アスリート必見!奨学金獲得の戦略

将来はプロになりたい、だからこそ、大学は本場のアメリカへ留学したい!または、大学はスポーツ奨学金で行きたい!と考えているヤングなアスリートは多いのではないでしょうか。アメリカの大学には、さまざまな奨学金制度があり、アスリートももちろん対象となっています。しかし、方法やプロセスは意外とややこしく、「分からない」と思っているうちに受験が終わってしまうことも。

目次

  1. アスリート奨学金(Athletic Scholarship)とは?
  2. アスリート奨学金の獲得方法
  3. 大学のコーチに高校の実績をアピールする方法
  4. ハイライト動画の作り方
  5. スカウトから入学までの流れ
american football playing

1.アスリート奨学金とは?

大学のスポーツチームは、大学の規模によってDivisionに分類されています。

大学の規模アスリート奨学金
Division I (D1)大(大学院を併設するような、数万人規模の学生がいる大学に多いFull Rideのみ
Division 2 (D2)中(学生数が数千人程度の学校に多い)Partial
Division 3 (D3)小(小規模な私立大学が多い)なし

このうち、アスリートという区分で奨学金が支給されるのは、D1とD2のみとなります。D1はアスリート奨学金はFull Ride(全額無料)のみとなっているので、D1のスポーツでスカウトされて入学する学生は、学費も寮費も、教科書代も、全て無料となります。

D2のアスリート奨学金は、Partial、つまり全額無料ではないけれど一部が無料になるというものです。いくら無料になるかはケースバイケースで、半額だけ無料という人もいれば、もう少し少ない学生もいます。

D3については、アスリート奨学金はありません。しかし、D3の大学にもスポーツチームはあり、スカウトによって入部します。アスリートという枠での奨学金はないものの、D3は資金が潤沢な私立大学が多いので、Financial Aidが充実しているとか、施設や設備、サービスにお金をかけてくれているという魅力があります。

2.アスリート奨学金の獲得方法

アスリート奨学金は、大学のコーチからのスカウトによって決まります。例えばD1の場合には、大学ごとにFull Rideの奨学金の枠が100人程度と決まっており、その枠内でしか与えることはできません。規模が大きな大学のスポーツは、試合がテレビ中継されるなど、メディアへの露出も抜群です。そのため、奨学金がなくてもぜひチームに入れてほしいという人は多く、チームに所属しているメンバー全員がアスリート奨学金を受けているというわけではありません。

アスリート奨学金を受けるためには、高校の時に大学のコーチからスカウトしてもらうことが必要です。もちろん、それが唯一の条件というわけではありません。中には、大学へ入学してからWalk-onという形で入部を希望し、才能が認められたらFull Rideの奨学金をコーチからオファーしてもらえる、というケースもあります。

一方、D1のアスリート奨学金は、無慈悲な部分もあります。この奨学金は、入学してから卒業までの全期間を保証するものではなく、毎年、見直しがあります。そのため、大学1年生の時には奨学金をもらえたけれど、2年目にはなくなった、というケースもあります。

アスリート奨学金がなくなったら、学生はどうなるのでしょうか?答えは簡単。学費や寮費の支払義務が発生します。もしも諸事情で支払えないとなると、履修ができずに退学という事態にもなりかねません。

そうならないためには、アスリート奨学金を狙うとはいえ、最悪の場合も念頭に入れて、学費を払える大学を選ぶということも、必要な対策かもしれませんね。

もしケガでスポーツを辞めたら、どうなる?

大学のスポーツは、ケガで退部する人もいれば、プレータイムがあまりないという不満を抱えて退部する人もいます。また、少数派だとは思いますが、コーチからのセクハラや嫌がらせなどで退部するケースも、ちらほらと聞きます。

どのような理由で退部する場合でも、スポーツを辞めたからと言って大学も退学する必要はありません。スポーツをすることを条件に入学しているわけではないので、スポーツの有無と在学資格の有無とは完全に別物です。

3.大学のコーチに高校での実績をアピールする方法

真剣にスポーツをする高校生は、全米に数えきれないほどいます。そして、若い才能が欲しいと考える大学も、全米にたくさんあります。このマッチングは、どのようにして行うのでしょうか?日本からアメリカへスポーツ留学を希望する人はもちろんのこと、アメリカの高校でスポーツで頑張っている人にとっても、これは興味関心がある所だと思います。

おすすめはNCSA

私の息子も、頑張っていたフットボールで大学からスカウトを受けました。プロになるつもりはなかったのですが、大学でもフットボールを頑張りたいという希望もあり、試行錯誤しながらアスリート奨学金のプロセスを研究しました。

アメリカのハイスクールでスポーツをしていて、大学でもスポーツを続けたいという子は、まず最初にNCSAへ登録することがマストです。

NCSAというのは、アメリカの大学と高校生をマッチングするサービスで、全米の大学が利用しています。スポーツごとに分かれていて、データベース化されています。

NCSAのサービスでは、高校1年生から登録ができ、高校在学期間中の試合のハイライトをアップロードできます。それを大学のコーチが見て、ピンと来たら連絡をもらえるという仕組みになっています。

NCSAは、有料のサービスです。料金を払えば、自分が住んでいる地域や州だけでなく、遠く離れた州にある大学から声がかかることもあります。

ちなみにこのNCSAのサービス利用にかかる料金ですが、最低料金だと100ドル程度だと聞いたことがあります。我が家は、見事なセールストークに飲み込まれてしまい、$2500も払いました。最終的にはNCSAで見つけた大学からスカウトを受け、そこへ進学することになったので、元が取れたとは言えますが。

地元のコーチが声をかけてくれることも

アメリカのハイスクールスポーツは、ローカルテレビなどでも放送されます。そのため、地元で活躍するアスリートは、テレビで知名度が高くなり、地元の大学から声がかかることもあります。

ただし、大学側にとっては、生徒が地元にいるからという理由でのスカウトは、基本的にほぼ考えていないことが多いです。地元にたくさんアスリートがいても、その大学が欲しいと思えなければ、声がかかることは残念ながらありません。

チャンスは必ずやってくる

もしも経済的にNCSAへの登録が難しい場合、また地元のコーチに全く声をかけてもらえなくても、あきらめてはいけません。高校のjunior 後の夏休みには、大学が一斉にスカウトに動き始めます。

大学ごとに、公式ページで、リクルート希望者を募ります。既に大学から声をかけてもらっている場合でも、そうでない場合でも、このフォームに記入することで、スカウト希望者への正式なエントリーとみなされます。

ここエントリーシートには、SATやGPAなど学業面での情報に加えて、Hudlのリンクもしくは動画クリップをアップロードできるような内容となっています。コーチはこのシートを見ながら、誰をスカウトすべきかの作戦会議をするわけですね。

遠方の場合には、実際に大学が主催するキャンプへ参加して直接コーチとコミュニケーションを取ることが難しいかもしれません。その時のために、高校時代の試合のハイライトは、自身で動画編集をしてキープしておきましょう。

3.ハイライト動画の作り方

多くのハイスクールでは、試合の様子を録画撮影しています。例えば、私の息子がやっていたフットボールでは、Hudlというソフトがあり、そこにプレーごとに細かい動画として録画されていました。こうしたソフトがない場合には、いつどこで名プレーをするか分かりませんから、親か友人などにお願いして、試合の様子を、全録画してもらうことをおすすめします。

録画する際には、自分のアップではなく、できればフィールドの半分ぐらいが写る距離感がおすすめです。大学のコーチとしては、アスリートの表情を見たいわけではなく、試合全体の様子の中で、そのアスリートがどんなプレーをしたのかという全体像を把握したいのです。

ぜひ大学のコーチに見てもらいたいという動画を見つけたら、次はいよいよ編集です。複数の動画をつなげて1つにまとめるのが基本ですが、

  • 音はナシ。お気に入りのミュージックをBGMにするのはNGです。
  • 動画は長くても2分以内に収める事。大学のコーチは忙しいので、長編を作っても見てもらえません。
  • ベストなプレーを最初に持ってくること。2番目にベストなプレーは2番目に。忙しいコーチは、最初の数プレーを見るだけで、だいたいの学生の才能レベルが分かります。
  • チームスポーツの場合には、自分に〇とか矢印を付けて、どれが自分かを分かりやすく工夫しましょう。背番号だけを伝えても、大勢いる中で見つけることは大変です。

こちらは、私の息子のSophomore/Juniorの頃のハイライト動画です。ご参考までに。

ちなみにNCSAにアップロードするクリップは、このようにまとめたものではなく、一つ一つのプレーごとに異なるアップロード動画となっています。それを、大学のコーチが見てくれるという仕組みですね。

5.スカウトから入学までの流れ

スカウトから入学までの流れを、ザックリと説明しますね。

~ハイスクールJuniorの春

ここまでの時期は、大学のコーチが高校生をスカウトする時期です。声をかけて会話をし、「ぜひうちにおいでよ!」的なセールストークをします。ここでスカウトされても、正式なものではないため、1つの大学に絞る必要はありません。種まきは、多いほど良いのです。

この時期にしておくこと

  • SATを受けてスコアをゲットしておく。
  • とにかくGPAは高く維持する。
  • コーチに見てもらう動画クリップの準備。

ハイスクールJunior4月~5月

大学のコーチから、より詳細なお知らせが入るようになります。

  • 夏に主催するキャンプに参加しないかというお誘い→参加したほうが良いです
  • リクルート希望のためのフォームへの記入を促される →オンラインで自主的に見つけることもできます

この時期にすること

  • 夏のキャンプ計画。移動や宿泊の手配も。
  • 候補になる大学は全て、オンラインでリクルートフォームに記入しておくこと。

JuniorとSeniorの間の夏休み

Campの様子

この時期は、アスリート奨学金を狙う人にとっては、とても忙しい時期となります。まず、進学しようかなと考えている大学が主催するキャンプには、できるだけ時間を作って参加しましょう。中には、飛行機で移動しなければいけない大学もあるかもしれませんが、価値はあると思います。

夏休みに入ると、コーチから学業成績についてチェックが入ります。

  • SATスコア(ACTでも可)
  • Report Card(Juniorまでの成績が掲載されているもの)

大学によっては、文武両立でなければ入学できないこともあり、そこから先のリクルートのプロセスを進めて良いかどうかを、ここでコーチが判断します。

もしも大学が求める学力基準に満たなければ、残念ながらコーチからの連絡はここで途絶えます。

また、大学への出願プロセスは、8月1日に解禁となります。早い人なら8月中に願書を提出し、9月には結果を受け取ることもできます。ちなみに、我が家は8月中旬に全ての書類が揃ったので出願しました。

大学の仕組みや出願方法については、こちらから

SATについてはこちらから

この時期にしておくこと

  • キャンプへの参加
  • 大学へ出願準備。エッセイなどがあり、結構時間がかかります。
  • 高校の先生へ推薦状の依頼

アスリートはEarly Actionが原則

9月に入ると、いよいよ出願が本格化します。出願形態には、Early DecisionやEarly Action、Regular Decisionがありますが、コーチからは、基本的には第1位志望の大学ならEarly Decisionでの出願を勧められます。Early Decisionがない大学では、Early Actionを勧められます。

その理由は、倍率が低いからです。できるだけ合格しやすい条件で出願することで、自分にとってもコーチにとってもウィンウィンとなるわけですね。

コーチは合否に影響がある?

