No Child Left Behindについて詳しく知りたい人はこちらから

最初から期間限定の政策だったNo Child Left Behindは、2015年をもって終了となり、現在では「政府じゃなくて州が決めようぜ」という別の政策に生まれ変わっています。

2.国民の完全な勘違い

きっとアメリカに限ったことではないのでしょう。政府が意図する政策には、それぞれ目的とか希望、理想などがあるものですけれど、国民が正確にそれを理解するとは限りません。

我が家では、No Child Left Behindがスタートしてから数年したころに、ちょうど息子がキンダーの年を迎えました。そこから私の長いボランティア生活がスタートし、たくさんの保護者と話をする中で、私はいろいろなことを考えさせられました。

  • 家庭では何もしなくても、学校が子供を天才にしてくれると思い込んでいた親
  • 学校が子供の教育に全責任を負うべきだと考え、宿題を出すなら鉛筆もよこせと先生に迫った親
  • 宿題出したらBehindになる子供が出るぞ、それでもいいのか、宿題やめろ、と先生に迫った親

などがいました。それは変だろアメリカ人。。。という人は多かったですね。

そうした親と関係しているのかどうかは知りませんけれど、先生の中にも「へ?」という人が居たりしました。

  • どういうわけか、数学の授業に民主主義を採用して答えを多数決で決めた先生
  • 「私は離婚したばっかりなので、今年はやる気ゼロです」と宣言した先生
  • 「できません、やりません、クレーム受けません」のポリシーを体現した先生

この親にしてこの教師あり。。。絶望的な気持ちになったこともありましたね。

そんな私に、最も強烈な印象を与えた人がいました。その方は、

「No Child Left Behindは、Leve Everyone Behindのことだ」

と言い切り、学校を相手にせずせっせと家庭での学習に力を入れていました。

当時の私は、まだアメリカでの教育には暗中模索な状態でした。でも私がこれまで経験してきた狭い常識を考えたら、Leave Everyone Behindがなんとなく現実味を帯びていたというか、理にかなっているなという気がしました。

それからは、我が家でも自宅での学習に力を入れるようになりました。

ちなみに、息子様が小学校の時に使っていたワークブックは、本屋とかアマゾンで格安で購入できるアイテムでした。別に難しい教材でなくても学校で習う範囲をしっかり理解できましたし、そこに私の受験経験から得た応用スキルをちょっとだけ試してみる、というスタンスで取り組みました。

3.ワークブックを買うときの注意点

子供は学校からも宿題を持って帰ってきますが、内容がないよ~という事は少なくありません。(※はい、笑う所です)

アマゾンなどで購入できるワークブックは、学校の学習だけじゃ物足りない、親として心配、というときに役立ちます。

いろんなメーカーがいろいろな難易度のワークブックを出しており、超簡単なレベルの問題しか乗っていないブックもあれば、難易度が高いのに問題だけで答えを配布していない教材もあります。そのため、できるだけ内容をチェックしてから買うことをおすすめします。

問題だけ大量に出して答えがないとは何事だ!という声が聞こえてきそうですね。はい。私もそう思いました。Answer Keyと呼ばれる解答集がきちんと同封されたものを選ぶことも、ワークブック選びでは大切なポイントだと思います。

授業中にガム!トイレ!アメリカの学校はやりたい放題?

アメリカは、個性を大切にする国です。それは学校でも同じで、授業中でも子供たちは日本と比べると自由度が高いような気がします。

授業中にガムをクチャクチャ

日本だと、授業中にガムをクチャクチャ噛むなんて、昭和の時代には不良ぐらいしかいませんでした。しかしアメリカでは、授業中のガムが認められています。

息子が小学校3年生ぐらいの時、友達でガムを噛んでいる子を発見しました。一つ分けてもらい授業中にクチャクチャしてみたところ、本人曰く、集中力がアップしたのだそうです。もちろん、本当かどうかは全く不明です。

それに味を占めた彼は、そこからハイスクールを卒業するまで毎日、朝から晩までガムをクチャクチャしまくっていました。先生に怒られないのかと聞いても、誰にも何も言われない、と。友達におすそ分けすることもあり、2日1箱のペースでガムを食べてました。

私は、少しでも息子のガム習慣にプラスの効果を与えたいと思い、キシリトール入りのガムばかりを与えてました。そのためかどうかは知りませんが、彼はガムを卒業するまでは、適当な歯磨きでも虫歯は一本もありませんでした。

小学校高学年でもおやつタイムがある!

これは学校によって千差万別だと思いますが、学校によっては小学校の高学年でもおやつタイムが設けられている所がたくさんあります。息子の場合、小学校高学年の時に通っていた小学校では、授業中に自由におやつを食べてよいシステムとなっていて、各自食べたいおやつを持ってきて、自由に食べていました。授業と並行しながら食べられるおやつに限定されていたものの、お弁当箱みたいな容器を開けてフルーツを食べていたり、ドーナツやマフィンなどを食べる子もいました。

トイレは自由に行き放題!

woman studying inside the classroom

日本の学校では、トイレは授業の間に行かなければいけないというルールがありますよね。授業中に手を挙げてトイレに行きたいといっても、先生に却下されたことが多かったものです。

しかしアメリカでは、トイレは授業中に手を挙げていくシステムとなっている所が多いです。特に小学校では、授業と授業の間の休み時間というものが明確ではなく、あっても移動時間となってしまうため、トイレに行きたい人は、自分のペースで先生に申告して行けるわけです。

クラスによっては、友達同士でトイレに行ったまま帰ってこないという事態を避けるため、1度に行けるのは1人だけというルールを設けている先生もいました。また別の先生はトイレパスなるものを自作して、トイレに行く時にはそのパスを子供に渡していました。

ミドルスクールになると、授業の間は教室の移動時間となるため、のんびりトイレに行く時間はやはりありません。そのためトイレは、やはり授業中に手を挙げて行く子が多いです。

テストが終わったらスマホで遊んでもOK!

日本では、テストの時間内に終了した場合には、見直しをするか、机に突っ伏して寝るかの2択しかないと思います。しかしアメリカでは、テストを終了したら目の前にいる先生へ提出し、残りの時間は静かにしていれば何をしてもOKなことが多いです。もちろん寝ても良いですし、スマホでゲームをしてもOKです。

息子もミドルスクールになってからは、このシステムがとてもお気に入りだったらしく、スマホといっしょにイヤホンを持参していました。イヤホンをうっかり忘れた日には、最悪な機嫌で帰宅することもありましたね。

学年がミックスのクラスがある!

すべての学校にそうしたクラスがあるわけではありません。これは小規模な学校に多いのですが、例えば2年生と3年生とミックスしたクラスなどが、アメリカにはあります。

息子が小学校2年生の時、1年生の生徒数と2年生の生徒数の数が半端だという事で、1年生と2年生を混ぜたクラスが作られました。2つの学年があるからと言って担任が2人になるというわけではなく、一つのクラスの中で、限られた時間の中で、担任の先生が1年生と2年生の両方を教えるというわけです。

1年生にとっては、上の学年の内容も学べるという事で、親は大歓迎でしたね。でも2年生の親は、大反対。だって2年生で学ぶべきところを完全に網羅してもらえないことが分かっていましたから。

カリキュラムという点では、親も子供も満足度はそれほど高くはなかったようです。実際そうしたクラスに入った息子の友人は、不満しかなかったと言っていました。