アメリカで親知らずを抜く!

アメリカでは医療が専門分野ごとに細かく分かれています。歯医者も例外ではなく、虫歯の治療をしてくれる歯医者に行っても、親知らずを抜いてもらうことはできません。

ここでは、息子が親知らずを抜いたエピソードをご紹介します。

目次

  1. 親知らずはいつ抜く?
  2. どこで抜いてくれるの?
  3. 基本は全身麻酔で一気に4本
  4. 気になるのはやはりコレ。費用はいくらかかる?

1.親知らずはいつ抜く?

私が自分の親知らずを抜いたのは、大人になってすでに親知らずが歯並びをガタガタにした後でした。はい。最悪です。当時はネットなどありませんでしたから、情報収集はできませんでしたし、私の親は

「親知らずなんてものが生えるのは、お前が親の言うことを聞かないからだ!」

と意味不明な説を語る宇宙人でした。なので結局、大人になってから親知らずを抜いた後に矯正などもして、かなりの出費になってしまいました。

歯並びがとても大切なアメリカでは、子供たちはかなり早い段階で親知らずを抜きます。私の息子も例外ではありませんでした。息子は小さい頃からなぜか歯並びがすごくよく、私は自分自身の経験もあったので、歯並びがクソ親知らずのせいでガタガタにされる前にさっさと抜いてしまおうと、ずっと思っていました。

親知らずの根っこが生えるのを待ち伏せ

息子は半年ごとに歯医者へクリーニングに行っており、私は彼がミドルスクールに入ったころから、このクリーニングに行くたびに「親知らずはどうですか?生えてませんか?」としつこくドクターに聞きました。

ドクター曰く、親知らずはある日突然現れるものではなく、まず歯の根っこが出没するのだそうです。この根っこができてから歯茎の上に出てくるので、根っこが完成すればいつでも抜ける、とのことでした。

半年ごとに「親知らずの根っこはどこですか?まだ生えてませんか?」という攻撃を繰り返し、そのたびにドクターは「うーん、まだです」の繰り返し。この問答をリピートしながら、息子が9年生の時、ようやく「そろそろ抜けると思う」とドクターからOrthodontistへの紹介状をゲットしました。

2.どこで抜いてくれるの?

アメリカで親知らずを抜く場合、一般のGeneral Practice的な歯医者では対応できません。そのため、Orthodontist(オーソドンティスト)と呼ばれる専門医のクリニックへ行きます。

おそらく紹介状がなくても行けるのかもしれませんけれど、多くはかかりつけの歯医者から紹介状をもらって来院している人ばかりでした。

歯医者が専門医を紹介してくれる場合、自分が加入している保険が適用されるかどうかを確認してから紹介してくれることもあれば、患者の健康保険の適用有無に関係なく、その歯医者が提携している専門医を紹介してくれることもあります。

息子が通っていた歯医者はとても親切で、健康保険が適用される専門医をいくつかピックアップしてくれました。その中からおすすめの医者を聞いて、そこへアポを取りました。

3.基本は全身麻酔で一気に4本

Orthodontistでは、初回にカウンセリングを行い、レントゲンをチェックしてから当日の注意事項などを聞き、施術日の予約を取ります。この時、費用がいくらになるかも聞いて、施術日に支払うという流れでした。

カウンセリングの時には、施術後に飲む抗生物質や化膿止めみたいなお薬の処方箋もすべてもらえます。それを事前にそろえておけば、施術の後はすぐ帰宅できて効率的というわけですね。

息子はハイスクールでまだ車の免許を持っていなかったので、当然ですが私が送迎をしました。しかし全身麻酔で歯を抜くので、運転できる子でもこの日は送迎が必須です。事前に医師から「自分で運転してきても帰れません。送迎のドライバーが必要です」と言われました。

親知らずを抜歯する間、私は待合室で待っていました。かかった時間は、どのぐらいでしょうか、1時間ちょっとぐらいではなかったかと思います。スマホと充電用のバッテリーも持参したので、私はとても快適な待ち時間を過ごすことができました。

4.気になるのはやはりコレ。費用はいくらかかる?

