アメリカの公的年金は、ソーシャルセキュリティ年金とよばれています。働いて所得税を納めている人なら、毎年ソーシャルセキュリティオフィスから明細書が発行されるので、現在の経済状況が定年まで続くと公的年金受給額はいくらになるというざっくりとした金額が分かります。
公的年金の計算は自分でもできます。こちらからどうぞ。
目次
1.受給開始年齢によって金額が変わる
ソーシャルセキュリティ年金は、早ければ満62歳から受給ができます。Full Retirement Ageと呼ばれる満額もらえる年齢は生まれた年によって異なるものの、66歳か67歳です。
この年齢よりも早く受給を開始すれば、金額は少なくなりますが、受給開始年齢を遅くすれば、金額はアップします。
それでは、早くもらう場合と遅くもらう場合には、どのぐらいの違いがあるのでしょうか?
仮に62歳から受給する場合、Full Retirement Ageまで待つ場合よりも受給金額は30%程度も少なくなります。
一方、年金受給開始額を70歳まで待つと、受給できる金額はFull Retirement Ageよりも24%程度多くなります。
2.年金受給は待った方が良いのか?
62歳と70歳の間で受給が開始となるソーシャルセキュリティ年金ですが、何歳でもらい始めるのがベストかについては、その世帯ごとに状況は違うので、ひとえに線引きはできません。
しかし、もしも62歳で定年する予定にしているのなら、毎月の受給額が減ったとしても受給を開始したほうが、経済的にメリットとなることは多いでしょう。
もしも62歳で受給を開始した場合、受給額はその少ない金額でロックインされてしまいます。67歳や70歳になったからと言って、計算し直してくれたり、金額をアップしてくれることはありません。ずっと死ぬまで、その金額です。
さらに、配偶者が受け取る配偶者年金の計算にも、その少ない金額を基準として計算されることになります。
例えば、67歳で定年すれば毎月$2,000ドルもらえるはずの人が62歳から受給を開始した場合、もらえるはずの$2,000はペナルティが差し引かれて$1,400程度になるかもしれません。
配偶者年金は、この$1,400を基準に計算します。配偶者がFull Retirement Ageの67歳まで待てば、配偶者が受け取れる金額は半額の$700です。もしも配偶者も62歳から受給を始めたいのなら、この$700からペナルティが差し引かれて、配偶者の受給金額は$500程度となります。
3.年金を受け取りながら働くことはOK?
公的年金を受け取っていたら、他に仕事をしてはいけないという法律はありません。公的年金だけでは生活が成り立たない人は多く、年金を受給しながら働いているという人も数多くいます。
働くこと自体は問題ないのですが、公的年金を受給しながら働くと、その労働収入に対してペナルティがかかる点は、あらかじめ理解しなければいけません。
例えば、労働収入が年間で$21,240(2023年度)を超えると、超えた分$2ドルに対して$1ドルが公的年金から差し引かれます。つまり、$21,240以上稼ぐと、超えた分は半分がなかったことになるわけです。
高齢者の収入からふんだくるなんて、何事だ!!
という罵声が聞こえてきそうですね。しかしこれはルールなので、誰にも止めることはできませんし、抗議とか交渉をしても無駄です。
そのため、年金を受給しながら働くなら、年収が$21,240以下になるように調整することを強くお勧めします。
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