D1は、もしかしたらコーチが学生の合否に多大な影響を及ぼしているかもしれません。しかし、アスリート奨学金がないD3では、コーチは大学の合否には全く影響がありません。

息子は気に入った大学へEarly Decisionで願書を出しました。その大学では合格発表が一斉に行われたのですが、合格発表された時間から15分経った頃に、コーチから結果を知りたいと連絡がありました。おそらくそれで、アスリートを何人確保できたのかをカウントするのだと思います。

以下は、アメリカのハイスクールのフットボールをテーマにした作品です。もちろんフィクションですが、内容がリアルすぎて、ドキュメンタリーやノンフィクションだといわれても、私は信じますね。

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高すぎる大学費用!安くする方法とは?

世界中を見ても、アメリカほど大学の学費が高額な国はありません。高額な私立大学になると、年間の学費が8万ドルを超えるところもあり、4年間通うと、ちょっとした家が1軒建つと言っても過言ではありません。

しかしアメリカには、学費がとてもリーズナブルな、良心的な大学もあります。

目次

  1. 学費が安い州立大学はココ
  2. 学費を安くすることはできる?
  3. 高い学費はどうやって払えばよい?

1.学費が安い大学はココ

既にアメリカで暮らしている人なら、住んでいる州の州立大学をチェックすることから始めると良いでしょう。私立大学よりも学費がリーズナブルな大学が多いですし、中には州内で暮らす生徒には学費を優遇する制度があったりします。

州立大学の場合(IN-State)

大学名ロケーション学費
Bridgewater State Universityマサチューセッツ州$910
Framingham State Universityマサチューセッツ州$970
University of North Carolina at Pembrokeノースカロライナ州$1,000
Elizabeth City State Universityノースカロライナ州$1,000
Dine Collegeアリゾナ州$1,320
Gulf Coast State Collegeフロリダ州$1,750
CollegeCalcより

州立大学では、その州で暮らす生徒が対象となるIn State Tuition の方が、州外からやってくるOut of State Tuitionよりも、圧倒的に安くなります。In State Tuition の対象になるかどうかは、各州によって居住年数などの条件があり、1年その州で暮らせばOKという州もあれば、過去3年暮らせばOKという州もあります。

年間の学費が$1,000程度と驚愕的なレベルでリーズナブルな大学が多いのは、主にマサチューセッツ州ノースカロライナ州です。

このIn State Tuitionは、残念ながら日本からの留学生には適用となりません。もしも州立大学を留学先として選ぶなら、学費はOut of Tuitionの金額を参考にすると良いでしょう。

州立の場合(Out of State)

大学名ロケーション学費
Minot State Universityノースダコタ州$6,810
Alcom State Universityミズーリ州$6,888
Central State Universityオハイオ州$8,096
University of Texas of the Permian Basinテキサス州$8,274
Southwest Minnesota State Universityミネソタ州$8,338

州立大学の中には、州内も州外も学費は一律となっている良心的な大学もあります。その場合には、Out of Stateの学生でもリーズナブルな学費で通えそうです。

私立大学の場合

大学名ロケーション学費
Brigham Young Universityユタ州$6,120
Stillman Collegeアラバマ州$11,025
National Louis Universityイリノイ州$11,325
Tougaloo Collegeミズーリ州$11,398
Wilmington Universityデラウェア州$11,750
Willey Collegeテキサス州$12,500

どこに住んでいようと、州内と州外、そして留学生でも学費に大きな差がないのは、私立大学です。その中でも特に、ユタ州にあるBrigham Young Universityは学費が安いことで人気があります。またこの大学は、モルモン教徒が多く入学する大学としても知られています。日本からの留学生も比較的おおいので、リーズナブルにアメリカ留学したい人にとっては、ぜひ検討したい大学と言えるでしょう。

2.学費を安くすることはできる?

アメリカの大学は、全般的に高額です。自宅のすぐそばにリーズナブルな学費で学びたい専攻のある大学が運よくあればよいのですが、必ずしもそういうわけにはいきません。学びたいことで大学を選んだら、びっくりするほど学費が高くなってしまうということの方が多いのではないでしょうか。

そんな高額すぎるアメリカの大学費用は、いくつかの方法で安くすることができます。

Financial Aid( ファイナンシャルエイド)

アメリカの大学に通うほとんどの生徒は、このファイナンシャルエイド制度を利用しています。これは、親の収入に応じて学費がディスカウントされるという制度で、世帯収入が多い親を持つ生徒ほど、支払うべき学費は高くなります。

学費の事情についてはこちらから

Scholarship(スカラーシップ:奨学金)

これは、秀でた成績優秀者に提供されるもので、基本的には貸与ではなく賞与です。日本の大学で奨学金というと、一般的には貸与で、卒業後には返済義務が生じますよね。しかしアメリカの奨学金は賞与なので、返済の義務はありません。ちなみに返済が必要なものはローンと呼ばれていて、区別しやすくなっています。

奨学金は一般的に、提供する機関から大学へ直接支払われます。そのため、生徒の口座に振り込まれることはありません。

Grant(グラント)

返済不要な賞与タイプの奨学金とよく似ていますが、Grantは、生徒が直接現金で受け取れるタイプの奨学金です。学費のために使うことは義務付けられていますが、授業料(Tuition)に使わなければいけないというルールはなく、寮費や教科書代などに充ててもOKです。

3.高い学費はどうやって払えばよい?

アメリカでの大学費用を支払う方法は、いくつかの選択肢があります。

公的な教育ローンを活用する

まず最初に検討したいのは、Subsidized Loanと呼ばれる公的機関からの教育ローンです。大学院は対象外となりますが、年次によって年間$3,500~$7,500を借り入れることができます。

借り入れ額の上限
大学1年目$5,500/y
大学2年目$6,500/y
大学3年目$7,500/y
大学4年目$7,500/y

Subsidized Loanのメリットは、

  • 民間のローン商品よりも低金利で借りられる
  • 返済方法を選べる
  • 10年間遅延なく返済することで、その後の返済が免除になる可能性アリ
  • 世帯収入に関係なく借りられる(大学経由で申請するため)

です。

民間の教育ローンを借りる

公的な教育ローンだけでは、十分に学費を賄えない場合には、民間の金融機関から提供されている教育ローンを利用することもできます。この場合、親が保証人となれば、低金利で借りられますが、保証人を付けなくても借りることは可能です。ただしその場合には、金利の面で割高となってしまうため、注意しなければいけません。

多くの教育ローンでは、学費や寮費など卒業に必要なコストを100%カバーしています。そのため、あちこちから複数の教育ローンを利用しなければいけない人は少なく、一つのローンでまとまった資金を借りるのが一般的です。

ただし、まとまった金額を借り入れると、低金利の教育ローンでも返済は大変です。借りる際には、返済計画も考え、できるだけ低金利で借りられるローン商品を選ぶことをおすすめします。

親が家を担保にして学費を工面

アメリカでは、所有している家を担保にお金を借りるHome Equity Loanという借り方も多いです。自宅を所有している人だけが利用できる借り方ですが、子供本人に多額のローンを負わせる必要がないという点で人気があります。

また近年では、親が自宅のローンをリファイナンスすることで学費分を捻出するという支払い方法も増えています。自宅の価値が、住宅ローンの残高よりも高ければ、その差額を上限としてリファイナンスの際に現金を引き出すことができます。

FAFSAを使った学費の削減方法

アメリカの大学は、学費が世界1高いと言われています。CollegeBoardの調査によると、アメリカの州立大学では、年間にかかる平均の学費は$22,000(約220万円)とも言われていて、その上昇は現在でも右肩上がりに続いています。

アイビーリーグのような私立名門大学となると、年間にかかる学費は、なんと$70,000~$80,000。日本円にすると、年間で1000万円近くの学費を、4年間も払わなければいけないことになります。

このアメリカの大学にかかる学費は、さまざまな点で日本と大きく異なります。

目次

  1. アメリカの学費は大学によって異なる
  2. 同じ大学でも世帯によって学費は違う?
  3. FAFSAとは?
  4. 我が家のContributionはいくら?
  5. EFC=支払う学費?
  6. EFCが考慮されないケースもある
  7. FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!
  8. FAFSAをファイルするメリットとデメリット
  9. EFCケーススタディ

1.アメリカの学費は大学によって異なる

アメリカの大学は、それぞれ学費は異なります。これは、日本でも同じですね。同じ学部を専攻しても、学費が高い大学もあれば、リーズナブルな大学もあり、それぞれの世帯の懐事情によって、払える大学を選ぶわけです。

これは、アメリカの大学でも同じです。一般的には、州立大学は私立大学よりも学費がリーズナブルだと言われていますが、州立大学なら絶対に安い、なんてことはありません。年間にかかる学費が1万ドル以下のリーズナブルな大学がある一方で、州立なのに年間の学費が3万ドルという大学もあります。

私立は、全般的に学費は高くなります。奨学金などを一切含まない学費だけを見ると、年間の学費が7万ドルという大学も珍しくありませんし、平均すると約4万ドルぐらいになります。これ、4年間にかかる学費ではありません。1年間にかかる学費です。

アメリカの大学は、基本的に全寮制です。しかし、自宅がすぐそばにあり、通学したいと希望すれば、2年目からは通学が認められるケースが少なくありません。学費の計算には、Tuitionと呼ばれる授業料に加え、Room&Boardと呼ばれる寮費と食費などがあります。ザックリとした平均をまとめると、

コミュニティカレッジ州立(In-State)州立(Out of State)私立大
Tuition39万円110万円283万円384万円
Room&Boardなし120万円120万円145万円
年間の合計39万円230万円403万円529万円

となります。

コミュニティカレッジは、2年制の大学で、社会人の受け入れもしています。基本的に寮はなく、自宅から通学するのが一般的です。

州立大学においては、自宅が州内にあるのか州外にあるかによって、学費が大きく変わります。学費を少しでも安く抑えたい場合には、州内にある州立大学を見つけるのが得策です。

私立大学の場合には、州内や州外という要素は、学費においては関係ありません。自宅がすぐそばにある場合には、2年目から通学することによって寮費を節約することは可能ですが、それでも授業料が高いため、全体にかかる学費は高くなります。

2. 同じ大学でも世帯ごとに学費が違う?

