何じゃこりゃ!信号の黄色が一瞬!

私は夫の仕事でこれまで複数回の転勤をしています。そのため、日常生活の中でも地域ごとの微妙な違いとか差を感じることがよくあります。青信号から赤信号に変わる時に現れる黄色信号も、日本で運転していた時にはほぼ意識したことがありませんでしたけれど、アメリカに来てからは「あれ?」と思うことが増えたものの一つです。

目次

  1. 自治体や州が黄色信号の長さを決めている
  2. 守っていない信号機は多い!
  3. もしかしたら信号機のおかげで交通違反切符がナシになるかも!

1.自治体や州が黄色信号の長さを決めている

車の免許を持っている人なら誰でも知っていることですけれど、黄色信号は、赤になるから止まってくださいというシグナルですよね。目の前の黄色信号を見てから、急ブレーキになることなく安全に停止できるかどうかは、車が走っているスピードによって大きく異なります。そのため一般的には、道路の速度制限に合わせて黄色信号の時間が微調整されています。

黄色信号が最低でも何秒なければいけないというルールや法律は、国全体では決められていません。州ごとにガイドラインがありますが、都市部では州が決めたガイドラインよりもさらに厳しく細かくルールを設定している所もあります。

黄色を短くしたいのはどうして?

黄色信号の時間が短いということは、どういうことか分かりますか?黄色が短い信号機だと、ドライバーが黄色だと思っても実際に信号を横断する時には赤になっている可能性が高くなります。つまり、信号無視の車を取り締まりやすくなるわけですね。

近年の信号機にはテクノロジーが満載なので、信号機に搭載されているセンサーカメラを使えば、より多くのドライバーに交通違反チケットを発行できることになります。

もちろん、それだけが目的というわけではありませんけれど、都市部ではそういう戦略も実際に財源確保の手段となっているようですね。

2.守っていない信号機は多い!

州や自治体が規定しているルールなら、すべての信号機は守らなければいけません。のはずです。しかし実際には、守っていない信号機はとても多いのだそうです。

ちなみに、息子様はニューヨーク州の中でもアップステートと呼ばれる田舎にある大学へ通っています。車も持って行っており、たまに運転することもあります。そんな息子様曰く、アップステートの信号はどれも黄色の時間が異常なまでに短く、まるでサブリミナルかと思うほどなのだとか。

その一方で、私が住んでいるDC周辺では、運転が荒いドライバーがとても多く、週に何件も死亡事故が起こっています。例えば制限速度が65マイルの場所を75マイルで走行した場合、本来なら警官に止められても文句言えない所です。しかし!このエリアでは、10マイル程度の速度オーバーはまるで低速車両の扱いを受け、ひどい時には荒くれ者から中指を立てられることもあります。

死をも恐れないスピード狂ドライバーが多いエリアでは、黄色信号はとても長いです。どのぐらい長いかを感覚的に表現すると、目の前の信号が黄色になったから止まると、止まってからしばらく黄色のままだったりするほどです。

3.もしかしたら信号機のおかげで交通違反切符がナシになるかも!

余談ですが、週や自治体が決めたルールを守らずに黄色信号の時間が短い信号機の場合、そこで「赤信号なのに通行した」という切符をもらったとしても、その切符を無効にすることができます。

これは実際にニュージャージー州で行われた裁判で、州が決めた黄色信号の時間よりも1秒ばかりみじかい設定となっていた信号機の違法性が指摘されました。指摘したのは20代の若者で、彼が違反切符を切られたことに腹を立て、黄色が短すぎるだろと調べたのだとか。結局裁判では信号機が違法行為をしていたとみなされ、交通違反の切符1万枚以上が無効となったのだそうです。

黄色でもイケる!と思わずに止まることが安全のためには必要ですけれど、もしもサブリミナル的な短さの黄色信号のせいで切符を発行されたなら、裁判で戦うという選択肢もあるかもしれません。