息子が抜歯したときには、他にも親知らずの抜歯に来ていた人がいました。

皆さん一律料金ではなく、数百ドルぐらいの料金差はありました。もしかしたら、親知らずがどんなふうに生えているか、によって費用が違うのかもしれません。

ちなみに息子が支払った料金は、4本で2,100ドルでした。これが安いのか高いのかは、私にはわかりません。でもほぼ根っこのみの親知らずなので、抜きづらいということはなかったと思います。なので、おそらく安い方ではないでしょうか。

でも私が日本で健康保険を使って親知らずを抜いた時には、1本たぶん1,500円ぐらいでした。日本と比較したら当然ですが、信じられないほど高額ですね。

アメリカの歯科治療: 高額な理由と保険選び

アメリカに来ると、とにかく医療費が高額というイメージが強すぎて、医者にかかることもためらってしまう人は多いですよね?確かに、アメリカの医療は日本と比べると比較できないほど高額ですが、その中でも歯医者は別格です。ここでは、アメリカの歯医者にかかると、どのぐらいの費用がかかるのか、そして歯医者で治療を受ける方法などをご紹介します。

目次

  1. アメリカの歯科治療は高額?
  2. アメリカでの歯医者の見つけ方
  3. 歯科治療はどのように進む?
  4. 歯科治療の相場はどのぐらい?
  5. 歯科保険の選び方
  6. アメリカの歯医者はココがすごい!

1.アメリカの歯科治療は高額?

アメリカで歯科治療を受ける際には、まず最初に、健康保険で歯科治療がカバーされているかどうかをチェックすることから始めましょう。日本では、健康保険に加入していれば、内科でも外科でも歯科でも、基本的にはリーズナブルな料金で治療を受けられます。しかしアメリカでは、健康保険の中に歯科プランが含まれていない場合があるので、要注意です。

この場合には、まずは歯科保健に加入した上で歯医者に行くことを、強くお勧めします!

加入している健康保険に歯科プランがあるかを確認する方法

健康保険は、プランごとにどこまでカバーされるかが異なります。歯科治療でも、チェックアップやクリーニングなどの予防歯科分野ならカバーするけれど、後はしないというプランもありますし、歯科治療は全くカバーしないというプランもあります。

確認する方法としては、加入している健康保険の会社に電話をして確認するか、それともホームページで紹介されているプランのBenefitを確認するという方法が良いでしょう。

ガッカリ、歯科はカバーされていなかった。どうする?

もしも加入している健康保険でしか治療がカバーされていない場合には、どうしたら良いのでしょうか?方法は3つあります。

  • 加入している健康保険のOpen Season(11月ごろ)まで待ってから、歯科プランを追加する
  • 個人で歯科保険を購入する
  • 自費でそのまま治療する

ちなみに、自費でそのまま治療することは、おすすめしません。信じられないほど高額な治療費になってしまいます。

うちは駐在。大丈夫だよね?

駐在でも、保険会社のプランによっては歯科治療がカバーされていないというケースは少なくありません。手厚い保険を会社が選んでくれているはず、だと過度の期待をせずに、まずはBenefitをチェックしましょう。

2.アメリカで歯医者を見つける方法

アメリカには、たくさんの歯医者があります。しかし、歯医者ならどこに行っても良いというわけではありません。健康保険プランのネットワークごとに、ネットワーク対象となる歯医者と、そうでない歯医者とがあります。

自分が通えるネットワーク内の歯医者を見つけるためには、健康保険のホームページもしくはアプリを使い、dentist(歯医者)を検索して見つけます。歯医者と言っても、口腔内手術を行えるOrthodontistなどもいますが、チェックアップや虫歯治療、歯周病治療などは、General DentistなどでOKです。

歯医者を見つけたら、いよいよ電話で予約を入れます。日本でも歯医者は予約制が多いですが、それでも緊急の時にはアポなしでも来院すれば受診できますよね。

しかしアメリカでは、アポがなければ見てもらえない可能性が大です。そのため、まずは電話で予約を入れてください。緊急の場合には、いかに緊急なのかを電話で訴えれば、できるだけ早い時間や日時に予約を入れてもらうことができるかもしれません。

電話予約をする際には、どんな目的で受診したいのかという質問をされるほか、健康保険の種類についても確認されます。ここで、うっかりネットワーク外の歯医者だと、「その保険はうちで取り扱っていませんよ」と教えてくれます。

3.歯科治療はどのように進む?