アメリカの大学には、日本と異なる大きな特徴があります。それは、同じ大学でも、支払う学費は世帯ごとに大きく違うという点です。

アメリカには、貸与ではなく賞与タイプ(返済不要)な奨学金があります。奨学金を全く利用せずに、年間数万ドルの学費を払う富裕層も、もちろんいますが、庶民を自負する世帯の大半は、奨学金の対象となります。そのため、高額な学費を全額まるまる払う世帯は、それほど多くありません。

実際に学費がいくらになるかという点については、大学から合格通知を受け取る際に、Finaicial Aid Packageとして通知されます。これが、初年度の自己負担分となります。Financial Aid Packageは世帯の収入によって計算されるため、同じ大学に通う生徒でも、学費を年間1万ドル払う生徒もいれば、8万ドル払っているという生徒もいますし、貧困世帯になると学費は年間500ドル、というケースもあります。

実際に自分がいくらのFinancial Aidをもらえるかという点については、毎年10月1日~始まるFAFSAという手続きをすることで、州立大学の場合にはおおよその学費の目安が分かります。

3.FAFSAとは?

FAFSAとは、アメリカに存在する州立・私立の大学すべてが利用しているファイナンシャルエイド制度のことで、US Department of Educationが管理しています。

Free Application for Federal Student Aidを略しています。アメリカ国民を対象とした公的な制度なので、日本からの留学生は、残念ながら対象にはならない可能性が高いですね。

アメリカにある州立および私立の大学で、奨学金制度を利用する際には、かならずFAFSAを事前にファイルしておかなければいけません。この手続きはすべてオンラインで行うのが特徴で、主に世帯の収入や資産についての質問をされます。20分ぐらいに及ぶ質問を終えて情報を送信すると、FAFSA独自の計算に基づいて、EFCという世帯負担額が計算されます。

EFCとは、大学の費用で親が負担してくださいね、という自己負担分のことですね。必ずしも、どの大学でもEFC通りというわけではありませんが、大学ごとに「それなりに」参考にはしてくれるようですね。

FAFSAの記入方法についてはこちらから

FAFSAに影響を与える要素とは?

  • 家族構成(子供が何人いるか)
  • 同時期に大学生となる子供は何人いるか
  • 世帯の収入
  • 住居形態(賃貸か所有か)
  • 住宅ローンの有無
  • 預貯金の額
  • その他の収入
  • 過去に低所得世帯として公的な制度を利用したことがあるか

などがあります。都市伝説では、FAFSAをできるだけ少なくするために、預貯金を親族名義に移し、仕事も止めて無職になる人もいる、なんて話がありますが、実際にそこまでしている人は見たことも聞いたこともありません。それに、FAFSAは毎年ランダムもしくは疑わしい人を調査しており、調査が入ると国税局などと連携して預貯金や収入などが調べられます。そして、虚偽の申請、または悪質なケースと認定されると、その世帯ではFAFSAを利用できなくなってしまいます。

4.我が家のContributionはいくら?

FAFSAをファイルすると、その場でEFCが計算されます。預貯金が多い世帯や、高収入の世帯では、金額が上がるごとにEFCは急激に上昇していきます。

世帯の年間所得EFC
-$35,000$1,871
-$40,000$2,733
-$50,000$4,004
-$60,000$6,015
-$70,000$8,708
-$80,000$12,202
-$90,000$15,697
-$100,000$18,731
-$110,000$21,756
-$150,000$33,967
-$200,000$49,598

表を見ていただくと分かりますが、低所得世帯は、学費もリーズナブルな設定となっています。しかし所得が上がれば上がるほど、学費がどんどん高くなり、年収1000万円を超えるあたりからは、驚くほど急カーブで上昇していきます。

自身のEFCを計算したい人はこちらから

5.EFC=支払う学費?

FAFSAを使ってEFCを計算しても、残念ながらそれが各世帯が負担することになる学費というわけではありません。

Student LoanやWork Studyが加算

大学から送られてくる学費の詳細な計算を見ると、多くの人はびっくりします。なぜなら、EFCの上に、更にStudent LoanやWork Studyなどの項目が加算されていて、自分たちが考えていた 学費より、約100万円程度多くなっていることが多いからです。

Student Loanとは?

Student Loanとは、親が負担する学費とは別に、生徒自身が教育ローンを組みましょうという金額です。大学によって差はありますが、年間当たり4000ドル~5,000ドル程度に設定されていることが多いですね。

この金額は、もしも生徒が教育ローンを申請したら、きっとこのぐらいの金額は認められるでしょうという目安です。Subsidized Loanと呼ばれる公的なローンを利用しても良いですし、民間のローンを利用してもOK。ローンを利用しないという選択をしても問題ありません。

もしも、ローンを利用しないという選択をしたら、このStudent Loanの金額は、そのまま世帯の負担となります。

Work Studyとは?

Work Studyとは、生徒が在学中にキャンパス内でアルバイトをして稼げるであろう金額です。こちらも大学によって多少の誤差はありますが、年間で4000ドル~5000ドル程度が見込まれていることが多いですね。

ただし、Work Studyをするから学費を安くしてもらえるというわけではありません。キャンパスで学生がアルバイトをしても、そのアルバイト代は学生へ直接支払われます。もしも学費に充てるなら、個人的にやってくださいね、という意味です。

また、キャンパス内のアルバイトは、確かにいろいろなお仕事があります。しかし、必ずしもアルバイトできるわけではありませんし、世帯の収入によっては、働きたいけれど働けないという状況にもなりかねません。

6.EFCが考慮されないケースもある

毎年10月にFAFSAをファイルし、ザックリとしたEFCを計算したからと言って、安心してはいけません。大学の多くは、EFCを考慮した学費計算をしてくれますが、必ずしもそうとは限りません。

世帯のEFCが2万ドルなのに、学校からの請求を見たら学費が4万ドルだった!なんてことも珍しくありません。

その背景には、アメリカの教育機関はビジネスである、というシビアな現実があります。

アメリカの大学へ願書を出した場合、大学にとっては「喉から手が出るほど欲しい生徒」がいる一方で「入学は認めたけれど、来ても来なくてもどちらでも良い生徒」もいるわけです。優秀な生徒に対しては、なんとかして来てもらおうと営業努力をし、学費を徹底的に下げてきます。奨学金によって学費が全額免除になるケースもあります。

しかし来ても来なくてもどちらでも良い平均的な生徒なら、そこまでの営業努力をする必要はありません。少しぐらい学費を高めにしても、その生徒が来たいと思えば払うでしょうし、払いたくないから来ないという選択をしても、大学にとってはそれほどの痛手ではないでしょう。

そう。アメリカの大学はビジネスなのです。

7.FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!

FAFSAは、アメリカの大学に在学している期間中は、毎年ファイルしなければいけません。その度に、最新のTax情報を使ってファイルするわけですが、在学期間中には、世帯ごとに様々なライフイベントが起こるかもしれません。

例えば、お父さんが昇進してお給料がアップしたとか、家を購入する際にリタイアメントの貯金を崩して頭金にしたとか、また転勤をした、ということもあります。そうしたライフイベントによって収入が変わると、当然ですがFAFSAによって計算するEFCも変わります。今年の学費は1万ドルだったけれど、来年は2万ドルになる、なんてことも十分に起こりえます。

日本からの留学生の場合には、FAFASは直接影響がありません。そのため、収入がアップしても学費が上がることはないでしょう。なぜなら、もともとFinancial Aidを使わない大学側が提示する金額をそのまま支払っているからです。

しかしアメリカで暮らす人は、世帯のライフイベントによって学費が変わるという点を理解した上で、大学選びをしたいものです。

8.FAFSAをファイルするメリットとデメリット

大学に進学するなら、プロセスの一つとしてFAFSAをファイルする、という世帯は多いものです。しかし、メリットとデメリットを考えたことはありますか?

FAFSAをファイルするメリット

  • 大学の学費を安くできる
  • 公的な教育ローン(Subsidized loan)に申し込める

FAFSAをファイルするデメリット

  • 万が一の有事においては徴兵される
  • 世帯の収入によってはファイルしてもファイナンシャルエイドが対象外
  • 学費負担分がEFC以上になることが多い
  • 州立大学のOut of Stateでは、EFCよりも高額な学費になる

9.EFCケーススタディ

よりファイナンシャルエイドの仕組みを理解しやすくするために、いくつかのケーススタディをご紹介しましょう。

ケース1:大学が提示する学費がEFCより低い場合

  • 大学の学費:年間$10,000
  • 世帯のEFC:$15,000

この場合には、世帯のEFCが大学が定める学費よりも大きいため、学費$10,000を全額支払うことになります。

ケース2:大学が提示する学費がEFCより高い場合

  • 大学の学費 年間$40,000
  • 世帯のEFC $7,000

この場合には、学費の自己負担は$7,000と$40,000の間になりますね。多くの場合、大学が定めるStudent LoanやWork Studyなどの分が上乗せされ、負担する学費は$17,000~$25,000程度が多いのではないでしょうか。

ケース3:In-State$25,000、Out of State$45,000の州立大学の場合

州立大学の中には、州内に自宅がある(親が住んでいる)In-Stateステータスと、州外に自宅があるOut of Stateとで、異なる学費を提示することがあります。この場合、自分がIn-Stateの場合には、負担する学費の上限は$25,000となりますが、Out of Stateになると、上限は$45,000と高くなります。

アメリカの大学費用事情!人によって学費は違うシビアな世界!

アメリカの大学は、学費が世界1高いと言われています。CollegeBoardの調査によると、アメリカの州立大学では、年間にかかる平均の学費は$22,000(約220万円)とも言われていて、その上昇は現在でも右肩上がりに続いています。

アイビーリーグのような私立名門大学となると、年間にかかる学費は、なんと$70,000~$80,000。日本円にすると、年間で1000万円近くの学費を、4年間も払わなければいけないことになります。

このアメリカの大学にかかる学費は、さまざまな点で日本と大きく異なります。

目次

  1. アメリカの学費は大学によって異なる
  2. 同じ大学でも世帯によって学費は違う?
  3. FAFSAとは?
    • FAFSAに影響を与える要素とは?
  4. 我が家のContributionはいくら?
  5. EFC=支払う学費?
    • Student LoanやWork Studyが加算
  6. EFCが考慮されないケースもある
  7. FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!
  8. FAFSAをファイルするメリットとデメリット
  9. EFCケーススタディ

1.アメリカの学費は大学によって異なる

アメリカの大学は、それぞれ学費は異なります。これは、日本でも同じですね。同じ学部を専攻しても、学費が高い大学もあれば、リーズナブルな大学もあり、それぞれの世帯の懐事情によって、払える大学を選ぶわけです。

これは、アメリカの大学でも同じです。一般的には、州立大学は私立大学よりも学費がリーズナブルだと言われていますが、州立大学なら絶対に安い、なんてことはありません。年間にかかる学費が1万ドル以下のリーズナブルな大学がある一方で、州立なのに年間の学費が3万ドルという大学もあります。

私立は、全般的に学費は高くなります。奨学金などを一切含まない学費だけを見ると、年間の学費が7万ドルという大学も珍しくありませんし、平均すると約4万ドルぐらいになります。これ、4年間にかかる学費ではありません。1年間にかかる学費です。

アメリカの大学は、基本的に全寮制です。しかし、自宅がすぐそばにあり、通学したいと希望すれば、2年目からは通学が認められるケースが少なくありません。学費の計算には、Tuitionと呼ばれる授業料に加え、Room&Boardと呼ばれる寮費と食費などがあります。ザックリとした平均をまとめると、

コミュニティカレッジ州立(In-State)州立(Out of State)私立大
Tuition$3,500$10,000$26,000$36,000
Room&Boardなし$12,000$12,000$13,000
年間の合計$3,500$22,000$38,000$49,000

となります。

コミュニティカレッジは、2年制の大学で、社会人の受け入れもしています。基本的に寮はなく、自宅から通学するのが一般的です。

州立大学においては、自宅が州内にあるのか州外にあるかによって、学費が大きく変わります。学費を少しでも安く抑えたい場合には、州内にある州立大学を見つけるのが得策です。

私立大学の場合には、州内や州外という要素は、学費においては関係ありません。自宅がすぐそばにある場合には、2年目から通学することによって寮費を節約することは可能ですが、それでも授業料が高いため、全体にかかる学費は高くなります。

2. 同じ大学でも世帯ごとに学費が違う?

