近年では、水道水をそのまま美味しくいただく人は、すっかり少なくなりました。首都圏ではあまりおいしくありませんが、地方では今でも、水道水が美味なエリアがたくさんありますよね。アメリカでも、水道水を飲むことはできるのでしょうか?
目次

1.アメリカの水道水は日本と違う?
アメリカで生活している私たちは、難しいことはあまり考えず、水道をひねって出てくる水が美味しければ、そのまま普通に飲んでいます。しかし日本の国土交通省が定める水質基準によると、アメリカの水は、なんと「飲んではいけない水」に分類されています。
ちなみに、水道水を飲んでもOKなのは、ドイツやスイス、フィンランドやスウェーデンなどのヨーロッパ諸国に加え、南アフリカやモザンビークなどのアフリカ諸国、そしてアラブ首長国連邦など、世界でたったの15か国のみです。
その基準は、
- 世界保健機構(WHO)が定める基準値
- 水道法による51項目の水質基準値
- 厚生労働省が決める26項目の管理項目
の全てを満たす国が、全世界で15か国しかないから、ということです。アメリカの水道水は、おそらく厚生労働省が決める項目を満たしていないのだと、私は推測しています。
アメリカの水道水が日本の水と大きく違う点は、2つあります。
フッ素が入っている
アメリカの水道水は、あえて人工的にフッ素を配合しているエリアが多いです。その理由は、後程説明しますね。
フッ素が水道水に入っている国は、アメリカ以外にもたくさんあります。一応、フッ素は化合物なので、どのぐらいの濃度で混入するのが許されているかという点は、各機関ごとに基準が異なります。
- WHOでは水道水1リットル当たり1.5mgまで
- EUでは水道水1リットル当たり2.0mgまで
- EPAでは基準なし
- 日本では水道水1リットル当たり0.8mgまで
という規定があります。意図的にフッ素を混入しているアメリカなので、日本の厳しい基準はクリアできない、いや、あえてしない、という所なのでしょう。
ミネラル分が多い硬水

日本の水は、全国どこでも軟水です。これは、マグネシウムやカルシウムなどのミネラル分をほとんど含まない水ということです。しかしアメリカは、地域によってミネラル分がたくさん含まれているエリア、つまり硬水のエリアがあります。
硬水か軟水かを決める基準は、水1リットルあたりに含まれるミネラル成分の含有量で決まります。硬度120mgを超える場合には硬水に分類されることになります。ちなみに、硬水としてよく知られているヨーロッパの水は、硬度が200~400程度です。
アメリカの水がどのぐらい硬水なのかは、エリアによって大きく違います。ニューヨークは硬度15、サンフランシスコでも硬度30で、ここら辺は軟水ですね。しかし、ラスベガスでは硬度400、フェニックスでは300など、かなり高めの硬度なエリアもあります。
私が現在住んでいるDC近郊も、実は硬水です。どのぐらいの硬度かは、きっと水道局のホームページを何回も熟読すれば、きっと隅の方に小さく表記されていると思いますけれど、一度も調べたことはありません。
しかし日常生活の中でも、硬水のせいでお掃除が結構大変なので、硬水である実感はあります。例えば、シャワーヘッドにミネラル成分が詰まるので、3年に1回はパーツを交換する必要があります。それに、お風呂場のガラスについた水垢にもミネラル成分が含まれていて、専用の洗剤を使わなければ擦っても汚れが取れません。
2.アメリカの水だって頑張ってる!

日本の水質基準からすると、アメリカの水は「飲んではいけない水」です。しかしアメリカからすると、「日本の基準が厳しすぎるだけ」なのです。
アメリカにも、水質基準は設けられています。検査項目は300もあって、実は日本の検査項目よりもはるかに多いのです。フッ素に関しては、とても緩い基準ですが、アメリカの水では新種の細菌なども検査対象となっているので、人間が飲んでも大丈夫かと聞かれると、答えはYESです。
私はもうアメリカ生活20年以上なので、お腹はすっかりアメリカ仕様となっています。水道水をそのまま飲んでも、お腹を壊すなんてことはありません。でもこれは、渡米したばかりの人でも安全だと思いますよ。渡米したばかりの人が「水を飲んでお腹を壊した」という話は、今まで聞いたことがありません。なので、フッ素が入り過ぎていて怖い!という人は、水道水は飲まない方が良いかもしれませんけれど、フッ素なんて怖くないという人なら、問題なく飲んでも平気です。
3.水道水に入っているフッ素って安全なの?
アメリカの水道水は、硬水か軟水かにかかわらず、人工的にフッ素を添加している所がとても多いです。「何それ??安全なの?」と思う人もいるでしょう。しかし、フッ素の役割りが分かると、「ぜひフッ素が入っているエリアに住みたい」と思うかもしれません。私自身、日本で育ったので虫歯は珍しいものではなく、これまで虫歯と仲良く付き合ってきました。しかしアメリカ育ちの息子は、なんとテキトーな歯磨きしかしていないにもかかわらず、虫歯がゼロ。歯医者いわく、できる気配すらないのだとか。
そうなのです。フッ素は、虫歯と大きな関係があります。水道水にフッ素が入ることで、虫歯予防効果があるというわけなんですね。
ドラッグストアで販売されている歯磨き粉やマウスウォッシュを見てみてください。フッ素入り、って書いてある商品があると思います。そのフッ素が、アメリカの水道水に入っているフッ素なのです。
歯医者をしている知人の話では、集団検診で最初の10人を見れば、その町の水道水にフッ素が入っているかどうかが分かる、のだそうです。そこまではっきりとした違いがあるわけですね。
4.フッ素のメリットとデメリット

アメリカでは、なんと1950年代から虫歯予防の一環として、水道水に適量のフッ素を混入しています。水道水にフッ素が入っていることで得られるメリットは、
- 虫歯になるリスクを軽減できる
- 水道水なら貧困層でも気軽に飲める→低コストで虫歯予防ができる
があります。
メリットを知ったら、やはり気になるのはデメリットですよね。
- 継続的にフッ素を摂取し続けると、脳神経の酵素をs買いすることで神経機能が低下する→IQが低くなる
- 生殖機能にマイナスの影響があり、男児が生まれやすくなる(都市伝説の域)
などがあるようです。信じるか信じないかは、あなた次第!
5.アメリカでフッ素を取るなら、これがオススメ
私は、自分が虫歯が多かったので、子供には虫歯フリーな人生を、と思って育児をしました。そのため、フッ素入りという商品には目がなく、ここにもフッ素、あれにもフッ素、と「フッ素まみれ」な生活をしたと思います。
上記したフッ素のデメリット、IQが低くなるという点に関しては、そういう実感はありませんね。親ばかかもしれませんが、息子の成績はずっと良かったので、フッ素のせいでこうなった、という実感はないです。
ちなみに、私が利用していたフッ素商品と言えば、
- 子供用フッ素入りミネラルウォーター
- 子供用フッ素入り歯磨き粉
- 子供用フッ素入りマウスウォッシュ
- フッ素入りのガム
などがありました。
ちなみに、これらの商品は、日本でも販売されているものもあると思います。販売されていなければ、アメリカのアマゾンから発送してもらうこともできますよ!