クリニックによって、多少の順番は違うかもしれませんが、簡単な流れをご紹介しますね。

クリニックに来院してチェックイン

クリニックにいったら、受付で名前とアポの時間を告げて、チェックインします。これは、日本と同じですよね。この時、初診だと、健康保険証のコピーを取ることが多いので、提示を求められます。2回目以降は、「健康保険は前回と同じですか?」と聞かれ、同じなら再コピーは必要ありません。

一般的なクリニックだと、受付する時にCo-Payを徴収されるところも多いのですが、歯科の場合にはCo-Payシステムが少ないからでしょうか。受付時に徴収される歯医者は、ほとんどありませんね。

まずは歯科助手がお口の中をクリーニング

アメリカの歯医者は、完全個室というわけではありませんが、患者同士が顔をあわせずに済むような個室のようなスペースになっています。そこへ通されると、まずは歯科助手がやって来て、レントゲンを撮るなど、必要な作業を行います。

その上で、医師が診察しやすいように、お口の中をクリーニングしてくれます。日本のクリーニングだと、超音波を使う所が多いのですが、アメリカはマニュアル式が多いですね。私は個人的に、超音波だとキーという高音で謎の痛みを感じるので、アメリカ式のマニュアルクリーニング、つまり手彫りタイプが好きです。

いよいよ医師が登場

歯科助手がお口の中をある程度綺麗にしてくれたら、医師がやってきます。レントゲンを確認したり、口の中を実際にチェックして、虫歯の有無とか歯周病の有無などを検査してくれます。

もし虫歯や歯周病で治療が必要な場合には、どんな状態のトラブルがあって、どんな治療が必要かという説明を受けた後で、治療にかかる費用の見積もりを出してもらえます。

見積もりの出し方ですが、クリニックが健康保険会社に連絡をして、ざっと見積もりを出すことになります。

そして、治療方針及び見積もりに納得した上で、治療を開始することになります。

ここで注意したいのは、アメリカの歯医者では、見積もりを取って患者が納得してから、治療が始まるという点ですね。なんせ日本よりも歯科治療が高額なので、場合によっては「これ、高いな、今回はちょっと無理」なんてことがあるかもしれません。万が一のトラブルを避けるために、まずはお金の話、治療はその後、なのです。

治療はその日は行わず

歯科検診でトラブルが見つかっても、その場で治療することはまずありません。

多くの場合には、次の予約を取らなければいけません。

その理由は、歯医者は完全予約制で、一人の患者の治療時間が決められているからですね。歯科検診だけのはずだった人に、あれもこれもと治療をしてしまうと、時間がかかって次の患者さんに影響があります。そのため、治療が必要な場合には、治療は次回しましょう、となるわけです。

ちなみに、アメリカの歯医者では、何度通院しても再診料はかかりません。治療の内容に対して費用がかかるので、それを1度に終わらせても、3回に分けても、歯医者が受け取れる治療報酬の金額は同じです。

日本だと、再診料が発生するので、ダラダラと治療を続ける医師もいたりしますよね、アメリカにはそういうモノはないので、治療は基本的に早いです。

4.歯科治療の相場はどのぐらい?

アメリカの歯科治療は、内科や外科に行った時と同じで、健康保険がどこまでカバーしてくれるかによって治療費は大きく変わります。ザックリとした目安とか相場を見ても、日本よりはかなり高額だと感じる人は多いですね。

歯科検診とクリーニング

特に問題がない人でも、6か月に1回は歯科検診とクリーニングを進められます。もしもこれを無保険で行うと、相場としては300ドル~500ドル程度かかることが多いですね。しかし、健康保険が歯科治療をカバーしている場合には、自己負担ゼロとなることが多いです。