アメリカの大学には、日本と異なる大きな特徴があります。それは、同じ大学でも、支払う学費は世帯ごとに大きく違うという点です。

アメリカには、貸与ではなく賞与タイプ(返済不要)な奨学金があります。奨学金を全く利用せずに、年間数万ドルの学費を払う富裕層も、もちろんいますが、庶民を自負する世帯の大半は、奨学金の対象となります。そのため、高額な学費を全額まるまる払う世帯は、それほど多くありません。

実際に学費がいくらになるかという点については、大学から合格通知を受け取る際に、Finaicial Aid Packageとして通知されます。これが、初年度の自己負担分となります。Financial Aid Packageは世帯の収入によって計算されるため、同じ大学に通う生徒でも、学費を年間1万ドル払う生徒もいれば、8万ドル払っているという生徒もいますし、貧困世帯になると学費は年間500ドル、というケースもあります。

実際に自分がいくらのFinancial Aidをもらえるかという点については、毎年10月1日~始まるFAFSAという手続きをすることで、州立大学の場合にはおおよその学費の目安が分かります。

3.FAFSAとは?

FAFSAとは、アメリカに存在する州立・私立の大学すべてが利用しているファイナンシャルエイド制度のことで、US Department of Educationが管理しています。

Free Application for Federal Student Aidを略しています。アメリカ国民を対象とした公的な制度なので、日本からの留学生は、残念ながら対象にはならない可能性が高いですね。

アメリカにある州立および私立の大学で、奨学金制度を利用する際には、かならずFAFSAを事前にファイルしておかなければいけません。この手続きはすべてオンラインで行うのが特徴で、主に世帯の収入や資産についての質問をされます。20分ぐらいに及ぶ質問を終えて情報を送信すると、FAFSA独自の計算に基づいて、EFCという世帯負担額が計算されます。

EFCとは、大学の費用で親が負担してくださいね、という自己負担分のことですね。必ずしも、どの大学でもEFC通りというわけではありませんが、大学ごとに「それなりに」参考にはしてくれるようですね。

FAFSAの記入方法についてはこちらから

FAFSAに影響を与える要素とは?

  • 家族構成(子供が何人いるか)
  • 同時期に大学生となる子供は何人いるか
  • 世帯の収入
  • 住居形態(賃貸か所有か)
  • 住宅ローンの有無
  • 預貯金の額
  • その他の収入
  • 過去に低所得世帯として公的な制度を利用したことがあるか

などがあります。都市伝説では、FAFSAをできるだけ少なくするために、預貯金を親族名義に移し、仕事も止めて無職になる人もいる、なんて話がありますが、実際にそこまでしている人は見たことも聞いたこともありません。それに、FAFSAは毎年ランダムもしくは疑わしい人を調査しており、調査が入ると国税局などと連携して預貯金や収入などが調べられます。そして、虚偽の申請、または悪質なケースと認定されると、その世帯ではFAFSAを利用できなくなってしまいます。

4.我が家のContributionはいくら?

FAFSAをファイルすると、その場でEFCが計算されます。預貯金が多い世帯や、高収入の世帯では、金額が上がるごとにEFCは急激に上昇していきます。

世帯の年間所得EFC
-$35,000$1,871
-$40,000$2,733
-$50,000$4,004
-$60,000$6,015
-$70,000$8,708
-$80,000$12,202
-$90,000$15,697
-$100,000$18,731
-$110,000$21,756
-$150,000$33,967
-$200,000$49,598

表を見ていただくと分かりますが、低所得世帯は、学費もリーズナブルな設定となっています。しかし所得が上がれば上がるほど、学費がどんどん高くなり、年収10万ドル(約1100万円)を超えるあたりからは、驚くほど急カーブで上昇していきます。

自身のEFCを計算したい人はこちらから

5.EFC=支払う学費?

FAFSAを使ってEFCを計算しても、残念ながらそれが各世帯が負担することになる学費というわけではありません。

Student LoanやWork Studyが加算

大学から送られてくる学費の詳細な計算を見ると、多くの人はびっくりします。なぜなら、EFCの上に、更にStudent LoanやWork Studyなどの項目が加算されていて、自分たちが考えていた 学費より、約1万ドル程度多くなっていることが多いからです。

Student Loanとは?

Student Loanとは、親が負担する学費とは別に、生徒自身が教育ローンを組みましょうという金額です。大学によって差はありますが、年間当たり4000ドル~5,000ドル程度に設定されていることが多いですね。

この金額は、もしも生徒が教育ローンを申請したら、きっとこのぐらいの金額は認められるでしょうという目安です。Subsidized Loanと呼ばれる公的なローンを利用しても良いですし、民間のローンを利用してもOK。ローンを利用しないという選択をしても問題ありません。

もしも、ローンを利用しないという選択をしたら、このStudent Loanの金額は、そのまま世帯の負担となります。

Work Studyとは?

Work Studyとは、生徒が在学中にキャンパス内でアルバイトをして稼げるであろう金額です。こちらも大学によって多少の誤差はありますが、年間で4000ドル~5000ドル程度が見込まれていることが多いですね。

ただし、Work Studyをするから学費を安くしてもらえるというわけではありません。キャンパスで学生がアルバイトをしても、そのアルバイト代は学生へ直接支払われます。もしも学費に充てるなら、個人的にやってくださいね、という意味です。

また、キャンパス内のアルバイトは、確かにいろいろなお仕事があります。しかし、必ずしもアルバイトできるわけではありませんし、世帯の収入によっては、働きたいけれど働けないという状況にもなりかねません。

6.EFCが考慮されないケースもある

毎年10月にFAFSAをファイルし、ザックリとしたEFCを計算したからと言って、安心してはいけません。大学の多くは、EFCを考慮した学費計算をしてくれますが、必ずしもそうとは限りません。

世帯のEFCが2万ドルなのに、学校からの請求を見たら学費が4万ドルだった!なんてことも珍しくありません。

その背景には、アメリカの教育機関はビジネスである、というシビアな現実があります。

アメリカの大学へ願書を出した場合、大学にとっては「喉から手が出るほど欲しい生徒」がいる一方で「入学は認めたけれど、来ても来なくてもどちらでも良い生徒」もいるわけです。優秀な生徒に対しては、なんとかして来てもらおうと営業努力をし、学費を徹底的に下げてきます。奨学金によって学費が全額免除になるケースもあります。

しかし来ても来なくてもどちらでも良い平均的な生徒なら、そこまでの営業努力をする必要はありません。少しぐらい学費を高めにしても、その生徒が来たいと思えば払うでしょうし、払いたくないから来ないという選択をしても、大学にとってはそれほどの痛手ではないでしょう。

そう。アメリカの大学はビジネスなのです。

7.FAFSAは毎年。学費も毎年変わる!

FAFSAは、アメリカの大学に在学している期間中は、毎年ファイルしなければいけません。その度に、最新のTax情報を使ってファイルするわけですが、在学期間中には、世帯ごとに様々なライフイベントが起こるかもしれません。

例えば、お父さんが昇進してお給料がアップしたとか、家を購入する際にリタイアメントの貯金を崩して頭金にしたとか、また転勤をした、ということもあります。そうしたライフイベントによって収入が変わると、当然ですがFAFSAによって計算するEFCも変わります。今年の学費は1万ドルだったけれど、来年は2万ドルになる、なんてことも十分に起こりえます。

日本からの留学生の場合には、FAFASは直接影響がありません。そのため、収入がアップしても学費が上がることはないでしょう。なぜなら、もともとFinancial Aidを使わない大学側が提示する金額をそのまま支払っているからです。

しかしアメリカで暮らす人は、世帯のライフイベントによって学費が変わるという点を理解した上で、大学選びをしたいものです。

8.FAFSAをファイルするメリットとデメリット

大学に進学するなら、プロセスの一つとしてFAFSAをファイルする、という世帯は多いものです。しかし、メリットとデメリットを考えたことはありますか?

FAFSAをファイルするメリット

  • 大学の学費を安くできる
  • 公的な教育ローン(Subsidized loan)に申し込める

FAFSAをファイルするデメリット

  • 万が一の有事においては徴兵される
  • 世帯の収入によってはファイルしてもファイナンシャルエイドが対象外
  • 学費負担分がEFC以上になることが多い
  • 州立大学のOut of Stateでは、EFCよりも高額な学費になる

9.EFCケーススタディ

よりファイナンシャルエイドの仕組みを理解しやすくするために、いくつかのケーススタディをご紹介しましょう。

ケース1:大学が提示する学費がEFCより低い場合

  • 大学の学費:年間$10,000
  • 世帯のEFC:$15,000

この場合には、世帯のEFCが大学が定める学費よりも大きいため、学費$10,000を全額支払うことになります。

ケース2:大学が提示する学費がEFCより高い場合

  • 大学の学費 年間$40,000
  • 世帯のEFC $7,000

この場合には、学費の自己負担は$7,000と$40,000の間になりますね。多くの場合、大学が定めるStudent LoanやWork Studyなどの分が上乗せされ、負担する学費は$17,000~$25,000程度が多いのではないでしょうか。

ケース3:In-State$25,000、Out of State$45,000の州立大学の場合

州立大学の中には、州内に自宅がある(親が住んでいる)In-Stateステータスと、州外に自宅があるOut of Stateとで、異なる学費を提示することがあります。この場合、自分がIn-Stateの場合には、負担する学費の上限は$25,000となりますが、Out of Stateになると、上限は$45,000と高くなります。

SAT試験の詳細と申し込み手順

アメリカの大学を受験するなら、SATもしくはACTというStanderized test(共通試験)を受験しなければいけません。ここでは、そのうち日本からの留学生でも日本で受験できるSATについてご紹介します。

目次

  1. SATとは?
  2. SATの受験項目
  3. 間違えると減点される?
  4. SATはどこで申し込む?
  5. SATの申し込み方法
  6. 受験結果はどうやってわかる?
  7. Super Scoreとは?
  8. SAT受験にかかる費用は?
  9. SATは何回まで受験できる?

