修学旅行が地獄の経験になった息子の話【修学旅行・後編】

修学旅行へ行くまでの経緯については、前回のブログでご紹介しました。

修学旅行の前編はこちらから

ミドルスクールの最後に出かける修学旅行。息子もワクワクしながら出かけていきました。出かける時には、まさか地獄のような経験になってしまうとは、彼自身も、そして私も夫も全く予想していませんでした。

目次

  1. 1週間前に風邪を引いた
  2. クソエアコンで一気に悪化
  3. 病気でも団体行動
  4. 帰宅してようやく回復
  5. それも素敵な思い出

1.1週間前に風邪を引いた

修学旅行の1週間前、息子は雨の中、フットボールのトーナメントに参加しました。それほど寒かったわけではないのですが、ほぼ1日中疲れながら雨に打たれていたせいで、息子は風邪をひいてしまいました。

それほどひどかったわけではなく、鼻水が出る程度だったのですが、1週間後に旅行を控えていたため、真剣に薬を飲ませて治しました。そのおかげで、旅行に出る時には、まあ大丈夫だろう、ぐらいまで回復しました。

2.クソエアコンで一気に悪化

woman lying on bed while blowing her nose

フロリダ初日は、あいにくの雨でした。アメリカで生活している人ならお分かりですね。そうです。アメリカでは、子供たちは雨が降っていても傘なんてささないのです!お土産ショップで購入したキャップをかぶり、雨の中をビッショリになって1日を過ごしたそうです。

そしてテーマパークから宿泊しているホテルまでのバスの中、息子はあろうことか、エアコンが直撃する激寒な席に座ったのです。

体調が完全に回復していない状態でそんなことをすれば、大人ならどんな悲惨な状態になるか、簡単に想像できると思います。しかし、そうした危機管理能力がゼロに限りなく近い息子は、寒いと凍えながらも濡れている服でエアコンの風を浴び続け、見事に翌朝には高熱を出しました。

3.病気でも団体行動

体調が悪いならホテルで薬飲んで寝ていればよいのでは?と思うかもしれません。しかし残念ながら、修学旅行は団体行動なので、そんなことは認められていません。どんなに体調が悪くてもホテルに残ることは許可されず、テーマパークまで連れていかれました。

ちなみに、息子と同じく体調を崩した子はもう一人いたそうです。

引率した先生の計らいによって、息子たちはアトラクションに乗らず、園内にあるその辺のカフェで一日中薬を飲みながらぐったりとしていたそうです。

はい、それが毎日続きました。

私たちは、先生から3日目ぐらいの時に連絡をもらいました。どうやら親の承諾が必要な薬を与えても良いかという許可が欲しかったそうです。私はその先生のことを信頼していた(フットボールのヘッドコーチでした)ので、先生の判断で必要な処置をしてくださいと伝えました。

4.帰宅してようやく回復

close up photo of medicinal drugs

楽しいフロリダ旅行のはずだったのに、息子はずっと高熱にうなされながら1週間を過ごしたようです。本人曰く、「マジでヤバいと思った」とのこと。

帰宅した翌日に、息子をUrgent Careへ連れて行きましたが、インフルエンザではなく、風邪がぶり返して悪化したのだろうという事でした。しかも、高熱で死にそうなのに薬は出ず、「ドラッグストアに売ってる解熱剤を飲ませて、オレンジジュースをたくさん飲んでください」と言われました。

5.それも素敵な思い出

帰宅して風邪を完治してからは、息子は楽しめなかったことが残念で仕方なかったようでした。しかし、あれから数年たった今では、そんなことも素敵な思い出として胸の中にあるようです。

子供の時の思い出は、良いものも悪いものも、あとから振り返ると全部「素敵な思い出」となるのですね。

アメリカのペットファーストはどこまで?安楽死で私が感じたこと。

私は数年前、10年間一緒に暮らしていたワンコ様を安楽死で見送りました。生後8週間程度でお迎えしてから最期まで、息子様の弟分として大切に育ててきたのですが、9歳の時に糖尿病を患ってしまい、色々と手を尽くしたものの治療の効果が表れず、最後は安楽死というつらい決断をしました。ここでは、その治療の過程で感じたことをご紹介します。

突然の糖尿病

私のワンコ様は、9歳の頃に尻尾にできた大きな脂肪種を除去する手術を受けた直後、糖尿病という事が分かりました。

糖尿病はある日突然発症する病気ではありません。おそらく、それまでは全く症状が出ることなく生活していたところ、手術をきっかけにして体のバランスが崩れ、症状が出てきたのでしょう。

