アメリカでは、2002年にNo Child Left Behindというプログラムがスタートしました。これは、クリントン政権が行っていた「貧困層の子供にも最低限の教育をうけさせよう」という政策の流れをブッシュ政権が引き継いだもので、2002年に政策の一つとして誕生したのです。
正式な政策となった背景には、世界に台頭する中国の理系力に対して、アメリカの子供たちが圧倒的に負けていたことに対する危惧や懸念がありました。アメリカは世界のナンバーワンなのだから、子供たちが受ける教育もナンバーワンにしようぜ、という意図だったのかもしれません。
目次
1.2015年に失効。成果は出たのか?
No Child Left Behindは、2002年にスタートして2015年までという期間限定の政策でした。具体的に何をしたのかは公式サイトを見ていただけると分かると思いますが、ざっくり一言でまとめると、
- 学校で何を教えるかは州でも先生でもなく連邦政府が決める
- 生徒にきっちり教えることは先生の義務
としました。皆さんもご存じの通り、アメリカは連邦政府が決めることに対して反対する人が多く、州ごとに独自の方法を好む人がたくさんいます。子供に対する教育でも、州とか学区、または先生が自由に何を教えるか決めたらよいだろう!という反発があったようですね。
またアメリカでは、日本のように全国1億人総中流階級というような横並びではなく、貧困層が多い学区もあれば、裕福な学区もあり、同じカリキュラムで同じ成果を出せというのは、現実的にも難しかったようです。
No Child Left Behindについて詳しく知りたい人はこちらから
最初から期間限定の政策だったNo Child Left Behindは、2015年をもって終了となり、現在では「政府じゃなくて州が決めようぜ」という別の政策に生まれ変わっています。
2.国民の完全な勘違い
きっとアメリカに限ったことではないのでしょう。政府が意図する政策には、それぞれ目的とか希望、理想などがあるものですけれど、国民が正確にそれを理解するとは限りません。
我が家では、No Child Left Behindがスタートしてから数年したころに、ちょうど息子がキンダーの年を迎えました。そこから私の長いボランティア生活がスタートし、たくさんの保護者と話をする中で、私はいろいろなことを考えさせられました。
- 家庭では何もしなくても、学校が子供を天才にしてくれると思い込んでいた親
- 学校が子供の教育に全責任を負うべきだと考え、宿題を出すなら鉛筆もよこせと先生に迫った親
- 宿題出したらBehindになる子供が出るぞ、それでもいいのか、宿題やめろ、と先生に迫った親
などがいました。それは変だろアメリカ人。。。という人は多かったですね。
そうした親と関係しているのかどうかは知りませんけれど、先生の中にも「へ?」という人が居たりしました。
- どういうわけか、数学の授業に民主主義を採用して答えを多数決で決めた先生
- 「私は離婚したばっかりなので、今年はやる気ゼロです」と宣言した先生
- 「できません、やりません、クレーム受けません」のポリシーを体現した先生
この親にしてこの教師あり。。。絶望的な気持ちになったこともありましたね。
そんな私に、最も強烈な印象を与えた人がいました。その方は、
「No Child Left Behindは、Leve Everyone Behindのことだ」
と言い切り、学校を相手にせずせっせと家庭での学習に力を入れていました。
当時の私は、まだアメリカでの教育には暗中模索な状態でした。でも私がこれまで経験してきた狭い常識を考えたら、Leave Everyone Behindがなんとなく現実味を帯びていたというか、理にかなっているなという気がしました。
それからは、我が家でも自宅での学習に力を入れるようになりました。
ちなみに、息子様が小学校の時に使っていたワークブックは、本屋とかアマゾンで格安で購入できるアイテムでした。別に難しい教材でなくても学校で習う範囲をしっかり理解できましたし、そこに私の受験経験から得た応用スキルをちょっとだけ試してみる、というスタンスで取り組みました。
3.ワークブックを買うときの注意点
子供は学校からも宿題を持って帰ってきますが、内容がないよ~という事は少なくありません。(※はい、笑う所です)
アマゾンなどで購入できるワークブックは、学校の学習だけじゃ物足りない、親として心配、というときに役立ちます。
いろんなメーカーがいろいろな難易度のワークブックを出しており、超簡単なレベルの問題しか乗っていないブックもあれば、難易度が高いのに問題だけで答えを配布していない教材もあります。そのため、できるだけ内容をチェックしてから買うことをおすすめします。
問題だけ大量に出して答えがないとは何事だ!という声が聞こえてきそうですね。はい。私もそう思いました。Answer Keyと呼ばれる解答集がきちんと同封されたものを選ぶことも、ワークブック選びでは大切なポイントだと思います。