1.SATとは?

SATとは、Scholastic Assessment Testのことで、主に英語力と数学的思考力を調べるテストです。分かりやすく言うと、英語と数学だけのセンター試験のような位置づけですね。主催しているのはCollege Boardという独立した機関です。

SATは、数年ごとにスコアや出題科目の見直しが行われていますが、2021年現在では1600満点での採点となっています。

2.SATの受験項目

SATの受験項目は、English(Reading&Writing)と、Mathに分類できます。

Reading( 読解力)

Readingでは、長さが異なる文章を読み、質問に答えていきます。答えは選択式となっているのが特徴で、AからEの5択となっているのが特徴です。文法力や読解力、ボキャブラリーを調べる試験で、アメリカ人の学生でもかなり苦戦する分野です。英語を母国語としていない留学生にとっては、超難関な分野かもしれませんね。

Writing(筆記)

Writingに関しては、数年ごとに行われるSAT出題の見直しによって、必須科目に入ることもあれば、選択科目となることもあります。しかし選択科目となっている場合にも、大学ではEssayも受験するように勧めることが多いため、受験しておくのがおすすめです。

Writingでは、2~3つぐらいの文章を読んで答える問題で、主に文法力や語彙力を調べます。約25分程度でエッセイを仕上げるわけですが、文章の中に答えが隠されているというわけではなく、これまでの自分の経験や知識などを織り込みながらエッセイを仕上げることが、高得点につながります。

Math(数学)

アメリカ人の学生が苦戦する数学ですが、日本からの留学生にとっては、すこし準備をすれば満点も取りやすい科目です。出題レベルとしては、高校1年生までに習う部分から出題されますが、解けないほどの難問はほとんどなく、センター試験よりも若干難易度が高いぐらいのレベルだと考えると良いでしょう。

3.間違えると減点される?

選択式の出題分野では、分からなくてもとりあえず何かを選択しておけば当たる可能性が期待できますよね?日本の受験では、少なくてもそうです。だから、何も選択せずに試験を終えるのは、とてももったいないものです。

しかしSATでは、答えを間違えると、なんと減点される仕組みとなっています。この点は、日本の試験とは大きく異なる点ですね。正解すれば+1点、間違えると―0.25点の減点となります。

もちろん、全ての問題が同じ配点となっているわけではなく、試験の採点方法や配点については、公表されていません。

4.SATはどこで申し込める?

SATは、高校でも大学でもない、独立した機関が主催する共通テストです。申し込みは、高校を通して受験できることもありますが、学校とは別に個人でCollegeboard.orgで申し込めます。

高校を通して申し込めるかどうかは、その学校のISDによって異なります。学校を通して申し込む場合には、受験料はISDが支払ってくれるケースもあり、無料で受験することも可能ですね。ただし、学校を通して受験する場合でも、費用がかかることもあります。

なお、高校によっては、SAT受験には一切関知しないという学校もあります。その場合には、学校から何もお知らせなどを受け取らない可能性もあるので、個人でCollegeboard.orgから申し込みましょう。

SAT試験は、年間に複数回開催されていて、全国で受験できます。日本にも受験会場があるので、日本からの留学生なら、日本にいてSATを受験することも可能です。ただし、日本で受験する場合には、受験できる頻度はアメリカ国内ほど多くなく、年間で5回程度です。そのため、期間には余裕をもって受験することをおすすめします。

5.SATの申し込み方法

SAT試験は、全ての科目を受験すると、受験時間は約3時間程度となります。

必要な書類

  • 身分証明書(運転免許証、学生証など。日本で受験する場合にはパスポートでOK)
  • 支払をするためのクレジットカード

を準備して、Collegeboard.orgのサイトから申し込みをしましょう。College Boardのサイトは、まず最初にアカウントを作らなければいけません。このサイトは、ただSATを受験するためだけでなく、高校から大学へTranscriptを送ったり、大学在学中にはFAFSAと合わせてファイルが必要なCSSのアプリケーションとしても使います。そのため、ログインIDやパスワードは、なくさずに大切に保管しておくことをおすすめします。

受験場所は自由に選べる

SATは、アメリカ全土で同じ日に開催されています。自宅から足を運びやすいロケーションを選ぶのが便利ですが、必ずしも自宅のそばでなければいけないというルールはありません。人気がある受験会場だと、受け入れ可能な人数をオーバーしてしまうこともあります。その場合には、希望してもそのロケーションでは受験できないため、別のロケーションを選ばなければいけません。

オンラインで受験の申し込みを終えたら、当日に必要な持ち物や受験票をプリントアウトしておきましょう。受験票は、当日確認されるので、忘れずに持参しなければいけません。

受験当日の持ち物

SATの受験当日には、いくつかの持ち物が必要です。スマホを使うことは認められていないため、オフにしてカバンに入れておくか、自宅に置いていく必要があります。

  • 鉛筆(シャープペンシルはNGです)
  • 消しゴム
  • 身分証明書(試験会場で確認されます。写真付きの身分証明書のみがOK)
  • 腕時計(試験会場によっては、壁時計がないこともあります)
  • 電卓(オンライン機能がついていないモノは持ち込みOK)
  • ドリンクや軽食など(試験中の飲食はNGですが、休憩時間はOKです)

6.受験結果はどうやってわかる?

SATを受験すると、約1週間~2週間ぐらいで、結果が通知されます。合否という結果ではなく、スコアが計算されるので、受験した人は全員がこの結果通知を受け取ることになります。

受験結果は、

  • Collegeboardのサイトでチェックできる
  • 携帯のテキストで通知される
  • 願書を出している大学へ直接通知してもらうことも可能

大学への直接通知に間しては、既にその大学へ願書を出しているけれど、SATのスコアだけまだ提出していないという場合や、もしかしたら今回のスコアが良ければ記録を塗り替えるかもしれない、なんて時に便利です。

7.Super Scoreとは?

SATでは、Englishのスコアが何点、Mathのスコアが何点、合計は何点、と言う感じで結果が出ます。これまで複数回受験したことがある人にとっては、

「Englishは今回が最高点だけれど、Mathは前回の方が良かったな」

なんてことも起こりうるわけですよね。そんな時には、大学によってはSuper Scoreと呼ばれる「各科目ごとの最高得点」を合計して、自分の合計点とする事ができます。全ての大学でSuper Scoreを採用しているというわけではありませんが、採用している所なら、過去に受験したSATの中から、最も良いEnglishのスコアとMathのスコアを抽出して合計点として申告できるのですから、入学できる確率もアップしそうですよね。

ちなみに、Super ScoreでSATスコアを申請する場合には、それぞれの科目の最高得点が記録されているSATスコアを大学へ送ります。CollegeBoardのサイトから、大学へスコアを通知できるので、やり方はそれほど難しくありません。

ちなみに、大学へSATスコアを送る際には、費用がかかります。そのため、出願する際にはSATスコアは自己申告で、合格通知をもらって入学すると決めた大学のみに対して、正式にCollegeBoardからスコアを送る、という方法がおすすめです。

SATスコアを自己申告なら、すこし水増ししてもOKかな?なんて考える人がいるかもしれませんね。しかし、大学から受け取る入学通知は、あくまでも仮のものです。合格してから実際に入学するまでの間に、SATの正式なスコアなども含めて必要な書類を提出するわけですが、その際にスコアが虚偽の申請だったとバレると、合格取り消しになることもあります。注意しましょう。

8.SAT受験にかかる費用は?

SAT受験にかかる費用は、2021年現在では$55となっています。基本的には、オンラインでSATの申し込みをした時にクレジットカード払いをします。受験会場で払うというわけではないので注意してください。

この受験料は、低所得世帯だと免除してもらえる可能性があります。もしも高校で、Reduced lunchのプログラムに加入している人なら、免除してもらえる可能性が高いですね。

受験費用を免除してもらうためには、通学している学校のカウンセラーから、免除用のコードを受け取ります。それをSATの申し込みの際に入力して、どの高校に通っていて、どんな理由で免除になっているのかという点を記入すれば、SAT運営側で確認をした上で、免除が認められます。

9.SATは何回まで受験できる?

SATは、年間で約10回程度開催されています。そして、取得したスコアは5年間有効です。そう考えると、大学に進学する5年ぐらい前から、年間10回受験する、ということも可能ですね。合計、50回も受験するなんて、考えただけでも気が遠くなりそうですが、実質的には可能です。

受験回数が複数回あっても、それが大学受験の審査でマイナスの影響を与えることは、あまりありません。しかし、それはあくまでも、受験回数が10回未満ぐらいの場合です。

あまりにも受験回数が多い場合には、それが何かしらマイナスの影響を与える可能性はあるかもしれません。

その理由は、何回か受けることでスコアアップできる可能性が高いから。SATは共通テストのため、出題傾向が類似することが少なくありません。つまり、1回しか受験しない人よりも、複数回受験したほうが、確実に高得点を獲得しやすいという土壌があります。

一回の受験で$50以上かかる試験なので、複数回受験するとなると、やはりその世帯の経済力が大きく影響するでしょう。同じSATスコアでも、20回受験してそのスコアにたどり着いた生徒と、1回のみの受験でそのスコアを獲得した生徒の場合には、どちらが「より優秀な生徒である可能性が高いか」を予測できます。

ちなみに、私の子供は高校のFreshmanでSATをお試し受験し、Sophomoreでさらに1回。Juniorに2回受けました。

出題範囲に関しては、高校のFreshmanあたりで習う範囲も出題されるので、Freshmanで高得点を取るのは大変かもしれません。しかし、うちの場合ですが、受験するたびにスコアが上がり、最終的には初回スコアよりもプラス200点になりました。

ちなみに、複数か受験してアップできるスコアの平均は、100+だそうです。

アメリカ大学への入学手続き:スコア、成績、推薦状

日本の大学へ入学したければ、受験勉強をして入学試験を受け、合格しなければいけませんよね。近年では、AO入試と呼ばれるスタイルが増えていて、入試試験1発で合否が決まるのではなく、高校時代に頑張ってきたことや特技などが評価されて大学入学が認められる傾向が増えています。

アメリカの大学では、日本のように受験日が決められていて、その日に受ける入試問題の結果だけで合否が決まるというわけではありません。これからアメリカの大学へ留学しようと考えている人、もしくは既にアメリカに移住して子育てをしている人は、ぜひアメリカの大学入試の仕組みを理解することで、賢い選択ができるのではないでしょうか。

目次

  1. アメリカの大学の種類
  2. 大学の共通試験、SATとACTとは?
  3. 日本からでもSATとACTは受験できる?
  4. 試験だけじゃない!入学選抜に必要なもの
  5. 願書はいつから受付開始
  6. 合格発表はいつわかるの?
  7. Early Decision, Early Action, Regular Decisionの違いとは?
  8. 複数から合格通知をもらった!どうする?