しかし近年では、健康保険のカバーが劣悪になりつつあり、クリーニングはカバーするけれどレントゲンはカバーしません、なんてこともあります。

虫歯治療

簡単な詰め物をするだけの虫歯治療だと、保険が適用される銀歯(アマルガム)でも、70ドルぐらいかかります。しかし、銀歯の人気が最低なアメリカでは、健康保険がきかない白色のセラミックを所望する人も多く、この場合には1本あたり150ドル~200ドルぐらいかかります。

神経の根幹治療(Root Canal)

虫歯を放置すると、やがては歯の神経にも影響がでて、根幹治療が必要になります。この場合、保険を使っても200ドル~500ドルぐらいかかりますが、無保険だと、治療費は2500ドル~ということが多いです。

歯周病によるディープクリーニング

歯周病の治療としては、スケーリングと呼ばれるディープクリーニングを行うのが一般的ですよね。これは、歯と歯茎の間の隙間をスッキリクリーニングするという治療で、麻酔をかけて行います。かかる治療費は、上下左右のスケーリングで、700ドル~900ドルぐらいが相場となります。

5.歯科保険の選び方

歯科保険商品を選ぶ際には、どんな点に注意して比較検討したら良いのでしょうか?

Deductible(年間の免責額)

歯科保険にも、Deductibleはあります。Deductibleとはつまり、健康保険を適用する前に自己負担として払わなければいけない金額ということです。

例えば、Deductibleが1000ドルの歯科保険だとしましょう。ルートカナル2500ドルという治療をすると、まず自己負担分の1000ドルに関しては、支払いが確定します。そして、残りの1500ドルに対して、保険の適用率に応じた額がカバーされます。もしもルートカナルの適用率が80%だとすると、自己負担分は

Deductibleの分 $1,000

保険適用分($1,500分のうちの自己負担)300ドル

合計の支払額 $1,300ドル となります。

お口の中に自信がある人なら、このDeductibleの額が高めの保険を選んで毎月の保険料を安く抑えるという方法もありますが、年に2回の歯科検診が無料になる保険プランを選ぶのが得策です。

歯科保険を安く抑えるコツ

歯科保険を少しでも安く抑えるためには、既に加入している健康保険に、歯科保険の特約が付いていないかを調べてみてください。独立した歯科保険を個人で購入するよりも、健康保険の特約としてつける方がリーズナブルになることが多いです。

また、保険会社の中には、異なるDeductibleのプランを複数ラインナップしている所もあります。毎月の保険料が高くなれば、やはりカバー率も良くなるわけですが、お口の中の状態によって歯科保険のニーズは変わりますよね。そのため、自分にとって最もリーズナブルな保険を選びたいものです。

6.アメリカの歯医者はココがすごい!

アメリカの歯医者は、日本の歯医者とは大きく違う点がたくさんあります。

麻酔フレンドリー

アメリカの歯医者は、患者の痛みに対してとても良心的です。「何となく痛い気がする」というわずかな痛みでも、より強力な麻酔をしてくれます。ただし、強い麻酔になると、そのあと半日、顔が麻酔で動かない、なんてこともあるので注意してくださいね。

また、痛みに対して恐怖心がある人には、笑気ガスを使ってくれます。ただし、このガスは神経をリラックスさせるものなので、痛みを取り除く作用はありません。

テレビ付きの歯医者が多い

完全個室タイプの治療スペースがある歯医者では、患者の目の前にテレビが設置されていて、治療中には視聴できるところもあります。ただし、映画などは放送されてはおらず、基本的には地上波やケーブルテレビでやっているニュース系を流しています。チャンネルを変えてほしいというリクエストにも、応じてもらえます。

通院回数が少ない

上記した通り、アメリカの医療機関には、再診料という概念がありません。一つの治療に対して費用がかかるので、1回で治療を終わらせても3回に分けても、医師が受け取る報酬は同じなのです。それなら、1回で治療を終わらせた方が、医師にとっては効率的ですよね。

患者にとっても、少ない通院回数で治療が終わることは、大きなメリットがあります。

待ち時間が少ない

完全予約制、アポなし患者は受診不可、となっている空でしょうか。アメリカの歯科クリニックは、基本的に待ち時間はかなり少なめです。受付に座っている人も1人とか2人ぐらいですね。

アメリカの歯医者は高額!?