ある日私が帰宅すると、廊下一面に大量のオシッコをしていたのです。本人は申し訳なさそうにしていましたが、そんなこともあるだろうと私は後始末をしました。その時に、オシッコの臭いが普段とは違い、甘い香りがしたのです。もしやと思ったのが始まりでしたね。

病院へ連れて行くと、案の定、糖尿病だと診断されました。しかもその時には、血糖値がすでにとても高い状態で、すぐにインスリンの注射が必要だと言われました。

治療効果、ゼロ

person holding a syringe

犬の糖尿病には、本来はペット用のインスリンを注射します。打つ量は血糖値によって変わるのですが、私のワンコ様はすでに血糖値が測定不能な状態だったため、ボトル1本を1週間で使い果たすほどの量をうたなければいけませんでした。お金のことを言うのは少し気が引けますが、その動物病院ではボトル1本60ドル。ペット保険に加入していなかったため、全額が自腹でした。

ただインスリンを打つわけではありません。血糖値が安定しないので、週に1度病院へ行き、治療効果をチェックしに行きました。半日預かって様子を見るはずなのですが、いつも30分程度で連絡が来て、測定不能だから半日預かっても意味がないと言われるのです。この治療費、足を運ぶたびに200ドルかかりました。

糖尿病と診断されてから半年後、夫の異動で私たちは引っ越すことになり、ワンコ様の病院も転院となりました。

新しい病院で事情を説明した所、ペット用のインスリンではなく人間用のインスリンを使いましょうと、治療方針が変わりました。ヒューマン用インスリンは保険ナシでボトル1本30ドル程度でした。

引っ越してから3か月目、安定する気配すらない血糖値を測定するために週1で通う治療は、辞めました。経済的な負担が大きくなってきたこともありましたが、行くたびに針を刺されて血液を採られるワンコ様のストレスが大きくなってきたことが、大きな理由です。その変わり、3か月ごとに受診して、そのほかの部分をチェックしていきましょうという方針に変わりました。

肝臓も腎臓も機能していない

糖尿病を発症してから1年たったころ、ある日突然、ワンコ様が脳梗塞らしきものに襲われました。本人はつらそうに両眼を閉じた状態で、じっと動きません。すぐに病院で検査した所、肝臓と腎臓どちらも機能していないことが分かりました。

私もそれなりの覚悟を持って病院に行ったのですが、医師からは安楽死をすすめられました。

本人が苦しむなら安楽死で楽にしてやりたい、というのが私の気持ちでした。しかし、夫や息子も見送りたいだろうと思ったので、その場で「ですよね」とワンコ様を見送ることはできません。家族に相談する時間が必要だと伝え、強力な鎮痛剤を処方してもらい、帰宅しました。

すると、奇跡が起きたのです。

ワンコ様がその夜、目を開けて普段通りに活動し始めました。

本人は何事もなかったかのように元気にしているし、食欲もあるため、家族で話し合った結果、本人がつらくないならこのまま共に生活しようという結論に至りました。でもカウントダウンな状態であることは、家族全員で共通の認識となりました。

医師から電話

翌朝、心配してくださった医師から直接電話がありました、私は事情を説明し、痛そうにしていないので様子見で行くと伝えました。

医師からは、強く安楽死をすすめられました。最も大切なのは人間のQOLであり、ペットが最高の友でいられなければ、安楽死は妥当な決断だというのが、彼女の意見でした。

しかしその時には、ワンコ様は食欲もあり、正常なうんちもしていたので、私たちは、今回は安楽死はさせないという意思決定をしました。

ついにその日が

little dog sitting in light studio

それから2か月後、ワンコ様の体調が急変しました。体調がとても悪かったのでしょう、食欲もなく水も飲みません。心細いらしく、ずっと膝の上で寝ていました。1日様子を見ましたが、事態は改善するどこか悪化していくようでした。

その夜、深夜1時にワンコ様がトイレに行きたいというので、一緒に庭へ出ました。その時のワンコ様の便を見て、最期だと思いました。

朝いちばんで病院に行くと、安楽死の一択でした。この時は本人がとてもつらそうにしているので、人間の勝手な都合で先延ばしにするのはかわいそうだと思い、病院の待合室から夫と息子に連絡し、その日の午後に見送ることにしました。

私は日本でのペット安楽死がどうなっているのかは、分かりません。しかしアメリカでは、少なくても我が家のワンコ様が通っていた動物病院では、安楽死に対してはフレキシブルに対応でした。手術が詰まっていた医師のスケジュールのわずかな隙間に予約を入れてもらい、家族全員で見送ることができました。そうした対応には、今でもとても感謝しております。