1.アメリカの大学の種類

アメリカには、大学と言ってもいくつかの種類があります。公立の大学と私立の大学がある点では日本と同じですが、公立の大学の場合には、国立ではなく州立、つまり州の資金で運営されているという点が、日本と異なりますね。

  • Selective(大学が定める基準を満たした人が入学できるタイプ。州立大学はここに分類)
  • Competitive(競争型。有名私立大学が該当し、高いレベルの入学希望者を、いくつかの方法で振り分ける)
  • Open(開放型。基本的に高校を卒業していれば誰でも入学ができる。2年制のコミュニティカレッジはここに分類)

Selectiveの入学条件

アメリカの高校生が「大学」と呼ぶ教育機関の多くは、このSelectiveと呼ばれるスタイルを採用していて、州立の大学を始め、私立大学などが含まれます。満たさなければいけない条件は複数あり、

  • 高校を卒業していること
  • 高校時代の成績
  • SATやACTなどの共通試験のスコア

など、高校ごとに異なるレベルを定めており、これをクリアした学生が入学できる仕組みとなっています。

Competitiveの入学条件

アイビーリーグなどに代表される、一流難関の私立大学がCompetitiveに分類されますが、基本的にはSelectiveの入学形式と同じです。ただし、大学側が求める基準がとても高いため、合格率は1ケタ台という特徴があります。

Open型は社会人にもオススメ

コミュニティカレッジと呼ばれる2年制の大学の多くは、4年制の大学ほど厳しい入学基準を設けておらず、高校を卒業していれば誰でも入学できるシステムとなっている所が多いです。高校を卒業したばかりの若者が入学できるだけでなく、社会人になってからでも入学しやすいですし、学費もリーズナブルです。

2.大学入試SATとACTとは?

アメリカの大学には、日本のような入学試験はありません。しかし、全く試験を受けずに入学できるのかと言えば、そういうわけでもありません。

アメリカの多くの大学では、学力のレベルを把握するためのStanderized Test (共通試験)として、SATもしくはACTを受験し、そのスコアを大学側へ提出することを義務付けています。

SATの申し込みはこちらから

ACTの申し込みはこちらから

SATとACT、どこでいつ受験できるの?

SATとACTは、高校と大学から独立した機関が提供している標準テストです。それぞれ、年間に複数回開催されていて、何回でも受験することができます。標準テストということで、似たような問題が出題されることもあります。そのため、1回しか受験しない人よりも、何回か受験したほうがスコアは良くなる傾向があるようですね。

SATとACTは、通学している高校で申し込みができることもあれば、高校は一切関知せず、自分でネットを使って申込まなければいけないこともあります。州によって違うというよりは、ISDと呼ばれる学区ごとに方針が異なるようです。どちらの申し込み方法でも、受験する場所が異なるだけで試験の内容が変わるということはありません。

SATもACTも、全国で一斉に開催され、同じ受験日なら受ける試験の内容も同じです。共通試験と呼ばれているのは、そのためですね。ただし、年間に何回も開催されているため、試験ごとの難易度は若干変わります。この辺りは、スコアを計算する際に考慮されており、「難しすぎてダメだった」と思っていたら、想像以上によいスコアだったということもあります。

SATとACTはどう違うの?

SATとACTでは、試験の出題傾向やスタイルが若干異なります。一般には、理系に強い人ならACTの方が適している、なんて言われていますが、どちらの試験が自分に合っているか相性もあるので、どちらも受けてスコアを比較すると良いでしょう。

SATとACTは無料?それとも有料?

SATとACTは、基本的に有料です。

SATの場合には、受験する度に$49.50~$64.50がかかり、受験課題の数によって費用は変わります。日本からの留学生の場合には、費用は$53と定められています。

SATの受験料はこちらから

ACTも受験項目によって費用はことなり、$55~$70がかかります。

ACTの受験料はこちらから

なお、SATもACTも、低所得世帯の場合には、受験費用がかからず無料で受けられるWaiverの制度もあります。留学生の場合には受験料を免除してもらうことは難しいですが、アメリカの高校に通っている子供なら、ランチプログラムの料金が免除されているなどの条件を満たせば、受験料はかかりません。

3.日本からでもSATやACTは受験できる?

日本からアメリカの大学へ留学を考えている人は、日本にいながらSATを受験することができます。日本で受験する場合でも、申し込み方法はアメリカ国内にいる学生と同じで、Collegeboard.orgから行います。

ただし日本で受験する場合には、アメリカ国内のように毎月受験できるというわけではなく、どうしても頻度は少なくなってしまいます。そのため、留学したいなと考えたら、まずは腕試しのつもりでSATを受けてみてはいかがでしょうか?時間に余裕があれば、何回か受験してスコアをアップすることもできますよね。

4.試験だけじゃない!入学選抜に必要なもの

アメリカの大学は、難易度が高い大学になればなるほど、SATやACTのスコアが重視される傾向にあります。しかし、入学選抜に必要なものは、それだけではありません。

高校の成績

高校時代の成績も、アメリカの大学では重視されています。アメリカでは、高校は中学校の延長で、入学の際に入試などはありませんし、自宅から通いやすいエリア内で学区訳がされています。しかし日本では、難関高校に行けば、そこで良い成績をとることは難しいですよね。そうした点も、日本からの留学生を受け入れている大学では理解しているので、安心してください。

高校の成績に自信がない人は、どうしたら良いのでしょうか?

大学ごとに、基準とするGPA(成績の平均)が設定されていて、そのラインを満たすことが条件となっています。しかし、このGPAは。学校や学区によって計算方法が異なりますし、学校によっても成績のつけ方が異なるなど、決して一律ではありません。

アメリカの大学では、そうした地域やエリアごとの差についても、ある程度理解しています。そのため、できることは、現在通学している高校で、できるだけ良い成績を取ることを目指すという点ですね。

アメリカの高校に通っている人が今からできることは

  • できるだけハイレベルなクラス(APやPre-AP、Dual Credit、IBなど)を選択する事
  • B+で甘んじるのではなく、Aを目指すこと

です。

チャレンジクラスでBを取るリスクがあるなら、確実にAを取れる基礎クラスの方が良いのかな、と考える人がいます。大学側としては、ハイレベルなクラスに挑戦する姿勢も評価するので、基礎クラスばかりより、ハイレベルなクラスに挑戦する子供の方が、高評価されることが多いです。

教師からの推薦状(Recommendation Letter)

アメリカの大学では、ほとんどの場合、高校時代の教師からの推薦状が必要です。基本的にはどの教科でも良いのですが、大学から高評価されるのは、EnglishかMathの教師からの推薦状です。

この推薦状は、ペーパーで書いてもらったものを郵送で大学へ送ってもOKです。しかし、全米で広く利用されている大学受験のためのサイト The Common Applicationを利用するなら、願書の申請から推薦状の提出まで、全てオンラインでできます。

推薦状が何通必要かは、大学によって異なります。最低でも1通という大学もあれば、3通必要という大学もあります。また、最低1通だけれど多く提出してもOKという大学もあり、その場合には、できるだけ多くの推薦状を提出することで、大学へ入学したい気持ちをアピールできます。

Resume(履歴書)

大学入試では、Resumeと呼ばれる履歴書も必要です。日本では、履歴書というと既に決められたテンプレートがあり、そこに記入すればよいのですが、アメリカでは基本的にはフリーフォーマットです。そのため、ゼロの状態から自分で作り込んでいきます。

ネットでは、お手本となるような履歴書がたくさん紹介されています。そうしたテンプレートを真似しながら、記載する内容を自分でカスタマイズしていくという方法でも、OKです。ただし、大学受験のためのResumeは、1ページにまとめるのが原則です。

Resumeに何を記入すればよいかという点ですが、主に

  • Header:名前、住所、メールアドレス、連絡先などの情報を記入
  • Objective:どんな性格の人間なのかという点を、2行ぐらいに簡潔にまとめる。
  • Education:高校生なので、高校名と現在のGPAを記入。取得したAPクラスなども記入すると良し。
  • Extra Canicular:クラブ活動や、参加したコンテストなど、学業以外でアピールしたい点を記入
  • Community Service;ボランティアの内容を記入。アメリカの大学ではボランティアが重視されます。

Essay(エッセイ)

アメリカの大学では、エッセイの提出が求められるケースが多いです。Common Applicationを利用して願書申請するなら、Common Application内にエッセイをアップロードし、同じエッセイを全ての大学の願書に使うことができます。

それ以外に、大学ごとにテーマを出題し、それに対して生徒がエッセイを書くという課題もあります。どんなテーマかは大学によりますし、文字数なども大学によって異なります。

エッセイを書く際には、テーマが決められていなければ何を書いてもOKです。しかし、大学から高評価されやすいエッセイは、「困難をいかに乗り越えて成功体験へ結びつけたか」というストーリーですね。もちろん、創作の小説を書くわけではないので、全く実体験に基づかない内容は控えたほうが良いでしょう。しかし、「自分はこんなに素晴らしい人間です」をアピールするよりも「自分は困難を乗り越える力を持っている強い人間です」をアピールしたほうが、評価という点では高くなりやすいですね。

5.願書はいつから受付開始?

アメリカの大学への願書は、8月1日ごろに受付開始となります。多くの大学が使用しているCommon Applicationは、8月1日から受付開始となり、必要な書類がすべてそろっている人なら8月初旬に出願のプロセスを終えることができます。

出願の締め切りはいつ?

出願の締め切りは、出願形態によって異なり、11月中旬もあれば、1月下旬という所もあります。できるだけ早めに出願したほうが、早く合否を知ることができるという点てもおすすめです。

Common Applicationを使用する際の注意点

カリフォルニア州やテキサス州の州立大や、一部の私立大学では、Common Applicationではなく、独自の出願システムを採用している所もあります。しかし、全米を広く見渡すと、やはり大半の大学は、このCommon Applicationを採用しています。

大学への進学を考えたら、まずはこのCommon Applicationにアカウントを作り、大学のリサーチや出願に必要な書類集めを始めることになります。しかしこのCommon Applicationを利用する際には、注意点があります。

それは、8月1日に、それまでのデータがすべてリセットされてしまうという点です。アカウントの基本的なプロフィール情報はリセットされませんが、それまでコツコツ集めた教師からの推薦状や、既にアップロードしたエッセイなどは、全て8月1日でリセットされてしまいます。そのため、早めに準備をしていた人は、再アップロードが必要となりますし、教師からの推薦状も、教師にもう一度サイトへアップロードしてもらうように依頼しなければいけません。

この二度手間を回避するためには、書いたエッセイなどは、ワードファイルなどで保存しておくという方法がおすすめです。大学の多くは、毎年同じテーマのエッセイを出題するので、すでに書いてあれば、後はそれをコピー&ペーストするだけで済みますよね。

6.合格発表はいつ?