アメリカに来ると、とにかく医療費が高額というイメージが強すぎて、医者にかかることもためらってしまう人は多いですよね?確かに、アメリカの医療は日本と比べると比較できないほど高額ですが、その中でも歯医者は別格です。ここでは、アメリカの歯医者にかかると、どのぐらいの費用がかかるのか、そして歯医者で治療を受ける方法などをご紹介します。

目次

  1. アメリカの歯科治療は高額?
    • 加入している健康保険に歯科プランがあるかを確認する方法
    • ガッカリ、歯科はカバーされていなかった。どうする?
    • うちは駐在。大丈夫だよね?
  2. アメリカでの歯医者の見つけ方
  3. 歯科治療はどのように進む?
    • クリニックに来院してチェックイン
    • まずは歯科助手がお口の中をクリーニング
    • いよいよ医師が登場
    • 治療はその日は行わず
  4. 歯科治療の相場はどのぐらい?
    • 歯科検診とクリーニング
    • 虫歯治療
    • 神経の根幹治療(Root Canal)
    • 歯周病によるディープクリーニング
  5. 歯科保険の選び方
    • Deductible(年間の免責額)
    • 保険を安く抑えるコツ
  6. アメリカの歯医者はココがすごい!
    • 麻酔フレンドリー
    • テレビ付き歯医者が多い
    • 通院回数が少ない
    • 待ち時間が少ない
※写真はイメージです

1.アメリカの歯科治療は高額?

アメリカで歯科治療を受ける際には、まず最初に、健康保険で歯科治療がカバーされているかどうかをチェックすることから始めましょう。日本では、健康保険に加入していれば、内科でも外科でも歯科でも、基本的にはリーズナブルな料金で治療を受けられます。しかしアメリカでは、健康保険の中に歯科プランが含まれていない場合があるので、要注意です。

この場合には、まずは歯科保健に加入した上で歯医者に行くことを、強くお勧めします!

加入している健康保険に歯科プランがあるかを確認する方法

健康保険は、プランごとにどこまでカバーされるかが異なります。歯科治療でも、チェックアップやクリーニングなどの予防歯科分野ならカバーするけれど、後はしないというプランもありますし、歯科治療は全くカバーしないというプランもあります。

確認する方法としては、加入している健康保険の会社に電話をして確認するか、それともホームページで紹介されているプランのBenefitを確認するという方法が良いでしょう。

ガッカリ、歯科はカバーされていなかった。どうする?

もしも加入している健康保険で歯科の治療がカバーされていない場合には、どうしたら良いのでしょうか?方法は3つあります。

  • 加入している健康保険のOpen Season(11月ごろ)まで待ってから、歯科プランを追加する
  • 個人で歯科保険を購入する
  • 自費でそのまま治療する

ちなみに、自費でそのまま治療することは、おすすめしません。信じられないほど高額な治療費になってしまいます。

うちは駐在。大丈夫だよね?

駐在でも、保険会社のプランによっては歯科治療がカバーされていないというケースは少なくありません。手厚い保険を会社が選んでくれているはず、だと過度の期待をせずに、まずはBenefitをチェックしましょう。

2.アメリカで歯医者を見つける方法

アメリカには、たくさんの歯医者があります。しかし、歯医者ならどこに行っても良いというわけではありません。健康保険プランのネットワークごとに、ネットワーク対象となる歯医者と、そうでない歯医者とがあります。

自分が通えるネットワーク内の歯医者を見つけるためには、健康保険のホームページもしくはアプリを使い、dentist(歯医者)を検索して見つけます。歯医者と言っても、口腔内手術を行えるOrthodontistなどもいますが、チェックアップや虫歯治療、歯周病治療などは、General DentistなどでOKです。

歯医者を見つけたら、いよいよ電話で予約を入れます。日本でも歯医者は予約制が多いですが、それでも緊急の時にはアポなしでも来院すれば受診できますよね。

しかしアメリカでは、アポがなければ見てもらえない可能性が大です。そのため、まずは電話で予約を入れてください。緊急の場合には、いかに緊急なのかを電話で訴えれば、できるだけ早い時間や日時に予約を入れてもらうことができるかもしれません。

電話予約をする際には、どんな目的で受診したいのかという質問をされるほか、健康保険の種類についても確認されます。ここで、うっかりネットワーク外の歯医者だと、「その保険はうちで取り扱っていませんよ」と教えてくれます。

3.歯科治療はどのように進む?

