アメリカに来たばかりの人、またアメリカ人だけれど初めて社会人になったという人にとっては、健康保険にDeductibleがありますよと言われても、「へ?何それ?」となるのではないでしょうか。
アメリカにはたくさんの健康保険商品やプランがあり、一つの職場でも複数の健康保険商品から選べることが少なくありません。私たちが加入している健康保険は、夫の職場が提供しているものですけれど、10種類ぐらいあり、その中から毎月かかる保険料金などを比較しながら選びました。
目次
1.Deductibleって何?
健康保険のPPOプランを選ぶと、ほとんどの場合にDeductibleというものが設定されています。これは一言でいうなら、
健康保険を使う前に自己負担で支払わなければいけない金額
です。例えば加入した保険が$1,000のDeductibleだったとしましょう。この人が例えば医者に行って$700の請求書を受け取った場合、$700は全額が自己負担となります。
そしてこの人が、別の病院に行って$500の請求書を受け取ったとしましょう。すでにDeductibleで$700を払っているので、クリアしなければいけないDeductible額は残り$300。請求書$500の中から$300が無条件に自己負担となり、残りの$200に対して、保険が適用されます。
ただし、ここで注意したいことは、保険適用=自己負担なし、というわけではないという点ですね。例えばDeductible $1,000の後は80%カバーという保険なら、カバーされる$200のうち、カバーされない20%つまり$40はまたしても自己負担額となってしまいます。
2.Deductibleがついているメリットって何?
Deductibleがついている健康保険は全般的に、Deductible額が高いほど毎月払い込む保険料金が安い傾向にあります。
健康保険には、こうしたDeductibleがなく医者に行くたびにCo-Payと呼ばれる費用を支払うHMOプランもありますが、HMOプランは利用できる医療機関がPPOよりも少ないため、選択肢が少ないという点で毎月の掛け金が若干安めとなっていることが多いです。(でもHMOが必ず安いわけじぇなく、PPOより高いプランもあるので要注意)
自分は健康だしほとんど医者なんて行かないから、毎月の保険料をとにかく安く抑えたいという人にとっては、DeductibleがついているPPOタイプの健康保険を選ぶのが良いかもしれません。
HMO とPPOについてはこちらから
3.Deductibleの注意点
健康保険料を安くするためにDeductibleつきの保険を選ぶ人はたくさんいます。ライフスタイルや家族構成によっては賢い選択だと思いますけれど、いくつか知っておかなければいけない点もあります。
- Deductibleは年々上がっている →一人当たり$5,000なんてものも普通にあります
- Deductibleは毎年リセットされる →加入してからずっと蓄積されるわけではありません
我が家では、息子様が赤ちゃんの時に、Deductibleが設定されていたPPOプランに加入していました。当時はどんなプランがどうだなんて詳しいことは知りませんでしたし、職場でどんなプランがあるのかもよく知らず、おそらく最安のプランを選んだのではないかと予想しています(笑)。
その結果、どんなことが起こったかというと、
- 医者にほとんど行かないので、毎年Deductible内で終わってしまう
- 入院したらやたら高額な請求書が送りつけられてきた
- Deductibleをクリアしてもカバーが良いとは限らない
数年間このプランに加入していたものの、家族全員がやたら健康でほとんど医者にもいかなかったので、行くたびに数百ドルの請求書を受け取り、それが全額自己負担となっていたような気がします。
それから数年が経ち、健康保険を見直した結果、毎月の保険料は数十ドルぐらい高くなるものの、医者に行ってもDeductibleと言われる心配がなく、毎回Co-Payとして$20ぐらいを支払うHMOプランの方がずっと自分たちにはあっていると感じ、切り替えました。
4.健康保険の切り替えはいつでもできるわけじゃない
健康保険の切り替えは、そのプランごとにオープンシーズンと呼ばれる期間が1ヶ月から2か月ほどあり、その期間でなければできません。もっとフレキシブルに対応しろよ!という声が聞こえてきそうですね。はい、私もそう思います。
しかし多くの保険では、毎年10月ぐらいからオープンシーズンに入り、この期間に保険に加入したり切り替えたい人は手続きをしなければいけません。そして新しい保険は1月1日スタート、となることが多いですね。
ただし、例外はあります。例えば転職したとか子供が生まれたとか離婚した、なんていうときには、年の途中でも健康保険を契約したり子供を追加したりできます。
たかが健康保険。されど健康保険。医療費が払えずに堂々と自己破産する人が大量にいるアメリカだからこそ、健康保険は自分のライフスタイルやライフステージにあったものを選ぶことが大切かもしれません。
様々なプランがあるのであれですが、一般的にはHMOの方がPPOより健康保険料は安いですね。何故ならHMOは特定の医療グループ内の医療機関しか保険が使えないので。PPOは使える医療機関が多いです。
PPOでもDeductibleに関係なくCopayが使えるプランも多いですね。
だからdeductible額やout of pocket maximumの額が同じなら普通はPPOの方が毎月の保険料高い。
コメントとご指摘ありがとうございます。確かに一般的にはそうですね。できるだけ正確な情報を提供したいので、さっそくブログに反映させていただきました。今後ともよろしくお願いいたします!