日本の大学では、受験日が決まっているだけでなく、合格発表の日も決められていますよね。そのため、合格発表の日になると、ワクワクドキドキしながら、合否を確認することになります。

アメリカの大学でも、合格発表の日が決まっている大学はたくさんあります。その場合には、決められた合格発表の日時に、指定されたホームページへ行くと、Congratulation!という合格通知のレターがあるか、残念でしたと言うレターが届いているので、それを確認するという方法で合否をチェックします。

しかしアメリカの大学の中には、特定の合格発表の日は設けず、出願した人から順番に合否を通知するというシステムを採用している所もたくさんあります。大学が設定する条件をクリアしている人なら、大学側にとっても合格通知を出しやすいわけで、その場合には、出願してからたったの2週間で合格通知を受け取ったということもありますね。

大学に合格すると、大学のパンフレットや入学までの手続プロセスなどの書類が、分厚い郵送で自宅に届けられることになります。ただし、郵送で送られてくる情報は、基本的に大学の受験者用のサイトでも確認できるので、郵送はまだ受け取っていないけれど合格したことは分かっているし、どんな手続きが必要かも知っている、ということはよくあります。

7.Early Decision, Early Action, Regular Decisionの違いとは?

アメリカの大学へ出願する際には、Admissionのタイプを選びます。大きく分類すると、

  • Early Decision
  • Early Action
  • Regular Decision

との3つがあり、出願の際にどのタイプにするかを決めた上で、願書を申請します。

Early DecisionEarly ActionRegular Decision
願書受付開始日8月1日8月1日8月1日
願書受付締め切り11月15日あたり11月15日あたり1月末あたり
合格しても行かないという選択できないできるできる
競争率

表から分かるように、必要な書類が早めに揃った人は、競争率が高くなって合格しづらくなるRegular Decisionではなく、Early Actionを選ぶのがおすすめです。

また、Early DecisionとEarly Actionの違いですが、これはBindingと呼ばれるものが大きく関係しています。

Early Decisionの場合には、合格したらその大学へ行かなければいけない、という条件のもとに出願します。他の大学へ願書を提出するのはOKですが、Early Decisionでの出願は、大学1校しか認められていません。

多くの場合には、Early Decisionは、第1希望の大学に対して用いるのが一般的です。普通に受験したらハードル高そうだけれど、入学できるならぜひ行きたい!という憧れの大学に対しても、Early Decisionが良いでしょう。

早めに応募して早めに合格発表を頂いていくと、気持ち的に安心できます。early actionなら何校に出願しても良いので、ぜひおすすめです。

我が家では、早めに準備を始め、8月中旬に超電工から滑り止めまで、全てに出願しました。周囲と比べて、これはかなり早めでした。

滑り止め校からは9月中旬に合格発表をいただきました。全てEarlyで出したので、クリスマス前には進学先が決まりました。

Early Decisionは断れるのか?

もしもEarly Decisionで受験して合格したけれど、やっぱり行きたくないという場合には、どうなるのでしょうか?

大学によって対応は異なりますが、1年分の学費を払えと請求されるケースもあれば、金銭的なペナルティはゼロというケースもあります。

しかしいずれの場合でも、Early Decisionを蹴ることによって、その年は他の大学には行けないというペナルティがつきます。つまり、他の大学から合格通知を受け取っていても、自動的に浪人決定となってしまいます。

8.複数から合格通知をもらった!どうする?

複数の大学から合格通知を受け取った場合、どの大学へ進学するのかという意思表示をしなければいけません。多くの場合には、大学の受験者用ホームページにアクセスして、そこから入学するかどうかを選択して通知します。

入学しないという意思表示をした場合には、「どの大学へ進学するのですか?」という質問をされることが多いです。この場合には、正直にどこへ進学するのかを記入しましょう。こうした情報は、大学の外に漏れることもなければ、何かの目的で使われることもありません。あくまでも、参考資料や統計を取るために使われるだけです。

アメリカの大学入試完全マニュアル!出願から入学まで!

日本の大学へ入学したければ、受験勉強をして入学試験を受け、合格しなければいけませんよね。近年では、AO入試と呼ばれるスタイルが増えていて、入試試験1発で合否が決まるのではなく、高校時代に頑張ってきたことや特技などが評価されて大学入学が認められる傾向が増えています。

アメリカの大学では、日本のように受験日が決められていて、その日に受ける入試問題の結果だけで合否が決まるというわけではありません。これからアメリカの大学へ留学しようと考えている人、もしくは既にアメリカに移住して子育てをしている人は、ぜひアメリカの大学入試の仕組みを理解することで、賢い選択ができるのではないでしょうか。

目次

  1. アメリカの大学の種類
    • Selectiveの入学条件
    • Competitiveの入学条件
    • Open型は社会人にもオススメ
  2. 大学の共通試験、SATとACTとは?
    • SATとACT、どこでいつ受験できるの?
    • SATとACTはどう違うの?
    • SATとACTは無料?それとも有料?
  3. 日本からでもSATとACTは受験できる?
  4. 試験だけじゃない!入学選抜に必要なもの
    • 高校の成績
    • 教師からの推薦状(Recommendation Letter)
    • Resume(履歴書)
    • Essay(エッセイ)
  5. 願書はいつから受付開始
    • 出願の締め切りはいつ?
    • Common Applicationを使用する際の注意点
  6. 合格発表はいつわかるの?
  7. Early Decision, Early Action, Regular Decisionの違いとは?
    • Early Decisionは断れるのか?
  8. 複数から合格通知をもらった!どうする?

1.アメリカの大学の種類

アメリカには、大学と言ってもいくつかの種類があります。公立の大学と私立の大学がある点では日本と同じですが、公立の大学の場合には、国立ではなく州立、つまり州の資金で運営されているという点が、日本と異なりますね。

  • Selective(大学が定める基準を満たした人が入学できるタイプ。州立大学はここに分類)
  • Competitive(競争型。有名私立大学が該当し、高いレベルの入学希望者を、いくつかの方法で振り分ける)
  • Open(開放型。基本的に高校を卒業していれば誰でも入学ができる。2年制のコミュニティカレッジはここに分類)

Selectiveの入学条件

アメリカの高校生が「大学」と呼ぶ教育機関の多くは、このSelectiveと呼ばれるスタイルを採用していて、州立の大学を始め、私立大学などが含まれます。満たさなければいけない条件は複数あり、

  • 高校を卒業していること
  • 高校時代の成績
  • SATやACTなどの共通試験のスコア

など、高校ごとに異なるレベルを定めており、これをクリアした学生が入学できる仕組みとなっています。

Competitiveの入学条件

アイビーリーグなどに代表される、一流難関の私立大学がCompetitiveに分類されますが、基本的にはSelectiveの入学形式と同じです。ただし、大学側が求める基準がとても高いため、合格率は1ケタ台という特徴があります。

Open型は社会人にもオススメ

コミュニティカレッジと呼ばれる2年制の大学の多くは、4年制の大学ほど厳しい入学基準を設けておらず、高校を卒業していれば誰でも入学できるシステムとなっている所が多いです。高校を卒業したばかりの若者が入学できるだけでなく、社会人になってからでも入学しやすいですし、学費もリーズナブルです。

2.大学入試SATとACTとは?

アメリカの大学には、日本のような入学試験はありません。しかし、全く試験を受けずに入学できるのかと言えば、そういうわけでもありません。

アメリカの多くの大学では、学力のレベルを把握するためのStanderized Test (共通試験)として、SATもしくはACTを受験し、そのスコアを大学側へ提出することを義務付けています。

SATの申し込みはこちらから

ACTの申し込みはこちらから

SATとACT、どこでいつ受験できるの?

SATとACTは、高校と大学から独立した機関が提供している標準テストです。それぞれ、年間に複数回開催されていて、何回でも受験することができます。標準テストということで、似たような問題が出題されることもあります。そのため、1回しか受験しない人よりも、何回か受験したほうがスコアは良くなる傾向があるようですね。

SATとACTは、通学している高校で申し込みができることもあれば、高校は一切関知せず、自分でネットを使って申込まなければいけないこともあります。州によって違うというよりは、ISDと呼ばれる学区ごとに方針が異なるようです。どちらの申し込み方法でも、受験する場所が異なるだけで試験の内容が変わるということはありません。

SATもACTも、全国で一斉に開催され、同じ受験日なら受ける試験の内容も同じです。共通試験と呼ばれているのは、そのためですね。ただし、年間に何回も開催されているため、試験ごとの難易度は若干変わります。この辺りは、スコアを計算する際に考慮されており、「難しすぎてダメだった」と思っていたら、想像以上によいスコアだったということもあります。

SATとACTはどう違うの?

SATとACTでは、試験の出題傾向やスタイルが若干異なります。一般には、理系に強い人ならACTの方が適している、なんて言われていますが、どちらの試験が自分に合っているか相性もあるので、どちらも受けてスコアを比較すると良いでしょう。

SATとACTは無料?それとも有料?

SATとACTは、基本的に有料です。

SATの場合には、受験する度に$49.50~$64.50がかかり、受験科目の数によって費用は変わります。日本からの留学生の場合には、費用は$53と定められています。

SATの受験料はこちらから

ACTも受験科目によって費用はことなり、$55~$70がかかります。

ACTの受験料はこちらから

なお、SATもACTも、低所得世帯の場合には、受験費用がかからず無料で受けられるWaiverの制度もあります。留学生の場合には受験料を免除してもらうことは難しいですが、アメリカの高校に通っている子供なら、ランチプログラムの料金が免除されているなどの条件を満たせば、受験料はかかりません。

3.日本からでもSATやACTは受験できる?

日本からアメリカの大学へ留学を考えている人は、日本にいながらSATを受験することができます。日本で受験する場合でも、申し込み方法はアメリカ国内にいる学生と同じで、Collegeboard.orgから行います。

ただし日本で受験する場合には、アメリカ国内のように毎月受験できるというわけではなく、どうしても頻度は少なくなってしまいます。そのため、留学したいなと考えたら、まずは腕試しのつもりでSATを受けてみてはいかがでしょうか?時間に余裕があれば、何回か受験してスコアをアップすることもできますよね。

4.試験だけじゃない!入学選抜に必要なもの

アメリカの大学は、難易度が高い大学になればなるほど、SATやACTのスコアが重視される傾向にあります。しかし、入学選抜に必要なものは、それだけではありません。

高校の成績

高校時代の成績も、アメリカの大学では重視されています。アメリカでは、高校は中学校の延長で、入学の際に入試などはありませんし、自宅から通いやすいエリア内で学区わけがされています。

しかし日本では、難関高校に行けば、そこで良い成績をとることは難しいですよね。そうした点も、日本からの留学生を受け入れている大学では理解しているので、安心してください。

高校の成績に自信がない人は、どうしたら良いのでしょうか?