クリニックによって、多少の順番は違うかもしれませんが、簡単な流れをご紹介しますね。

クリニックに来院してチェックイン

クリニックにいったら、受付で名前とアポの時間を告げて、チェックインします。これは、日本と同じですよね。この時、初診だと、健康保険証のコピーを取ることが多いので、提示を求められます。2回目以降は、「健康保険は前回と同じですか?」と聞かれ、同じなら再コピーは必要ありません。

一般的なクリニックだと、受付する時にCo-Payを徴収されるところも多いのですが、歯科の場合にはCo-Payシステムが少ないからでしょうか。受付時に徴収される歯医者は、ほとんどありませんね。

まずは歯科助手がお口の中をクリーニング

アメリカの歯医者は、完全個室というわけではありませんが、患者同士が顔をあわせずに済むような個室のようなスペースになっています。そこへ通されると、まずは歯科助手がやって来て、レントゲンを撮るなど、必要な作業を行います。

その上で、医師が診察しやすいように、お口の中をクリーニングしてくれます。日本のクリーニングだと、超音波を使う所が多いのですが、アメリカはマニュアル式が多いですね。私は個人的に、超音波だとキーという高音で謎の痛みを感じるので、アメリカ式のマニュアルクリーニング、つまり手彫りタイプが好きです。

いよいよ医師が登場

歯科助手がお口の中をある程度綺麗にしてくれたら、医師がやってきます。レントゲンを確認したり、口の中を実際にチェックして、虫歯の有無とか歯周病の有無などを検査してくれます。

もし虫歯や歯周病で治療が必要な場合には、どんな状態のトラブルがあって、どんな治療が必要かという説明を受けた後で、治療にかかる費用の見積もりを出してもらえます。

見積もりの出し方ですが、クリニックが健康保険会社に連絡をして、ざっと見積もりを出すことになります。

そして、治療方針及び見積もりに納得した上で、治療を開始することになります。

ここで注意したいのは、アメリカの歯医者では、見積もりを取って患者が納得してから、治療が始まるという点ですね。なんせ日本よりも歯科治療が高額なので、場合によっては「これ、高いな、今回はちょっと無理」なんてことがあるかもしれません。万が一のトラブルを避けるために、まずはお金の話、治療はその後、なのです。

治療はその日は行わず

歯科検診でトラブルが見つかっても、その場で治療することはまずありません。

多くの場合には、次の予約を取らなければいけません。

その理由は、歯医者は完全予約制で、一人の患者の治療時間が決められているからですね。歯科検診だけのはずだった人に、あれもこれもと治療をしてしまうと、時間がかかって次の患者さんに影響があります。そのため、治療が必要な場合には、治療は次回しましょう、となるわけです。

ちなみに、アメリカの歯医者では、何度通院しても再診料はかかりません。治療の内容に対して費用がかかるので、それを1度に終わらせても、3回に分けても、歯医者が受け取れる治療報酬の金額は同じです。

日本だと、再診料が発生するので、ダラダラと治療を続ける医師もいたりしますよね、アメリカにはそういうモノはないので、治療は基本的に早いです。

4.歯科治療の相場はどのぐらい?

アメリカの歯科治療は、内科や外科に行った時と同じで、健康保険がどこまでカバーしてくれるかによって治療費は大きく変わります。ザックリとした目安とか相場を見ても、日本よりはかなり高額だと感じる人は多いですね。

歯科検診とクリーニング

特に問題がない人でも、6か月に1回は歯科検診とクリーニングを進められます。もしもこれを無保険で行うと、相場としては300ドル~500ドル程度かかることが多いですね。しかし、健康保険が歯科治療をカバーしている場合には、自己負担ゼロとなることが多いです。