焼骨や埋葬などのオプションについても、すべて動物病院で対応してもらえました。

1週間後、動物病院へ遺骨を引き取りに行くと、どうやら葬儀屋のサービスらしいのですが、遺骨が入った骨壺には名前が刻まれており、石膏で取った手形にも、ワンコ様の名前が刻まれていました。

安楽死を通して感じたこと

ペットという家族の安楽死を通して、私はいろいろなことを感じました。

日常生活においては、ペットは家族です。ショップやレストランへの入店が認められている所は多いですし、大型犬でも室内で生活します。アメリカでは、雪が降る寒い時期にペットを数時間以上外に放置したり、暑い季節の車内にペットを放置したら、飼い主が逮捕されます。

しかし病気などを発症すると、アメリカでは安楽死という選択肢がとても身近なところに浮上します。

もしかしたらそれは、人間だけでなくペットの医療費も高いことが理由なのかもしれませんし、人間のQOLを最優先するという価値観からくるものなのかもしれません。ペットがつらい思いをする前の元気なうちに旅立たせようという思いやりなのかもしれません。

私は子供の頃にヨークシャ・テリアを飼っていました。当時は安楽死という選択肢はなく、体が不自由になってもずっと母がお世話していて、彼の最期は18歳での大往生でした。それが幸せだったのかどうかは、母とワンコ様にしか分からないと思います。でも現代のアメリカでは、大往生を迎えられるペットは意外と少ないのかもしれませんね。

最悪?アメリカで病気になったらどうする?独身は必見!

同居している家族がいても、風邪やインフルエンザになると、とってもつらいものです。そんな状態がもし、アメリカで、頼める友人もいない環境で起こったとしたら?今回は、アメリカで病気になってしまい、布団から出れなくなった時の解決策をご紹介します。

目次

  1. まず最初にする事
  2. 薬はどこでゲットする?
  3. 食事はどうすれば良い?
  4. どのタイミングで医者に行けばよい?
    • アポが不要のUrgent Care
    • 夜間ならERへ行くべし
  5. 利用できる?Tele Visit

1.まず最初にする事

頼れる人がいないアメリカで体調が悪くなってしまったら、まず最初にする事は、安静にすることです。できるだけ悪化するのを防ぐために、シャワーなんて省略して、ベッドへ直行してください

私の個人的なおすすめは、必要な薬最初に飲むことです。熱があるなら解熱剤を飲んでから寝る。それと、水もできるだけたっぷり飲んでおくことをおすすめします。

もしも翌日に、会社や学校へ連絡しなければいけない時には、メールやテキストをしたい時間にアラームを設定して、それまでは爆睡しましょう。時間を気にしながら寝ることは、体調が良くない時には難しいですし、そのせいで悪夢にうなされるのもいやですよね。

すぐれない体調の時に頑張ってくれるのは、私達の体内にある免疫力です。しっかり睡眠をとることによって、免疫機能がウィルスや細菌などの感染症と戦ってくれます。

体調が回復するまで何日かかるのかは、誰にも分かりません。しかし、頼れる人がいなくても、必要なものが無理することなく手に入れば、怖いものナシです。

2.薬はどこでゲットする?

thermometer and pills

私が若い頃に一人暮らしをしていた時には、インターネットなどありませんでした。友人に電話して来てもらうのも悪いと思い、体調が少しだけ良い時に、外出して薬を買いに行ったものです。

しかし、昨今のアメリカでは、そんな事をする必要はありません!なぜなら、薬はオンラインで購入すれば良いのです!

注文してから何日も待ちたくない薬は、Amazonがイチオシです。何回も注文するのは大変なので、

  • 解熱剤
  • 風邪薬(咳などの症状を抑えてくれるのでおすすめです)

は少し多めに購入しておきましょう。アメリカの薬は、種類によっては4時間ごととか6時間ごとの摂取となるものが多く、小さなパッケージではあっという間に使い切ってしまいます。そのため、少し多め、もしくは大きめのパッケージを買うのがおすすめです。

3.食事はどうすれば良い?