大学ごとに、基準とするGPA(成績の平均)が設定されていて、そのラインを満たすことが条件となっています。しかし、このGPAは学校や学区によって計算方法が異なります。最高GPAが4.5の学校もあれば、5.0とか6.0が最高という高校もあります。

それに、学校によっても成績のつけ方が異なります。良い成績を取りやすい学校もあれば、採点が厳しい学校もあるわけです。決して一律ではありません。

アメリカの大学では、そうした地域やエリアごとの差についても、ある程度理解しています。そのため、できることは、現在通学している高校で、できるだけ良い成績を取ることを目指すという点ですね。

アメリカの高校に通っている人が今からできることは

  • できるだけハイレベルなクラス(APやPre-AP、Dual Credit、IBなど)を選択する事
  • B+で甘んじるのではなく、Aを目指すこと

です。

チャレンジクラスでBを取るリスクがあるなら、確実にAを取れる基礎クラスの方が良いのかな、と考える人がいます。大学側としては、ハイレベルなクラスに挑戦する姿勢も評価するので、基礎クラスばかりより、ハイレベルなクラスに挑戦する子供の方が、高評価されることが多いです。

教師からの推薦状(Recommendation Letter)

アメリカの大学では、ほとんどの場合、高校時代の教師からの推薦状が必要です。基本的にはどの教科でも良いのですが、大学から高評価されるのは、EnglishかMathの教師からの推薦状です。

この推薦状は、ペーパーで書いてもらったものを郵送で大学へ送ってもOKです。しかし、全米で広く利用されている大学受験のためのサイト The Common Applicationを利用するなら、願書の申請から推薦状の提出まで、全てオンラインでできます。

推薦状が何通必要かは、大学によって異なります。最低でも1通という大学もあれば、3通必要という大学もあります。また、最低1通だけれど多く提出してもOKという大学もあり、その場合には、できるだけ多くの推薦状を提出することで、大学へ入学したい気持ちをアピールできます。

うちの息子の大学受験では、教師からの推薦状を4通取得した他、教師以外の推薦状も受け付けている学校があったので、私と夫からの推薦状も準備しておきました。

書いてくれない先生もいる

推薦状を書くのは、先生の仕事ではありません。あくまでも先生が生徒を応援しようと気持ちがあるからこそ、ボランティアで書いてくれるわけです。

そのため、依頼しても書いてくれない先生は、意外と多いです。驚きですが。

息子に場合にも、書いてくれると言ったのに待てど暮らせど書いてくれない先生とか、書いてくださいとメールを出しても完全スルーな先生もいました。

なので、推薦状を教師に依頼する際には、丁寧に頼むには当然ですが、その先生の授業がとても楽しかったとか、先生のモチベーションを高めるような営業努力も必要かなという気がします。

Resume(履歴書)

大学入試では、Resumeと呼ばれる履歴書も必要です。日本では、履歴書というと既に決められたテンプレートがあり、そこに記入すればよいのですが、アメリカでは基本的にはフリーフォーマットです。そのため、ゼロの状態から自分で作り込んでいきます。

ネットでは、お手本となるような履歴書がたくさん紹介されています。そうしたテンプレートを真似しながら、記載する内容を自分でカスタマイズしていくという方法でも、OKです。ただし、大学受験のためのResumeは、1ページにまとめるのが原則です。

Resumeに何を記入すればよいかという点ですが、主に

  • Header:名前、住所、メールアドレス、連絡先などの情報を記入
  • Objective:どんな性格の人間なのかという点を、2行ぐらいに簡潔にまとめる。
  • Education:高校生なので、高校名と現在のGPAを記入。取得したAPクラスなども記入すると良し。
  • Extra Canicular:クラブ活動や、参加したコンテストなど、学業以外でアピールしたい点を記入
  • Community Service;ボランティアの内容を記入。アメリカの大学ではボランティアが重視されます。

Essay(エッセイ)

アメリカの大学では、エッセイの提出が求められるケースが多いです。Common Applicationを利用して願書申請するなら、Common Application内にエッセイをアップロードし、同じエッセイを全ての大学の願書に使うことができます。

それ以外に、大学ごとにテーマを出題し、それに対して生徒がエッセイを書くという課題もあります。どんなテーマかは大学によりますし、文字数なども大学によって異なります。

エッセイを書く際には、テーマが決められていなければ何を書いてもOKです。しかし、大学から高評価されやすいエッセイは、「困難をいかに乗り越えて成功体験へ結びつけたか」というストーリーですね。もちろん、創作の小説を書くわけではないので、全く実体験に基づかない内容は控えたほうが良いでしょう。しかし、「自分はこんなに素晴らしい人間です」をアピールするよりも「自分は困難を乗り越える力を持っている強い人間です」をアピールしたほうが、評価という点では高くなりやすいですね。

5.願書はいつから受付開始?

アメリカの大学への願書は、8月1日に受付開始となります。多くの大学が使用しているCommon Applicationは、8月1日から受付開始となり、必要な書類がすべてそろっている人なら8月初旬に出願のプロセスを終えることができます。

出願の締め切りはいつ?

出願の締め切りは、出願形態によって異なり、11月中旬もあれば、1月下旬という所もあります。できるだけ早めに出願したほうが、早く合否を知ることができるという点てもおすすめです。

Common Applicationを使用する際の注意点

カリフォルニア州やテキサス州の州立大や、一部の私立大学では、Common Applicationではなく、独自の出願システムを採用している所もあります。しかし、全米を広く見渡すと、やはり大半の大学は、このCommon Applicationを採用しています。

大学への進学を考えたら、まずはこのCommon Applicationにアカウントを作り、大学のリサーチや出願に必要な書類集めを始めることになります。しかしこのCommon Applicationを利用する際には、注意点があります。

それは、8月1日に、それまでのデータがすべてリセットされてしまうという点です。アカウントの基本的なプロフィール情報はリセットされませんが、それまでコツコツ集めた教師からの推薦状や、既にアップロードしたエッセイなどは、全て8月1日でリセットされてしまいます。そのため、早めに準備をしていた人は、再アップロードが必要となりますし、教師からの推薦状も、教師にもう一度サイトへアップロードしてもらうように依頼しなければいけません。

この二度手間を回避するためには、書いたエッセイなどは、ワードファイルなどで保存しておくという方法がおすすめです。大学の多くは、毎年同じテーマのエッセイを出題するので、すでに書いてあれば、後はそれをコピー&ペーストするだけで済みますよね。

6.合格発表はいつ?

日本の大学では、受験日が決まっているだけでなく、合格発表の日も決められていますよね。そのため、合格発表の日になると、ワクワクドキドキしながら、合否を確認することになります。

アメリカの大学でも、合格発表の日が決まっている大学はたくさんあります。その場合には、決められた合格発表の日時に、指定されたホームページへ行くと、Congratulation!という合格通知のレターがあるか、残念でしたと言うレターが届いているので、それを確認するという方法で合否をチェックします。

しかしアメリカの大学の中には、特定の合格発表の日は設けず、出願した人から順番に合否を通知するというシステムを採用している所もたくさんあります。大学が設定する条件をクリアしている人なら、大学側にとっても合格通知を出しやすいわけで、その場合には、出願してからたったの2週間で合格通知を受け取ったということもありますね。

大学に合格すると、大学のパンフレットや入学までの手続プロセスなどの書類が、分厚い郵送で自宅に届けられることになります。ただし、郵送で送られてくる情報は、基本的に大学の受験者用のサイトでも確認できるので、郵送はまだ受け取っていないけれど合格したことは分かっているし、どんな手続きが必要かも知っている、ということはよくあります。

7.Early Decision, Early Action, Regular Decisionの違いとは?

アメリカの大学へ出願する際には、Admissionのタイプを選びます。大きく分類すると、

  • Early Decision
  • Early Action
  • Regular Decision

との3つがあり、出願の際にどのタイプにするかを決めた上で、願書を申請します。

Early DecisionEarly ActionRegular Decision
願書受付開始日8月1日8月1日8月1日
願書受付締め切り11月15日あたり11月15日あたり1月末あたり
合格しても行かないという選択できないできるできる
競争率

表から分かるように、必要な書類が早めに揃った人は、競争率が高くなって合格しづらくなるRegular Decisionではなく、Early Actionを選ぶのがおすすめです。

また、Early DecisionとEarly Actionの違いですが、これはBindingと呼ばれるものが大きく関係しています。

Early Decisionの場合には、合格したらその大学へ行かなければいけない、という条件のもとに出願します。他の大学へ願書を提出するのはOKですが、Early Decisionでの出願は、大学1校しか認められていません。

ちなみに、どの大学へEarly Decisionしたかは、高校のカウンセラーがしっかり管理しています。すべての生徒がEarly Dicisionするわけではありませんが、私の息子がEarly Decisionで出願した時には、数日後に高校のカウンセラーから「受かったら行きます」的なことが書かれたフォームをもらって帰宅しました。そして、そこに署名して提出しました。

多くの場合には、Early Decisionは、第1希望の大学に対して用いるのが一般的です。普通に受験したらハードル高そうだけれど、入学できるならぜひ行きたい!という憧れの大学に対しても、Early Decisionが良いでしょう。

早めに応募して早めに合格発表を頂いていくと、気持ち的に安心できます。early actionなら何校に出願しても良いので、ぜひおすすめです。

我が家では、早めに準備を始め、8月中旬に挑戦校から滑り止めまで、全てに出願しました。周囲と比べて、これはかなり早めでした。

滑り止め校からは9月中旬に合格発表をいただきました。全てEarlyで出したので、クリスマス前には進学先が決まりました。

Early Decisionは断れるのか?

もしもEarly Decisionで受験して合格したけれど、やっぱり行きたくないという場合には、どうなるのでしょうか?

大学によって対応は異なりますが、1年分の学費を払えと請求されるケースもあれば、金銭的なペナルティはゼロというケースもあります。

しかしいずれの場合でも、Early Decisionを蹴ることによって、その年は他の大学には行けないというペナルティがつきます。つまり、他の大学から合格通知を受け取っていても、自動的に浪人決定となってしまいます。

8.複数から合格通知をもらった!どうする?

複数の大学から合格通知を受け取った場合、どの大学へ進学するのかという意思表示をしなければいけません。多くの場合には、大学の受験者用ホームページにアクセスして、そこから入学するかどうかを選択して通知します。

入学しないという意思表示をした場合には、「どの大学へ進学するのですか?」という質問をされることが多いです。この場合には、正直にどこへ進学するのかを記入しましょう。こうした情報は、大学の外に漏れることもなければ、何かの目的で使われることもありません。あくまでも、参考資料や統計を取るために使われるだけです。