しかし近年では、健康保険のカバーが劣悪になりつつあり、クリーニングはカバーするけれどレントゲンはカバーしません、なんてこともあります。

虫歯治療

簡単な詰め物をするだけの虫歯治療だと、保険が適用される銀歯(アマルガム)でも、70ドルぐらいかかります。しかし、銀歯の人気が最低なアメリカでは、健康保険がきかない白色のセラミックを所望する人も多く、この場合には1本あたり150ドル~200ドルぐらいかかります。

神経の根幹治療(Root Canal)

虫歯を放置すると、やがては歯の神経にも影響がでて、根幹治療が必要になります。この場合、保険を使っても200ドル~500ドルぐらいかかりますが、無保険だと、治療費は2500ドル~ということが多いです。

歯周病によるディープクリーニング

歯周病の治療としては、スケーリングと呼ばれるディープクリーニングを行うのが一般的ですよね。これは、歯と歯茎の間の隙間をスッキリクリーニングするという治療で、麻酔をかけて行います。かかる治療費は、上下左右のスケーリングで、700ドル~900ドルぐらいが相場となります。

5.歯科保険の選び方

歯科保険商品を選ぶ際には、どんな点に注意して比較検討したら良いのでしょうか?

Deductible(年間の免責額)

歯科保険にも、Deductibleはあります。Deductibleとはつまり、健康保険を適用する前に自己負担として払わなければいけない金額ということです。

例えば、Deductibleが1000ドルの歯科保険だとしましょう。ルートカナル2500ドルという治療をすると、まず自己負担分の1000ドルに関しては、支払いが確定します。そして、残りの1500ドルに対して、保険の適用率に応じた額がカバーされます。もしもルートカナルの適用率が80%だとすると、自己負担分は

Deductibleの分 $1,000

保険適用分($1,500分のうちの自己負担)300ドル

合計の支払額 $1,300ドル となります。

お口の中に自信がある人なら、このDeductibleの額が高めの保険を選んで毎月の保険料を安く抑えるという方法もありますが、年に2回の歯科検診が無料になる保険プランを選ぶのが得策です。

歯科保険を安く抑えるコツ

歯科保険を少しでも安く抑えるためには、既に加入している健康保険に、歯科保険の特約が付いていないかを調べてみてください。独立した歯科保険を個人で購入するよりも、健康保険の特約としてつける方がリーズナブルになることが多いです。

また、保険会社の中には、異なるDeductibleのプランを複数ラインナップしている所もあります。毎月の保険料が高くなれば、やはりカバー率も良くなるわけですが、お口の中の状態によって歯科保険のニーズは変わりますよね。そのため、自分にとって最もリーズナブルな保険を選びたいものです。

6.アメリカの歯医者はココがすごい!

アメリカの歯医者は、日本の歯医者とは大きく違う点がたくさんあります。

麻酔フレンドリー

アメリカの歯医者は、患者の痛みに対してとても良心的です。「何となく痛い気がする」というわずかな痛みでも、より強力な麻酔をしてくれます。ただし、強い麻酔になると、そのあと半日、顔が麻酔で動かない、なんてこともあるので注意してくださいね。

また、痛みに対して恐怖心がある人には、笑気ガスを使ってくれます。ただし、このガスは神経をリラックスさせるものなので、痛みを取り除く作用はありません。

テレビ付きの歯医者が多い

完全個室タイプの治療スペースがある歯医者では、患者の目の前にテレビが設置されていて、治療中には視聴できるところもあります。ただし、映画などは放送されてはおらず、基本的には地上波やケーブルテレビでやっているニュース系を流しています。チャンネルを変えてほしいというリクエストにも、応じてもらえます。

通院回数が少ない

上記した通り、アメリカの医療機関には、再診料という概念がありません。一つの治療に対して費用がかかるので、1回で治療を終わらせても3回に分けても、医師が受け取る報酬は同じなのです。それなら、1回で治療を終わらせた方が、医師にとっては効率的ですよね。

患者にとっても、少ない通院回数で治療が終わることは、大きなメリットがあります。

待ち時間が少ない

完全予約制、アポなし患者は受診不可、となっているからでしょうか。アメリカの歯科クリニックは、基本的に待ち時間はかなり少なめです。受付に座っている人も1人とか2人ぐらいですね。