体調が悪いと、食欲がゼロとなってしまう人は多いですよね。しかし、体内の免疫力がウィルスや細菌と戦って勝利を収めるためには、体内に最低限の栄養を補給する作業は必要です。水だけを飲んでいるよりは、オレンジジュースのようにビタミンCがたっぷり入ったジュースを飲むことをおすすめします。

冷蔵庫に入っていない時には、最寄りのスーパーやウォルマート、ターゲットなど自宅まで配達してくれる店を利用して、自宅まで持ってきてもらいましょう。送料や手数料は割高ですが、背に腹は代えられません。

何を注文すれば良いかというと、

  • オレンジジュース(冷蔵庫で冷やすフレッシュなタイプがオススメ)
  • チキンスープ(缶タイプでもよし、電子レンジでチンするだけのタイプでも良し)
  • りんご(サッパリして食べやすく、消化も良く、栄養価も高いのでおすすめ)

あたりを注文するのが良いと思います。

orange juice in clear drinking glass
chicken soup dish
board with slices of fresh apples and knife near window

4.どのタイミングで医者に行く?

風邪やインフルエンザの場合には、長くても1週間ぐらい寝ていれば、「体調が悪過ぎて死にそう」な状態は脱出できます。もしも体調が悪いのに無理して外出してしまうと、こじらせて治るものも治らない状態になりかねません。

同居の家族がいれば、医者に言ったほうが良いのかを相談できますが、単身世帯ではそれもできませんよね。

  • 解熱剤を飲んでも死にそうなぐらいに高熱が続く
  • 最悪な痰で鼻も喉もふさがってしまい、呼吸ができない
  • 1週間しても全く体調が良くなる兆しがない
  • 咳をしたり呼吸すると肺が痛い

など、直感で「これはやばい」と感じたら、早い段階で医者に行くことをおすすめします。

アポが不要のUrgent Care

アメリカの病院は、基本的にどこでもアポが必要です。しかし、Urgent Careなら、アポなしで行けます。救急車を呼ぶほどではないけれど、今すぐに受診して安心感と強い薬が欲しいという時には、Urgent Careへ行くのがおすすめです。

Urgent Careは、ERに行くよりもずっとコスト面でリーズナブルです。アポを取って受診した時と同じように、Co-Payのみの支払(HMOプランの場合)で済みます。ERの場合には、費用が別途設定されていて、Co-Payの5倍から10倍ぐらいかかります。

ちなみにUrgent Careは、健康保険のネットワーク内の所を選びましょう。体調が悪すぎてどこがネットワーク内かチェックする気力がないという場合があるかもしれません。そんな時には、加入している健康保険会社のカスタマーサービスへ電話して、「体調が悪いから近くのUrgent Careを教えてくれ」と言えば、教えてくれます。

そうする事すら難しい場合には、お金のことは体調が回復してから心配することにして、最寄りのUrgent Careへ駆け込むという方法も、ありかもしれません。

そうした事態に備えで、私は携帯電話に、最寄りのUrgent Careの電話番号と住所を登録しています。

Urgent Careの注意点

Urgent Careは、アポなしでも来院できて、とても便利です。しかし、多くの場合には診療時間があって、Emergency Roomのように24時間体制で医師が待機しているわけではありません。せっかくタクシーで行っても、診療時間外だと空振りとなってしまいます。もしも可能なら、事前に診療時間を確認することをおすすめします。

夜間ならERへ行くべし

もしも、ヤバイと思ったタイミングが夜間なら、Urgent Careは診療時間外の可能性があります。その場合には、迷うことなくERへ行ってください。ERに行けば、とりあえず24時間体制で医師がいますし、必要な検査を受けることができます。

ERへは、救急車で搬送されても良いですし、マイカーがある人なら運転していってもOKです。

ERの注意点

私はこれまで、ERを何回か利用したことがあります。どれも緊急事態だったのですが、驚いたことは、ERの待ち時間は気が遠くなるほど長い、ということでした。一度、diverticulitis(大腸憩室症)という、腸が詰まって破裂しそうな状態になった夫を連れて、ERに行ったことがありました。その時は、なんと2時間待ち。待合室で待っている人の中には、銃で撃たれて血を流している人などもいました。

おそらく、救急車で大きな病院へ搬送されれば、「命のリスク」という優先順位で見てもらえるのだと思います。しかしマイカーでERへ行った場合はおそらくほとんど、「来院した順番」での診察となります。数時間の待ち時間がある点は、理解しておいた方が良いです。

5.利用できる?Tele Visit

これはコロナ禍においてサービスが急速に拡大したものだと思うのですが、自宅に居ながらZoomや電話で医師や看護師に相談できるというサービスがあります。これは、病院ではなくて保険会社から提供されているもので、24時間体制で看護師が応対してくれるという便利なサービスです。場合によっては薬を処方してくれることもありますが、どこまでのサービスを提供してくれるかは、ケースバイケースです。

体調が良くない時に、あちこち電話をするのは大変です。そのため、そうなる前の段階で、加入している保険会社からどんなサービスが提供されているのかをチェックしておくことをおすすめします。